2018/06/06 - 2018/06/09
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tapiocaさん
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出張でアムステルダムに行くことになった。仕事は月・火曜の2日間。
よしっ、どうせならその後イギリスに飛んで、ずっと前から行きたかったキルペックのロマネスク教会を訪ねよう!
そして、ロンドンで大英博物館とナショナルギャラリーを堪能しよう!
仕事の日数よりもイギリスで遊んでた日数の方が多いという、どっちが「ついで」だかわからない旅になりましたが、とりあえず、会社に感謝です。ありがとう、会社!
6月6日(水) アムステルダムからロンドンへ。大英博物館。
6月7日(木) キルペック遠足
6月8日(金) ナショナルギャラリー。夕刻、ヒースローから香港経由で帰途につく。
6月9日(土) 成田空港着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
水曜の朝、アムステルダムからロンドンへ。
アールズコートのホテルに荷物を預けたら、パブで軽く腹ごしらえをし、大英博物館へ向かいます。
最後に大英博物館を訪れたのは5~6年前。当時は正面から堂々と入館できていましたが、セキュリティチェックが厳しくなり、脇の方からセキュリティゲートを抜けての入場に変わっていました。
前回訪問時は、池澤夏樹さんの「パレオマニア 大英博物館からの13の旅」という本を片手に、2日間じっくり鑑賞した大英博物館。今回、何か新たな発見はあるでしょうか。 -
1階のエジプトやギリシャ等、にぎわってるエリアはすっ飛ばして、2階のメソポタミアエリアへ。
ここにある「ウルのスタンダード」は、前回見てお気に入りとなったもののひとつ。紀元前2600年ごろの工芸品らしいのですが、生き生きとした人物描写や鮮やかなラピスラズリの青が印象的。4600年の時を経ているとは信じられません。 -
これも「ウルのスタンダード」。饗宴の場面。
上段右から二人目の楽師が持っている牡牛の竪琴と同じ形の竪琴がウル王墓から出土しているそう。 -
その竪琴がこれ、なのかな、、、だと思う。同じ部屋に展示してありました。
-
そして、個人的に大英博物館で一番好きなのがこの子。
メソポタミアと同じエリアの、アナトリアの部屋にあります。
紀元前13~14世紀ごろに作られた、ヒッタイトの魔除けの神様なのですが、ルーペが置いてあるのでもわかるとおり、とっても小さいのです。(大英博物館のサイトには3.94cmと書いてあったけど、もっと小さいような・・・)
そんな小さいのに、とんがり帽子をかぶり、手には剣、ブーツを履いた足先が元気よく上がっている様がたまりません。
前回訪問時にこの子に一目惚れしてしまい、3000年以上も昔にこんな小さくて精巧でかわいいものを作ってしまうヒッタイト文明にも心を鷲掴みにされた結果、3年前(2015年)にはヒッタイト帝国の都だったハットゥシャを訪れることに。 -
【おまけ】ハットゥシャ。
何もない。。。遺跡だからね。。。トルコ中央部、アンカラからバスで3時間ぐらいで行けます。 -
大英博物館に戻ります。
今回、初めてじっくり見たのが、コプトとエチオピアのエリア。
大盛況のエジプトエリアの横にひっそりとあって、通路の空きスペースに展示してみました的な扱いなのですが、カワイイ物件がけっこうありました。何で今まで気付かなかったのかな。 -
18世紀ごろのエチオピアの香炉。側面の天使ペアがかわいい。
ポーズからケルビムなのかな?と思っていたけど、翼を交差しているのは神の栄光をおそれてのことらしい。 -
これも今まで気付かなかったのだけど、大英博物館にはモザイクも結構ある。
西階段の壁にびっしり飾ってあったり。 -
ヨーロッパの部屋にも結構あったモザイクたち。
-
そして、今回大英博物館訪問の一番の目的 「The Tring Tiles」は、中世ヨーロッパの部屋の端っこにひっそりとあった。
このタイルのことは、毎月開催されている金沢百枝先生の「キリスト教美術をたのしむ」の講座で知った。キリストの子供時代のエピソードが描かれている。
タイルは1330年頃に作られたもので、元々はTringのSt. Peter&St. Paul's Churchにあったのだが、1880年頃、教会の修復中に持ち出され、骨董屋で売られたとか。
その後、20世紀に入って持ち主が死亡した後、アンティークディーラーが17ポンドで購入し、店に飾ってあるのを大英博物館が1420ポンドで購入したそう。
10枚のうち、大英博物館には8枚が展示されています。(残りはビクトリア&アルバート博物館にあるらしい) -
で、このキリストの子供時代のエピソードってやつが、「聖書には書かれていない」、つまり、後付けのものらしいんですね。そういうの、よく偉人とか戦国武将とかでもありますよね、箔を付けるために後から付け足した捏造(あっ、言っちゃった)みたいな。
このタイルもその類のものなんだと思いますが、エピソードがいちいち小さいというかセコくて笑えます。
写真左側: イエスがヨルダン川に作ったプールをいじめっ子が壊してしまう。すると、その子は死ぬ。(上下さかさまになってる=死んだ、ということらしい)
写真右側: いじめっ子を死なせたことをマリア様に怒られたんで、足でチョンとつついて生き返らせるイエス。
他にも、「イエスをからかった子供が死んでしまい、文句を言われて生き返らせるイエス」「先生にひっぱたかれたけど、その傷をあっという間に治してみせるイエス」「親が自分の子がイエスと遊ばないように隠したのを、鍵穴から引っ張りだすイエス」等々、え?イエスってホントに神の子?救世主?ただのハブられっ子では?と疑いたくなるようなエピソードが満載です。(なぜか1つだけ、カナの婚礼というまともなシーンがある)
どんな場面かは、簡単ですが英語で解説が付いてます。 -
美術館や博物館に行くと、つい「〇〇グランプリ」を開催してしまうのですが(例:聖母子像における部長顔イエス選手権)、この日は「変なポーズ大賞」を開催。栄えある大賞がこちら。『なんでやねん』
そんなこんなでほぼ1日大英博物館に居続けてこの日は終了。 -
翌日木曜日はキルペックのSt Mary and St David Churchへ遠足です。
まずは最寄り駅のHerefordへ。ロンドンからは3時間と少しです。
イギリスに数多くある鉄道会社の時刻・料金を一括検索・予約できるサイトはいくつかありますが、私はこちらを利用しました。
https://www.thetrainline.com/
早割だかオフピーク割だかを使って、往復で66.5ポンド。
行きは乗り換えなし、帰りはバーミンガム乗り換えです。
Herefordからキルペックへはバスもあるようなのですが、1日に数本のみで時間が合わなかったため、タクシーを使うことに。(公共交通機関派なので、ちょっと悔しい)
往路/復路ともに、事前にこちらのタクシー会社に予約をしておきました。
https://www.blueline-taxis.co.uk/
(行ってみたらHerefordの駅にはタクシーが3~4台止まっていた)
料金は片道22ポンドでした。
車体に社名ロゴがばっちり書いてあるので、わかりやすいです。 -
ちょうどお昼時でしたので、行きは教会近くのキルペック・インで降ろしてもらい、まずはランチ。
レストランは、宿泊客ではなさそうな、多分近所の人と思われる方々で賑わっていました。
写真はうまく撮れなかったけど、この時いただいたローストビーフのサンドウィッチは、私がこれまでイギリスで食べた中でTOP3に入る美味しさでした。
機会があれば、次はここに宿泊して、ディナーと朝食も食べてみたいものよ。。。 -
キルペック・インから教会までは、歩いて3分程。
12世紀に建てられたこの教会は、軒下の持ち送り彫刻が特に有名。(ロマネスクファンの間では。)
簡単に乗り越えられそうな木の門ですが、開いていて一安心。 -
戸口の彫刻も見事ですが、逸る心を抑えてまずは中に入ります。
-
内部は簡素なつくり。
でも、ところどころに可愛いやつらがいるので、油断はできません。 -
外に出て、戸口の彫刻をじっくり鑑賞します。
割と低い位置にあるので、見やすいのが嬉しい。 -
続いて、軒下の持ち送り。
他ではあまり見かけない奇妙なモチーフが多く、その意図するところはさっぱりわからないものの、教会を何周もして見入ってしまいました。
こちらも肉眼で全然問題ない高さです。
この日は薄曇りで、日差しがない分、逆光とか影になったりとかが無くて鑑賞にはバッチリでした。(負け惜しみぢゃなくてよ) -
まあ、いちおうこれは載せておかないとね。
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教会の周辺はこんな感じ。羊がメーメー鳴いてます。
教会での滞在時間は約1時間ほど。たっぷり堪能したころ、迎えのタクシーが時間通りにやってきました。
予定通りの電車でロンドンに戻り、遠足は無事終了です。 -
3日目、最終日。帰国のフライトが18:20なので、15時ぐらいまでは時間があります。
朝食はハイストリートケンジントンの「Muffin Man」でクリームティー。
http://www.themuffinmanteashop.co.uk/
スコーンはサクサクタイプで、個人的にはもう少しハードなタイプ(V&Aのミュージアムカフェのとか)が好みかな。でも、お値段も6.3ポンドとリーズナブルですし、地元でも観光客にも有名らしく、席はすべて埋まってました。 -
朝食の後、腹ごなしも兼ねて歩いてナショナルギャラリーへ向かいます。
(途中で方向を間違えてしまい、1時間ほどかかった)
まずは、クリヴェッリを見にSainsbury Wingへ。多くの部屋が閉まっていましたが、幸運にもクリヴェッリの作品が展示されている部屋は開いてました。
『受胎告知』や多翼祭壇画など、どの作品も端正でクールな人物描写と、緻密に描かれた衣装や宝飾品にひたすらうっとり。
中でもお気に入りは「大天使ミカエル」 -
・・・の、天秤に乗っかってる2人のちっこい男女。アダムとイブ?なのかな。よくわかりません。単に死者の魂を測ってるだけなのかも。ともあれ、この2人が「お願い、天国に行かせて~」って感じで祈ってるのがカワイイ。
帰国後、クリヴェッリの中期の代表作『マグダラのマリア』が、アムステルダム国立美術館に所蔵されていることを知りました。あーん、知ってたらアムステルダムでの仕事の合間に見に行ったのに~、なんて、そもそもこのイギリス旅行も出張ついでなのに、これ以上欲張ったらバチが当たりますね、はい、すみません。 -
今回のもう1つのお目当てが、聖フランチェスコ伝説を描いた多翼祭壇画。
15世紀シエナ派の画家・サセッタによるもので、10点の板絵のうち7点がナショナルギャラリーに所蔵されている。
「グッビオの狼」と題された絵では、家畜や人を襲う獰猛な狼を諭し手懐ける聖フランチェスコに「お手」をする狼がかわいい一方で、よく見ると後ろの方に狼がやらかしたに違いないバラバラ遺体があったり。。。
ちなみに、この祭壇画のことも、金沢百枝先生の講座で知りました。 -
カラヴァッジョにも一応ご挨拶しておかないとね。
-
昨年、「怖い絵展」で日本に来ていたジェーン・グレイちゃんも、出稼ぎを終えて無事におうちに帰っていました。
思えば若い頃、絵の正式タイトルも作者も知らないのだけど、ナショナルギャラリーに行ったら毎回とりあえず見ておく3つの絵がありました。
その3つの絵がこちら。もちろんカッコ内が正式名称です。(初めて調べた)
① 首ちょんぱ (ポール・ドラローシュ「レディ・ジェーン・グレイの処刑」)
② ゴリラおばさん (クエンティン・マサイス「醜女の肖像」)
③ 馬 (ジョージ・スタッブス 「ホイッスルジャケット」 ) -
ナショナルギャラリーに別れを告げて、夕刻、ヒースロー空港に向かいます。
今回初めてキャセイパシフィックのラウンジを利用しましたが、香港の空港だけでなくヒースローにもヌードルバーや飲茶コーナーがあり、大好きなエッグタルトもあって結構ポイント高し。(機内食はそうでもなかったけど。。。)
行きたい場所はちょこちょこあれど、他の地を優先してなかなか再訪の機会がなかったイギリス。今回、出張のついでという絶好のチャンスを得て訪れることができ、本当に幸運でした。何度でも言おう、ありがとう、会社!
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この旅行記へのコメント (2)
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- マリアンヌさん 2018/09/23 13:54:18
- キルペックLove
- tapiocaさん、こんにちわ。
ロマネスク同好の志としてお知合いになることが出来、金沢先生のセミナーと4トラベルに感謝です。
イギリスはご出張時に行かれたんですね。羨ましいです。でもそれだけ英語がお出来になって高度なお仕事されてるんですもんね、ご褒美ですね。
まずは、キルペック。いいですね!行き方も記していただいて、いつかきっと行きたいです。全体的にかなり特徴のある教会ですね。というか最近イタリアばかりみてるせいかな。
大英博物館のキリストの子供時代も面白いですね。私は今年の2月からの新参者なんで知ならかったけど、こういった外伝的な話こそ興味深いですよね。
フランチェスコの狼、ありましたねー(これは私も聞きました)
金沢先生のセミナー、ホント旅のヒントになりますね。
そしてtapiocaさん、cokemomoさんからいろいろ教えていただけて感謝です♪
これからもお付き合い下さいね。
マリアンヌ
- tapiocaさん からの返信 2018/09/24 00:12:02
- Re: キルペックLove
- マリアンヌさん
こんばんは。コメントありがとうございます!
マリアンヌさんの旅行記、たくさんあるのでゆっくり拝読させて頂きたいと思ってますが、「例のサイト」よりよっぽど色々行ってらっしゃるのでは?
金沢先生の講座での情報に加えて、また行きたい所が増えそうで、嬉しい悲鳴です。
こちらこそ、これからもどうぞ宜しくお願いします!
tapioca
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