職場から勤続のご褒美として3日の連続休暇とそれに2日の有給を絡めて9日のお休みをもらいました。例のごとく旅行の計画を練っていると、ふと、あと何カ国訪問すると「ヨーロッパ制覇」できるのだろうと思いました。ヨーロッパの区域をウラル山脈以西に首都のある国とし、日本国政府の承認国48カ国と捉えると、この段階での未訪問国家は全部で16カ国。結構散在しており、制覇するには計画的に訪問する必要がありそうです。ということで、今回は落穂拾いのごとく、取りこぼしていた小国家群のモナコ、サンマリノ（アンドラは入口のカタルーニャ州の独立問題が頂点を迎えていたため後日）と位置的に他の未訪問国とセットにしづらいアイルランドを訪れることにしました。また、前回訪問時はまだNGだったイタリアの美術館での写真撮影が解禁されたということで、その所属名画との再会も目的のひとつとしました。<br />実際訪れたニースやモナコは、リゾートらしい南仏の美しい海岸風景や豪華な施設に目を奪われ、駆け足訪問となったアイルランドでは、予想以上の素晴らしい街並みに滞在の短さを悔やみ、最古の共和国サンマリノでは独立国とは何かと思い、再会したルネサンス絵画の色褪せない美しさに改めてときめきを感じるなど、落穂拾いではなく、大きな収穫があった旅となりました。<br /><br />日程は以下の通りです。<br /><br />1日目（11/17）羽田発 ⇒ 北京 ⇒ ローマ ⇒ ニース<br />2日目（11/18）ニース市内観光 & モナコ市内観光 ⇒ パリ ⇒ ダブリン<br />3日目（11/19）ダブリン市内観光 ⇒ アムステルダム ⇒ ボローニャ<br />4日目（11/20）サンマリノ市内観光 ⇒ ミラノ<br />5日目（11/21）ミラノ市内観光 ⇒ フィレンツェ<br />6日目（11/22）フィレンツェ市内観光 ⇒ ローマ<br />7日目（11/23）ローマ市内観光<br />8日目（11/24）ローマ市内観光 ⇒ 北京<br />9日目（11/25）北京 ⇒ 羽田<br /><br />今回は４日目①です。<br />

ヨーロッパ落穂拾いの旅第１弾：南仏、モナコ、アイルランド、サンマリノ、イタリア旅行【１２】（2017年晩秋４日目① 最古・極小の共和国）

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2017/11/20 - 2017/11/20

6位(同エリア230件中)

エリア

サンマリノ(サンマリノ)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

交通: 4.5

同行者: 一人旅

交通手段: 鉄道高速・路線バス徒歩

旅行の手配内容: 個別手配

昨日の到着は深夜でしたが、今日も夜明け前からの始動です。
今日は未踏破国サンマリノ観光に向かいます。行程としては、ここボローニャから鉄道でリミニという町まで南下し、そこからバスでサンマリノへ。観光の後リミニへ戻り、鉄道でボローニャを通り、ミラノまで北上する予定です。
（ﾎﾃﾙ5:36 ⇒ 5:40駅）
ところでひとつ問題があります。私は大きなスーツケースを転がして旅しているのですが、この荷物をどうするかについてです。ボローニャ駅に荷物預かり所はありますが朝7時からなので使えません。
そこで選択枝としては三つあります。①リミニまで持って行き、駅近辺に預ける。これは一番妥当と思われますが、事前に調べたところ、預かってくれるところはなさそうでした（リミニ駅前のインフォメは預かってくれるようですが、ボローニャ駅同様開店前なので利用できません）。もっとも駅近くのホテルに頼み込めば大丈夫との情報もありますが、確実ではありません。②サンマリノまで持って行く。これはずっと引いて歩くというものですが、坂道の多そうなサンマリノを引いて歩くのは至難です。③ボローニャのホテルに預かってもらい、ミラノへの乗継時に引き取る。荷物の移動が少ないので一番楽ですが、僅かな乗継時間でそれが可能かという不安は残ります。
直前までさんざ悩んだのですが、結局③のボローニャ乗継時に引き取る。を選択しました。楽な方を選択してしまうのは性格によるものでしょう。
さて、後は予定に従って、6時ちょうどの快速列車でサンマリノの玄関口、リミニへ向かいます。
（ﾎﾞﾛｰﾆｬ6:00 ⇒ 7:30ﾘﾐﾆ）
途中のイモラ駅。F1GPのサーキットコースがあるところです。
こちらはガンベットラという駅です。ようやく太陽が昇ってきました。
定刻にリミニ駅へ着きました。
構内は結構広く、この辺では大きな駅の部類に入ると思うのですが、コインロッカーや荷物預かりの類はありませんでした。
駅本屋です。石造りの立派なものです。
駅前はただっびろいですが、通勤時間帯だからでしょうか、結構賑わっています。
駅から少し歩いたところに見つけました。サンマリノ行きのバス乗場です。ローマ行きと一緒になっていて目立ちません。
時刻表もあり、調べてきた時間と同じだったのでひと安心です。発時刻までは30分ほどあるので暫し待ちます。
発時間ぎりぎりになってバスが到着しました。意外といっては何ですが、結構乗客があります。日本人観光客と思われる老夫婦もひと組いました。
（ﾘﾐﾆ8:10 ⇒ 9:11ｻﾝﾏﾘﾉ）
バスは市街地をぐるりと回ったあと登り坂をひたすら上って行きます。途中乗車や下車客も多く、日本人老夫婦もロープウエイ乗場で降りて行き、終点サンマリノまで乗った人は数えるほどでした。最後はくねくねと回って広場に到着しました。10分ほど遅れての到着でした。
ここサンマリノ入国で欧州35カ国目、制覇まであと13カ国です。
バス停は既にかなり登ってきたところにあり、眺めがよいです。
バス停の広場からエレベーターで上のブロックへ移動します。山の上の要塞都市なので、高低差があるようです。スーツケースを引いて来なくてよかったです。
（ﾊﾞｽ停9:11 ⇒ 9:19ｲﾝﾌｫﾒ）
上のブロックもこんな感じで猫の額のような広場があります。
急な上り坂と狭い道です。
要塞の突端部に来ました。当時の城壁のようなつくりが残っていました。
その隣にあるのがインフォメです。開いていたのでとりあえず地図などをGetしました。
（ｲﾝﾌｫﾒ9:21 ⇒ 9:26ｻﾝﾏﾘﾉ大聖堂）
こちらはサンマリノ大聖堂。狭い立地の中で目一杯大きく建っています。
（ｻﾝﾏﾘﾉ大聖堂9:26 ⇒ 9:33ﾛｯｶｸﾞｱｲﾀ）
土産物屋など結構ありそうですが、まだ開店前の状態です。
ところでサンマリノの見どころは3つの要塞塔です。まずこれは一番北にあるロッカグアイタ。ここで2か所の塔と博物館の共通入場券を買い、入城します。
塔のてっぺんには誇らしげに国旗がはためいています。
（ﾛｯｶｸﾞｱｲﾀ9:33～9:42）
塔に登るにはこのような階段も。恐る恐る登ります。
一応塔やサンマリノの歴史を記した案内板もあります。
塔の上からの景色は絶景です。東を望むとリミニの街の先、アドリア海まで見ることができます。
南を望むと第二の塔チェスタの塔が見えます。
峻険なところに建っているのがわかります。
お山の大将気分ですが、ここサンマリノは王国ではなく、最古の共和国と言われています。文献では10世紀ころから存在が確認され、ナポレオンの侵攻やイタリア統一の過程、ファシスト政権下でも独立を守りました。この場に来てその峻険な国土を目の当たりにすると確かにそのようなことが可能かなとも思いますが、同時に戦略的には価値がないため、大国の支配から免れてきたのではないかとも思います。
政治的には、互選で選任された任期半年の執政2人による双頭政治が行われているなどかなり特殊です。これは独裁を防ぐことを念頭に置いた政治体制で執政＝元首になれる確率が一番高い国なのかもしれません。
北西方向を見ます。政庁も見え、その先はイタリアになるのでしょうか、低い山並みが続いています。
さてロッカグアイタを降り、第二の塔チェスタの塔へ向かいます。
（ﾛｯｶｸﾞｱｲﾀ9:42 ⇒ 9:47ﾁｪｽﾀの塔）
太陽の元輝くチェスタの塔、いい感じです。
天気も良く、下界を見渡せます。下界はイタリア、上から見るとこちらが支配しているように見えますが、地図上では周りを包囲されています。
直下を見ても結構高低差があり、ここが如何に峻険な山上にあることがわかると思います。
上り坂を行きます。
城壁には鉄砲を配置する穴なども造られていて守るだけでない堅固さが見て取れます。
チェスタの塔に着きました。先ほどの共通券を使用し入城します。
（ﾁｪｽﾀの塔9:47～10:02）
中は簡単な博物館になっていて中世の鎧や．．．
鉄砲などの武具、
クロスボーなどの展示もありました。
塔の部分に登ってみます。
北方向に先ほど登ったロッカグアイタが見えます。順光なのでとても美しく見えます。
拡大するとこんな感じです。岩峰の突端に作られた感じがして見栄えは最高ですが、この急峻な崖を登ってくる敵はいたのでしょうか。
今度は南側の監視小屋に入ってみます。
ここからは第三の塔「ロッカモンターレ」が見えます。
遠くのたなびく雲海と相俟っていい感じです。ロッカモンターレも制覇したいところですが、内部は公開されていないとのことで、ここから見るに留めます。
鳥になった気分というのは言い過ぎでしょうが、いい眺めです。
ふたつの要塞を見ることができたので、続いては共和国宮殿へ向かいます。
（ﾁｪｽﾀの塔10:02 ⇒ 10:12ﾘﾍﾞﾙﾀ広場）