聖地サンティアゴ巡礼の道、ラスト114ｋｍを歩く-----巡礼９日目と追加の巡礼１０日目　ラバコーヤからサンチャゴ・デ・コンポステーラを経ておまけのフィステラ岬まで

2018/05/24 - 2018/06/07

兼ねてから歩いてみたいと思っていたサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、フランス側からピレネー山脈を超えて歩くと。９００km以上の距離で、時間も体力もかかり、今となってはそれは無理。そんな中、1日平均１５km歩いて、９日～１０日かけて巡礼路のラスト１１４Kmを歩く・・・というT旅行社の１５日間ツアーが見つかり、そのツアーに参加しました。

日程とコースは下記。
５月２４日　羽田２２時５５分発　エールフランスAF２９３便にて、パリ経由、翌日９時５分マドリッド着。
５月２５日　マドリッド到着後、バスにて→レオン観光→レオン泊
５月２６日　レオン→アストルガ観光→セブロイ峠→サリア観光→モンフォルテ・デ・レモス(３泊)
５月２７日　巡礼路歩きのスタート地点サリアへ。
　　　　　　①日目　サリアからフェレイロスまで(約１３．２Km)。
５月２８日　②日目　フェレイロスからポルトマリンまで(約８．４Km)。
５月２９日　③日目　ポルトマリンからペンタス・デ・ナロンまで(約１３．４Km)。
　　ペンタス・デ・ナロンから宿泊地のルーゴへバス移動。ルーゴ(４泊)
５月３０日　④日目　ペンタス・デ・ナロンからパラス・デ・レイまで(約１１.８Km)。
５月３１日　⑤日目　パラス・デ・レイからメリデまで(約１５．１Km)。
６月１日　⑥日目　メリデからアルスーアまで(約１３.６Km)。
６月２日　⑦日目　アルスーアからエンパルメまで(約１４．７Km)。
　　　エンパルメから宿泊地のラバコーヤへバス移動。ラバコーヤ(２泊)
６月３日　⑧日目　エンパルメからラバコーヤまで(約１３．２Km)。
■６月４日　⑨日目　ラバコーヤからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで(約１０．３Km)。サンティアゴ・デ・コンポステーラ(２泊)
■６月５日　⑩日目　フィニステレ岬へバス停から往復(約５Km)
■６月６日　午前サンティアゴ・デ・コンポステーラ街歩き、午後サンティアゴ・デ・コンポステーラ発パリ経由
６月７日　夕刻羽田

　この旅行記は、　巡礼９日目　ラバコーヤからサンティアゴ・デ・コンポステーラまで(約１０．３Km)と、巡礼１０日目　バス停からフィニステレ岬往復(約５Km)と、最終日サンティアゴ・デ・コンポステーラの街歩きを掲載します。
写真は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂のバルコニーから見るオブライトロ広場。

エリア サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5

• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩

６月４日　巡礼９日目。　
８時前　朝食の後、スーツケースを部屋の外に置き、ラバコーヤのホテルを出発します。
この日は巡礼の最終日、ラバコーヤのホテル前からサンティアゴ・デ・コンポステーラまで、約１０．３Kmを歩きます。
ツアーの出発時間は８時３０分、集合は１３時に大聖堂前の広場です。サンティアゴ・デ・コンポステーラの街でゆっくりしたいし、街歩きもしたいので、何人かのツアー仲間と８時前にホテルを出ます。

朝から雨模様で霧も出ています。
最終日というのに、これまでの巡礼路歩きで一番の悪天候です。幸いにラバコーヤからの巡礼路は舗装された道路で、足元が濡れることはないのですが、神様は最後にこんな試練を与えてくださるwww。

８時過ぎ　ホテルから霧の中を３０分ほど歩いて、モンテ・ド・ゴゾ(歓喜の丘)に到着です。
これは、ヨハネ・パウロ２世が来られた時に造られたというモニュメント。

モンテ・ド・ゴゾにある小さな教会に入り、いつもよりも丁寧に参拝します。
ラスト１１４Kmではありますが、これまで無事に歩けてこられたこと・・・・その他もろもろ・・・感謝します。
入口脇にスタンプが置かれていますので、雨で濡れた手をふいて、ザックから大事な巡礼手帳を出し、自分でスタンプを押します。

丘を少し下った丘陵地に巡礼者の像がたっています。
彼らの指さす方向に、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂が見えるはずですが、この日は霞んでいて良く見えません。
なので、残念なことに、この場に立っても、まもなくサンティアゴに到着するのだ!!!という歓喜に浸ることもなく、ひたすら雨に打たれるばかりです。

雨のモンテ・ド・ゴゾからの眺め。
丘の麓には公営のアルベルゲがあります。その脇を通って丘を下ります。

道路際に石の十字架と共に、こんな石の像も並んでいます。石積の家や教会を数多く見てきた巡礼者にとって、これは一体何なんだ!!!と思わせるに充分な石像です。
歓喜に溺れないで、この後の巡礼も気を締めての警鐘かも・・・・。

丘の麓を通るこの幹線道路を渡ります。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの市街地に入ってきたようです。幹線道路脇の歩道を歩きます。

教会の前を通過します。

黄色のスペイン・ポストを見ながら・・・・

雰囲気の良い街並みに入ってきました。まもなくゴールなのだ!!!とだんだんワクワクしてきます。

世界遺産の標識を見かけます。ここから先の旧市街全体が世界遺産のようです。

細くなった市街地の道を大聖堂に向かって歩きます。

これまで立ち寄ってきた巡礼路沿いの教会に比べたら立派な教会です。
地図で確認するとアニマス教会のようです。

教会に入ります。
小さな村の教会とは少し違う天井の高い礼拝堂です。

セルバンテス広場を抜けます。

細い脇道がある通りに入りました。この辺りには、これまで見慣れた道筋を示すモハンはありません。
巡礼者らの後に従って歩きます。

大聖堂が見えるオブラドイロ広場に出るのかと思って歩いてきましたが、どうやら途中で道を間違えたようで、この馬像の噴水があるこじんまりとしたプラテリアス広場に出てきました。

振り返るとサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂がそこにそびえていました。
ついに大聖堂に到着です。
このプラテリアス広場に面している入口から大聖堂の中に入ります。
入場に先だって雨で濡れたレインスーツを脱ぎ、ザックカバーを外し、濡れた帽子をとって、シューズの泥を払って、一応身ぎれいにします。

１２時前
大聖堂の中に来ました。これからミサが始まるようで、椅子席は満席で立ってミサに参加します。

大聖堂内を一周した後、守護聖人・聖ヤコブ像の後ろに廻って肩に触れ、感謝の気持ちを表して外に出ます。

オブラドイロ広場に出てきました。本当は、ここが巡礼路の最終地点になるはずでしたが。。。。。
広場から見上げる大聖堂。でもただ今修復中で、巡礼者らがゴールを祝福し合って入場するという栄光の門には近づくことはできません。

１３時前　
オブライトロ広場に面して建つ市役所のこのアーケードにて、巡礼ツアーメンバーが再会します。どなた様も、無事にゴールしていました。

１３時過ぎ。

ツアーの皆さんとゴールを祝福するランチをとります。メインはシシトウ。。。それにポテトチップスと質素です。この間、ガイドが巡礼手帳を事務所に提出して、巡礼証明書をもらう手続きをしてくれます。

ランチの後は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの市内観光をガイドの案内で徒歩でします。

大聖堂と旧市街を望むアラメダ公園に来ました。ここで大聖堂の尖塔をしみじみ眺めます。

アラメダ公園の近くに建つマリア姉妹の像。実在の姉妹で町の人気者みたい。

ガイドの後について旧市街を歩きます。

旧市街。広場があったり・・・

旧市街　アーケードがあったり・・・

アーケードの中を歩いたり・・・

奥に塔が見えたりする旧市街を歩きます。

天気が良い日には観光客でにぎわっているのでしょうが、あいにくの雨で路地は閑散としています。

修道院の中庭。
この後、大聖堂から５分ほど離れた巡礼事務所に行き、ガイドから巡礼証明書を頂きます。

これが１００Km以上歩いた巡礼者に贈られる巡礼証明書です。
９日間にわたり巡礼した証であり、無事にここに到達できたこと、日々元気で過ごすことができること、神様のご加護にたいしての感謝の印でもあって、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

こちらは、スタンプが押された巡礼手帳。２冊になりました。
押されたスタンプは、全部で６１個あります。自分で押したスタンプもありますが、半分以上は教会の司祭やパールのご主人らに押してもらったもので、お世話様になりました。

１８時　ホテルに到着。
サンティアゴ・デ・コンポステーラでの宿泊は TRYP SANTIAGO HOTEL。ここに２泊します。旧市街まで徒歩約２０分。

この日は、ラバコーヤのホテル前から大聖堂までと、旧市街の徒歩観光などで１５Km以上は歩いたでしょう。

６月５日　おまけの巡礼１０日目。　
この日は、１日フリーですが、折角ここまで来たので、大聖堂で礼拝を終えた巡礼者たちが、さらにユーラシア大陸の終わりを目指して旅を続けるというフィニステレ岬まで行くことにします。
サンティアゴ・デ・コンポステーラからこの岬に行くには、ローカルバス以外に交通手段はなく、フィニステレの街からフィニステレ岬まで徒歩で往復する(約５Km)ことになります。
８時１５分　ツアーの有志の方とタクシーでホテルから旧市街はずれのこのバスステーションまで来ます。この日は、１日１往復しかなく、９時発の２階建てバスはほぼ満席でした(往復２０ユーロ)。

１１時　サンティアゴ・デ・コンポステーラから約２時間でフィニステレのバス停に到着。写真左側のバスが乗ってきたバスです。
帰りのバスは１５時。それまで約４時間ありますので、岬までの往復時間を含めてここでランチもとれそうです。

フィニステレはスペインの西の端にある港町。
バス停の先には大西洋が広がっています。

この日も朝から雨模様で町のメインストリートは閑散としています。
通りに面したパールでジュースを飲み、ランチの予約をし、トイレを借りて雨の中を出発します。

街外れの高台にある教会。

街を抜けると岬まで続く巡礼路は緩やかな上り坂になります。
脇のモハンには残り２．６９Kmと表示されています。雨の中の歩きだから、岬までは４０分はかかりそうです。往復５．４Km・・・・かぁ～

岬へ向かう途中の巡礼路右手にサンタ・マリア教会があります。この教会が巡礼路沿いに建つ最後の教会になるのでしょうか。入口ドアが閉まっていて中には入れませんでした。

左側にエメラルドグリーンの海が見えだしました。

巡礼者の像がありますが、相当お疲れの様子です。

残り０．３５６Km表示のモハン。あと少し・・・・です。

崖上に残り０ｋｍ表示のモハンがあります。巡礼者にとっては大事なモハンですが、岬はまだ先にあるようです。

０Km表示のモハンから歩くこと約５分、フィニステレ岬の灯台に到着したようです。

海から吹き上げる風と霧で灯台は霞んで見えています。

灯台下の崖の斜面に石の十字架が建っています。
おお～ここが、スペイン巡礼の本当の終着地点かぁ。

ここに立って、旅をふりかえりつつ、自分の人生を見つめ直す・・・・と思って辿り着きましたが、雨と風とが強くなってきたので、早々に引き揚げます。あぁ～これもyouの人生と一緒かぁ～。現実は厳しいのだ!!!・・・と教えられました。

岬の土産店を除き、トイレをお借りしたりして、来る時と同じ道を通ってフィニステレの街に戻ります。
この日は１日中雨模様で、街が霞んでいます。

フィニステレの街の中心広場。

フィニステレの海岸通り。

１３時２０分　予約してあったパールで子イカのランチをとります。その後、１５時のバスでサンティアゴ・デ・コンポステーラに戻ります。サンティアゴ・デ・コンポステーラ到着は１７時前。雨も止んでいるし、夕食まで時間があるので、旧市街をギャラリー等覗きながらぶらぶら歩きし、ホテルまで徒歩で帰ります。

６月６日　最終日。この日のホテル出発は１２時。
午前中は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂に併設の博物館を訪れたくて、再び街歩きに出ます。

大聖堂の隣にあるサン マルティン ピナリオ修道院です。スペインで2番目に大きい修道院だとか。

中に宿泊所があるというので、ガードに声をかけて入れてもらいました。
２階廊下に沢山の絵画が飾られており、美術館みたいでした。

大聖堂の中に再び入ります。
午前中の時間帯で観光客はほとんどいません。大香炉(ボタフメイロ)を眺め、昨日のミサで、巡礼証明書を授与された巡礼者の名前が呼ばれることになっていますが、その中にyouが入っていたはず・・・と思い・・一人感動してしまいます。
残念ながら昨日のミサに参加していないので確認のしようがありませんが・・・・。

大聖堂付属の博物館(入場料シニア５ユーロ)に入ります。屋外を除いて写真撮影不可です。見どころとしては、大聖堂所有のタピスリーや聖ヤコブの祭壇画などかありました。
こちらは博物館から出たところにある大聖堂の回廊。回廊の中心に、中世の時代に巡礼者が大聖堂内に入る前に体を清めたという噴水があります。今は水は出ていません。

こちらはかって使用されていたという鐘。

こちらは博物館のバルコニーから見た大聖堂前のオブラドイロ広場。広場はまだ人は少ないですが、この中に○○Km巡礼路を歩いて、到着したばかりの人もいるかもしれません。
右手の立派な建物はパラドールです。

旧市街の通り。これらの景色を見るだけでも博物館に入る価値はあると思います。

聖地サンティアゴ巡礼の道、ラスト114ｋｍを歩く・・・・おわり
最後までご覧いただき有難うございました。

この旅行記へのコメント （4）

• おくさん 2021/07/19 15:41:35

  お疲れ様でした

  充実した旅だったようで何よりです。
  70台の友達（女性）が、ツアーでサンチャゴ巡礼をしましたが、雨の中ばかり歩いて死ぬ程だったそうです。
  そのツアー参加者は全員70台とのこと。苦労が偲ばれます。
  youさんの天気はまずまずで運が良かったですね。
  

  youさん からの返信 2021/07/19 20:55:42

  Re: お疲れ様でした

  おくさん
  
  ハイ、youのサンチャゴ巡礼の旅は、おくさんに比べれば、ラストの僅かな距離でしたが、お陰様で天候もまずまずで、多数の旅の中でも、特別に充実したものとなっております。
  歩く旅では特に天気によって、気分が全然違いますからね。
  
  おくさんの巡礼路歩きの旅では、巡礼者との交流を沢山されておられるようで、人との出会いも良い思い出になっているでしょうね。
  
  you

• tadashiさん 2019/04/20 07:18:40

  元気なうちに私も歩きたい

  一気に読みました。
  歩き旅が好きで、東海道や富士山麓一周などは済ませて、ただ今は中山道と甲州街道を某ツアーに参加中です。来年一月には両方とも完了するので、エルカミーノに挑戦してみたいと思っています。
  とてもこの投稿を楽しく見させていただきました。

  youさん からの返信 2019/04/20 23:36:42

  RE: 元気なうちに私も歩きたい

  tadashiさん
  
  訪問とコメント・いいねを有難うございます。
  そうなんですか。国内の主要街道歩きを間もなく完了とは凄いですね。健脚なんですね。
  そしたら、是非ともエルカミーノに挑戦してくださいまし。
  
  最も健脚のtadashiさんには、youが歩いたラスト１１４Kmくらいでは物足りないのではと思います。
  
  tadashiさんの旅行記を拝見しますと、既に北スペインを訪れておられますので、ピレネー山脈越え辺りから本格的に歩いてはいかがですか。一層楽しい巡礼旅になると思います。
  
  ブエン・カミーノ！。。
  
  you