2018/06/03 - 2018/07/03
55位(同エリア105件中)
スタリモストさん
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シュコダルは北部アルバニアの中核都市で人口は9万余、モンテネグロの国境には15キロ程で到達する。この街に立ち寄ったのは、山岳地帯の「バルボナ」へのアクセスのためだったが、落ち着いた街の雰囲気もよかったし、アルバニアの現代史の一端を知ることとなったのも思わぬ収穫だった。
6/3出発→6/4アテネ→6/5.6メテオラ→6/7.8アルバニア/ジロカストラ(+ブルーアイ)→6/9.10ベラト→6/11クルヤ→★6/12シュコダル→6/13バルボナ→6/14セス→★6/15シュコダル→6/16.17モンテネグロ/コトル→6/18ボスニア・ヘルツェゴビナ/モスタル→6/19.20サラエボ→6/21ヴィシェグラード→6/22.23セルビア/モクラ・ゴラ→6/24ニシュ→6/25.26.27.28.29.30ブルガリア/ソフィア(+リラの僧院+コプリフシティツァ+3夜ソフィア国立オペラ座『プッチーニ・オペラ「トゥーランドット」』『モダンバレエ「その男ゾルバ」』『古典バレエ「ジゼル」』)→7/1アテネ→7/3帰国
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■10日目(6/12火)
お世話になったクルヤの宿の人たちとハグして別れ、フシェクルヤにミニバス(80Lek)で戻ったのだけど、着いたところは来た時と同じ街の交差点。さて、どうしたらシュコダルに行くことができるのか・・バスターミナルがこの街にあるのかも不明だ。ティラナに戻らないとだめなのだろうか?・・近くの木陰でチェスをしていた男たちに「シュコダル!シュコダル!」と連呼してみたら・・一同指さす方向は同じ・・。
指された方向に歩いていけばバスターミナルがあるのだろうか?。・・不安を抱えながら歩き始めると、一人の男がチェスの輪から抜け出て、「俺についてきな」(←とアルバニア語で言ったのかな?)と、同行してくれたのだ。 -
いや、ありがたい助かる!!!。15分ほど歩いたその場所は、ティラナとシュコダルを結ぶ幹線道路(E762)の道端だった。なるほどここでバスを止めるのか・・と納得した直後に、シュコダル行きのミニバス(400Lek)がやってきた。こうした親切のおかげで気持ちよく旅が続けられていることがとてもうれしい。
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車内は満席・・
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そして私の隣は赤ちゃん連れ・・ぐずることもあったので、つい、世話を焼きたくなって手を伸ばすと体を預けてくる。膝に立たせて上下に揺さぶってあげると笑顔がぼれた。
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1時間半ほどでシュコダル市内に入った。
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このあたりから国際バスが出る。
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予約していたホテルは、街の中心のロータリー近くに位置していたので、容易に見つけることができた。
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「Hotel Kaduku」に到着
今回の旅は蔵前仁一さんの『バルカンの花、コーカサスの虹』に背中を押されて旅程を組んだ部分もあるのだけれど、蔵前さんはこのHotel Kadukuで「バルボナ」行きのアレンジを頼まれていて、私たちもそれをなぞったのだ。
蔵前さんの場合は、出発したのちにその費用を請求されたようだが、私たちの場合はホテルで前納してチケットを渡してくれた。これで、明日からの大切な足が確保できた。 -
ホテル前のユニークな植栽
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利用したのはスタンダードで35Euro。
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ホテルのフロントで、この街の観光スポットをいくつか挙げてもらった。
「ベネチアンマスクの工房Venice Art Mask Factory」(Rruga Pal Ëngjëlli, Shkodër 4002 )に行くことにした。
この街にこうした工房があるなんてびっくり。コストダウンをはかり逆輸入するためだろうけれど、またなぜこのシュコダルが選ばれたのだろう?。 -
まず腹ごしらえ・・ファーストフード店で食べたハンバーガー。肉も野菜もしっかり入っていて美味しい。これで100Lek!!・・
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街角に立つ『マザー・テレサの像』・・マザー・テレサはマケドニアのスコピエで生まれたが父はアルバニア人。テレサの血縁者が1932年から1933年の10年間、シュコドラに住んでいたこともあって像が立っているようだ。
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Ebu Bekr モスク・・ホッジャ政権下における宗教活動の禁止が解かれた1990年に再建。宗教施設の多くが新しい。ロータリーに近い。
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モスク前で・・・
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モスクを左に入るとホコ天の「Fushe cele通り」だ。市で最も洗練されたエリア。
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旅行会社のオフィスがある。
テヒやバルボナの山岳観光、コマン湖観光を案内している。
明日と明後日・・この界隈をめぐる。 -
昼下がり・・人通りが少なくキリコの絵のよう・・
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歴史を刻んだ民家も残る
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迷いながらだったけれど、なんとか到着。
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味もそっけもない建物と、コテコテの仮面の対比が面白い。
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ベネチアから作家がここにきて、技術指導をしている。マスク以外にも本格的な仮装衣装がこの工房で作られている。
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ずいぶん前からあるようで、トム・クルーズが主演した「アイズ・ワイド・シャット」で使用された仮面や、ボリショイ劇場の仮面もこの工房で作られたとか。
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クオリティの高い作品が並ぶ
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制作している工房も見学できる・・との情報もある。
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もちろん購入することも可能
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これなんか・・持って帰りたかった。
でもまだまだ・・旅は続くし・・
アルバニアでベネチアン・・というのもねえ。 -
■13日目(6/15金)
11日目はバルボナの山岳風景を楽しみ、翌12日目はバルボナからテヒ村へトレッキング。そして13日目、再びシュコダルに戻ってきた。
ホテルは同じ「Hotel Kaduku」にしたのだけど、部屋のランクをスタンダードpriceの35Euroでスーペリアに格上げしてくれた。 -
おそらくスタンダードの部屋がフルになったための処置だろうとは思うけれど、部屋はとても広くゴージャスで快適だった。ちょうど、トレッキングで疲れたせいか、体調不良だったのだけど、デラックスな部屋のおかげか回復が早かった。
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オーナー夫妻に感謝の気持ちを伝えた。話をうかがうと、日本のITやテクノロジー、自動車産業の発展には憧憬の念を持っていて日本びいきのよう・・・だから部屋のランクアップをしてくれたのかな。
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レセプションには家のルーツを物語る写真がびっしり。オーナーの祖父はとても有名な歯科医で、イスタンブールで学び、アルバニアではじめて歯科医院を開業した人。
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ホテルの従業員が、写真を示しながらいろいろ説明してくれた。
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夕方、Fushe cele通りには市民が集まり始めた。
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ベラトとおなじように毎夕繰り出しているのだろうか。
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ホテルの裏手にある公園の方角にも足を延ばしてみた。
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ベンチに座っていた老夫婦が、日本から私たちに、ほほ笑みで歓迎の気持ちを表してくれた。
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夕飯は、Fushe cele通りに入ってすぐにある「San Francisco」で。
ライスのぶどうの葉包みや魚のスープをオーダーした。
お客は観光客より、この街の人たちが多い。 -
San Franciscoの2階テーブルより・・・
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ワールドカップを楽しむ人たち
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■14日目(6/15土)
今日はコトルに移動する日。バスの出発は昼過ぎなので、午前中、先日には行けなかった『目撃と記憶の場所』と名前が付いている博物館に出かけた。 -
『目撃と記憶の場所』・・ホッジャ社会主義政権(1944年~1985年)が行った非道な行為を記憶にとどめる博物館だ。
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ホッジャ政権は、スターリンを範にした独自の社会主義国家を目指し、宗教活動を全面的に禁止して1967年には無神国家宣言をしたり、どこの国とも国交を断ち鎖国をやった時期もあった。そして国民に対しては強権を発動して、政権批判をした活動家や聖職者を粛正したのにとどまらず、好奇心をもって海外に出ようとした若者や市井の信者の命も奪った。とりわけ、アルバニアの中でもシュコダル市民の抵抗運動が強く、弾圧と迫害が激しかった。
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政権による非業の事例が展示してある。
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70Lekコイン・・70レクは銃弾1発の値段・・命の値段が軽んじられたことを物語る。
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エントランスに続く建物は、もともとはキリスト教聖職者のための教育施設だったけれど、ホッジャ政権当時、国家安全保障本部として使用され、多くの無辜の人たちが拷問や虐待を受け、裁判前に命を落とした場所だ。
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使用された監獄がそのまま残されていて、当時の様子を知ることができる。
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取り調べ室
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犠牲となった市民
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たまたま博物館スタッフの友人も訪れていたが、彼の祖父も犠牲になったという。ホッジャの時代とそれに続く旧ユーゴ再編の動乱の時に、犠牲者を出していない家族や親族はいない・・と。
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帰り際、市の観光案内のパンフや、当博物館の小冊子、それに有料の投獄手記もプレゼントしてくれた。
博物館のパンフレットには・・
「信念と道義を貫いた人たちが犠牲となったことは忘れてはならない。」
「いまわしい時代を記憶にとどめることは容易ではないが、事実を直視し、真の反省なくして、好ましい将来を造ることができない。」と。
市の学校の生徒たちは定期的にここに来て、過去に何が行われたか胸に刻み、過ちを繰り返さない決意を固めるという。 -
Hotel Kadukuホテルにもどりチェックアウトした。
フロントには私たちが折った折り鶴がおかれていた。
9日間滞在したアルバニアとは今日でさよならだ。今回の1ヶ月の旅の中でも、一番思い出深い国がアルバニアだった。美しい自然、歴史に刻まれた街並み、そしてフレンドリーな人たち、、又一つ、再び訪れたい国が増えた。
※【バルカン半島1ヶ月の旅8】は「バルボナ」
【バルカン半島1ヶ月の旅9】は「バルボナからセスへ(トレッキング)」
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