行って来ましたマニラ旅行記　～イントラムロス　vol.1～

2018/04/12 - 2018/04/15

「マニラ」と言う都市から受けるイメージは様々あると思いますが、プラスイメージより治安面でマイナスイメージの方が強い人もいるかもしれません。私は興味関心が強く、チャンスがあったので「比島」と呼ばれるところへ行くことにしました。ちょうど一区切りついたところでしたので日本を離れてしばしの間の観光を楽しみました。

４月１２日（木）　羽田空港発　マニラ着
４月１３日（金）　コレヒドール島
４月１４日（土）　マニラ　イントラムロス
４月１５日（日）　マニラ　ニイノ・アキノ空港発　

　30℃を越える中での観光で熱中症を心配しましたが、思ったほど消耗せずに無事に予定通りの観光ができました。マニラの街では道を探していると親切に教えてくれる女性がいたり、空港では並ぶ場所を親切に教えてくれる女性がいたりして、思っていたより人間性豊かな国民性を感じました。リサール公園では小さな女の子がおでこを私の手の甲に当てて丁寧に挨拶をしてくれて驚きました。客引きのおじさんには理由を言ってキチンと断るとすんなり引っ込んでくれて素直な国民性ではないかと感じました。楽しい旅を今回もすることが出来てとても満足しています。

エリア マニラ(フィリピン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• 交通: 3.0

• 交通手段: タクシー 徒歩
• 航空会社: フィリピン航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

　今回の旅行で宿泊したホテル。と言うよりはマンションの一室を借りたという感じでした。広い意味での民泊に当たるかもしれません。

　エントランス。一階には銀行、コンビニが入っています。

２LDKの部屋です。

キッチンもあるので朝食を作ることが出来ました。

１４階の部屋から見える朝のマニラ中心部の高層ビル群です。

高層ビルとは対照的に、

　手前はバラック。夜明け前からニワトリの鳴き声がします。食用に飼っているようでした。高層ビルと全く不釣り合いなニワトリの声です。朝、人がたくさん集まって何かをしているようでした。

　第３日目はイントラムロスの観光をします。最初にタクシーを拾って、マニラ大聖堂に行きました。イントラムストはスペイン語で「壁の内側」と言う意味です。１５７３－１６０６年にスペインが作りました。マニラ教会は厚さ８フィート（243.8ｃｍ）、高さ２２フィート（670.6ｃｍ）の壁で囲まれている要塞の中にあります。

　中に入るとマニラにいるようには思えません。某旅行案内書ではロマネスク風の建物と紹介されています。ドームの屋根になっています。

　横から見るとこんな感じです。

　熱心に祈りを捧げています。フィリピンの中で最も重要な教会だそうです。１９５４－１９５８年に再建されています。

　祭壇には聖母マリア像がありました。

　教会の入り口近くの部屋には、ピエタがありました。バチカンのサンピエトロ寺院を思い出しました。後ろのステンドグラスはフィリピンアーチストのデザインです。

　近づくと迫力がありますね。「ピエタのコピー」と横に書いてありました。

　この教会は１５７１年に最初に作られました。マゼランがフィリピンへ来たのは１５２１年なので５０年後です。最初はnipと呼ばれるものと竹で作られていました。しかし可燃性の材料なので燃えてしまいます。その後も記録よると７回再建されたようです。

　第二次世界大戦でも破壊されてしまいます。アメリカ軍がマニラを空爆している動画を上映していました。　

　１９４５年の１月にアメリカ軍がルソン島に上陸してから、２月には市街戦が始まります。空爆をして建物を破壊し、イントラムロスは戦場へと変わります。日本軍は白旗を挙げることは考えていなかったので、多くの市民が巻き添えになりました。降服するより死守することを選択したのです。

　破壊された当時に残った正面の写真が展示室に飾ってありました。３月３日の戦争終結までにイントラムロスは、ほぼ焼け野原になりました。

　あまりすっきりしない気持ちで、カレッサに乗らないかと声を掛けてくるおじさんを後ろに、ローマ広場を抜けて通りを渡ります。緊張！信号がない所なので・・・。それでも、ジプニーが走っていくのを写真に収めました。

　渡り終わった道路では、露店のおばさんが果物を売っていました。
　道を進むとサンチャゴ要塞の方向は合っているいるはずなのですが、行き止まりのように見えました。その時、隣を歩いていたおばさんが、「どこへ行くの？」と声を掛けてくれ「サンチャゴ要塞」と答えると、「左へ行くと右側にあるよ」と教えてくれました。助かりました。

　サンチャゴ要塞のチケット売り場です。チケットを買っているのはコンダクター兼ガイドで「マニラに行こうよ」と誘ってくれた息子です。彼のおかげで、今まで様々な国を訪れることができています。感謝。

　サンチャゴ要塞の入り口が見えてきました。水堀があります。橋を渡って、

　近づくとかなり大きいです。すべて石でできています。城壁で囲まれているので、最北端のここが戦力上最も重要な場所でした。

　入り口を入った所の右手にスロープがあって城壁に上ることが出来ました。パッシグ川が自然の要塞になっています。ここを進むと、

　パッシグ川の向こうにはチャイナタウンです。高層ビルが建ち、サンチャゴ要塞の中の景色とはあまりにも違い、これがマニラの現状なのだと認識できます。

　リサール記念館です。最北端です。階段を上ると、

　パッシグ川にぶつかりました。手前は城壁です。確かに厚さは２ｍ４０ｃｍくらいあります。左の木々がたくさんある所は小さな公園のようになっていました。バスケットゴールがあり、子供が遊んでいて、なんて平和な時代が来たのだろうと思いました。川の水が満水になるとこの下にある地下牢の囚人は水死したのです。日本軍はとても残酷なことをしています。

　残念ながらリサール記念館は閉館中。張り紙がしてありました。なんでもエアコンが動かないので開館できないとのことでした。残念！　エアコンならすぐに直せそうですが・・・。像はリサールです。

　最北端で折り返して、反対側を帰ります。右手はグランドのようになっていました。

　城壁を降りて、もう一つのリサール記念館に入りました。ホセ・リサール１８６１年生まれ、３５歳の若さで処刑されています。マニラではモニュメントやリサール公園があり独立運動の英雄です。

　同じパネルに初代大統領アギナルドの写真が展示されていました。

　ホセ・リサールのサイン。直筆です。

　彼は眼科医で、語学に堪能。「ノリ・メ・タンヘレ」を様々な言語で書いて、フィリピンのスペイン支配の現状を世界に訴えました。これがきっかけとなり独立運動が盛んになりました。しかし、リサールはスペイン政府からのフィリピン独立運動家として罪に問われ、３５歳の若さで処刑されてしまいます。

　彼が一時逃亡していた香港で眼科医として開業していた時に使っていた名刺がガラスケースの中に展示されていました。

　彼の没後の２年後１８９８年１２月１０日に、パリ講和条約でスペインはフィリピン支配を終了させます。この時点でリサールの思いは叶ったと思われましたが、実際はフィリピンの領有権を2000万＄でアメリカ合衆国に売却した内容でした。

　つまり、スペインの植民地から、アメリカ合衆国の植民地に変わったという事実でした。マゼランが１５２１年にフィリピンにやってきて３５０年間植民地にされてしまい、今度は約５０年間はアメリカ合衆国の植民地です。最後は日本軍が侵略してきて３年ほど占領されます。

　１９３５年のフィリピン独立法のもと、現在、フィリピンはどこの国の植民地でもありません。国力がないと植民地になることを、さぞホセ・リサールは嘆いたことでしょう。日本は明治維新から１５０年目を迎えていますが、開国の時は外国からの侵略の危機がありました。先人たちは英断をもって、本当に上手に危機を乗り超えました。先人に感謝です。

　これが「ノリ・メ・タンヘレ」の原本かと思われます。ガラスケースに入っていました。彼はここサンチャゴ要塞で処刑されるまでを過ごしています。

　調べるとホセ・リサールは来日しています。一番右は日本人では？
真ん中は？　薔薇～　？。　　　余興です。

　サンチャゴ要塞の中から見えるマニラ大聖堂です。ここを歩いているとヨーロッパのどこかの国にいるようでマニラとは思えません。次のサン・アウグスチィン教会へ向かいます。

　途中で城壁が見えました。一部をくり抜いて道路を通しています。１６世紀と現代が繋がる道路のように見えました。　　続く。