潟の町オルベテッロ ～バルボ空軍元帥の記憶が残る町～

2018/01/07 - 2018/01/07

トスカーナ、マレンマ地方にあるオルベテッロ潟の町「オルベテッロ」に行って来ました。ファシスト政権期に水上機の飛行場が作られ、バルボ空軍元帥が主導する大西洋横断飛行の出発地にもなりました。そのため、バルボの墓所もあります。

エリア イタリア

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 3.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

シエナ駅からオルベテッロ駅に向かいます。
グロッセートあるいはモンテペスカリ経由で約2時間弱の距離。

オルベテッロ駅はオルベテッロ市街からは少し離れているので、徒歩でも行けますがバス利用の方が時間短縮で良いでしょう。

オルベテッロの墓所。
看板から察する通り、ここは空軍関係者の墓所だと思われます。
トブルクで死亡したイタロ・バルボ空軍元帥の墓所もここにあります。墓所の入り口からすぐなので割とわかりやすい位置にあります。

イタロ・バルボ空軍元帥の墓所。
オルベテッロの集団墓地にあります。
バルボは大西洋横断飛行を始め、数々の空軍イヴェントを実施して伊空軍の威信を高めた「空軍の父」で、クォドルンヴィリ(四天王)の一人。
しかし、1940年にトブルク飛行場上空で誤射で撃墜されるという不審死を遂げました。

オルベテッロ飛行場跡。
1920年代初頭にファシスト政権によって作られた空軍(水上機)基地で、バルボ空軍元帥による大西洋横断飛行を始めとする空軍イヴェントの出発地になりました。現在は飛行場としての機能は残っておらず、夏季のイヴェント会場として使われています。

オルベテッロ空軍基地衛門跡。
空軍パイロットの顔を模ったレリーフもあります。

オルベテッロ空軍基地はRSI政権期にも使われていたため、王家を象徴する「王冠」は削り取られましたが、何故か一か所だけ王冠が残っているフェンスがありました。

王冠を削り取られた方。

オルベテッロ空軍基地跡の向かいにある航空公園には、バルボの記念柱が残っていました。1本はバルボの名前が、もう1本は二度の大西洋横断飛行の功績が刻まれています。

オルベテッロ航空公園の記念碑。
二度の大西洋横断飛行の功績が地図で描かれています。

こちらは大西洋横断飛行前の「予行」として行われた、二度の地中海飛行の記念碑です。1928年はスペイン、1929年はソ連を目的地としました。

大西洋横断飛行に参加した人々と、事故死した人々の名前が刻まれています。
第二次大西洋横断飛行は草でよく見えませんでした。

微妙に残っているファスケスのレリーフ。

オルベテッロのシンボル、「スペインの風車」。
オルベテッロ潟に浮かぶ風車で、元々は15世紀にシエナ共和国が建設した9つの風車のうちの一つ。
その後、スペイン占領期にスペイン人によって改修されて現在の名で呼ばれるようになりました。他の風車は全て壊れてしまって土台のみが残っています。

オルベテッロの古物市。

なんと、ファシスト政権期のバルボの古書が売られていました！
思わず購入！来た甲斐があった！
市の人に「バルボを知っている」と言ったら喜ばれました。

オルベテッロの潟。
オルベテッロの町は養殖業と釣りが盛んらしく、海鮮料理が美味しい町として知られているようです。

オルベテッロの町に残るファシスト政権期の名残。

バールで一服。

にゃんこ様。

オルベテッロのドゥオーモ。
13世紀に造られたゴシック・バロック様式の大聖堂。
古代ローマの神殿跡の上に造られています。

オルベテッロ観光を終えてシエナに帰ります。
帰りはシエナまでの直通列車がありました。