2018/01/10 - 2018/01/11
29位(同エリア253件中)
玄白さん
ほぼ毎月、修善寺の老人ホームに入所している義母の元気見舞い。昨年は、友人の山中湖ロッジを拠点に日帰りだったが、冬はロッジがクローズされているので、自宅からということになる。今年の正月は帰省せず、家でゴロゴロ。帰省費用が浮いた分で、義母の見舞いついでに伊豆をドライブ旅行することにした。この小旅行の楽しみは、漁師民宿の新鮮な海の幸を堪能することである。我が夫婦は、海鮮料理には目がなく、毎日食べても飽きないのである。そして、もう一つの目的は、西伊豆の夕陽、海越しに見える富士山、澄んだ大気の冬ならではの星空撮影である。2日目は、下田の爪木崎で満開を迎えている水仙の群落を見ること。
まずは、前編、西伊豆ドライブ編である。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝8時前に自宅を出発し、12時過ぎに修善寺の老人ホームに到着。圏央道が開通したことで、自宅から東海地方に向かう場合、都内の混雑を避けられ随分と移動が楽になった。
老人ホーム隣りの民家の梅がすでに7~8分咲き。今年一番の寒気が襲来しているが、やはり、伊豆は暖かい。 -
義母を見舞ったあと、県道18号を進み達磨山を越えて戸田に向かう。達磨山レストハウスに立ち寄り・・・
だるま山高原レストハウス グルメ・レストラン
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最初の富士山眺望を楽しもうとしたのだが、あいにく雲がかかって頂上が見えない。快晴なのだが、富士山だけに雲に隠れている。独立峰の富士山は常に上昇気流が発生し、こういうことはしょっちゅうである。
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伊豆西海岸の戸田に到着後、ちょっと寄り道。目的地は西伊豆町に南下するのだが、県道17号を北上して沼津方面へ。戸田漁港から5分ほど走ったところに出会い岬という展望台があり、ここも富士山眺望スポットである。あいにく雲がかかったままである。
出逢い岬 名所・史跡
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反対側を見下ろすと御浜岬という小さな半島が見える。
すでに火山活動を終えた達磨山と井田火山が駿河湾の潮流に浸食され、削られた土砂が堆積した砂嘴である。岬には静岡県指定天然記念物のイヌマキが群生している。樹齢100年を越すイヌマキは過去何度も襲来した津波に耐えた優れた防災林である・・・てなことが、解説パネルにかかれている。
海面は強い北西風で波が高いが、陽の光でキラキラと輝いている。 -
戸田の町並み。御浜岬のおかげで、天然の良港であるが、周囲は険しい山が海岸まで迫っていて、陸路では来られず沼津から船でしかアクセスできない陸の孤島という時代が長かった。
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さらに北上を続けると「煌めきの丘」という展望台に至る。眼下に見えるのは井田の集落である。春になると眼下の畑は菜の花で「井田」という文字が浮かび上がる観光スポットでもある。
煌めきの丘 名所・史跡
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井田集落の海岸に降りてきた。
井田海水浴場 ビーチ
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ここは、大きなゴロタ石が延々と続いている海岸で、特に奇岩があったりする景勝地ではない。
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わざわざ、寄り道して観光スポットではないこの海岸まで来たのは、ある撮影意図があったからである。
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イチオシ
玄白が大好きな画家の一人が葛飾北斎である。数々の名作浮世絵、肉筆画を残し西洋絵画にも大きな影響を与えた世界に誇れる偉大な芸術家、北斎の作品の中でも、富嶽三十六景は秀逸である。玄白が富士山を撮影するようになったのは、この北斎の影響が大きい。とりわけ、だれもが知っている名作中の名作、「神奈川沖浪裏」の小さく描かれた富士山と大波を組み合わせた静と動のダイナミックで斬新な構図は見ていて飽きない。
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そんな北斎の構図に倣った波しぶきと富士山の撮影をしてみたいと思ったのである。北西の風に煽られた波濤が波打ち際の大きな石に砕け散り、冬晴れの富士山に覆いかぶさるシーンをイメージしてここに来たのである。
しかし、そんな構図作りをするためには、波しぶきの直下まで近寄らないとダメだった。大事なカメラが海水でずぶ濡れになるリスクはさすがにとれないので、あえなく目論見は断念。しかも富士山は雲に覆われている。いずれ機会があれば、カメラに防水カバーをを施し、自身もレインコートを来て再挑戦してみよう。 -
井田海岸での撮影を終えて、今日の宿泊地、堂ヶ島に向かう。途中、黄金崎に立ち寄ってみた。断崖絶壁に波が打ちつけて白く砕け散り、右上には富士山が顔をのぞかせている西伊豆の絶景ポイントの一つである。岩の形が、巨大な馬が海に顔をつけているように見えるので、馬ロックとも言われている。
断崖の岩は、海底火山の噴出物である安山岩が、炭酸ガスを含む熱水で変質したプロピライトという岩石でできていて、夕日に照らされると黄金色に輝く。黄金崎という地名は、これに由来する。まだ、日が高いので黄金色の輝きにはなっていない。ここもまた再チャレンジしたい撮影スポットということで、今回はロケハンである。黄金崎 自然・景勝地
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4時前に今宵の宿「浮島(ふとう)温泉 大屋荘」にチェックイン。浮島温泉というのはあまり知名度は高くないが、堂ヶ島の北700mほどのところにある浮島海岸近くの温泉民宿である。温泉大好き人間の我が夫婦にとっては、豪華なホテルより良い温泉がある安い民宿の方が魅力である。無色透明でクセがなく、やや湯音が低い快適な温泉であった。ただし、露天風呂はなく、内湯のみ。
民宿の写真は撮り忘れた! 温泉の写真は大屋荘の公式HPから拝借した。 -
夕日の撮影は、堂ヶ島温泉がある三四郎島海岸へ。
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左から高島、中ノ島、沖ノ瀬島、象島という4つの小さな島が重なって一つの島に見えている。総称して三四郎島と呼ばれている。波打ち際から島まで300mほどあるが、干潮時には海底が現れて、歩いて島に渡ることができる。これをトンボロ現象という。三四郎島のトンボロは、静岡県指定の天然記念物になっているそうだ。なお、トンボロ現象が見られる有名な場所が江の島である。
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イチオシ
三四郎島のさらに沖合の小さな岩礁に沈む夕日。
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午後4:53 日の入り
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日の入りから20分ほど粘ってマジックアワーの三四郎島のシルエットを一枚パチリ。さらに粘って1時間半後には干潮になりトンボロ現象が現れるのだが、おいしい海鮮料理が待っている! それまでは待てない!!
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さて、お待ちかねの夕食だ。
伊豆の名物シーフードといえば、これ! タカアシガニである。駿河湾、相模湾などの日本近海の太平洋側の深海に生息する世界最大のカニである。ハサミの腕を広げると3mを超す巨大な個体もあるという。ただし、味はいささか水っぽくて大味である。タラバガニの方が味は断然美味である。やはり、格言通り「名物にうまいもの無し」というところかな。
そうは言いながらも完食! -
他にも目玉料理の数々が並ぶ。アワビの陶板焼きやら・・・
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伊勢エビの刺身・・・
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タイの生造りに、これまた伊豆を代表するシーフード、金目鯛の煮つけ。
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その他、もずくとコハダの酢の物、てんぷらなどなど、食べきれないほどの海鮮料理が並ぶ。これで、温泉も楽しめて¥10,000余とは、コスパ抜群である。
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イチオシ
しばし酔い覚ましの仮眠したあと、星空撮影のため、ふたたび堂ヶ島の海岸へ。三四郎島上空に冬の星空を代表する星座、オリオン座が輝いている。
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横位置でも一枚。この海岸は、ホテルの明かりで、ちょっと空が明るい。
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イチオシ
浮島海岸に移動して星景撮影続行。こちらはじゃまな人工光が少なく、暗い冬の天の川もしっかり写っている。
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西側にレンズを向ける。オリオン座の右、真西にはおうし座とスバル、ペルセウス座、カシオペア座が連なる。ただし、この方向は駿河湾の対岸の静岡市の街灯りによる光害が避けられない。
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薄雲がでてきたので、いったん、宿に戻り睡眠。夜明け前の5時半に起きて、ふたたび浮島海岸へ。月齢24日の三日月がすでに南東方向に昇っている。ここは光害が少なく、海岸の奇岩と組み合わせた夏の天の川撮影にも向いているようだ。伊豆の天の川撮影ポイントとしては、あまり話題になっていないようだが、良い場所を発見できた。
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海蝕洞穴がある奇岩の上空に輝く月と木星。木星のすぐそばには、わかりずらいが火星も写っている。
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だんだん空が明るくなってきた。暖かい伊豆とはいえ、明け方は冷え込む。特にこのところ、今期一番の寒波が襲来中だ。ここでは日の出は見られないので、宿に戻って朝風呂に浸かろう。
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朝食。主役は夕食の伊勢海老で出汁を採ったみそ汁だ。う~んまい!
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8時にチェックアウト。連れ合いは一度も浮島海岸を見ていないので、連れ合いとともに、もう一度海岸へ。
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今朝も風が強く波が高い。
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朝の三四郎島。トンボロが現れる浅瀬に左右から波が押し寄せ、せめぎあっている。
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堂ヶ島の小さな入江。この辺りには凝灰岩質の岩肌が波で削られ、断崖となっている小島が散在している。中には海蝕洞が見られる小島があり、洞窟の中に船で入ることもできる。
遊覧船の船着き場。だが、今日は波が荒いのでおそらく欠航であろう。堂ヶ島 自然・景勝地
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写真左側は蛇島(じゃじま)、右側は亀島という名前が付けられている。松が生えた島が点在する様が宮城県の松島に似ているというので、伊豆の松島という触れ込みで観光に一役買っている。
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標高差100mほどの遊歩道があるので、しばし朝の散策。
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国指定天然記念物になっている天窓洞という海蝕洞。洞窟の中央付近が崩れて、大きな穴が開いている。遊覧船は、ここに入り込んでくるのである。船に乗ればこの穴から差し込む日の光が透明度が高い海を照らし、フォトジェニックな情景を作り出している。さながら、イタリアカプリ島の青の洞窟の伊豆版といったところ。
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昨日に増して今朝は波が高い。
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堂ヶ島を後にして、国道136号を南下。松崎町を通過して雲見に向かう。松崎と雲見の間の道沿いには21体の彫刻が点在し、富士見彫刻ラインと呼ばれている。地元の「鳩巣会」という芸術家 グループが昭和47年に制作・設置したという。しかし、国道をドライブしながらなので、じっくり鑑賞というわけにはいかない。
駐車スペースがある場所があったので、ちょっと立ち寄ってみた。今日は富士山がくっきり見えている。 -
雲見の集落に入る直前の高台から眺める駿河湾。雲見漁港の沖合にある牛着岩が見える。昔、暴風雨で雲見集落に高波が襲い家屋、家畜がことごとく流されてしまったが、流された牛がこの岩に流れ着いて無事だったという言い伝えがあるという。そのため、地元では、この岩礁を牛着岩と呼び、小さな鳥居を作り注連縄を張って港と船の安全を祈願するようになったそうな。
雲見 名所・史跡
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雲見漁港からの富士山。
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イチオシ
牛着岩と富士山。昼間の風景なので平凡だが、夕暮れ時、紅富士になったときには、フォトジェニックなシーンになり、大勢のカメラマンでにぎわうようだ。機会があれば、夕暮れどきにおとずれてみたいものだ。
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牛着岩の左手には、こんな奇岩もある。夏至のころには、日が沈む位置に近くなるので、夕焼け空をバックにしたこの奇岩のシルエットも絵になりそうだ。
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この景色を撮るために「雲見夕陽と潮騒の岬オートキャンプ場」に立ち寄ってみた。ここは、昨年8月にも訪れているのだが、その時は富士山がはっきりとは見えなかったので、しつこく再訪した次第。このキャンプ場は、写真撮るためにチョコっと入場するだけでも¥200徴収される。
雲見夕陽と潮騒の岬オートキャンプ場 キャンプ場
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さらに国道136号を南下する。途中、伊浜集落に行く道(県道347号)に入り、波勝崎に立ち寄る。ここは昔から野生のニホンザルが生息しており、餌付けもして野猿公園として整備されている。玄白は初めてだが、連れ合いは50年前に来たことがあると言っている。連れ合い曰く「昔は入場料なんか取られなかったし、岩場に行く遊歩道もあったのに、それもなくなって全然変わってしまった」
そりゃそうだろう、50年前から変わっていないなんてありえない。波勝崎 自然・景勝地
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海岸の奇岩をバックに、サルの面白い生態が撮れることを期待していたのだが、午前中は、サルがたむろしているエリアは日陰、海岸の奇岩が太陽光でピーカン。最悪の撮影条件!
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折しもこの冬一番の寒気で、暖かい南伊豆もさすがに寒く、サルたちも餌付けで巻かれた穀物を拾って食べているか、岩陰でじっと寒さに耐えているだけで、写真としてはちっとも面白くない。
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駐車場につくと、係員が飛んできて、入場券(¥700)を買うように促され、マイクロバスで2,3分走って、この野猿公園に連れて来られるのである。客は我々だけで閑散としている。「なんだかな~・・・」という気分になって、早々に立ち去ることにした。
このあと、年明けから水仙が見頃を迎えている下田、爪木崎に向かう。
以下、後編に続く。
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