2017/09/22 - 2017/09/22
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frau.himmelさん
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コルマールは夫の都合で選んだ街でした。
私は過去3回訪れていますので、できれば他の街の方が良かった。
なのに、夫の記憶違いで、コルマールの用事をバーゼル滞在中に済ませることになり、結局コルマール3泊がまるまる使えることになりました。
でも、どうやって時間潰しをしよう。
他の方の旅行記などを拝見して、アルザスワイン街道の珠玉の町や村を訪れることにしました。
まずはカイザースベルク。
きれいな可愛い町や村にあんまり興味がない夫も、この町がシュヴァイツアー博士の生まれ故郷と知って、俄然興味を抱いたようでした。
そして行ってまいりました。
博物館は閉まっていて中に入れなかったものの、夫はシュヴァイツアー博士の生家を実際見ることができて、何枚も写真を撮っておりました。
ところが旅行記を書くにあたり調べていくうちに、私はそれが違う家であったことに気が付いたのです。
問題は夫です。閉まっていたけど、尊敬するシュヴァイツアー博士の家をこの目で見てきた!と喜んでいる夫に何と言いましょう?
心優しい私は、今更あれは違ったのよ、なんてこと言えません。
このまま夢を見させておくことにしました。
それからこのカイザースベルクは、フランスのラジオ局が主催する『フランスの最もお気に入りの村2017年』の第1位に輝いた町だったのです。本当に美しい町でした。
お断り)この街の呼び方は、ゲゼルスベール、カイゼルスベルク、カイザースベルクなどいろいろありますが、私はドイツ語読みの『カイザースベルク』で統一いたします。
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コルマールのホテルの朝食会場。
今回は3日とも朝食付きです。
朝早いせいか、まだガラガラでした。 -
アルザス名物のクグロフをパン代わりにいただきます。
その他はいつも同じようなものばかり食べていますね。 -
今日は1日アルザスのワイン街道巡りをいたします。
まずはコルマールからバスで30分弱のカイザースベルクへ。
昨日調べておいた駅前のバス停へ。145番です。
写真左側に行先別にいくつものバス停があります。 -
いいお天気!
真っ青な空の上で気球も気持ちよさそうに漂っています。
ワイン街道巡りに絶好の日和です。 -
私たちが乗る145番のカイザースベルク行のバスは、ホテルの近くの官庁の横を通り・・・。
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旧市街のテアター前で乗客を増やして走ります。
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一面に広がるアルザスのぶどう畑の中を・・・。
バスは陽気なラジオ音楽をならしながら乱暴な運転で走る。 -
ぶどう畑の向こうに見える集落はカッツェンタール。
おお「猫の谷」。
地名にもドイツ語が多いですね。 -
ぶどう畑の中に突如現れた文字「KAEFFERKOPF」。
この地域のワイン醸造所が所有するぶどう畑でしょうか。 -
ここはアンマーシュヴィア(Ammerschwihr)。
とんがり屋根の大きな塔は「盗人の塔」。 -
夫が3日前に訪れたキイエンツハイム。
と言っても、コルマール駅から友人の送迎付きでしたから、「こんな場所覚えていない」そうです。 -
キイエンツハイムのぶどう畑。
コルマールのコイフィス広場のバルトルディーの銅像、シュヴェンディ男爵がトカイから持ち込んだピノ・グリなのでしょうか。 -
その時バスの後ろの席から声が聞こえました。
「シュヴァイツァーの家はここで降りたほうが近いですよ!」。
そうでした。
カイザースベルクで夫が一番興味を示したのはシュヴァイツァーの家を訪問すること。
コルマールのバス停で、どこで降りたら一番近いか学生さんらしい人に尋ねたのでした。
そしたら近くに来たら教えてあげますって約束していたのでした。 -
清らかな小川のせせらぎ。
これがヴァイス川なのかしらね。
カイザースベルクの地図はないので、標識に頼るしかありません。 -
ワインの町らしい可愛い絵。
STOLL!?。
これがもしかしてフェダーヴァイサーのこと?
この絵の感じではどうもそう思えます。
今回の旅はフェダーヴァイサーを飲むことも目的の一つでしたから、帰国してこの絵の写真を見てガッカリ。 -
CAVE(ワイン販売所)はこちらですよ。
ワインの町カイザースベルクにはCAVEがいくつもあります。 -
Albert Schweitzerという標識を頼りにここにたどり着きました。
ここがシュバイツァー博士が生まれた家なのね~。
博士の功績はここで説明するほどでもないくらい日本でも有名ですね。
医者であり、オルガニストであり、人道主義者としてノーベル平和賞も受賞しています。
でも扉が閉まっています。 -
夫は、扉の間からカメラを差し入れて写真を撮ります。
アルザス生まれのシュヴァイツァー博士はアルザスの複雑な歴史にも無関係ではありませんでした。
1875年にカイザースベルクで生まれた時はドイツ領でドイツ人として生まれました。
1913年アフリカのガボンで医療活動や世界平和の流布活動などにあたりましたが、ガボンは当時フランス領でした。
ドイツ国籍のシュヴァイツァーは捕虜としてヨーロッパに帰還させられます。 -
楽しみにしていたシュヴァイツァーの家が閉まっていてガッカリしている夫。
なおも「College Albert Schweitzer」とある立札を写真に撮っています。
「入り口はここではないかもよ。あちらに回ってみましょうか?」と私。 -
ピラカンサスの実が重たく垂れ下がっている道路を通って、別な入口を探します。
-
ここも扉が閉まって入れません。
夫は非常に残念がっていましたが、仕方がありません、諦めましょう。
ここで、実際博物館に行かれた方はお気づきになられましたね。
実はここはシュヴァイツァーの家(博物館)ではなかったのです!
この旅行記を書くにあたり地図を見ていたらそれに気が付きました。
ガ~~ン!ですね。
ここは「College Albert Schweitzer」、シュヴァイツァーの名を冠した学校か研修所のような施設のようです。 -
これは後ほどカイザースベルクの観光案内所でいただいた地図です。
この地図と写真を見比べていましたが、どうしても合致しないのです。
19番(A)がシュヴァイツァーの家と思い込んでいますので、どうしてバスから降りてすぐにヴァイス川があったのか、謎は深まるばかり。
グーグル地図で「College Albert Schweitzer」と入れて調べたら(B)の位置が表示されました。
これで納得しました。
バス停を教えてくれた学生さんは間違ったバス停Bを教えてくれた。
実際はその先のバス停Aで降りなければならなかったのです。
そして運が悪いことに、シュヴァイツアーの名前を冠した施設が近くにあって、私たちはすぐ見つけることができた。
もしこの施設がなかったら、道を尋ねてシュヴァイツアーの家にたどり着いたはずです。 -
でも、親切に教えてくれた学生さんのことは恨みません。
途中にちゃんとこんな道しるべもあったのですから。
でもさっき見てきた家のことを案内しているのだろうとばかり思いました。
ただ問題は夫です。
閉まっていたけど、シュヴァイツアーの家をこの目で見てきた!と喜んでいる夫に何と言えばいいのでしょう?
心優しい私は、今更あれは違ったのよ、なんてこと言えません。
このまま夢を見させておくことにしました。 -
市の塔、Kesselerturm。
シュヴァイツァーの家があの位置ならば、この塔がここにある理由も判りました。 -
塔の上にはコウノトリの巣が。
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この通りを『1944年12月18日通り』と言うそうです。
1944年末まではドイツ領だったアルザス地方。
連合軍とドイツ軍との大激戦の末、12月18日に解放されフランス領になりました。 -
12月18日通りに小さな公園がありました。
カイザースベルクは城壁が築かれていた街だったようですね。
あの丸いタンクのようなものは防壁の一部だったのでしょうか。 -
ここは、Place des Malgré-Nous。
このプレートの下の方にNazisum(ナチズム)と書かれたメモリアルを見つけました。
フランス語は全然わかりませんので、翻訳サイトを頼りに私なりの意訳をしてみました。
「1942年8月から1944年末までの間、アルザスとモーゼルの若い男性がドイツ軍として戦争に出陣しました。
彼らは好むと好まざるに関わらずドイツ軍の軍服を着用せざるを得ませんでした。
そして東部戦線やその他の戦場で4万人の若者が命を落とし、4万人の戦傷者を出しました。
アルザスはナチズムの狂気の犯罪に加担させられた地域です。」 -
そこから目をちょっと移動させると、美しい木組みの家の向こうにカイザースベルク城が見えます。
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そんな暗い歴史があったとは感じさせないカラフルな街並み。
早速歴史地区に入ってみましょう。 -
その前に、カイザースベルクは2017年のフランスのお気に入りの村第1位に選ばれた町なのです。
並みいるフランスの美しい村の中で堂々の第1位、素晴らしいです。
そんな街並みを散策します。
観光案内所からいただいた町の地図の中にも、堂々とそのことが記載されています。
左の赤いマークがそうです。
左はカイザースベルクの紋章です。金色の金具のお財布ですって。 -
家々の窓辺はゼラニウムの競演。
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この家はまるでお正月のしめ縄・・、なんて言いそうになるような飾り。
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古そうな見事な木骨組みの街並みが続きます。
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豪華な木組み模様。
これも1階部分は石造りですからコロンバージュって言うのでしょうか。 -
オーバーホーフ通り。
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奥の方に見える三角形の屋根はロベロフ礼拝堂。
14世紀末に建築されました。 -
そしてこの通りの横はヴァイス川、また丘の上にはカイザースベルク城が見えます。
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ヴァイス川に架かる橋。
この橋は1514年に造られた防御用の橋です。銃口穴が見えます。 -
穴の隙間から覗くと、ロベロフ礼拝堂とヴァイス川の清らかなせせらぎ。
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橋の途中から後ろを振り返る。
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素敵な鉄製の看板。
黒い大きなリボンのアルザスの少女と糸つむぎをしているお母さん。
まさにメルヘンの世界。 -
メルヘンの世界のお土産屋さんもメルヘンチック。
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アルザスのお菓子クグロフの型の陶器、アルザスの郷土料理シュークルートの陶器のお鍋、それに鳩時計など。
みんな可愛い~。 -
そんなメルヘンの世界からカイザースベルク城がまた顔を覗かせました。
左側の白い家は「Hostellerie du Pont」1600年に造られた建物らしい。
ドイツ語ではガストハウス・ツア・ブリュッケとなっていますからホテルなどの宿泊施設のようです。
入り口に展示してある銅板は? -
ホーエンシュタウフェン家のフリードリヒ2世(1194-1250)。
神聖ローマ皇帝です。
Fondateur de Kaysersberg.
とはカイザースベルクの創始者という意味。
カイザースベルクのカイザー(皇帝)とはフリードリヒ2世のことだったのですね。
調べてみるとフリードリヒ2世はアルザスに滞在したこともあるようです。 -
ではこのカイザースベルクはカイザーシュタット(皇帝が滞在する町)だったのでしょうか?
神聖ローマ帝国には決まった首都がありませんでした。
そこで皇帝は帝国内の拠点を転々と移動しながら領土を統治していたそうです。
そこにはカイザーが滞在するお城がありました。有名なところではニュルンベルクのカイザーブルクがあります。
ここから見えるあのお城もカイザーベルクだし・・・、なんて考えてブルク(城)とベルク(山)との違いに気が付きました(恥)。 -
この家の角を曲がった路地もなんだか楽しそう。
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フォルシュロン通り。
ヴァイス川に平行した細い通りです。 -
家の後ろにはお城の崖が迫っています。
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この家は陶器のお店?
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この絵はカイザースベルクがフランスのお気に入りの町第1位に選ばれたお祝いの絵ですね。
2017年6月13日に決まったばかりですから、私たちが訪れる3か月前。
まだホヤホヤの決定のお祝いです。 -
狭いけどほんとに素敵な路地です。
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さっき旅行者のご夫婦に構ってもらっていた猫ちゃん、今は誰も相手にしてくれないので寂しそう。
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まだメルヘンの街の散策は続きます。
これはまた古い大きな建物ですね。庇(?)が歪んで見えます。
1616年に建てられたお肉やさんだそうです。 -
素敵なパン屋さん、お菓子やさん。
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ショーウィンドーにはアルザス名物のクグロフやプレッツェル。
コンフィチュールやチョコレート、クッキー、それに私の大好きなヌガー。 -
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そのお隣では二人の男性の不穏な動き。
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パン屋さんの下には小川が流れているのです。
二人の男性はそれを写真に撮っていたのでした。
村の中心には小川が流れおり、水車が備え付けてられて、昔はここが生活の中心であったことが覗えます。 -
この路地にも水路がありました。
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美しい町の散策はきりがありません。
写真も60枚を越えましたのでいったんここで止めて、後編に続けます。
二人の写真を合わせていますので、枚数も膨大になっています。
それに捨てられないオンナなものですからまとまりがなくて申し訳ありません。
でも、カイザースベルク、本当に素敵な街です。
私もお気に入りの町になりました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ハッピーねこさん 2018/01/17 21:05:25
- カイザースベルク!
- himmelさん、こんばんは。
カイザースベルク!
なつかしく、うれしく、そしてお訪ねになったhimmelさんを羨ましく、
胸キュン(古いっ)で拝見しました。
2011年に初めて訪れたアルザスで、拠点としたコルマールから
最初に訪ねたのがカイザースベルクでした。
それ故か、大好きなアルザスの街や村の中でも特に思い入れを感じます。
丘の上のお城や葡萄畑、可愛らしい家並み、村はずれの水辺・・・
どこも7年前の面影そのままでした。
いえ、私が訪ねた5月初旬よりもお花に溢れて更に美しかったです。
ですがあのフランスで”お気に入りの村第1位”だなんて、本当にすごいことですよね。
シュヴァイツァー博士の生家。私はお城から村はずれの方へ下りてきたら
たまたま行き着きました。
バスを降りたのはhimmelさんご夫妻と同じバス停だったようですが、
博士の関連施設があることにはまったく気が付きませんでした。
親切な学生さんの好意がひょんなことになりましたが、これも旅の思い出ですね。
- frau.himmelさん からの返信 2018/01/18 20:07:50
- RE: カイザースベルク!
- ハッピーねこさん、こんばんは。
胸キュン・・・、だなんて本当にカイザースベルクが大好きなのですね。
リクヴィールやリボーヴィレに比べてマイナーなところかと思っていましたら、さすがアルザスが大好きと仰るハッピーねこさん、既に行ってらっしたのですね。
カイザースベルクを形容するお言葉で、お好きな度合いがかなり高いことが判ります。
あのバス停は、旧市街に行くにはあそこが近かったのですね。
そうなんです。あの施設がなかったら私たちももっと探したでしょうに。
いいえ、見つからなくて良かったのです。見つかったらあの博物館でどれだけ時間を取られたやら。
行く前にもハッピーねこさんに教えていただきましたが、交通は不便なところですね。
タクシーが全部出払っていて1時間待ちとは驚きました。実際は1時間半待ちでした。
あの日はまだいろいろ周りましたので、1時間半のロスは痛かった〜〜。
ハッピーねこさんのベルリン編、好調ですね。
続きを楽しみにしています。
himmel
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