瀋陽・大連・旅順を巡る旅（瀋陽の世界遺産　故宮博物院観光編）その３

2017/11/10 - 2017/11/13

何度も行き、もう行くことはないかなと思っていた中国ですが、今年２回目の大連。
５月に旅順に行った際、二百三高地から霧で旅順港がのぞめなかったことと、故宮博物院のうち北京・台北には行ったものの、瀋陽の故宮博物院には行ったことがなかったので、寒い中３泊４日のツアーで出かけてきました。
今回は寒かったものの天候に恵まれ、念願の旅順港を二百三高地から見ることができ、瀋陽の故宮博物院にも行け、目標を達成することができました。
今回の旅程は、
１１月１０日（金）：関空より大連に行き、そこからバスで瀋陽に移動して宿泊。
１１月１１日（土）：午前中、世界遺産の昭陵、瀋陽故宮博物院と九・一八事変歴史博物館を見学し、バスで大連に移動して宿泊。
１１月１２日（日）：大連市内観光後旅順に移動し、東鶏冠山、二百三高地、水師営会見所など見学し大連に戻って宿泊。
１１月１３日（月）：大連の旧ロシア人街見学後、大連空港より関空に帰国
瀋陽へは、大連から約４５０ｋｍの距離をバスで約５時間かけて移動したので結構しんどかったです。
とはいうものの、ツアー参加者が２０名のため大型バスの座席を一人が２席使えたのでその移動も思ったよりましでした。
２日目の瀋陽観光はたくさん写真を撮ったので２回に分けて紹介させていただきます。
今回は、３番目に回った世界遺産　故宮博物院の観光と大連への長い移動を紹介します。
瀋陽の故宮博物院は北京の規模と比べものになりませんが、時代と皇帝の権力を感じる建物でした
それにしても瀋陽から大連への移動はバスだと大変です。

エリア 瀋陽(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行なし）
• 利用旅行会社: JTB

１１月１１日(土）世界遺産　昭陵と九・一八事変歴史博物館見学後の旅行記です。
瀋陽市内の大渋滞に巻き込まれ、故宮博物院までかなり時間がかかりました。
この門を抜けた正面が瀋陽故宮博物院の入り口になります。

ここが世界遺産　瀋陽故宮博物院入り口前の広場です。

この広場にもこのような門があります。
この真っ直ぐの通りは故宮博物院に沿ってあり、北京の故宮のような大きな門もありました。

この広場周辺にも沢山の建物が有ります。
この瀋陽故宮は、１６２５年遼陽から遷都したときに創建し、１６３６年に完成したものです。
初代皇帝のヌルハチと二代目のホンタイジがここに居住しながら執務を行ったところです。

ここが瀋陽故宮博物院の入り口で、左側の建物がチケット売り場になっています。

瀋陽故宮博物院の総面積は約６万ｍ２あり、北京の故宮博物院の十二分の一の大きさですが、その中には５００以上の部屋を持つ建物が７０以上もあります。
そのためとてもコンパクトな離宮です。

まずはこの入り口から中に入ります。
敷地内は大きく東、中、西路の三つのエリアに分かれています。

これは瀋陽故宮のマンホールです。
しゃれています。

そしてこちらが瀋陽故宮博物院の配置図です。
敷地内にびっしりと建物が並んでいます。
一番右側の空き地の多いエリアが東路で、そこには大政殿と十王亭などの建物があります。

先ほどの入り口の門を入ると正面に崇政殿が現れます。
残念ながら改修中で、建物をゆっくりながめることができませんでした。
この崇政殿は、盛京皇宮の正殿で、清の１６２７～１６３５年に創建され、皇帝が政務を執り、外国の使者を謁見した場所だそうです。

この崇政殿の前にある灯籠のようなものは、『嘉量』と呼ばれる量りです。
１７４５年に増設された、古代の計量器です。
これの反対側にある日時計と合わせて、国の統一を象徴するものだそうです。

これがもう一つの日時計です。
日規とも呼ばれ、１７４５年に増設された古代の日時計です。

まずは大政殿のある東路に向かいます。
手前の屋根の先端には動物の装飾品である魔除けの『走獣』がいます。
たしかこの『走獣』は先ほど行った昭陵にもありましたし、古い中国の建物にはすべてありました。

この正面の八角形の建物が大政殿です。
この左右に１０戸の小さな建物の十王亭が並んでいます。
この十王亭には八旗の長と二人の大臣の詰め所だったそうです。

この大政殿は、かつて式典が行われたところです。
黄色の瑠璃瓦の美しい八角二層のこの建物は、漢、満、蒙の3民族の建築的な特徴を兼ね備えた傑作といわれています。
ちなみにこの八角形の建物の大政殿は、瀋陽市のシンボルになっています。

この大政殿の中には玉座があります。

この建物は中路にあるもので、宝物の展示館になっていました。
残念ながら私たちはその宝物を見学することができませんでした。
北京の紫禁城もそうですが、多くの貴重な宝物は台北の故宮博物院に保管されています。

この大政殿は、ヌルハチが瀋陽へ遷都する際に創建されたもので、瀋陽故宮の建築群のうち、最も早く建てられたものです。
こうやって斜めから見ると建物が八角形だとわかります。

大政殿から故宮の北側を回って中路の建物群に進みます。
この通路には太湖石や小さな庭園があります。

先ほどの通路から一段高い中路の建物に上がって眺めた景色です。
故宮博物院は瀋陽市の中心部にありますので、周りには高いビル郡が並んでいます。

これは建物の暖房用オンドルの煙突です。
１６２７～１６３６年に創建され、瀋陽故宮の中で典型的な満州族の特徴を持つ唯一の建物だそうです。

これは西配宮（ホンタイジの庶妃の寝室）内に展示されていた、お妃の使っていた団扇です。

この絵のように使っていたそうです。

これは帽子です。
現代でもかぶれるおしゃれな帽子です。

そしてこちらは鏡。
右側のものは日本でも発掘される銅鏡に似ています。

これは靴です。
一見、置台の上に靴が飾られているように見えますが、そうではなくハイヒールのようです。
この靴をはいてよく歩けたものです。

こちらはネックレスです。

このようにして着用していたようです。
衣装も日本の十二単のようにかなり重そうです。
お妃も大変です。

こちらは清寧宮です。
１６２７-１６３６年に創建された建物で、ホンタイジと皇后が居住した宮殿です。

建物の中にはホンタイジと皇后の寝室もあります。
室内はオンドルの暖房設備が完備されています。
このあたりは冬になると、とても寒いので暖房がないと大変です。

こちらは居住スペースです。

こちらは関唯宮で、東宮とも呼ばれ、１６２７～１６３５年に創建されたホンタイジの妃の寝室です。

そしてこちらが瀋陽故宮博物院でも有名な鳳凰楼です。

鳳凰楼の前にはこの長い柱の神竿があります。
これは索倫竿とも呼ばれ、満州族の原始宗教・シャーマニズムの祭祀を行う際に使う竿だそうです。

鳳凰楼の建物にはこのような飾りもありました。
何かアンコールワットの遺跡でも見たような形の獣です。

これが鳳凰楼を真っ正面から見たものです。
この三階建ての鳳凰楼は、瀋陽故宮で背の最も高い建物です。
建設当時は瀋陽市街でも最も高い建物だったため、ここで皇帝たちは宴会を行っていたそうです。

瀋陽故宮博物院は北京の故宮より面積が小さく、建物群もコンパクトに集まっているため、１時間足らずで一周回れました。

その後は入場門前の広場に出て、昼食レストランに向かいます。

先ほどの門を何カ所か抜けると正面に大きな門が見えてきます。
北京の故宮のような感じです。
とすれば先ほどの広場は面積は狭いけど、天安門広場と同じようなものかな？

この通りを歩いていると中国人のカメラを持っていた人が一生懸命写真を撮っていました。
何の写真を撮っているのかその方向を見ると、建物の影が龍のように見えます。
そのため私もこの写真を撮らせてもらいました。
ひょっとして瀋陽故宮博物院の撮影スポットかも？

結構長い通りです。
車があまり走っていないけれど、急に走り抜けていきますので注意が必要です。
中国では音のしない電気自動車や電動スクータが多く走っているので注意が必要です。

やっと大きな門の前に到着。
この通りの左右には土産物屋さんや飲食店が昔風の建物の中で営業しています。

ここが昼食レストランです。
本日の昼食は郷土料理。

ここの中華レストランでも中に入ると新鮮な魚介類が並べられています。
ここでも好きなものを言って料理してもらえるようです。
しかし私たちは団体ツアーですので決められた料理をいただきます。

店内はお昼時だったため、こんな感じで賑わっています。

いただいた田舎料理がこれです。
一通りいただきましたが、どれも美味しくもなく、まずくもない料理でした。
もちろん生ぬるいビールと一緒にいただきました。
ところでビールは冷やしておいてもらいたいものです。

瀋陽故宮博物院の見学後、大連に向かって大移動します。
その際、車窓観光で瀋陽の中山広場にある瀋陽ヤマトホテルの前を通ります。
これは中山広場の中央にある毛沢東の銅像です。

正面から見るとこんな感じで、手を向けている方向は北京だそうです。

これが大連と同様に中山広場にある、旧奉天ヤマトホテル（現在は遼寧賓館）です。
このヤマトホテルは満鉄が経営する鉄道沿線に設けたホテルで、奉天以外に大連、星が浦、旅順、長春にあるそうです。
ちなみにこの奉天ヤマトホテルは１９２９年に建てられたものです。
それにしてはあまり歴史を感じられない建物です。
当時からモダン的な建物だったのかもしれません。

中山広場の車窓観光後、大連目指して大移動をします。
それにしても瀋陽は大都会です。
ただインフラが整っていないため道路はいつも大渋滞です。

大連への移動の途中、またもや新幹線に遭遇。
車体は昔のひかり号のようにずんぐりむっくりしています。

瀋陽市内の渋滞を抜け、やっと高速道路のインターチェンジに入り、ここから高速道路で大連に向かいます。
料金所ではＥＴＣカードのレーンが一つありましたが、ほとんどの車は他のレーンを抜けて行っていました。

途中のトイレ休憩でよったサービスエリアです。
名前を見ると瀋陽に来る際に休憩した井泉サービスエリアでした。

このサービスエリア内には売店もありました。
売店に入ると日本のコンビニと同じような商品が並び、何と缶ビールも売っていました。
飲酒運転しないのかな？

さらにバスは大連に向けて走ります。
ここはちょうど鞍山あたりです。
鞍山は鉄鋼の街ですので、木々の向こう側には製鉄所の高炉が見えます。

このような草原を抜けて一路大連に向かいます。

こちらの日の入りは、日本より少し早い１６時３０分。
夕陽が大陸に沈んでいきます。
この景色を見ると、なんとなく谷村新司の昴を歌いたくなります。

昨日と同じよう、瀋陽から５時間３０分かかって１９時３０分に大連に到着。
まずは夕食レストランに向かいます。
夕食レストランは、しゃぶしゃぶで有名な『牛富肥牛』。

このレストランも入り口に魚介類の水槽が並んでいます。
どれも美味しそうです。

夕食は海鮮ではなく、この店の定番のしゃぶしゃぶです。
団体ツアーですが、一人一つのしゃぶしゃぶ用の鍋が有り、この皿に盛られたお肉が一人前です。
そのため誰にも遠慮なくお肉をいただけます。

お肉以外の野菜や豆腐、麺類は大皿に盛られたものを頭の中で人数割りした分をいただきます。
中華料理の場合、団体ツアーだとこの計算が大変です。
(あまり多く取り過ぎるとけんかになりそうです）
お肉は各自お皿に盛られていますので安心していただけます。
ここでもビールは冷えてなく最悪でした。
ただしゃぶしゃぶは美味しくいただきました。

ただお肉もいいけど、私はこちらの海鮮の方がいいです。
どれも美味しそうです。
いつかは財布に相談なく、好きなものをお腹いっぱい食べたいものです。

その後ホテルにチェックイン。
大連の宿は、ホテル日航大連。
このホテルに連泊します。
今回のツアーに申し込んだのは、このホテルに宿泊できるのが決めた理由の一つです。
部屋は広く、部屋の片隅にはビジネス用の机も有り出張には最適です。
もちろんWIFIは部屋でもつながりました。

こうやって見ると部屋の広さがよくわかると思います。
日系のホテルですので清潔感もあり、快適です。
ただ無料の水が洗面所においてあったのですが、間違って客室の有料ミネラルウォーターを飲んでしまった人もいました。
何とこの有料のミネラルウォーターは２５元もしていました。
（レストランのビール並みの値段です）

そしてこちらがバスルーム。
バスタブも大きく、ゆったりと入浴できました。

また反対方向にはシャワーブースもありました。
そしてこのホテルで一番よかったのが、トイレがウォシュレット付きだったことです。
さすが日系のホテルです。
その後ホテル１階にあるコンビニのローソンでビールを買って休みました。
今日は天気もよく、楽しみだった瀋陽故宮博物院にも行け、大満足の一日でした。