芸術とラーメンとスイーツの京都。2017夏　其の一

2017/07/20 - 2017/07/21

始まりは1枚のポスターから

技を極める
～ヴァンクリーフ&アーペル　
　　　　ハイジュエリーと日本の工芸～

心は既に京都で占められた

仕事は繁忙期
休みをもぎ取り、いざ京都

エリア 京都

始まりの１枚

世界的ジュエラー
×
幕末～明治、職人技術が最高潮に達した時期の工芸作品

こんな夢の競演
後にも先にも、無いかもしれない。

仕事は繁忙期。
どうにか２日の連休をもぎ取った。

仕事を終え、新宿から京都行きの深夜バスに乗り込む。3列シートは快適、フラットシートですぐに眠気がやってきた。

早朝５時、京都到着。
空気が清々しい。
今日も暑くなりそう。

広い境内。
誰もいない平安神宮。

なんてレア☆

自分の、砂を踏む音が　静寂を際立たせている。

プリっ☆

正面

まだ庭園には入れない時間。

朝ごはんの後で　また来るよ。

東山駅すぐのパン屋ルバカサブル。
雰囲気はまるで、ヨーロッパのよう。
客層も多国籍。
トースターがあり、セルフで温めるスタイル。

左があんパン、右はキッシュ。
味は記憶に残らず。

さて、町歩き♪

春にも訪ねた並河靖之七宝記念館。
明治大正期に活躍した七宝家。

帝室技芸員だった彼の旧邸。

いまは夏休み期間中。。。

並河七宝はパリ万博にも出展。
ジャポニズムに湧くヨーロッパで一代旋風を巻き起こし、船便が到着すると　ナミカワ　という名前だけで、荷ほどき前から買手が殺到したそう。。。

当時存在しなかった、深い黒の釉薬を開発。
鮮やかな色との対比が今も心に響く。

(この模様、筆で描いていても感心しちゃう細やかさなのに、

これは　七宝　で…

繊細な金属線で図柄を作成
その線の間に様々な色の釉薬を挿し込み
花鳥風月を描き出し、
焼成と研磨を繰り返す…

まさに職人☆超絶技巧！！)

1894年に落成した建物
ミセとオモヤの二つの棟を玄関でつないだ京町屋の　オモテヤ造り。

主家の縁側には輸入品のガラス障子、当時としては相当モダンだったでしょう。。。

そして、その作品同様ありふれていない庭園…☆
琵琶湖疎水を導入した池。
この水を用いて七宝の冷却作業も行ったよう。

水音が耳に心地よく、縁側に座ったら動きたくなくなる、、、

居心地のよい、縁側

この美しい家　兼　工房から、数々の名作が誕生したのか…と感慨深い。




京都らしい町屋、並河ファンでなくても興味を持って見られるかと。
おすすめです♪


さぁ、今日は美術館で並河七宝と再会できる！



、と、その前に平安神宮へ

ただいま！

そろそろ庭が開く頃。

４月には素晴らしい紅垂桜を見せてくれて、ありがとう

真夏の時期、京都の厳しい暑さに負けず咲くのは睡蓮の花。

睡蓮を見るなら午前中

ここは、西神苑。

平安神宮が創建された1895年に造られた。

心まで澄んでいきそう…

夏の木陰の心地好さ、、、

早すぎる秋の気配。


京都には紫色がよく似合う。

中神苑に来ました。

手前にみえる、臥龍橋。
龍が臥す(伏す)姿がその由来。

ちなみに神苑作庭者はなんと！
先ほどの、並河靖之の庭園も手掛けた七代目小川治兵衛。

なんて造形美、、、

臥龍橋の石、豊臣秀吉ゆかりの橋の橋脚で造られたそう。

京都には歴史的なものが、ごく普通に在ることを実感。。。

睡蓮と私

モネに見せたいな。

静寂の時間

なんて贅沢、、、

名残惜しいけれど、そろそろ美術館へ向かおう。

青紅葉にお別れを告げる。





平安神宮から5分足らず。
京都国立近代美術館に到着！

そう、このポスターから始まった旅！

ヴァンクリーフ&アーペルを知らなくても　アルハンブラ、という名称はご存知の方が多いかと。

半貴石といわれるメノウやオニキス、シェルなどを可愛らしい花形にしたヴァンクリーフの定番商品。
(この写真はギンザシックスのウィンドウから。)


しかし…このブランドの真骨頂、庶民の手が届くものでなく、ハイジュエリーにこそある！

例えば
王冠を賭けた恋で有名な、元祖不倫略奪のウィンザー公爵夫人。
彼女がオーダーしたのがジップネックレス。
ジップを開ければネックレス。
閉じればブレスレット。
そのアイディアを形にするのに、費やした年月は20年…
歴史あるメゾンのプライド。

そしてこの、ミステリーセッティング
(サファイア部分)

まるで石畳のよう。
これは電車のレールのように石に溝を掘り、凹凸を嵌め込んでいく技法で100分の１ミリの精度が要求される。
石を留める爪を表から見せない。

この技法を世界で初めてやってのけたのが、ヴァンクリーフ&アーペル。
その技術者は神の手を持つ、と言われた。

(今はこの技術、他ブランドでもよく目にするもの。日本のブランド、ジュネはグラデーションカラーのミステリーセッティングが得意♪)

桜蝶図平皿

並河靖之に惹かれるきっかけになった作品。

美しさの結晶のよう。
夢に出そう…！

ペルシャ風シガレットケース
アールデコの美しさ。

ヴァンクリーフはこういったケースより一回り大きいケースも開発。
それは　ミノディエール　と名付けられ、煙草にライター、口紅にパウダーが綺麗に収まりお洒落だった為、女性から爆発的に支持されたという。

普通に欲しいよね　↑

七代目錦光山宗兵衛　花鳥図大鉢

幕末から明治にかけて、華やかで緻密な薩摩焼は海外で大好評、、、！
輸出品のなかでも特に需要があったと聞く。

正阿弥勝義　蓮葉に蛙皿

金工も素晴らしい。
蛙の指先よ…(σ´Д｀)σ

写真は無いが自在置物も展示されていた。
触角まで自在に動く、伊勢海老など。
技術の高さに感動、、、

つけてみたい！
似合うかどうかとか、関係ない！

ここにもミステリーセッティングが。

エメラルドはその性質上、内包物が多い石。超音波洗浄機にも入れられないような非常に非常に繊細な石。
そんな石でミステリーセッティングをしてしまうとは…メゾンの真髄を見た気持ち☆

感嘆のため息あるのみ、、、、、

服部峻昇　輝貝飾箱　蜻蛉

現代作家の作品。
蜻蛉の儚いイメージに、螺鈿の玉虫色が魅力的。
何度も重ねた漆で、ぽってりとした表面の質感。

触れたくなる衝動、、、

この展覧会ならでは、東洋と西洋の美しいものが出会い、そこには化学変化が生じている

東洋美術か西洋美術、どちらをクローズアップした企画展が多いなか
この展覧会では、同時に見ることを純粋に楽しめる

対比と結び付き　に着目している



段々　感覚が麻痺してくる心地好さ

無我夢中でみていたら、お昼の時間。
一旦外に出よう。

向かったのは、蕎麦屋桝富。
朝の散策時に、粋な店構えに入ってみたい！と。

暖簾をくぐる。

鴨せいろ蕎麦。
旨し！
芸術堪能後の鴨のアブラ、最高♪
そして量が軽め。

デザート食べに行くから好都合♪♪

今度は平安殿へ。
この看板メニュー！
憧れてたの。

見た目に違わぬ美味しさ…☆

通りを眺め、美術館の作品たちに思いを巡らす。

ヴァンクリーフ&アーペルは、毎年世界の何処か美術館を１つ選んでは展覧会をしているそう。
それは、世界中を回ることなく、１都市、1美術館。

なんて潔い…

現在のCEO は大の京都好きらしい。
この美術館で、日本の指折りの工芸品とのコラボレーションを熱望したそう。

それが実現したおかげで、私は新宿から京都に来て、いまここで　玖豆善哉を目の前にしている。。。。。

大人になって、やりたいこと、やりたいように出来ること、本当に幸せだな

さて、お腹も心も満たされた、再び美術館へ。

再入場します。

この軽やかな様子を、ジュエリーで表現するって…

こんなイベント？もあり

タッチパネルで嵌め込むゲーム。
何であれ、褒められるのは悪い気はしない

バードクリップとペンダント。

口にはイエローダイヤモンド。
地球が生んだ奇跡。

ダイヤモンドは黄色っぽい　のはお安いけれど、はっきりしたと黄色　いわゆるファンシーカラーになると高額、それはもう…
希少価値という点で、カラーダイヤは投資の対象でもある程

そんなことはどうでもいい位、格調高い作品！

ため息しか出なくなってきた。

閉館前30分のアナウンスに現実に引き戻される。
駆け足で常設展を見に、2階へ。
藤田嗣治。
麻田浩。
とても良かった。

遂に閉館時間。

改めて、時間を捻出してこの展覧会に来られたことに感謝の念。

さて、今夜のホステルにチェックイン♪

しづや旅館。
最高のコスパ。
駅へも徒歩圏内。

フロントの女性に美味しいラーメン屋をリサーチ☆
よし、なんとか歩けそうだ。

じゃーんv
@猪一です。

欲張って、焼売も頼んでみた。
なかなか来れないから、を理由に
旅先では追加につぐ追加をしがちな私…
(;A´▽｀A

澄んだスープは遠くに甘味が。
焼売は、箸でもつと崩れるくらい、つなぎが少なくジューシー！

出る頃には行列。
ここは…再訪の予感しかない

　



夜の京都を歩いていたら、「夜は短し歩けよ乙女」をふと思い出した。
乙女とは、おこがましいけれど、、、

明日のスケジュールを考えよう。
カフェに入ろう。

エフィッシュ
ここも多国籍。
京都、東京以上に海外の観光客が多い印象。

お腹いっぱいなのに誘惑に負けて、チャイとスコーン♪♪


明日は宇治で、平等院に行こう。
去年秋に行った両親が絶賛、ずっと心のなかで温めてきた。
奈良線で20分で行けるよう。

そして、明日はちょうど月に一度の弘法市！
まず東寺に行き、骨董市も楽しんだら宇治へ向かおう。



、、、問題は、骨董市なんて行ったら、平気で１日遊べそうなこと。

駄目、宇治にも行きたい！
そして平等院の睡蓮も見たい！
今夜は早寝だ。