2017/06/02 - 2017/06/15
268位(同エリア443件中)
ちゃおさん
大聖堂に入ろうとする参詣者の列が数百mにも及び、このまま待っていたら、どれ程時間がかかるか分からない。一旦列に並ぶのを諦め、周辺を散歩することにした。考えてみたら今日は日曜日。敬虔なカトリック信者の多いスペインでは、日曜日の朝はどこもこんな感じで、日曜礼拝にやってくるのだろう。特にここ大聖堂には沢山の帰依者がいるに違いない。
サンチャゴとはキリストの12使徒の一人、聖ヤコブのことで、エルサレムで殉教した後、遺体はこの地に運ばれ、ここで埋葬されたとのことである。サンチャゴ・デ・コンポーステラとは、「聖なる星座サンチャゴ(聖ヤコブ)」と言ったような意味のようである。自分はクリスチャンではないので、良くは分からないが、キリスト教徒にとってここサンチャゴはローマ、イスラエルと並ぶ、3大巡礼地の一つということである。そういうことで、今日のこの行列は町の人の日曜礼拝と世界中からやってきた礼拝者とが合わさって、沢山の人出になっているのだろう。
少しどこかで暇つぶしをすれば、今のこの行列も多少は減っているかも知れないと、周辺を歩く。車や馬車が発達する以前にこの町の骨格ができたに違いない、通りは全体に狭く、車1台が漸く通り抜けられる程だ。丁度日本の都市化かが進んだ初期の頃、町は郊外に膨張して行ったが、その際、農地が潰されて宅地化されたが、農道をそのままアスファルト道にしたので、道路は狭く曲がりくねった状況と似ていた。尤もこちらは元の中心部が狭く、後から出来た外側の道路は広々していて、日本とは逆の現象ではあるが・・。
そうした処、路地に又一人首に何かのプラカードを掛けた乞食にであう。スペイン語を読むつもりもなく、又呼んでも理解しえないのだが、多分、家族の事、子供の事、自身の窮状を訴えているのだろう。昨日のバルセロナではこうした乞食には全く出会わなかったが、乞食にも土地柄、風土性があるようだ。
この乞食については、帰国後、今回の旅行記をスタートさせたが、一昨日スペイン事情に詳しいChurrosさんから、乞食についての説明があり、スペイン語では「メンディーゴ」と言って、身なり、状況によって呼び方も違い、貧しさを訴えるために子供のレンタルもあるそうだ。乞食のプロフェッショナル。矢張り一つの職業になっているのか・・。それにしても日本の振り込め詐欺よりは可愛いものであるが。
さて周辺をひと歩きし、大聖堂に戻ってくると、先刻よりは大分列も減っている。チケットブースがある訳ではないので、人の波はどんどん前に進んで行く。それ程長い間待つこともなく、入り口に着くことができた。入り口の前には古めかしい石像と泉(ファウンテン)がある。聖ヤコブの像と、聖なる泉。人々はその泉に手を指し伸ばし、頬とか額を湿らせている。礼拝前に身を清める行為は日本の神社の御手水と同じ思想だ。これも又どちらが先か後か・・、異地域、異文化における人間精神上の同時発生的な行為と見てよさそうだ。
さてこれからいよいよ聖堂に入る。外から眺めても古くて威厳のあるこれぞゴシックと言った感じの大理石の尖塔が目前に迫って来た。この造りはミラノ大聖堂に似ている。同じ流れかも知れない・・。
- 旅行の満足度
- 5.0
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この旅行記へのコメント (2)
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- churros さん 2017/09/16 12:27:15
- Mendigoで旅行記が出来ますね。
- !Hola!ちゃおさん、こんにちは。
旅行記に紹介いただきありがとうございます、旅行記のテーマを思いつくのも大変で、市場をテーマに書いてみたり建物をテーマにしてみたり、旅行記を作成しているのですが良いテーマが思いつきませんでした。
私はサンティアゴ・デ・コンポステラには2012年・2015年と、2度カミーノを行いました、1度目はレオンから歩いてサンティアゴ・デ・コンポステラまで、2度目はパンプローナからサンティアゴ・デ・コンポステラまで自転車で、両方の巡礼ともほゞメンディーゴ状態でメンディゴにはシンパチィコ(親しみ)を感じます。
だいぶ以前マドリーのメトロで、オペラからセラーノに向かう車内で出会ったメンディーゴは、チャンとした服装で連結の扉を開けた途端大声で「私には妻と幼い子供がいます、不況で職を失いました、vivir de limosnaだから施しを受けないと生活が・・・であろう、もし施しを受けれなければコメテール・ウン・デリート(悪事を犯す)、とひとくさり演説して車内を一周して小銭を貰って、「グラシア・デ・ディオス」(神のご加護を)と言って次の箱へ去って行きました、これもまたメンディーゴなんですね。
なんか?スペイン文化って魅力的じゃないですか?、私は働けなくなったらスペインでメンディーゴが目標です、日本人のメンタリティーで出来ますでしょうか?、きっと汚いメンディーゴになるでしょ〜ね。
churros
- ちゃおさん からの返信 2017/09/17 20:30:57
- すごいですね。
- いやー、Churrosさん、すごいですね。2度も巡礼道を経験しているんですか! しかもパンプローナからは自転車で。長い道のりだったでしょう。
貧乏旅行でしたか。スペインならそれも可能かも知れませんね。それ程寒くはないし、季節が良ければ野宿も可能でしょう。確かに過ごしやすそうな国で、言葉さえできれば、老後をこうした国で過ごすのは、良いでしょう。
旅行記のテーマ探し、大変ですね。ですが、見たまま、思いついたままを文にすれば、それで一つの旅行記が出来るのでは? 少なくとも当方はそんな感じで旅行記を作っています。良い思い出、記念になります。
自分も市場が好きで、タイの旅行では時間があれば町の市場に顔を出し、売っているもの、或いは人々の生活レベル、感じ方等々を、肌で感ずるようにしています。
良い旅行記を作って下さい。
> !Hola!ちゃおさん、こんにちは。
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> 旅行記に紹介いただきありがとうございます、旅行記のテーマを思いつくのも大変で、市場をテーマに書いてみたり建物をテーマにしてみたり、旅行記を作成しているのですが良いテーマが思いつきませんでした。
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> 私はサンティアゴ・デ・コンポステラには2012年・2015年と、2度カミーノを行いました、1度目はレオンから歩いてサンティアゴ・デ・コンポステラまで、2度目はパンプローナからサンティアゴ・デ・コンポステラまで自転車で、両方の巡礼ともほゞメンディーゴ状態でメンディゴにはシンパチィコ(親しみ)を感じます。
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> だいぶ以前マドリーのメトロで、オペラからセラーノに向かう車内で出会ったメンディーゴは、チャンとした服装で連結の扉を開けた途端大声で「私には妻と幼い子供がいます、不況で職を失いました、vivir de limosnaだから施しを受けないと生活が・・・であろう、もし施しを受けれなければコメテール・ウン・デリート(悪事を犯す)、とひとくさり演説して車内を一周して小銭を貰って、「グラシア・デ・ディオス」(神のご加護を)と言って次の箱へ去って行きました、これもまたメンディーゴなんですね。
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> なんか?スペイン文化って魅力的じゃないですか?、私は働けなくなったらスペインでメンディーゴが目標です、日本人のメンタリティーで出来ますでしょうか?、きっと汚いメンディーゴになるでしょ〜ね。
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> churros
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