2017/05/30 - 2017/05/31
153位(同エリア587件中)
naoさん
旅の行程
5月30日 根雨、富吉
5月31日 所子、御来屋、鹿野
鳥取県西伯郡大山町御来屋(みくりや)は、大山北麓の日本海に面する港町で、江戸時代には伯耆街道(山陰道)の宿場町として発展し、やがて鳥取藩の藩倉が置かれて人や物の動きが活発になると、交通や経済の中心地として栄えました。
御来屋を歴史の舞台に登場させた出来事として、鎌倉幕府の倒幕を策略したことで隠岐に島流しにされていた後醍醐天皇が、天皇中心の政治への野望を捨てきれず、隠岐から脱出して御来屋に上陸したことが知られています。
その後、後醍醐天皇のもとに集まった楠木正成、足利尊氏、新田義貞らの活躍で鎌倉幕府を滅ぼし、「建武の新政」を始めることになります。
伯耆街道沿いに展開する町並みは、今も宿場町の面影を色濃く残していて、切妻屋根平入り2階建てに千本格子をしつらえた町家が軒を連ねています。
明治35年(1902年)、境港と御来屋を結ぶ山陰地方で初めての鉄道が開通しますが、御来屋駅は開通当時そのままの駅舎が現存しており、100年もの時を刻んだ「山陰最古の駅」として、古き佳き姿で佇んでいます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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伯耆街道沿いに町並みが連なる、御来屋にやって来ました。
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旧名和町の汚水枡の蓋。
中央に大きく描かれた町の花「サクラ」の回りを、町の木「マツ」が取り囲むようにデザインされています。 -
見事なナマコ壁を身にまとった土蔵。
もちろん、伯耆街道からアプローチは出来るんですが、変な形にフェンスで仕切られています。 -
趣のある町家なんですが、表札が外されているので空き家のようです。
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1階全面が開口部になっている町家。
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まるでミニチュアを見ているような背の低い町家です。
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伯耆街道沿いに連なる御来屋の町並みです。
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格子戸のある町家を手前の方向に曲がると、JR山陰本線の名和駅があるので行ってみます。
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名和駅を目指して歩いていると、踏切の遮断機の下りているのが見えたので慌てて走ってきたんですが、一足違いで発車してしまいました。
残念~! -
名和駅は無人駅なので改札口はありません。
この時は、清掃を委託された業者の方が廻って来ておられました。 -
名和駅の駅名表示板。
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名和駅は少し高台にあるので、プラットホームから町並みが見おろせます。
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そうこうしていると、反対側から列車が入線してきました。
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これはグッドタイミングと・・・
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駅舎を出て走り去る列車を撮りました。
良いタイミングに巡り合えたので、気を良くして町並みへ戻ります。 -
御来屋の町並みに戻って来ました。
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この辺りには下見板張りを使った町家が並んでいます。
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持ち送りで庇を支えるこちらの町家は、下見板にベンガラが塗られています。
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こちらの町家は、広い間口にたくさんの窓が付いています。
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玄関脇で、お猿さんやパンダさんが出迎えています。
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伯耆街道沿いの町並みです。
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白と黒のコントラストも鮮やかな、メリハリの効いた町家です。
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看板から想像するに、時計屋さんと電器屋さんが一つになっているんでしょうね・・・。
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「角田酒造」の看板が掛かった大きな町家。
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煉瓦煙突からも判るように、かつては「大和鏡」と言う銘柄の日本酒を醸造していた造り酒屋さんだったそうです。
現在は残念ながら酒造りはしておられないようです。 -
伯耆街道沿いの町並みを振り返った光景です。
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こちらの町家も表札が外されているので空き家なんでしょうね・・・。
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2階の庇を支える持ち送りには、家紋の様な印が彫り込まれています。
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趣のある組木細工の欄間がそのまま残されています。
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出窓の横に、小さな突き出し窓が寄り添っています。
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窓ガラスの内側に、手すりが透けて見えます。
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大屋根を支える持ち送りの間に、幕板がはめられています。
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のし瓦の繋ぎ目を、ナマコ壁のように白漆喰で塗り固めています。
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住吉神社の一の鳥居です。
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と言うことは、これは山門になるんですが・・・
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山門から、遥か彼方の本殿へ至る参道に面して、町家が軒を連ねています。
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この辺りには、風情ある町家が並んでいます。
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千本格子や下見板が見所の町家。
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真ん中に引き戸が付けられた下見板張りの土塀。
土塀の中はお庭のようです。 -
嫌みのない、整然とした佇まいの町家です。
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その町家の横の道の先には・・・
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日本海が見えています。
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この辺りには鰻の寝床のような・・・
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奥行きの深い町家が続いています。
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土蔵造りの町家がポツンと佇んでいます。
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こちらも空き家のようですね。
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破風のついた玄関のある町家。
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こちらは畳屋さん。
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司法書士事務所の中に「〒」マークが・・・。
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町角に「御腰掛の岩」の立札が立っています。
「御腰掛の岩」は、隠岐に島流しにされていた後醍醐天皇が、島を脱出して御来屋に上陸した際、疲れた体を休めるために腰をかけた、という言い伝えが残る大きな岩のことです。
すぐ近くの御来屋漁港にあるようなので行ってみます。 -
御来屋漁港にやって来ました。
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これが後醍醐天皇が腰かけたと伝えられている「御腰掛の岩」です。
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「御腰掛の岩」の立札が立っている町家には、「元弘帝御着船所」と書かれたもう一つの立札も立っています。
「元弘帝御着船所」とは、後醍醐天皇が御来屋に上陸した際、鶏の塒(ねぐら)に偽装してしばらく匿っていたこちらの戸屋家のことだそうで、安政5年(1858年)に鳥取藩がその功績を称えて石碑を建立したと言われています。 -
こちらが鳥取藩が建立した石碑です。
戸屋家の主が鶏の塒に偽装して匿ったことにより、後醍醐天皇から「塒」という苗字を与えられたそうで、そのことが石碑に記されています。
いずれも、御来屋を歴史の舞台に登場させるきっかけとなった記念碑ですね。 -
こちらの町家の玄関には板戸が使われています。
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こちらの町家は、昔ながらの引き戸の玄関と、「準備中」の立て札のある店舗と思われるアルミ戸の玄関とを使い分けておられるようです。
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こちらの町家は、妻壁の腰の部分が腐らないように防腐剤が塗られています。
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こちらの町家は、板塀にベンガラ塗りの名残りが残っています。
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こちらの町家にもベンガラが塗られています。
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平屋建ての町家がありました。
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こちらの町家と・・・
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こちらの町家は、瓜二つと言っても良いほどよく似ています。
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伯耆街道沿いに連なる町並みです。
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こちらの2階の窓は、元々の木製窓の上にアルミサッシを取り付けておられます。
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建物の奥行きが異なるようで、棟が途中で分かれています。
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『昔ながらの糀屋』さんです。
お店の扁額には謂われがありそうです・・・。 -
建築当初の木製建具がそのまま使われている町家。
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隣り合った町家が、まるで背比べをしているようです。
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脇道を入ったところに安置されている石仏たち。
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この石仏、私にはお猿さんに見えるんですが・・・。
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部分的に2階建になっている町家。
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ここにも平屋建ての町家がありました。
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ここまでの町並みを振り返ったところです。
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何と風情のある町家なんでしょうか・・・。
「う~ん!」と、唸らされました。 -
こちらの町家は、丸太の柱を基礎石の上に載せて下屋を支えています。
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こちらの町家は、ちょこっと玄関を出して庇を架けています。
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全面にアルミサッシがはめられているとは言え、これはこれで風情を感じますよね。
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こちらの町家のアルミサッシの上に、かつての欄間を見ることが出来ます。
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こちらの町家は、広い間口の玄関に3枚引き戸が設けられています。
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町家の前の消火栓は今も使われているようです。
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個性豊かな町家です。
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さて、伯耆街道沿いに連なる御来屋の風情ある町並みもこの辺りまでですし、ちょうど良い時間なのでそろそろ昼食にします。
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御来屋漁港直販店の「お魚センター みくりや」で、新鮮な魚を使った昼食を戴きました。
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昼食後に、JR山陰本線の御来屋駅を訪れました。
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御来屋駅は、明治35年(1902年)に境港と御来屋を結ぶ鉄道が開通した当時の駅舎がそのまま現存しており、100年もの時を刻んだ「山陰最古の駅」として、古き佳き姿で佇んでいます。
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駅の業務そのものは無人駅として運営されているんですが、山陰鉄道開通100周年を迎えた平成14年に改修工事が行われ、駅の事務室として使っていたスペースを利用した駅内マルシェ、「みくりや市」が誕生しました。
「みくりや市」では、毎日地元の農家が収穫した新鮮な農畜産物や加工品が販売されています。 -
無人駅なのでかつての改札口が取り払われています。
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カーブミラーに映る御来屋駅。
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御来屋駅の駅名表示板。
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古き佳き姿で佇む「山陰最古の駅」。
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確かに、昔懐かしいこの空間は「ホッ!」とさせてくれますね。
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後醍醐天皇により歴史の舞台に登場した御来屋。
江戸時代には伯耆街道の宿場町として発展し、やがて鳥取藩の藩倉が置かれると、交通や経済の中心地として栄えました。
伯耆街道沿いに展開する現在の町並みは、切妻屋根平入り2階建てに千本格子をしつらえた町家が軒を連ねていて、今も宿場町の面影を色濃く残していました。
では、この旅最後の目的地へ向かいます。
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