2017/07/13 - 2017/07/13
15位(同エリア50件中)
シノさん
陸路国境を越えるのはさほど難しくない。
今日の日本では陸地で国境が引かれている地区は存在しない。
なので一見ハードルが高く見えてしまう。
しかし、陸路国境を越えることを覚えると、一つの国だけを観光するだけではなく、その隣国にも行ける。
例えばタイ王国を例にしてみよう。
タイには、陸路でマレーシア、ラオス、ミャンマー、カンボジアと国境を有する。
これを自分で越えれば、飛行機に乗らずとも簡単に他国に渡れてしまうのだ。
しかも制約も飛行機よりは少ない。
ここでは、陸路国境を有するタイとマレーシアの行き来について解説する。
比較的なじみの薄いマレーシア東海岸方面コタバル、パシルマスの町からランタウパンジャンを経て、
タイの最東端スンガイコロクまでの行程を紹介しよう。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 2.5
- ホテル
- 2.5
- グルメ
- 2.5
- ショッピング
- 2.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
マレーシアとタイの陸路国境越えのイメージ図である。
オレンジはマレーシア領土、緑色はタイ領土、縦棒の黒線は国境を簡略化して表している。
左向き紫色矢印はマレーシアからタイへ、
右向き水色矢印はタイからマレーシアへの移動を示す。
配色を似せている赤色縦棒はマレーシア側のイミグレ(出国ゲートの場合も含む)、
配色を似せている青色縦棒はシンガポール側のイミグレ(出国ゲートの場合も含む)を示している。
今回は、紫色の矢印どおりにマレーシアからタイ側へ移動する。
マレーシアの他陸路国境と異なり、片方が一方の国の中にイミグレがあるなどのイレギュラーさは無く、それぞれの領土で出入国手続きがあるので、
陸路国境を越境するということだけに関していえば非常にシンプルで分かりやすい。 -
コタバルバスターミナルから29番のバスに乗り込む。
案内にはマレー語と英語でも30分に1本あることが確認できるが、日本や長距離バスのように明確な時刻が定まっているわけではない。
時刻は9時過ぎくらいで、そこから1時間近く待つことになった。
タイ深南部の治安事情のためか鉄道どころか国際バスも存在しない。
実はパシルマスから分岐してレールはあるため、このバスが向かうランタウパンジャンまで旅客列車を走らせる話はあったらしいが、20年近く何の動きもなく現在に至るそうだ。 -
バスは地元の人と思われる人ばかりで、旅行者らしき人は見当たらない。
バスは途中パシルマス駅前を経由して、国境の町ランタウパンジャンを目指す。
マレーシア国鉄で直接タイを目指すなら、パシルマスで降りると良いだろう。
ちなみにパシルマスは、マレー語で「金の砂」、「砂金」という意味となるようだ。
マレー語の地名は名詞+形容詞(或いはそれに順ずる名詞が後ろから修飾)というパターンが多いのが特徴だ。 -
ランタウパンジャン到着。バスターミナルというよりは道路沿いにバス停が並んでいるような感じでクアラルンプール行きも発着しているそうだ。
ランタウパンジャンはマレー語で長い地域を意味する。
無理やり日本語に訳すと「長野」といったところである。 -
国境手前で道路が分岐する。
実はこの左の道路は国境手前でUターンする。
もしもこれが同じ国だとすればありえない構造だ。
乗ってきたバスもこの道を入って折り返していた。
勿論、自動車やバイクは右のゲートから出国ができる。
この時間は非常に空いているが、夜間は結構混むらしい。 -
左の人の形が描かれているところが入り口。
一番左のゲートだ。
前に一人しか居なかったためにすぐに出国できた。 -
出国ゲートを出た後に後ろ向きに撮影。
マレーシアの巨大な国旗が揚がっている。 -
中央にコロク(ゴロッ)川にかかる橋の説明書きがある。
タイ側はシャム文字でタイ語とすぐ分かるが、
マレーシア側はマレー語ではなく完全な英語で書かれているのが興味深い。 -
タイ側のイミグレに近づくとタイの巨大な国旗と共にA.S.E.A.N.諸国の国旗が並ぶ。
車のナンバーもシャム文字となっていてタイに来たと実感できる。
が、逆に言うとそれ以外さほど大きな雰囲気の違いはない。
歓楽街目当てでマレーシア人が遊びにわたってくるそうだが。
語学勉強で知ったマレーシア人もスンガイゴロッという地名は知っていた。
なお、ここには駐車場入り口を閉めるかのようなゲートがあって、ここは24時間稼動している国境ではないことがわかる。 -
スンガイコロク駅に到着。
スンガイコロクは小さな町で、マレー語でコロク川を意味する。
マレーシア側ではSungai Golokでほぼ統一、タイ側ではSungai KolokとGolokの表記が駅にも国境にも統一性無く存在している。
クアラルンプール近辺にもスンガイ●●という地名がよく見られるが、タイにもこのような感じのマレー語の地名がここからしばらく続く。
イスラム教徒も多く仏教徒の多いタイに来たという実感があまりないのが素直な感想である。
切符売り場の女性もイスラム教徒の服装だったし、タイ国境でもそれは目立つ。
以下余談。
スンガイコロク駅でクルンテープ行きを待っているときにすぐ気づいたが、ここにはゴミ箱が無い。マシンガンを片手に武装した軍人や物々しい装備の警備員も多数見かける。
これはテロ対策のためだ。(日本の公共機関などで極端にゴミ箱が少ないのはそのためである)
なお、ゴミは詰め所のようなところで引き取ってもらえる。
ゴミを持ってウロウロしていれば声をかけてくれるので、不審と思われる行動は慎もう。 -
タイの駅名標は必ず英語表記が入っている。
地元民にもそれなりに使われているが、全体的なダイヤを見ていても旅行者向けになっているようだ。
ハジャイ分岐(ジャンクション)駅からクアラルンプールへ向かう短絡線であるパダンブサールへ向かう列車よりもこちらへの列車のほうが多い。 -
駅構内唯一の売店があるが、基本何でも揃っている。
冷たい水もここで売られている。 -
無事バンコククルンテープ行きの冷房寝台下段が取れた。(ちなみに列車によっては非冷房の寝台車客車も繋いでいる)
乗車券には性別、パスポート番号、氏名が記載される。(画像は処理済み)
運が悪ければ三等車を覚悟していたが、このあと一気に横になりながらバンコクに向かうことができると安堵した。
バンコクまでは1000キロ以上離れており、ほぼ丸一日快速列車の中だ。
この日も列車が実に3時間程度遅れていたがタイでは日常茶飯事に起こっていることなので、気長に待とう。
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