170818-19青春18きっぷで行く！ 滋賀の豊かな水の文化を巡る旅【1】針江生水の郷

2017/08/18 - 2017/08/19

2017年夏休み第一弾。旅の1日目メインは「水と暮らしの文化」が息づく湖西・高島。かねがね興味があった「川端（かばた…自噴する湧き水を生活の中で利用するための水循環システム）」が今も各家で使われている針江地区を朝一番で訪れ、ガイドさんに案内していただきました。

【8/18】針江生水の郷・川端見学→（ランチ：かばた館）→藁園神社→山の辺の道～西教寺→（夕食：あゆら）→大津 泊
【8/19】賤ヶ岳→伊香具神社→黒田観音寺→（ランチ：隠れ里 重内）→渡岸寺→北国街道木之本宿→（夕食：長浜浪漫ビール）

エリア 高島(滋賀)

• 同行者: 友人
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

青春18切符利用なので、日付変わって最初の駅である小田原駅から乗ります。
小田原までは小田急線で。夜行に乗る人が多いのか、この時間でもそれなりに賑わっています。

小田原駅 駅

10ん年ぶりか？のムーンライトながら。いまは18切符期間のさらに一部期間しか走りませんが、多くの若者たまに中年でぎっしり。
遠くで子どもの泣き声がしてた。子どもにはきつくないか。。

ムーンライトながら 乗り物

青春18切符と、ムーンライトながらの指定席券。この値段で関西まで行けちゃうって、今さらながらやっぱりすごいや。

6時前に大垣駅に無事到着、ダッシュで乗換えて米原駅下車。到着した途端、ものすごい雷雨…天気は今日も安定しなそうだ。そしてターミナル駅なのに駅前に本当になにもなく、朝食ゲットできず。。トイレだけ済ます。
米原駅から北陸本線（敦賀行）で北上、近江塩津駅で下車。この辺りではそこまで降ってなかったけど、山々は霧がかかってもやーっとしています。

近江塩津駅 駅

近江塩津駅で湖西線に乗換え、さらに近江今津駅で乗換え、一駅で新旭駅。
駅前のこの銅像は誰なのかな。「旭日昇天　跳躍の郷」とあります。
滋賀在住の友人と合流し、目的地の針江地区へと向かいます。

新旭駅 駅

ここは観光地ではなく、日常生活の場であるということを忘れずに。。
朝の静かな街並です。外壁が焼かれた木材なのが特徴的。

川端（カバタ）見学ツアーの集合場所は針江公民館の前。
NHKの番組で紹介されたことで一躍有名になり、私有地に勝手に入り込む観光客が増えたため、現在は完全予約制のガイド付きツアーでのみの見学となっています。
必ず予約が必要で、いきなり行っても見学できませんので注意。
針江生水の郷 http://harie-syozu.jp

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

公民館の横、高速道路の料金所みたいな受付があり、こちらで見学費用（1人1,000円）を支払います。貴重品以外の荷物はここで預かってもらえます。

住民のガイドの方とともに、街中を巡ります。私たちのグループ（3人）以外には両親＋子ども1人の家族だけでした。
雨による増水でいつもより少し濁っているようですが、とても澄んだ川の流れです。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

日吉神社。比叡山の麓の日吉大社とやっぱり関係あるんでしょうね。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

川端の跡。元はここに家が建っていたようです。湧き水が本当にきれい！

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

街に張り巡らされた水路には鯉が放たれていますが、暗渠にたまってあまり人前には出てきません。ところが餌をもらえるとなると、すごい勢いで寄って来る。。見学の子どももびっくり

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

こちらも川端の跡。元の家はなくなったけどこうして残され、共有？の湧き水となっています。苔むしていいかんじ。水はとても澄んでいて気持ちいい。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

いよいよ現役の川端見学！　こちらは三宅さんの川端。
母屋の外の別小屋の川端なので、外川端（ソトカバタ）と呼ばれます。
「ここうちのです」…はにかむ三宅さん、この日のガイドの方でした（笑）

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

家ごとに少しずつしつらえが違うけど、川端の基本の仕組みは「元池（鉄管）→壷池→端池」。
元池からは「生水（しょうず）」と呼ばれる清冽な水が湧き出し、飲み水や炊事に大切に使われます。そして、元池から壷池（野菜や顔などを洗う）、端池（食器を洗う。鯉が泳ぎ、残飯などを食べてくれる）を経て、水路へと戻って行く…自然そのものの生活循環システムが今も受け継がれているのです。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

水田さんの川端。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

網は、端池の鯉を狙うサギがやってくるからでしょうか。。
ちなみに、各川端で飼っている鯉はその家の大切なペットのようなもので、決して食べたりはしないようです。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

集落には水路が張り巡らされ、上流と下流の家の人の間の思いやりと信頼によって成り立っているとのこと。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

水草が川底にけっこう繁茂しいろいろ影響が出るため、年に数回取り除かなくてはならないそうです。
珍しい梅花藻も、清流で水温が一定のこちらでは通年みられるとのこと。ただし、夏場は子どもが川で遊んで千切れてしまうため、花はほとんどなくなっていましたが。。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

獲物を狙うアオサギ。外川端の鯉が持っていかれることもあるそうです。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

飲み比べができるよう、市の上水道と湧き水（地下水）の蛇口を並べて作ったようで。。
市の水道が特にまずいわけではないのだけど、まぁ勝ち目ありませんよね。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

道の脇にも水が湧き出しています。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

街を歩いていると、川端の名残のような形の湧き水がみられます。
かつて家があったというところもあるし、生活の場としての川端を持たない家がせめて？お庭に作るケースもあるようです。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

こちらの川端は緑が多くて、サンルームみたいにオープンなつくり。
各家の生活スタイルや個性が出ています。
（見学を受け入れている家の川端は必然的にきれいになっちゃう？）

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

正傳寺。なかなか立派な建物です。

正傳寺 寺・神社・教会

お寺の中にも（もちろん）湧き水が。大きな池もありました。

正傳寺 寺・神社・教会

このように街のいたるところに湧き水があり、癒されます。
規模や雰囲気は違うけど、信州松本の街中も井戸がたくさんあったなぁ。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

こちらのお宅の川端はシンプルなつくり。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

端池には立派な鯉が。。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

公民館まで戻ってきました。約1時間半、ガイドの方がつきっきりで解説してくれ、貴重な生活文化の一端を知ることができた充実の見学ツアーでした。

高島市針江地区 (針江生水の郷) 名所・史跡

川端見学後は針江地区にある酒蔵（の一つ）へ。

川島酒造さんです。
これだけ水が良い場所で、地元のお米もあるし、酒造りにはもってこいですね。

店頭、商品ラインアップ。

こちらの蔵、絵画がたくさん飾られているんです。先代（現社長の母君）が引退後に絵を描く趣味に熱中したとのこと。
社長曰く、絵をみることで蔵人の気持ちが明るくなれば、酵母にもそれが伝わりお酒がおいしくなる…ということで蔵中に展示されています。

この時期は稼働していませんが、仕込み用のタンク。

豊富な湧き水はこちらにも。冷えていてやわらかくて本当においしい。
水がごちそうなのです。

そしてお楽しみの試飲タイム（空腹に酒…）！
水の良さはお酒の口当たりの良さにつながっています。スルスル飲めちゃってやばいっ

蔵元野菜畑。水がよければ、そりゃもう野菜もうまいんじゃないかと。

見学ツアーではパスされてしまいましたが、昔ながらの街のお豆腐屋さん。
こちらも水の良さがいきているでしょうね。

酒蔵でおすすめを聞いて教えてもらった「かばた館」でランチにします。

いき生き水文化 かばた館 グルメ・レストラン

ちょっと古びた、学校か公民館みたいな建物。観光客向けというよりは地元の皆さんが集まっているかんじです。

いき生き水文化 かばた館 グルメ・レストラン

1,050円だったかな（メニューの中では高いほう）、これにセルフのコーヒー1杯つきます。素朴に美味しい家庭料理。
それにしてもけっこうなボリューム…腹ペコだったからちょうどいい

いき生き水文化 かばた館 グルメ・レストラン

周辺を少し散策。
藁園神社、別名「なまず神社」は、浸水時に社殿の浜床に上がった鯰（なまず）を捕獲したところ水害が治まったという伝説があり、現在も鯰を奉納しているそうです。
（つづく）