2017/08/05 - 2017/08/06
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kazimさん
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スロバキアは山がちな北部に美しい街が点在しており、南部はハンガリーにつながる平原でとりたてて観光地がない。その南部、首都のブラチスラバから南東へ80キロほどのところにノベザームキという地方都市があり、友人のDさんがこの近郊に住んでいる。
ハンガリー訪問の際に彼らに連絡すると、旦那のIさんとともにわざわざ空港まで出迎えてくれ、ブダペシュト滞在5泊(別旅行記「ブダペシュトは建築マニアの街だ」をご覧ください)のうち、1泊を彼らの住むスロバキア南部、主にシュラニという街で過ごした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ブダペシュトを彼らの車で発ち、高速に乗って約1時間、早くも国境に着いた。ドナウ川に架かるこの橋が国境だが、EUの中なので何のチェックもない。手前がスロバキアのコマルノ市、対岸がハンガリーのコマーロム市。もとは1つの街だったのだろう。
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「スロバキア共和国」の小さな標示だけが国境を示す。しかし、ここで言語も通貨も変わるのがなんだか不思議だ。どの言語とも似ていないハンガリー語に対して、スロバキアはスラブ系の言語。ハンガリーは独自のフォリントを残し、スロバキアはすでにユーロに切り替えている。
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ロシアや中国の大河に比べれば、ドナウ川は水量は豊富でも川幅は広くなく、対岸はすぐそこに見える。ドイツ、オーストリア、スロバキア、ハンガリーを流れる国際河川でも、逆にヨーロッパの狭さを感じる。
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スロバキア人のDさんたちは、自国に戻って何となく落ち着いた感じだ。アイスクリームが旨い店があると言って立ち寄った途中のフルバノヴォでは、街の教会で結婚式が挙げられていた。
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ちょっと暑いがすっきり晴れた結婚式日和、緑に囲まれた美しい教会に集う人は、ちょっとおしゃれをしていて晴れやかな表情も美しい。
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私はアイスクリームを舐め舐め、彼らの記念撮影まで見学した。そういえば、この日は8月5日の土曜日、夏の結婚シーズンの週末の昼下がりなのだった。
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フルバノヴォは、警察官をしているIさんの勤務地だ。いつもの店という感じで、路上販売のおばちゃんから西瓜を買い込む。彼は自宅から15キロほどの道を毎日車で通っている。
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最初の目的地セメロボ村に至る教会でも結婚式の真っ最中だった。ご両人が教会を出ると、新郎の仲間かバイクに乗った男たちが一斉に空ぶかしをしたのには興ざめ。静かなこの街には合わない。
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スロバキア南部ノベザームキ県に属する人口1200人の村セメロボ。私は3度目の訪問だ。Dさんの実家があり、ここを拠点にスロヴァキアを回ったのはもう10年以上も前だ。お母さんと、(すでに酔っぱらっている)お父さんと再会したが、Dさんは新居を見せたいらしく、早々にセメロボを後にした。
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セメロボから彼らの住まいがあるシュラニまでは10キロほど、途中小さな村はあるが、ほとんど平原でもうもろこし畑が広がる。「日本にもある?」と尋ねられ、「こんなに広いのは少ないですね」と答えておく。
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ひまわり畑はすでに咲き終わっていて残念。そして、彼らが住むシュラニに着いた。ブダペシュトからはせいぜい100キロほど。同じくノベザームキ県に属するシュラニは人口1万余りの静かな街だ。
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彼らの新居はまだ新築工事中だった。しかし内装はほぼ終わっているのですでに住んでいる。「前はノベザームキの中心に住んでいたけれど、騒がしくてね」と言う。美しく花が咲く庭で、夕暮れの景色を眺めながら早速食事が始まる。
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この食事や新居の写真がないのは、彼らと強い酒を飲んで撮影を忘れたからだ。土地の酒はウォッカに近いボロヴィチカ。土産に買った市販品はアルコール度数40パーセントだが、この夜に飲んだのは自家製で50パーセントを超える。ビールをチェイサーに飲むという彼ら流の飲み方はきつい。
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翌日は早朝に目覚めた。二日酔いはなく、庭から見る朝焼けが美しい。新築中で使える唯一の寝室に私が寝て、彼らはIさんの実家に泊まった。
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早速、歩いて10分とかからないIさんの実家にお邪魔する。このあたりの家は広い土地を持っており、道沿いの住まいの裏が奥深い。この家では、まず気持ちの良い庭が広がっていた。
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朝食と昼食は、その一画の東屋でとる。これらのしつらえは「全部手作りだ」と自慢する。2人の息子のための遊び道具も多く、ほとんど彼のための遊園地になっている。
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その先には、ウサギやガチョウなどを飼う小屋があり、さらに畑が広がる。日本であまり見かけないブラックベリーは、トルコやロシアでも多く食べられている。そのまま食べてもおいしいが、ヨーグルトやパイに沿えたりもする。
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そしてパプリカ。スロバキア人やハンガリー人の大好物で、もともとハンガリー人が育てた品種らしい。さわやかな苦みが独特で、生のままかじったりシチューに入れたりする。
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写真はここで買い込んだパプリカのスナック菓子とチューブ入りペーストだ。ペーストはパンに付けるとよいとのこと、日本人にはちょっと不思議な味がする。
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シュラニを案内するという彼らが、まず連れて行ってくれたのが街のシンボルの像。この地の遺跡から出土した女性座像だ。遺跡は中欧で最も古く出土品も多く、石器時代のものらしい。この像はユーロになる前の2コルナ貨幣にもあしらわれていた。
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遺跡の看板には「スロバキアのトロイ城」と書いてある。トロイに比されるほどの価値があるわけだ。その後、中世にも城があったそうで、「ノベ」「新」、「ザームキ」「城」の意だが、「古い城」はここだったのかと想像される。なお、下記のユーチューブは、このあたりの雰囲気を伝えるにはなかなかの出来映えだ。
https://www.youtube.com/watch?v=f8Mi8Fk_v1U -
車で回っていると、写真の像があらわれたが彼らの説明はない。軍人にしては武装していないし、宗教指導者の威厳は感じられず、むしろ可愛げな、しかし不明の人物像だ。
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この街はニトラ川のたもとに位置し、「スロバキアのトロイ城」もこの川のすぐわきにあった。この川はなぜか「Black River」とも呼ばれ、昨日通って来たコマルノでドナウ川と合流する。
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なぜ「Black」なのかは不明だが、シュラニの街を少し出ると、こんな平原が広がり、その中を川はゆったりと流れている。
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そうした水の豊富な地らしく、この街には池がたくさんあり、次々に案内された。いずれも豊かな緑の中で静かに水をたたえている。
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池のほとりではビールを飲みながら釣りをしている人がちらほらいる。キャッチ・アンド・リリースがエチケットとIさんが言う通り、30センチほどの鯉のような魚が釣れても、そのまま返している。
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この日は曇りがちで小雨もばらつき、短パン半袖ではちょっと寒い。とはいえ、着替えはブダペシュトの宿に残したままだ。池は冬には凍り付き、そこでスケートをするのがまた楽しいと言う。マイナス10度くらいになるらしい。
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夫妻には日本訪問の計画があってお金を貯めており「東京駅の人の多さを夫に見せたい」と日本経験のあるDさんは言う。こんな広々としたところに住んでいれば、初めての日本訪問のIさんが人の多さに驚くのは、想像に難くない。
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IさんとDさんの仲睦まじい写真。奥さんのDさんが昔、日本で働いていたことがあって私の友達だ。彼女が日本語を話せるので助かる。
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池のほとりで「ちょっと待って、馬の写真を撮る」と言ったら、「なんでそんなものを撮るの?」と怪訝な顔をされた。ここでは馬なんて珍しくないのだろう。
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街の素朴な教会。ここでも「こんなものを撮るなんて」という不思議な顔だ。昨日見たものも含めて教会はみな黄色っぽい外壁だが、何か理由があるのかも。
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Iさんの実家に戻って昼食。彼の両親に加えて、お姉さんやその娘が合流した。料理は米、チキン、サラダ、そしてパン、もちろんパプリカ。ポテトから作ったパンがおいしかった。
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「酒飲むか?」とIさん「やめておきます」と私。この日はブダペシュトまで帰らねばならない。といっても、池のほとりでビールはすでに飲んでいる。
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昼食後は家族でゲーム大会になり、写真の箱右側のすごろくのようなゲームをした。大人同士でも結構盛り上がる。
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庭でしばらく休憩。晴れ間が見えて気持ちの良い午後になった。これも手作りとは、彼らのたくましさと豊かな人生の楽しみ方を感じる。
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車でノベザームキ駅に送ってもらい、16時46分のインター・シティでこの地を発つ。いつ国境を越えたのかわからないまま、1時間45分でブダペシュト東駅に着いた。
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9.7ユーロで、乗車率は40パーセント程度。ノヴェザームキではかなりの乗り降りがあったが、途中の数駅は閑散としていた。写真はノヴェザームキ駅のプラットホーム。またいつか訪問するだろう。
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