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 2017年4月にモスクワとペテルブルグを旅行した方から面白いレポートをいただきました。軍事マニアで、ペテルブルグの砲兵博物館、モスクワの中央軍事博物館、強制収容所博物館、軍事祖国博物館、クビンカ戦車博物館とミリタリー・テーマパーク「パトリオット」などを見て回りました。今年のロシアは天候不順で4月中旬なのに雪が降ったり、車のドアが凍りついたりと大変だったようですが、それをものともせずに軍事博物館をハシゴして回ったオタクぶりが伝わってくるレポートです。一部を抜粋して掲載させていただきます。

マニア垂涎の軍事博物館たち ロシア軍事博物館 見て歩る記(1)

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2017/04/13 - 2017/04/18

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JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

 2017年4月にモスクワとペテルブルグを旅行した方から面白いレポートをいただきました。軍事マニアで、ペテルブルグの砲兵博物館、モスクワの中央軍事博物館、強制収容所博物館、軍事祖国博物館、クビンカ戦車博物館とミリタリー・テーマパーク「パトリオット」などを見て回りました。今年のロシアは天候不順で4月中旬なのに雪が降ったり、車のドアが凍りついたりと大変だったようですが、それをものともせずに軍事博物館をハシゴして回ったオタクぶりが伝わってくるレポートです。一部を抜粋して掲載させていただきます。

  • ■砲兵博物館 (ペテルブルグ)<br /><br /> ペテルブルグのホテルで通訳さんと合流した時からエルミタージュを見終わるまでは快晴でした。砲兵博物館に向かう道中から雲行きが怪しくなりましたが、入口を見た瞬間、そこには「280mm臼砲」(Br-5)が置いてあったので、私は興奮して天気など気にもとめませんでした。<br /><br /> 砲兵博物館は、帝政ロシアからソ連、現在のロシア連邦にいたる火砲がまとめて置いてあることで有名です。中に入ると螺旋階段があり、これを上がっていくと奥にいくつかの展示室があります。一番手前はAK-47で知られるカラシニコフ銃の特設展示をやっていました。一番奥の広い部屋にはソ連の火砲史の説明のためソ連時代の銃や砲が並んでいました。驚いたのは、先の大戦のドイツの対戦車砲(88mm Pak43/41)なども置いてあったことです。……。下の階の一番奥の部屋にはミサイルが大量に展示されていました。<br /><br /> 通訳さんの話では、この博物館に観光で来る人は年に2回ぐらいしかないと言われました。これが日本人観光客のことだけなのか、何とも言えませんが、アジアから来る人はやはり少ないようですね。<br /><br /> 砲兵博物館は、大都市の中にあって行きやすい場所にあるのと、ソ連の大型火砲が大体揃っています。たとえば、通称「オカ砲」(オカはモスクワ周辺を流れるオカ川のこと)と呼ばれる「核砲弾用超大型自走迫撃砲」(2B1 420mm)。ソ連最大の火砲であり、ロシアでもここにしかありません。<br /><br /> ただ一方で、触ったりするのは、入口の外に置いてある280mm臼砲などだけで、内部の火砲は駄目なのですが、少しぐらいなら触っても大丈夫みたいです。ガイドさんが当たり前のように触っていたのでちょっとタッチしてみましたが咎められることはありませんでした。ただ、銃系は駄目みたいです。<br /><br />【データ】ペテルブルグ砲兵博物館 Военно-исторический музей артиллерии, инженерных войск и войск связи МО РФ<br /><br />正式名称は「砲兵と工兵部隊、通信部隊の軍事歴史博物館」。市内中心部、ペトロパブロフスク要塞の北側にある。小型のピストルから戦略ミサイルまで、火力武器全般、約24万点が展示されている。軍事通信、軍旗や軍服の展示も充実。<br /><br />開館時間11:00~18:00(最終入場17:00)/休館日;月・火曜と第4木曜日/入場料(外国人料金);大人400ルーブル/写真・ビデオ可;150ルーブル

    ■砲兵博物館 (ペテルブルグ)

     ペテルブルグのホテルで通訳さんと合流した時からエルミタージュを見終わるまでは快晴でした。砲兵博物館に向かう道中から雲行きが怪しくなりましたが、入口を見た瞬間、そこには「280mm臼砲」(Br-5)が置いてあったので、私は興奮して天気など気にもとめませんでした。

     砲兵博物館は、帝政ロシアからソ連、現在のロシア連邦にいたる火砲がまとめて置いてあることで有名です。中に入ると螺旋階段があり、これを上がっていくと奥にいくつかの展示室があります。一番手前はAK-47で知られるカラシニコフ銃の特設展示をやっていました。一番奥の広い部屋にはソ連の火砲史の説明のためソ連時代の銃や砲が並んでいました。驚いたのは、先の大戦のドイツの対戦車砲(88mm Pak43/41)なども置いてあったことです。……。下の階の一番奥の部屋にはミサイルが大量に展示されていました。

     通訳さんの話では、この博物館に観光で来る人は年に2回ぐらいしかないと言われました。これが日本人観光客のことだけなのか、何とも言えませんが、アジアから来る人はやはり少ないようですね。

     砲兵博物館は、大都市の中にあって行きやすい場所にあるのと、ソ連の大型火砲が大体揃っています。たとえば、通称「オカ砲」(オカはモスクワ周辺を流れるオカ川のこと)と呼ばれる「核砲弾用超大型自走迫撃砲」(2B1 420mm)。ソ連最大の火砲であり、ロシアでもここにしかありません。

     ただ一方で、触ったりするのは、入口の外に置いてある280mm臼砲などだけで、内部の火砲は駄目なのですが、少しぐらいなら触っても大丈夫みたいです。ガイドさんが当たり前のように触っていたのでちょっとタッチしてみましたが咎められることはありませんでした。ただ、銃系は駄目みたいです。

    【データ】ペテルブルグ砲兵博物館 Военно-исторический музей артиллерии, инженерных войск и войск связи МО РФ

    正式名称は「砲兵と工兵部隊、通信部隊の軍事歴史博物館」。市内中心部、ペトロパブロフスク要塞の北側にある。小型のピストルから戦略ミサイルまで、火力武器全般、約24万点が展示されている。軍事通信、軍旗や軍服の展示も充実。

    開館時間11:00~18:00(最終入場17:00)/休館日;月・火曜と第4木曜日/入場料(外国人料金);大人400ルーブル/写真・ビデオ可;150ルーブル

  • ■中央軍事博物館(モスクワ)<br /><br /> ここはロシアの全般的な軍事史が専門です。通訳さんが博物館のガイドさんを連れてきてくれて、説明を聞きました。5月9日が戦勝記念日ですが、現在のロシアでもこの大祖国戦争の勝利は非常に輝かしいものなのだなと思わせられる展示が多くありました。時間の関係で見れない展示が多かったのは残念でした(ここにはクビンカにもない「KV-2」という戦車があるのですが…、見れませんでした)。<br /><br /> ちょっと驚いたのは、シリア内戦でこの前トルコにロシア軍のSu-24が撃墜される事件がありましたが、その機体には二人のパイロットが乗っていて一人は戦死し一人が生き残って救出されました。その戦死したパイロットの展示があって、「彼は祖国のために散った英雄だ」とガイドさんが言っていた点でした。<br /><br /> T-18というソ連初の純国産戦車であり、T-シリーズの元祖の戦車が置いてありましたが、なんと!オリジナル品なんだそうです。こことクビンカに2両のみあります。(写真)<br /><br /> 中庭には、火砲や戦車、戦闘機まで展示されているので、陸海空すべてを見ることができます。ただ、ここでは展示物に触ることはできませんでした。<br /><br />【データ】モスクワ 中央軍事博物館 Центральный музей вооружённых сил Российской Федерации<br /><br />1919年に赤軍博物館として開設され、ソビエト軍中央博物館から1993年に中央軍事博物館と改称された。24の展示室を有し、収蔵品は80万点を超える。第二次大戦の東部戦線(独ソ戦)が展示の約7割を占める。建物の外には、戦車、戦闘機、ミサイル、野砲などが展示されている。最寄りの地下鉄駅は「ドストエフスカヤ」。<br /><br />開館時間;10:00~17:00(土曜日は~19:00)/休館日;月・火曜日/入場料;大人200ルーブル(特別展示会がある場合は、追加料金;200ルーブル)。<br /><br /><br />■強制収容所(ラーゲリ)博物館<br /><br />「日本人は初めて来た」と言われました。ここは、ソ連時代の強制収容所の歴史とともに、スターリンによる大粛清の犠牲者の身元を調べたりする活動もしているようです。ちなみに、来館者はロシア人を基本としても、外国からはドイツ、フランス、イギリス、アメリカ人が全体的によく来るそうです。<br /><br /> 入口で配っている音声案内機を聞きながら展示を見ていきます。写真撮影はOKということでしたが、雰囲気的に、ガイドさんの話に耳を傾けるべきと判断して、写真は撮りませんでした。<br /><br /> まず、「あなたは強制収容所や秘密警察を知っていますか?」という問いに始まって、帝政時代に最初の収容所が作られ、レーニン時代になると活発に使用されるようになり、スターリン時代にそれは猛烈なものになったことなどが説明され、展示物の見学に移っていきます。最初の展示物は、収容所のドアやベッドなどです。……。<br /><br />部屋を一周すると壁に施設の設計図が貼られていました。説明役のおばあさん曰く。それまでソ連の収容所は施設の設計に互換性がなく、収容者たちがその地にある石や木材で自ら建てて入っていました。スターリンは、戦後1947年に「ソビエト人民すべて」を収容所に入れるために互換性があり簡単に作れる収容所の設計を命じました。<br /><br />しかし、すべての人民を収容所に入れるのは無理だったため中止されたということです。ちなみに、博物館の展示はすべてソ連人用のものであり、戦争捕虜たとえばシベリア抑留者などの展示はここにはありません。<br /><br /> 螺旋階段を上がると、当時のプロパガンダポスターや、粛清の命令書などがあります。別の部屋には、収容所での生活品。また、収容所で作っているモノに家族の名前と住所などを書いて、それを買った人に代わりに連絡をとってほしいと頼んだ悲痛な品が並んでいました。<br /><br /> 最後にソ連全土の地図があり、収容所の場所が書いてあります。奥の部屋ではスターリンが死亡した当時の映像が両側に流れていました。片方は悲しみにくれる人々。もう片方は悪魔が死んで喜ぶ人々です。「スターリンは現在でも英雄か? 冷酷非道な独裁者か? ロシア国内でも意見が分かれている。」という説明があって案内が終わりました。<br /><br />【データ】強制収容所博物館 Музей историии ГУЛАГа<br /><br />2001年に開設された「記憶博物館」の一つ。1920年代から50年代のソ連・矯正労働収容所制度の誕生・発展・衰退の歴史をたどり、その理不尽な政策で犠牲になった人々の資料や展示品を公開している。2015年に規模を4倍に拡大した新館に移り、特別展示室、ビデオ資料室、研究センターなどが拡充された。<br /><br />開館時間;11:00~19:00(木曜日は12:00~21:00)/休館日;月曜、第4金曜日/入場料;大人300ルーブル。

    ■中央軍事博物館(モスクワ)

     ここはロシアの全般的な軍事史が専門です。通訳さんが博物館のガイドさんを連れてきてくれて、説明を聞きました。5月9日が戦勝記念日ですが、現在のロシアでもこの大祖国戦争の勝利は非常に輝かしいものなのだなと思わせられる展示が多くありました。時間の関係で見れない展示が多かったのは残念でした(ここにはクビンカにもない「KV-2」という戦車があるのですが…、見れませんでした)。

     ちょっと驚いたのは、シリア内戦でこの前トルコにロシア軍のSu-24が撃墜される事件がありましたが、その機体には二人のパイロットが乗っていて一人は戦死し一人が生き残って救出されました。その戦死したパイロットの展示があって、「彼は祖国のために散った英雄だ」とガイドさんが言っていた点でした。

     T-18というソ連初の純国産戦車であり、T-シリーズの元祖の戦車が置いてありましたが、なんと!オリジナル品なんだそうです。こことクビンカに2両のみあります。(写真)

     中庭には、火砲や戦車、戦闘機まで展示されているので、陸海空すべてを見ることができます。ただ、ここでは展示物に触ることはできませんでした。

    【データ】モスクワ 中央軍事博物館 Центральный музей вооружённых сил Российской Федерации

    1919年に赤軍博物館として開設され、ソビエト軍中央博物館から1993年に中央軍事博物館と改称された。24の展示室を有し、収蔵品は80万点を超える。第二次大戦の東部戦線(独ソ戦)が展示の約7割を占める。建物の外には、戦車、戦闘機、ミサイル、野砲などが展示されている。最寄りの地下鉄駅は「ドストエフスカヤ」。

    開館時間;10:00~17:00(土曜日は~19:00)/休館日;月・火曜日/入場料;大人200ルーブル(特別展示会がある場合は、追加料金;200ルーブル)。


    ■強制収容所(ラーゲリ)博物館

    「日本人は初めて来た」と言われました。ここは、ソ連時代の強制収容所の歴史とともに、スターリンによる大粛清の犠牲者の身元を調べたりする活動もしているようです。ちなみに、来館者はロシア人を基本としても、外国からはドイツ、フランス、イギリス、アメリカ人が全体的によく来るそうです。

     入口で配っている音声案内機を聞きながら展示を見ていきます。写真撮影はOKということでしたが、雰囲気的に、ガイドさんの話に耳を傾けるべきと判断して、写真は撮りませんでした。

     まず、「あなたは強制収容所や秘密警察を知っていますか?」という問いに始まって、帝政時代に最初の収容所が作られ、レーニン時代になると活発に使用されるようになり、スターリン時代にそれは猛烈なものになったことなどが説明され、展示物の見学に移っていきます。最初の展示物は、収容所のドアやベッドなどです。……。

    部屋を一周すると壁に施設の設計図が貼られていました。説明役のおばあさん曰く。それまでソ連の収容所は施設の設計に互換性がなく、収容者たちがその地にある石や木材で自ら建てて入っていました。スターリンは、戦後1947年に「ソビエト人民すべて」を収容所に入れるために互換性があり簡単に作れる収容所の設計を命じました。

    しかし、すべての人民を収容所に入れるのは無理だったため中止されたということです。ちなみに、博物館の展示はすべてソ連人用のものであり、戦争捕虜たとえばシベリア抑留者などの展示はここにはありません。

     螺旋階段を上がると、当時のプロパガンダポスターや、粛清の命令書などがあります。別の部屋には、収容所での生活品。また、収容所で作っているモノに家族の名前と住所などを書いて、それを買った人に代わりに連絡をとってほしいと頼んだ悲痛な品が並んでいました。

     最後にソ連全土の地図があり、収容所の場所が書いてあります。奥の部屋ではスターリンが死亡した当時の映像が両側に流れていました。片方は悲しみにくれる人々。もう片方は悪魔が死んで喜ぶ人々です。「スターリンは現在でも英雄か? 冷酷非道な独裁者か? ロシア国内でも意見が分かれている。」という説明があって案内が終わりました。

    【データ】強制収容所博物館 Музей историии ГУЛАГа

    2001年に開設された「記憶博物館」の一つ。1920年代から50年代のソ連・矯正労働収容所制度の誕生・発展・衰退の歴史をたどり、その理不尽な政策で犠牲になった人々の資料や展示品を公開している。2015年に規模を4倍に拡大した新館に移り、特別展示室、ビデオ資料室、研究センターなどが拡充された。

    開館時間;11:00~19:00(木曜日は12:00~21:00)/休館日;月曜、第4金曜日/入場料;大人300ルーブル。

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