2017/07/13 - 2017/07/13
52位(同エリア641件中)
玄白さん
間もなく梅雨が明けアジサイのシーズンはそろそろ終わりを告げつつある。代わって主役を務める花は蓮の花。
2000年も前から眠っていた蓮の種が、1971年のゴミ焼却場建設の土木工事で偶然掘り起こされ、2年後に自然に開花したという行田の古代蓮。古代蓮が咲いた場所は当然のごとく、ゴミ焼却場建設が中止となり「古代蓮の里」公園として整備された。ここで見つかった古代蓮は行田蓮と命名され、毎年大勢の人々に古代へのロマンを感じさせながら美しく咲き誇っている。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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地元栃木県にも「都賀の里」という公園の池に古代蓮が咲いていて、一昨年に訪れている。だが、やはり本家本元の古代蓮を見てみたいということで、埼玉県行田市の「古代蓮の里」に出かけた。
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蓮の花は昼頃になると萎んでしまうので、朝早く出かけるのがポイント。
行田の「古代蓮の里」の駐車場は、蓮のシーズンの朝から午後2時までは有料となる。(¥500)
駐車場に隣接して人工の池に世界の蓮41種類が植えられていて、ちょっとした蓮専門植物園になっている。背後に聳えているタワーは、古代蓮会館という博物館付属の展望タワーで、今の時期ここから田んぼアートが見られるので、蓮を見終わった後に行ってみよう。 -
横着をして、以下のコメントの一部(蓮に関する雑学)は一昨年訪れた「都賀の里」古代蓮旅行記から引用している。
「栃木県にも古代蓮が咲いていた!」
http://4travel.jp/travelogue/11027828
これは「原始蓮」。行田蓮と似ていて区別がつかない。東大阪市善根寺の民家の敷地に咲いていた蓮を「大賀蓮」発見者の大賀一郎博士が、これもまた古代蓮の一種と認定して1936年に「原始蓮」と命名した。1970年「牧岡の原始ハス」として大阪府の天然記念物に指定された。 -
王子蓮という品種。アメリカ原産の黄色系蓮とアジア系の紅系蓮の交雑種だという。黄色と赤の交雑で白い花になるとは、植物の世界は面白いものだ。
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姫蓮という品種。
蓮の花の寿命は正確に4日間。初日は、開花しきらず、ちょっと咲いただけで9時ごろには蕾に閉じてしまう。2日目になると、きれいに開花し、昼頃に再び閉じる。3日目には最大に開くが花の色はややあせてきて、昼頃になっても完全には閉じきらない。4日目になると、7時前から開花して8時過ぎには花びらが散り始め、昼頃にはすべて散ってしまう。
これは咲はじめ初日の状態。 -
天上蓮という八重咲きの蓮
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一天四海。やや黄色みがかった白の花弁のフチに赤紫色の紋が入っているのが際立った特徴で、別名、大名蓮ともいう。鳥取県の湖山池という汽水湖に自生する蓮だが、生育環境が安定しないので、保護活動が行われている。
どうでもよいことだが、宮崎産の芋焼酎に「一天四海」という銘柄がある。 -
背後の展望タワーを背景に中国古代蓮。
古代蓮の類は、行田蓮、大賀蓮、原始蓮、中国古代蓮とも、大型のピンクの蓮で、植物オンチの玄白には全く区別がつかない。 -
ミセスローカム。
珍しく横文字の名前の大型の蓮。花弁の数が70~100枚もある八重咲きの蓮。 -
錦蘂蓮(ぎんずいれん)
これもやたら花弁が多い八重咲きの蓮。蓮というより牡丹のような花の姿だ。 -
碧台蓮(へきだいれん)
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古代蓮で一番有名な大賀蓮。花が開き切っておらず、第1日目の開花の様子
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西光寺白蓮という品種。大阪府和泉市の西光寺という寺に伝えられた品種。
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イチオシ
蓮の花の中心はユニークな形をしている。花托という漏斗状の花床にめしべが規則正しく配列していて、その周りを夥しいおしべが取り囲んでいる。花が終わると花托はどんどん成長し、めしべの部分に実がなり肥大化していく。これが蜂の巣のように見えることからハチス→ハスとなったという説があるようだ。
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古代蓮池の方に移動。池の中に木道が作られていて、間近で蓮の花をみることができる。
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全体を見渡すと、花びらが落ちて花托だけになっている蓮が目立つ。古代蓮の里のHPでは8月上旬まで見頃が続くとなっているが、すでに最盛期は過ぎているように見える。
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一番きれいな開花2日目の蓮をメインにして、寄りで撮影していこう。
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逆光では、花の色が一艘鮮やかなピンク色になる。
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イチオシ
手前の蓮越しに奥の蓮を狙って。
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蓮とムクゲと。
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水生植物園の方に移動する途中、こんな花を見つけた。ジャガイモの花に酷似しているが、まさかこんなところにジャガイモが植えられているとは思えない。なんという花だろうか?
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ミズカンナの花。高さ2mを超す大型の湿生植物。初めてみる花だ。
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こちらの池にも蓮は咲いている。大きな花で、行田蓮とアメリカ黄蓮の交配種で甲斐姫という名前が付けられている。
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お馴染みの睡蓮
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白い睡蓮も
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初めて見る変わったトンボを見かけた。翅が透明ではなく青紫色の金属光沢のきれいな色をしている。チョウトンボという名前がついている。翅が蝶のようにきれいで、飛び方が蝶のようにヒラヒラ飛ぶので、こんな名前が付けられたのだろう。
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イチオシ
通りかかった人から奥の水鳥の池の古代蓮が見頃になっていると聞いたので、そちらに移動。
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ハイキー調で。
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アップで
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イチオシ
草むらの中に隠れるようにひっそりと咲いていた行田蓮一輪。草むらの木漏れ日がスポットライトのように蓮を輝かせていた。
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蓮の花、すなわち蓮華といえば、仏教との深い関係が思い起こされる。
蓮は、泥の中で育つが、汚れることもなく美しい花を咲かせる。これが悪、煩悩に溢れるこの世の中で一切の汚れがない仏の智慧、慈悲を象徴している。
また、蓮は開花する前にすでに受粉が完了していて、花托の中に種が宿っている。この性質が、一切衆生(人間を含むこの世に生を受けたすべての生き物)は生まれつき仏性(実)を備えていると説く仏法に結び付けられる。
蓮の原産地はインドと言われているので、蓮のこのような性質が仏教の教理と結びつけられたのは自然な成り行きだったのかもしれない。 -
開花一日目の花。逆光にて
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花托に並んでいるめしべは、2日目ではきれいな黄色だが、3日目になると茶色になる、花の形だけでは開花2日目が3日目かわかりにくいが、花托を見ると区別がつく。
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こちらは開花3日目
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花びらが落ちた花托をアップで。
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イチオシ
またまた前ボケを入れて一枚
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花托をアップで
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行田蓮は2mを超す高い茎のものがある一方・・
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睡蓮と見紛うほど背が低い花もある。
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水面への映り込みを入れて一枚
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映り込みだけを狙って
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古代蓮の池から展望タワーと行田蓮一輪
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朝8時半だが、気温が急上昇。暑さにたまらず、アイスクリームに手が出る。行田の特産農産物の一つが枝豆。ということで枝豆アイスクリームにトライ。本当は塩ゆでした枝豆とビールの方がいいのだが、車で来ているのでそんなわけにはいかず、アイスクリームでがまんだ。
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ひととおり蓮の花を見終わり、アイスクリームでリフレッシュしたところで、展望タワーに上って見る。通常¥400の入場料が必要だが、駐車券を見せると半額になる。
上空50mから見下ろす巨大な田んぼアート。こちらは南側の田んぼアートで、今年10月から放送予定のドラマ「陸王」の主演俳優、役所広司が1ヘクタールの田んぼに描かれている。 -
こちらが東側の田んぼアート。南側のものより一回り大きい。超広角レンズでないとすべてがカメラに入りきらない。
今年の図柄は「イナダヒメノミコトとスサノオノミコト」。ヤマタノオロチの生贄にされそうになったイナダヒメを助けオロチを退治したスサノオが、イナダヒメを妻に娶ったという古事記のハイライトを題材にしている。
田んぼアートは1993年に村おこしの一環で青森県田舎館村が始めたのが最初で、今では全国各地で行われている -
展望室には今年の田んぼアートの図面や過去のアート、田んぼアート制作の様子の写真などが展示されている。今年は実に446名のボランティアで作られたという。
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行田蓮池を見下ろす。
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駐車場横の世界の蓮園
空気が澄んだ秋、冬の夜にはスカイツリーなど東京の夜景まで見渡せるというのだが、今日は靄っぽくて、遠くまでは見通せない。
この後、午後は川越まで足を延ばし、小江戸と言われる古い蔵の街並みや氷川神社の「縁結び風鈴」イベント見物へ。
続く
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この旅行記へのコメント (2)
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- ミッキーマーチさん 2017/07/17 12:13:54
- 蓮の花、そろそろ終わりですか?
- こんにちは、玄白さん
行田の蓮、見に行かれたんですね。
朝早い時間でないときれいな花が見られない蓮、朝が苦手な私にはなかなか難しくて…
たんぼアート、今年は2種類作ったんですね。新聞などで見たのはイナダヒメノミコト…の方だけだったのでビックリ。役所広司さんの顔がなんともおちゃめ。
毎年、日照りや大雨の被害があって、管理が大変らしいですが元気に育ってほしいものですね
上から見た蓮池なんですが、水面が見えているのにビックリです
この時期に行くと池いっぱいに蓮が茂っていて、水面が見えたことはありません
以前の写真を見てみたんですが、やっぱり木道も隠れてしまいそうな勢いに青々としていました
古代蓮がなくなるかもって噂を聞いたんですが、今年はたまたま成長が悪いだけだったんでしょうか?
ちょっと気になったので…
長い眠りから目覚めた古代蓮、いつまでもきれいな花を咲かせ続けていってほしいと願います
ミッキーマーチ
- 玄白さん からの返信 2017/07/17 16:23:36
- RE: 蓮の花、そろそろ終わりですか?
- ミッキーマーチさん、こんにちは
栃木県小山の田んぼアートを見に行ったことがありましたが、行田の田んぼアートはギネスに登録されるだけあって、見応えがありますね。50mの展望タワーまで作ったりして・・・
行田蓮は初めて見に行ったので、例年に比べてどうなのかわかりませんが、正直なところ花の数が少なかったように思いました。旅行記には載せませんでしたが、水生植物園と水鳥の池の方は、上から見て水面が見えないくらい蓮の葉で埋め尽くされていました。花は水鳥の池が一番の見頃でした。同じ蓮でも池によって花の盛りの時期に差があるようですね。
行田の古代蓮は大切な観光資源なので、管理はキチンとするでしょうし、なくなることは無いんではないでしょうか
玄白
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