2017/07/11 - 2017/07/11
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ペコちゃんさん
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これまで「噴火警戒レベル2(火口周辺規制)」だった草津白根山は、6月から「噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)」に引下げられ、警報が解除されました。
山頂火口から1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性が低くなり、湯釜が見れるようになったので、コマクサが見頃を迎えた7月に訪れてみました。
「草津白根山」の名前は、湯釜がある白根山だけでなく、逢ノ峰、本白根山の三山の総称としても使われます。
深田久弥が著書『日本百名山』の中で、 ” 草津白根山は絶頂を極めて快哉を叫ぶといった山ではない。顕著な頂上らしいものもない。・・・この山の特色は頂上よりもむしろ、断崖をなした火口壁や火山湖の妙にある。 ” と記している通り、本白根山の中央火口壁には「コマクサ」が咲き乱れ、白濁した碧色の水をたたえた「湯釜」は何とも美しい火口湖です。
これまで噴火警報のために近づけなかった草津白根山でしたが、美しい景色と涼を求めて、この夏は大勢の観光客で賑わうことでしょう。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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今回の参加者は7名なので、車2台で5時半に出発し、行きは軽井沢ルート、帰りは渋川ルートで車を走らせました。
6時45分に横川SAに立ち寄り、小休止。
梅雨明け宣言はまだですが、今日も猛暑日を予感させる夏空です。 -
SAのテラスデッキは、夏の花で美しく彩られています。
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妙義山に連なる独特の形をした岩山を見ていると、退屈しません。
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碓井軽井沢ICで降りて中軽井沢の街を走っていくと、浅間山が目の前に迫ってきます。
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鬼押出しの近くから見る浅間山。
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天明3年(1783年)、浅間山大噴火の火砕流で形成された鬼押溶岩流・・・この時は、500人近い死者を出しています。
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現在も小噴火を繰り返す浅間山。
火口周辺は、2015年に発表された「噴火警戒レベル2(火口周辺規制)」の警報が続いています。 -
鬼押出しを過ぎると、草津白根山のなだらかな稜線が見えてきます。
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標高800m~1,400mの高冷地で育てられる嬬恋村の高原キャベツは、全国の総出荷量の半分を占めており、名実ともに日本一のキャベツ産地。
甘く・柔らかく・瑞々しい嬬恋キャベツ!・・・仲間の皆さんも、帰りに買いました。 -
8時半に白根火山ロープウェイ・山麓駅の駐車場に到着。
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駅係員に、念のため駐車場情報を確認。
山麓駅の広い駐車場は無料ですが、志賀高原に続く国道292号線沿いの白根レストハウス駐車場も利用出来る(500円)とのことなので、更に車を進め・・・ -
第二駐車場に車を止めます。
6月に噴火警戒レベルが引き下げられ、湯釜火口から半径1キロの立ち入り禁止規制が500mに縮小したため、これまで閉鎖されていた白根レストハウスと駐車場も再開しました。 -
9時ですが、観光客やハイキングの人達の車で、広い駐車場はかなり埋まっています。
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草津白根山の噴火履歴を記した案内板・・・明治15年の湯釜噴火以降、幾度となく噴火を繰り返してきた活火山の状況が分かります。
「噴火警戒レベル1」になっても油断は出来ません。 -
今回のルートはロープウェイやリフトに乗らないで、「本(もと)白根一周コース」を歩いた後、湯釜に立ち寄るコース。
群馬県草津町に位置する草津白根山の標高は2,160mですが、最高峰は南側にある2,171mの本白根山・・・どちらも山頂には登れません。
草津白根火山の始まりは約60万年前と言われ、約35万年前に現在の山容になったそうです。 -
駐車場から国道を渡って、小高い丘に登ると・・・
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その下にあるのは、明治35年の噴火で出来た「弓池」。
池の周りには木道が整備されています。 -
弓池は直径が130m、水深が1.6mの火口湖。
ここで水蒸気噴火があったことを考えると、草津白根山は何時どこで噴火が起こっても、おかしくないと思われます。 -
弓池の水質は酸性で、飲用には不適。
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池の正面にそそり立つ「ほうらい岩」。
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弓池の湿原では、ワタスゲが揺れていました・・・夏の到来を感じます。
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そして水辺には、5羽のカルガモの雛が親鳥と元気に泳いでいます。
20年ほど前から弓池に姿を見せるようになりました。
この池では、ゲンゴロウやトンボ類の幼虫が観察されますが、餌は大丈夫でしょうか?・・・元気に育ってほしいものです。 -
弓池を見ながら「逢ノ峰」へ向かいます。
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整備された登山道を、ゆっくり進むと・・・
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登山道沿いに、色々な夏の花が目を楽しませてくれます。
これは、ツマトリソウ。 -
ゴゼンタチバナ。
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歩き始めて10分ほどで、逢ノ峰の頂上にある東屋へ。
ここの標高は2,110m。 -
ここからは、国道沿いの駐車場を挟んで、左に白根山山頂、右に湯釜の火口縁が目の前に・・・
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そして3千m近い白馬の山々も遠くに霞んで見えます。
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初夏だというのに、あちこちに雪が残っています。
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コメツガの緑と夏の青空のコントラストが見事!
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ナナカマド・・・この白い花が秋には真っ赤な実になるのですから、不思議なものです。
紅葉も見事でしょうね。 -
片道400円の「本白根山コマクサリフト」。
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リフトでゆったり登る観光客を横目に、歩いて登ります。
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鮮やかな黄色のカントウタンポポ。
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熊除け鐘。
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道沿いには、沢山の「イワカガミ」が・・・
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これは「マイヅルソウ」。
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ミツバオウレン。
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アカモノ。
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「コマクサ群生地」の案内板に、胸が高鳴ります。
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見えました!・・・本白根山の中央火口斜面のガレ場に、コマクサの大群落が!
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至る所にコマクサが咲いています。
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他の植物が生育できないような砂礫地に生えるコマクサは、50~100cmほどの長い根を張り、その美しい花からは想像できない逞しさがあります。
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コマクサは、戦後、結核や肋膜炎の特効薬として珍重され、花の美しさよりも特効薬として盗掘されました。
その後、結核の薬が研究されてからも山野草ブームで盗掘が続き、本白根山のコマクサは絶滅寸前に・・・ -
絶滅を何とか防ごうと、ボランティアや草津中学の生徒がコマクサの保護・復元に取り組んだ結果、現在のようなコマクサの大群落が本白根山に甦りました。
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6月には、コマクサの植栽や保護ロープの設置などが行われました。
絶滅寸前だったコマクサがここまで増えて、こんなに美しい風景を見られるのも、長年にわたり保護・復元に尽力した方々の努力のおかげ・・・感謝しないといけませんね。 -
他の植物が育たないような場所で美しい花を開かせることから「高山植物の女王」と呼ばれているコマクサ。
コマクサの名前の由来は、花の形が馬(駒)の顔に似ているからですが、高山植物の女王たる気品を備えた美しい花は、訪れる人を魅了します。 -
コマクサが途切れた所に生えるハイマツ・・・厳しい環境で生き延びるために、枝が地面を這うように伸びることから「這松」の名が付きました。
鮮やかな紅色をしているのは雄花の蕾で、1年後には松ボックリになります。 -
本白根山展望所に続く遊歩道と、展望所の奇岩。
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ここにも沢山のコマクサが・・・
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ため息が出るほど美しい!
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展望所手前の分岐を右に行ってみると、何と、火口底にカモシカが!・・・ニホンカモシカが食事中でした。
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遊歩道の分岐まで戻って、本白根山の展望所(2,145m)に登りました。
多くの人が、ここを山頂だと思っているようですが、ここはただの展望所。 -
展望所の対面にあるのが本白根山(2,171m)。
山頂部は有毒火山ガス噴出の危険があるため、立入禁止になっています。 -
展望所の周辺も、コマクサがいっぱい!
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11時を過ぎたので、鏡池に向かいます。
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イワオトギリ・・・黄色の綺麗な花ですが、漢字で書くと「岩弟切」で、花言葉は「復讐」「秘密」。
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10分ほどで鏡池へ。
鏡池は、昔の噴火口に水が溜まって出来た池。 -
ミヤマニガイチゴ・・・秋にはイチゴのような赤い実がなり、食べられて薬にもなるようです。
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花の形が竜に見え、白銀の色をしている容姿から 銀竜草の名がついた「ギンリョウソウ 」・・・葉や茎も真っ白で、チョッと不気味な感じがするため、「ユウレイタケ(幽霊茸)」の別名があります。
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残雪を渡ります。
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早春に花を咲かせたエンレイソウは、この時期にはもう果実を付けていました。
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山麓駅と山頂駅を結ぶロープウェイが頻繁に行き来しています。
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ロープウエイの山頂駅が見えてきました。
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山頂駅にある温度計は19度・・・下界は猛暑日でしょうが、ここは涼しい別天地。
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途中で昼食をとり、13時過ぎに駐車場へ。
車にリュックを置いて、湯釜へ向かいます。
駐車場や途中の山腹には、万一の噴火に備えてシェルター(避難小屋)が設けられています。 -
駐車場からゆっくり歩いて20分ほど。
草津白根山火口展望台(2,160m)についた途端、絶景が待っていました。 -
荒涼とした風景の中に浮かぶ、神秘的なエメラルドグリーンの湖。
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直径約300m、水深約30m、水温約18℃の火口湖「湯釜」・・・水はpHが1.0前後だそうで、世界でも有数の酸性度が高い湖と言われています。
これは火山ガスに含まれる塩化水素や二酸化硫黄が水に溶け込み、塩酸や硫酸となったためです。 -
底からは常に硫黄泉が湧き出し、冬になっても凍結しません。
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コマクサとエメラルドグリーンの湯釜が堪能出来て、仲間の皆さんも大満足。
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帰りは渋川ルートで。
草津で高原キャベツなどを買いましたが、足湯に入らなかったので、道の駅「八ッ場ふるさと館」へ立ち寄り。 -
道の駅「八ッ場ふるさと館」は、八ッ場ダムの建設により水没する地域の生活再建と地域振興を目的として建設され、2013年に開駅しました。
現在、建設中の八ッ場ダムは、平成31年度に完成予定。 -
敷地内にある天然温泉の足湯に浸かりながら、不動大橋や丸岩の眺望を楽しみます・・・かなり熱めのお湯でしたが、足の疲れも取れてスッキリ!
日本百名山の草津白根山を歩く旅も、無事終わりました。
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