2017/06/03 - 2017/06/05
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hayaojisanさん
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ローマは4度目なので、二つの事柄に的を絞り、今まで行っていない所へ行こうと思った。直前に和辻哲郎(哲学者)の「イタリア古寺巡礼」という本を読み、ローマ国立博物館に古代の彫刻の名品があるということを知った。私もそうだったが、ローマではどうしてもヴァティカン美術館に代表されるルネッサンス芸術に目が行ってしまう。今回は古代彫刻を見ることにした。もう一つはバロックの教会である。これも今まで見過ごしてきたが、オールド・ローマと呼ばれるパンテオンを中心とする一帯はバロック芸術の宝庫だそうで、バロック様式そのものもここで生まれたのだという。中心となったのは3人の天才で、ベルニーニ(建築家、彫刻家)及び画家のカラッチとカラヴァッジョだそうな。
写真は「ニオベの娘」ニオベはギリシャ神話の女性で、14人の子を産み、女神レトより自分の方が上だと自慢したため、すべての子をレトの子アポロンとアルテミスにより射殺されてしまった。娘の一人が背中に刺さった矢を抜こうとする場面。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
スリ団に包囲される
空港からバスでテルミニ駅に到着。午前11時ころであった。予約のホテル・カナダまでは地下鉄1駅の距離で、手ぶらなら問題ないがスーツケースを転がしてはちょっときつい。タクシーに乗ろうかとも考えたが、地下鉄で行くことにした。となりの駅のすぐそばということなので。駅は閑散としており、電車が到着すると、若い女(少女といえるくらいの年)がいきなり現れて”I am a tourist”(私は旅行者です)といって、この電車はコロッセオに行くかとたずねる。そして同じくらいの年恰好の仲間4人で、電車に乗るのを妨げるように、入口に立ちふさがるのである。また同じ質問をしてきたが、私はこの連中の正体を既に見破っていた。 “I don’t know” と強めにいい、妻に「こいつらはおかしい」告げながら、大声で”Please!” といって、道を開けるよう要求、そのまま強行して電車に乗り込んだ。妻はなお「でも、ツーリストって言ってるよ」と得心のいかぬ様子。ところが、その4人の後ろから今度は若い男の子3人が乗ってきた。
ほどなく電車はカストロ・プレーテリオ駅に着き、私たちは降りる。一味7人もそこで降りる。エスカレータに向かうと主犯格の娘がなおつきまとって来るので、”Go away” と追い払う。そのころにはようやく妻にも状況が飲み込めたようで、彼女も”Go away” に唱和して一件落着とは相成ったが、何しろこちら2人に対して相手は7人、けっこう危ない状況だったと後から思った。最初から毅然とした態度をとれたのがよかったのだと思う。自分がなにかをたずねる時に”I am a tourist” などということはないし、いかにも今到着したばかりの人間にコロッセオへの行き方を聞くのも不自然だ。日本人は甘く見られているのかもしれない。
ホテル カナダは御覧のとおり、とても素敵なホテルだ。 -
ローマ国立博物館は今は4カ所に分かれている。古くはテルメ博物館と呼ばれ、ディオクレティアヌス帝の浴場跡を利用したものだったが今やマッシモ宮殿というテルミニ駅近くの建物が中心となっている。ここには古代の彫刻がどっさりあるが、ほとんどはギリシャ彫刻をローマ時代に摸刻したものである。わたしが見たいのは数少ないオリジナルの作品、中でも「ルトヴィシの玉座」として知られるアフロディテ(ヴィーナス)の誕生を表す三面浮彫である。
ディオクレティアヌス帝の浴場跡。これも国立博物館の一部だ。 -
マッシモ宮
博物館の中庭と廊下。 -
ギリシャのオリジナルを摸刻したローマ時代の彫刻は、庭園を飾る役割はできるかもしれないが、芸術的価値はとぼしいと言わざるを得ない。ギリシャ国外に散逸したり、かつてのギリシャ植民地で制作されたものもあるので、数少ないオリジナルの彫刻を求めて旅行することにもなる。最もよく保全されたギリシャ神殿はイタリアにあるというくらいだから。
ずらりと並ぶ芸術作品。こういうところは素通りするしかない。 -
首がなくても手がなくても女性の魅力は感じられる。
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数少ないオリジナルのギリシャ彫刻の一つ。ニオベの娘。ニオベについては概要の中で述べたが、他の子供たちはベルリンやコペンハーゲンに散っているとか。
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ニオベの娘。別の角度から。「罪なくしてほころび初める命を絶たれる運命に堪える、浄化された魂の悲哀の表現はこの期におけるギリシャ美術の一方の極を示しており・・・」(澤柳大五郎:ギリシャの美術)。私はこの作品については知らなかったが、離れがたい思いから何枚も写真を撮った。
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メノファントスのアフロディテ
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上の像に比べ露出度が増している。
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ローマ軍と東ゴート軍の戦いを描いた石棺
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アンティノウスの浮彫。ハドリアヌス帝に寵愛された若者でナイル河で溺死後、帝は彼を神格化し、神として芸術作品の中に描かせた。ここでは森の神として松の枝の冠をかぶり、右手に鎌を持っている。
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パンテオンの前を通りかかると長蛇の列。何事かと思ったら、日曜のミサの終了を待つ観光客だった。
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イギリスでテロがあったばかりで、ここでも軍隊が出て警備。
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アルテンプス宮殿。ローマ国立博物館も3カ所目だ。私が見たかった「アフロディテの誕生」はまだお目にかかれていない。今度こそ待望の彫刻と対面できるだろうか。
本日は月1度の無料開館日。日曜日だというのにひっそりとした感じ。 -
ついに熱望していた浮彫との対面。人だかりしているわけではないが、時々見る気のある人が来てじっくりと鑑賞していた。写真ではこの素晴らしさは、なかなか伝わらないだろう。和辻哲郎の文章を引用するのをお許しいただきたい。
「ここにはギリシャ彫刻の本物、しかも一流の優れたものがある。いわゆるルドヴィチの王座<ヴィナスの誕生>などはその中でもまた一番美しいものである。」「この像が最初に与える印象は構図の妙である。・・・しかし主導的に働いているのは、やはりヴィナスの美しい首や胸や肩や腕などと、左右のニンフの胴体や腕などとのからみ合いである。女の腕や乳房などの柔らかいふくらみで構成されているこの微妙な旋律は、実に何とも言えない好い印象を与える。」(「イタリア古寺巡礼」より) -
この浮彫には左右に横から見る別の浮彫が付随している。右側は「花嫁」。
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左側。アウロスを吹く裸体の少女。
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和辻哲郎がヨーロッパへ留学し、イタリアを旅行したのは今から89年前の1928年である。彼の時代にはヨーロッパ旅行は一生に1度の大事だった。片道の船だけで50日もかかるのだから。それだけに現在とは比較にならない厳しい条件の中で下調べに余念がなかった。われわれがふらりと美術館に行くのとは違い、見たいものがはっきりしており、十分な知識を持っていたのである。さらに仏像や日本美術に通暁しており、しっかりした価値基準も持ち合わせていた。浅薄な西洋礼賛などではないのである。
私も最初は100年近い昔の本を読んで役にたつのだろうかと危ぶんだが、通り一遍の旅行案内書にはない内容でとても参考になった。多くの観光客はイタリアに行くのに新しいものを見に行くわけではない。つまり観光の対象は変わっていないのである。 -
これは打って変わって激しい彫刻。虜囚の辱めを嫌って、まず妻を殺し自らも命を絶つガリア人。
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ローマ国立博物館・マッシモ宮殿の3階には珍しいローマ時代の絵画が。
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人手不足とかで、前日は閉鎖されていたので本日再びマッシモ宮殿を訪れたわけである。
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月曜日は博物館は休みなので教会巡りに充てる。
サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会
ここにはカラヴァッジョの名作が3点ある。 -
マタイの召命 どの人物がマタイかは論争があったそうな。
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天使とマタイ
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聖マタイの殉教。中央の半裸の男は洗礼を受けるために来た男で、殺し屋は左側の貴族的な服装の男どもだそうな。聞いてみなきゃわからないものだ。
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Il Gesu聖堂。Il Gesu はゲスではなく、ジェズと読む。
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「バロックの祖母」との記述があったが、そのごてごてした過剰とも思える装飾、絵と彫刻を組み合わせた天井画、クーポラ(丸天井)に驚く。これは反宗教改革の先鋒イエズス会の教会であり、会の創始者イグナチオ・ロヨラの墓もある。
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見上げると首が曲がってしまうので、鏡が置いてある。この教会に限らずローマのほとんどの教会は無料。ほとんど有料の京都の寺との違いは何なのだろう。
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鏡に映った天井。まさに天上のようだ。
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テルミニ駅からのバスで行けます。Argentinaで降りる。
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信仰深い人の邪魔をしないように静かに行動する。
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「ローマの兵士」見つからないように取らないと「税金」をはらわされそう。
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ナボナ広場の面白い噴水。
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サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会。ローマの唯一のゴシック教会である。
ここにはミケランジェロの「あがないの主、イエス・キリスト」と画僧フラ・アンジェリコの墓がある。
ボッティチェリの師匠に当たるフィリッピーノ・リッピのフレスコ画も見もの。 -
フラ・アンジェリコの墓。リッピの美しいフレスコ画は撮影禁止。
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教会の前にはベルニーニの象の像がありオベリスクを背負っている。
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教会めぐりの最後はサンタンドレア・デラ・ヴァレ教会。私にとって何よりの興味は、ここがプッチーニのオペラ「トスカ」の第1幕の舞台となっていることだ。美貌の歌姫トスカは、祭壇でマグダラのマリアの絵を描いている恋人の画家カヴァラドッシが、誰か知らぬ女をモデルにしていることを疑い嫉妬に狂う。
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もちろん、この話はフィクションだが、ついその時の絵を探してしまう。
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このあたりは交通量の多いところで注意する必要がある。
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ファルネーゼ宮殿。ここはオペラ「トスカ」で悪漢スカルピア(警視総監)が本部にしていた建物。ここで彼はカヴァラドッシを拷問にかけ、トスカを犯そうとする。ミケランジェロが建築に手を貸したとか。ローマで最高のルネッサンス建築と言われるが、今やフランス大使館で、カラッチの天井画も見ることは困難。次のサイトで片鱗はうかがえる。http://romamayumi.exblog.jp/26009095/
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