湯村温泉から三朝温泉、鳥取横断の旅(二日目)~早朝の岩井温泉でさっぱりした後は、砂丘美術館ほか鳥取市内の観光スポット。池田家墓所に因幡万葉歴史館も意外に見応えあり。最後は三朝温泉の万翠楼です~
2017/05/30 - 2017/05/30
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たびたびさん
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湯村温泉を出発して、今日の宿の三朝温泉に向かいます。昨年の三朝温泉は岩崎楼。母はまあまあ気にいってくれたので、今回はそれよりちょっと格は落ちますが、評判がよさそうな万翠楼にしてみました。
さて、今日は、昨日に比べれば移動距離が少ないので、時間的にはかなり余裕がある。途中の岩井温泉や岩美、富浦、網代、鳥取砂丘などに寄ったりして、適当に車を走らせます。中での予想外は、鳥取市郊外の池田家墓所に大伴家持がらみの因幡万葉歴史館。どうしても鳥取砂丘の陰に隠れて、有名になっていない観光スポットだと思いますが、鳥取市の文化的な厚みを再認識させられた思い。こうしたことは、やっぱり細かく回ってみないと気が付かなかったことだと思います。
そして、最後は三朝温泉。三朝温泉は言わずもがな世界一のラジウム温泉の名湯ですが、今回利用した万翠楼はそれに加えて食事がなかなかいい。湯村温泉の井づつやでちょっとフラストレーションがたまっていたのを一気に解消できたかなと思います。
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湯村温泉を出発して、取りあえず鳥取市を目指しますが、途中、岩井温泉にも寄ってみます。湯村温泉から鳥取市に抜ける途中。まっすぐな通り沿いに、微かに温泉街の雰囲気がないことはないというくらいです。
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ただ、ここも1300年の歴史。「湯かむり」という手ぬぐいを頭に乗せて、ひしゃくで湯をかむるという珍しい風習もあるのだそう。
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イチオシ
日帰り温泉で朝湯に入ることにしまして、さすがにひしゃくを使っている人はいない。少し熱めの湯加減で体がシャキッとしました。日本間の休憩室があるので、それも意外に重宝します。
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ちなみに、これが「湯かむり」のポスターです。手ぬぐいでほうかむりをしているの分かりますか?
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母を休ませておいて、私は周辺のチェック。
岩井温泉の市街外れに、1200年前に建てられた弥勒寺の跡という、岩井廃寺塔跡があります。見どころは、鬼の碗と呼ばれる石。柱を受けるのにくりぬいた礎石だと思いますが、つくばいのように見事なくりぬき穴。根気よく開けたということなのか、やはりそれなりに技術があったということなのか。いろいろに想像ができる石だと思います。 -
岩井温泉街の裏通り奥。西法寺の境内入ってすぐの右手に碑は尾崎翠生誕の地碑。
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ちょっと風雨にさらされて傷んだ金属プレートに、その生い立ち・功績等が紹介されています。ここは母の実家で、翠氏はここで明治29年に誕生。岩井温泉を舞台とした作品を発表したり、仏教哲学を踏まえた作品なども発表した異才の作家だったようです。
ただ、ここはあまりにものどか。中央の文壇で名を残しているという認識は地元ではないかもしれません。 -
少し離れた裏通りには旧岩井小学校校舎が残されていて、これも岩井温泉では数少ない観光スポットとなっています。明治25年に建てられた校舎は、確かにそれらしい洋風学校建築ですが、かなりボロボロ。どうかすると崩れ落ちそうな状態です。
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旧岩井小学校校舎から表通りに出てきたところ。伊藤一心堂は、小さなお菓子屋さんです。
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たぶん、看板商品のもなかをいただきました。何気なく食べると、餡子が適当な水分を含んでいて、甘さもしっかり。朝ぶろに入った後だったこともあって、あれっというくらいうまく感じました。これはかなりお勧めです。
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岩井温泉を後にして。
少し進んで、道の駅 きなんせ岩美です。 -
海産物の販売も積極的にやっていますが、道の駅としては中くらいの規模かなと思います。
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湯上りにソフトクリームをいただいて、ちょっと落ち着きます。
そして、入口に蟹の被り物があって、これが意外に面白い。これを被ってみんなで記念写真を撮りましたが、かわいらしくてけっこう盛り上がりました。 -
徐々に鳥取市に近づきます。
浦富だと遊覧船で回る浦富海岸の岩場イメージですが、すぐ近くに海水浴場があって、こちらはきめの細かい砂のビーチ。鳥取県は至るところに砂浜の海水浴場があって、どこもいい砂浜がありますね。専用の駐車場からもすぐだし、便利だと思います。 -
その先にあるのは、鳥取藩台場跡浦富台場跡。鳥取藩では、文久2年、攘夷の決定をした幕府に従い、海防に備えてこの台場を急ごしらえすることになります。急ごしらえとはいえ、今の大栄町の反射炉で作られた大砲4門を据えたというのはなかなかたいしたもの。詳しい説明板があってちょっと感心しました。
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現在、辺りは芝生で覆われていて、けっこう気持ちの良い公園となっています。
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隣りの網代港一帯は、国道から少し入った小さな港町。
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堤防で守られた静かな入江には、小さなボートみたいな船が何隻も海に向かった傾斜地に引き上げられていました。
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少し辺りをウロウロしたら、ここから浦富海岸に向かう自然歩道の入口。浦富海岸自然探勝路で、岩場を登って行く遊歩道。
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少し上っただけで、眼前には深く切れ込んだ入江に青く透き通った海が見えて、いきなりの絶景。網代といっても、もうここからは浦富海岸。侮れないスポットです。
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イチオシ
展望台から、いきなり変化に富んだ浦富海岸の絶景が見下ろせまして、手軽に浦富海岸をちょこっと見たいという人にはかなりお勧めかなと思います。
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イチオシ
せっかくなので、鳥取砂丘にも寄ることにして。
鳥取砂丘の近くにある多鯰ヶ池。この周囲は豊かな緑に恵まれて、この池を知らない人でもあれっと思うくらい美しい池です。国道から見下ろすような形になるので、全景もよく確認できる。山陰最古の堰止湖で、水深は15mもあるようです。 -
ここから鳥取砂丘 砂の美術館です。もう何度か来ているのですが、母の希望もあるので、ここは合わせるしかありません。
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イチオシ
改めてですが、鳥取砂丘の砂を固めて作ったと言う作品は、規模も大きいし、表面をつるつるにしたり、ざらざらにしたり。
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リアルな表現にこだわったという、まさに芸術作品。
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これを実際に目の当たりにすると、誰しもそのすばらしさに圧倒されてしまいます。
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私も見慣れていたつもりではあったのですが、
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改めて見ると
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またそこそこ新たな感動の気持ちが湧いてくる。
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これだけ丁寧に、
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かつ、ダイナミックな造形ですから、
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パッと見て終わりということでもないんですね。
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繰り返しの鑑賞にも耐える
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高い芸術性を持つ作品群です。
母も大満足。ここで十分満足したので、砂丘の方はパスすることにします。 -
最後にサンドパルとっとりも覗いてみます。鳥取砂丘砂の美術館の敷地内みたいなところ。
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道の駅のような感じのお土産物ショップや観光案内所もありますが、「世界のジオパーク&鳥取砂丘の風と共に」という展示室が鳥取砂丘に関するものかなと思います。ただ、内容は地味なので、閑散としていました。
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続いては、昼飯も兼ねて、かろいちへ。
鳥取市街中心部からは離れているので、車でないと訪ねることはできません。周囲は住宅地のような感じだし、なんでこんなところに大きな商業施設が造られたのか不思議な気もしますが、近くには鳥取港もあって、ここはかつては北前船の寄港地が賀露だったという歴史の地なんですね。 -
海鮮関係や農産物、レストランまで、そこらの道の駅にも全然負けていない立派な施設。ちょっとびっくりの充実度です。
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かろいちのメイン施設の地場産プラザ わったいなは、農産物を扱っています。鳥取は二十世紀ナシで知られますが、鳥取はこうしたブランド商品を育てるノウハウがあるようで、スイカやメロンなど、広い店内は豊富な品ぞろえです。
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昼飯は、すなば珈琲 賀露店へ。マツコのパネルが店頭を飾っていました。
鳥取県に初めてスタバができた時に話題となりましたが、その時、鳥取県知事が「スタバはないけど「すなば」はある」といって、このすなばコーヒーの存在をアピールして、地元ではこれがけっこう大うけでした。 -
ランチはトーストにカツを挟んだドックの組み合わせといった一見垢抜けないものでしたが、その田舎臭いところも悪くないと思います。
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同じ敷地内にあるかにっこ館は、小さな無料の水族館です。
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カニの水槽展示がメインではあるのですが、屋外のちょっと濁った池ではなんと淡水と海水が混じるところにいるボラが泳いでいました。水槽の展示もいいですが、こういう手作り感にも特色があって、悪くないかなと思います。
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わったいなの横にあるジェラテリア アンミラート。地元の食材を使った爽やかなジェラートをいただきます。
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もう少し濃厚さで攻めるというのもありかなとは思いますが、そこは程よい加減もウリなのかなと思います。表にベンチもあるので、そちらでゆっくりいただきました。
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ついでに、近くの鳥取港も行ってみます。
先ほど少し触れましたが、歴史的にいうと鳥取城下に最も近い北前船の寄港地がこの賀露町だったよう。沖に灯台の立つ岩場が見えましたが、そうした岩場があって、天然の良港となっていたのかもしれません。 -
かろいちから、鳥取市街の中心部に戻ってきて、これは仁風閣。
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仁風閣は、「じんぷうかく」と読みます。鳥取県城のふもとに立つ白亜の建物で、大正天皇の山陰行啓時に、宿泊施設として建てられたもの。旧鳥取藩主池田仲博侯爵の別邸でもあります。
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フレンチルネッサンス様式というのだそうですが、遠くから見ても輝くような美しさです。館内には鳥取藩と池田家に関する資料などが展示。岡山の池田藩との国替えなど、細かな資料もあります。ただ、国替えの話はけっこう複雑。予備知識がない人は落ち着いてみないと混乱します。
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イチオシ
こちらの宝隆院庭園は、仁風閣の裏手にある日本庭園。
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鳥取藩の最後の藩主、池田慶徳が若くして夫を亡くした母のために作った庭園なんですが、つまり、池田慶徳は養子。水戸藩主、徳川斉昭の五男で、後に鳥取県知事にもなっています。
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仁風閣のベランダから見るのが正面になりますが、仁風閣と日本庭園の間には芝生が広く取ってあって、それによって、洋館と日本庭園が違和感なく結びついているのだと思います。
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背後の山、久松山は、鳥取藩32万5千石の池田氏の居城があった山。現在は、天守閣などの建物は一切残っていませんが、本丸跡や二の丸・三の丸跡の石垣がはっきりと残っています。それだけしか残っていないということも言えますが、あまりにもはっきり残っているので、周囲の整備とも合わせれば、鳥取市は城下町としての威厳は十分に保てるはず。例えば、米子にも米子城はありますが、その位置付けの差は歴然としているように思います。
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吉川経家公銅像は、鳥取城公園のお堀沿い。黒ずんだ、ちょっと古風ないでたちの像ですが、この人物こそ鳥取城にこもり、わずかな手勢で秀吉率いる2万の因幡侵攻軍を迎えうった人物。最終的には秀吉の兵糧攻めにより「鳥取城渇え殺し」と呼ばれる苦境に追い詰められたところで、自らの命と引き換えに城兵の命を救い、天下にその名をとどろかせました。
よく見ると若々しい顔立ち。その分、余計に、悲劇を感じてしまいます。 -
鳥取市街中心部を離れて。
続いての池田家墓所は、鳥取藩32万5千石の藩主、池田氏の墓所。お寺の境内等にあるのではなく、独立した墓所です。県道291号から標識も出ていて、それに従って駐車場に到着。駐車場からからはもう斜面いっぱいに並んだ墓石群が見えていますが、 -
改めて墓所へ続く参道を行くと、まるで公園のよう。墓の位置を示す案内板もあるし、よく整備されています。
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なお、墓は、初代藩主、池田光仲から11代の慶栄まで。
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イチオシ
光仲は、池田家宗家初代池田輝政と徳川家康の娘、督姫との間に出来た池田家宗家2代、池田忠雄を父としており、徳川家康の外曾孫にあたります。
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鳥取藩が幕府から厚遇されたのは当然ということでしょう。
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ということで、ここも鳥取では外せないポイントでしたね。ちょっと無理した感もあったのですが、訪ねたのは正解です。
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イチオシ
続いての宇倍神社も、因幡国一宮。本殿は山の中腹にありますが、ふもとから本殿脇の駐車場までは車で上がることができます。
祭神は、武内宿禰命。この武内宿禰命は360余歳の長寿であったため、長寿の神とされる神。社殿は規模はさほどでもありませんが、金の飾りを用いていて、江戸期に各地で作られた東照宮のデザインに似ているように感じました。 -
そのエリアには因幡万葉歴史館というのもありまして、これは、万葉集の実質的な編者である大伴家持が因幡国司として3年半ここに赴任していたことを記念するもの。
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ちなみに、大伴家持は国司として最初の赴任地は越中国。因幡国は二国目になります。
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ただ、万葉集の最後を飾る歌は、因幡国に着任した翌年の正月に詠んだ歌だと紹介されていました。
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館内は、大伴家持の紹介だけでなく、万葉集の世界を伝える衣服や石の構造物などけっこう本格的。
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遠い昔にタイムスリップできると思います。
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なお、因幡万葉歴史館の建つ辺り一帯が国庁のあった場所らしく、因幡万葉歴史館の敷地内にある高い展望塔から因幡国庁跡全体を望むことができます。今ではのどかな田園地帯です。
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さて、鳥取市から三朝温泉は近いので、これでも余裕を持って到着です。
三朝温泉の旅館は大橋がトップとして、前回は岩崎楼。この万翠楼はそれに次ぐクラスでしょう。 -
到着して、
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まずはロビーでお茶とお菓子で、ほっと一息。
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三朝以外にも系列店があるみたいだし、部屋も意外に大きくなくて、部屋に通されるとあれっという感じだったんですが、まあこんなものでしょうか。
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三朝温泉の市街はもう散々散策しているので、とにかく風呂に入るのが目的。しっかり疲れを癒します。ここは飲泉もできる休憩室。風呂はこの先です。
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イチオシ
と、この風呂はいい。湯舟に柱が立って、それはローマ風呂みたいな構造なんですが、折り紙みたいな色彩のタイルが敷かれていて、上品な華やかさも感じる大正ロマンといった雰囲気です。昨日の井づつ屋は大きな岩風呂でしたが、ひと年取るとそんなダイナミックさは必要ないんですよね。この風呂もいっぺんで気にいりました。
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食事の場所に移動します。どこかの古い街並みみたいな感じですが、これもホテルの中なんです。かえるがゲコゲコ鳴いていましたが、どこかから入り込んで住みついたんだとか。かえるもここが気持ちいい場所だと分かっていしまったんですね。なるほど~
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イチオシ
さて、懐石料理が始まりました。派手さはないんですが、あれ?一つ一つに素材のうまさがくっきり感じられる。
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このゴマ豆腐も、旬菜のうまみが添えられて、なかなか味わい深いじゃないですか。器はちょっと分厚いし、桜はないだろうという感じなんですが、その垢抜けていないところを補って余りある味わいですよ。
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人手が足りないから、私が持ってきましたと男の人が料理を運んできましたが、おいしい料理なら、そんなの全然かまいませ~ん。むしろ、そんなことまで温かいおもてなしみたいに感じてしまう。料理って不思議なものですねえ。
この刺身だって、豪華な感じはしないんですが、なんかフィットするし、 -
石で焼いて食べる海老や
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イカも、何か下ごしらえの味が付けてあって、香ばしさと合わせて食べやすい。この変化も嫌いじゃないですね。
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牛肉の柔らかさも、今度は文句なし。
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天ぷらのサクッと感に振られた塩味も絶妙かも。
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あんかけの茶碗蒸しもよくあるタイプなんですが、まったく嫌みがない。このどろんとした湯葉みたいなのも、ちゃんと味の引き立て役になっていて、見た目のためではありません。
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そして、最後にでたそばのキレもなかなか。
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さっぱりとフルーツで終わって、はいちゃんと締まりましたね。
三人とも大満足の夕飯になりました。 -
翌日はまた朝風呂に入って。
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こじんまりした部屋で朝飯です。
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小さなカレイですが、焼いて食べるととってもおいしい。
その他、朝食もまたまた味わいに変化があって、飽きずに楽しめる。素材もきちんとしているように思いました。
三朝温泉の湯のいいのは折り紙つきですが、旅館は料理と風呂という基本がしっかりしていることが一番大事ということを改めて感じさせてくれるホテルでした。皆さんにも是非お勧めしたいと思います。
さて、後はもう帰るだけ。鳥取県を西に戻りながらの観光です。
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