2017/05/05 - 2017/05/05
59位(同エリア214件中)
玄白さん
GWは、名だたる観光地はどこも人でいっぱい。宮仕えを終えた身分の玄白としては、こんな混雑するときに混んでる所へわざわざ出掛ける気は毛頭ないが、かといって陽光きらめく気持ちがよい季節に家でじっとしている気にもなれない。そこで、GWでも観光客は、ほとんどいないであろう那珂川町へ。
この時期、那珂川中流域では、稚鮎の遡上が始まり、地元の人しか知らないであろう田舎の寺、長泉寺のあでやかに咲き誇る牡丹を見に出かけてきた。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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栃木県那珂川町に「まほろばの湯」という日帰り温泉施設がある。その近くを流れる那珂川に青岩と言われる早瀬がある。毎年4月下旬から生まれた場所に戻ろうと稚鮎が遡上してくる。青岩は、滝というほどではないが50~60cmの落差がある早瀬である。ここが稚鮎にとっては、試練の場となる。この急流を乗り越えようと必死にジャンプする姿が見られるのである。去年も訪れたが、今年も来てみた。
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去年より数は少ないが、体長5,6cmの稚鮎たちが、必死でジャンプする姿が見られた。
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天候や時間帯によっても、数に違いがあるのかもしれない。
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急流を飛び越えて上流に行ける確率は小さく、流れに押し戻されてしまうのがほとんど。それでも健気に何回でもトライする姿に、「がんばれ!」と声をかけたくなる。
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イチオシ
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那珂川の稚鮎の撮影を終えてから、車で10分ほどの長泉寺へ。
この寺は花の寺として地元では知られており、特に5月初旬は、牡丹の花が見頃となる。 -
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山号は白久山。白久とは、寺がある里の名前である。宗派は曹洞宗で、1672年、烏山城主、板倉内膳の寄進で創建されたという古刹であるが、地元以外ではほとんど知られていない寺である。
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GW中は、牡丹祭りが開かれ、地元の人でにぎわっていた。
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地元のサークルのおばちゃんたちが、オカリナ演奏をやったり、地元の農産物の即売会などが行われている。
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本堂
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さほど広くはない境内で、田舎の寺にしては不釣り合いな立派な三重の塔が目を引く。
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イチオシ
境内のあちこちに牡丹が植えられている。300本ほどあるという。檀家の方々が世話をしているのだろうか。
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イチオシ
三重の塔の前の牡丹三色トリオ
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三重の塔の横の観音菩薩像をバックにして。
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赤と白のまだら模様の牡丹。
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バックの花はツツジ
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牡丹は中国原産で、当初は薬用植物とされていたが、唐の時代からは花を鑑賞するようになった。大振りであでやかな花は、存在感があり、李白や白楽天など著名な詩人たちが詩歌の題材にしている。
薬用となるのは、根っこの皮である。 -
日本でも、すでに8世紀の奈良時代には栽培されていたらしい。弘法大師が遣唐使船で持ち帰ったのが最初という説もあるようだ。
文献に登場するのは、清少納言の枕草子が最初だという。 -
ほとんどすべてが園芸種で、野生の牡丹は日本では見られない。被子植物だから実生も出来なくはないが、短期間で花をつけるように栽培する方法として、シャクヤクに接ぎ木するのが一般的だそうだ。
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寒い冬に咲く牡丹(寒牡丹、冬牡丹)は別種かと思っていたが、特別な育て方をすることで冬に開花させることができるのだそうだ。地温の管理等のコントロールが難しいらしい。
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牡丹と言えば、日本画や入れ墨の代表的な図柄「唐獅子牡丹」にも登場する。獅子と牡丹がどうして結びつくのか調べてみた。
獅子は、もとはアフリカの百獣の王ライオンが起源だが、インド、中国へと伝わるうちに、その姿、実態が変化し、空想上の霊獣としての獅子に変容した。「しし」はほかに鹿、猪の呼び名としても使われていたので、これらと区別するために伝来元の唐を付けて唐獅子と呼ぶようになった。 -
イチオシ
最強の獣である獅子にも一つだけ弱点があると言われていた。獅子の体毛の中に住みつき、やがて皮膚を突き破って内臓を食い荒らす害虫がいるというのである。「獅子身中の虫」ということわざの由来となった言い伝えである。
この獅子の命をも奪う害虫は、牡丹から滴り落ちる夜露にあたると死んでしまうので、獅子は牡丹の下で寝るという。こうして、牡丹と獅子の組み合わせが出来上がった。 -
そうした言い伝えはなくとも、百獣の王である獅子と百花の王である牡丹の組み合わせに違和感はない。
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鄙びた田舎の寺であるが、長泉寺は、花の寺として親しまれている。牡丹以外にもいろいろな花が境内に咲き誇っている。
これは絶滅危惧種Ⅱ種に指定されている翁草。 -
花ビラが散ったあとには、白く長い綿毛がある果実が残る。これが老人の頭に似ているというのが、翁草の由来である。花の姿と花が散ったあとの姿の激変ぶりは山の花、チングルマに似ている。
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かつては、北海道以外の日本各地の田畑そばの草地に自生していた草花だが、農業の合理化、農家の老齢化でかつてのような草刈などの維持管理がされなくなって荒廃したこと、都市開発が進んだこと、山野草としての栽培目的で採集されてしまったことから、各地で激減している植物である。
栃木県でも、鬼怒川河川敷に自生地があり保護活動がされているが、絶滅が心配されている。 -
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同じく環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定されているクマガイソウも見ることができた。
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ヤマオダマキ
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遅咲きの八重桜もさすがにもう散っている。散った花びらの中に咲いているサクラソウ
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散った花びらの主、八重桜の古木。その根元にも牡丹
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五重塔のオブジェの前に咲くサクラソウ
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古い井戸ポンプが植木鉢代わりになっている。
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イチオシ
GWの半日、健気な稚鮎の遡上ときれいな花々を楽しんだ。
田植えが終わったばかりの田んぼに鯉のぼりが映り込んでいる。のどかな農村風景。
わずか半日の近場の小旅行だった。
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