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50年ほどの昔、会議のために何回も訪れた銀座の5階建てビルは、関東大震災の後に造られたビルで、基礎工事に松丸太が打ち込まれていて、エレベータは水圧式(?)でした。消防署の勧告をうけてエレベーターは使用禁止となり、やがてビルのオウナーも土地ごと売却して転居してしまいました。<br /><br />この話を東京文化財研究所(東文研)OB にしたところ、小田原城の石垣の基礎に松丸太が使われていたと教えられました。早速小田原市の教育委員会に問い合わせたところ、石垣の発掘調査状況が記載されている小田原市文化財調査報告第48(1994)と第57(1995)のコピーを送っていただきました。もう20年以上も前のことです。<br />今回、旅の帰途に途中下車して、石垣の様子などをざっと見てきました。<br /><br />まず、小田原城の概論です。<br />戦国時代から江戸時代にかけての名城といわれ、土塁の城が多かった関東地方で、小田原城は総石垣の城であり、秀吉の小田原征伐まで後北条氏の本拠地として、威容を誇っていた。<br />小田原征伐は、不参加の東北地方諸大名に対する東北仕置きにつながって、二戸市の九戸城落城の悲劇となったことは、別旅行記(travelogue/11060587)で紹介しました。<br /><br />さて、小田原城の石垣です。市の文化財調査報告第48と第57は、震災で崩落した二の丸中堀の石垣の復元工事に伴う調査で、その中に石垣の基礎に使われていた松丸太についても書かれています。<br /><br />抄録すると、石垣の基礎に20から30㎝の松丸太をつなぎ合わせて敷き、その上に大きな石(根石)を乗せているのが基本型で、時には松材の下に枕木状に木材をならべたり、2本の丸太を枕木の上に並べて梯子状の基礎を作ったりしている。<br />いずれも、丸太が移動しないように側に縦杭を打つとか、接合部は削り合わせて穴を通して縦杭を打ってあるなどの工夫がされている という。<br /><br />名城とされている小田原城の石垣が、地盤の状態に応じて工夫され、配置された松丸太で支えられていたことは、いかにも創意工夫に富んだ日本の職人技らしいと感銘した次第です。<br /><br />松丸太を基礎に利用することを思いついた古人もすごいですが、これを簡便な液状化防止などに仕えないでしょうかね!<br /><br />帰りに小田急の駅で、湘南ゴールドという小ぶりで黄いろのミカンを買ってきました。この時期にこの地方だけで食べられているミカンだそうです。<br />酸味がありますが、甘みもあって楽しいミカンです。<br /><br />

神奈川県小田原城 : 松丸太の基礎上に積まれた石垣を瞥見

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2017/05/10 - 2017/05/10

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ANZdrifter

ANZdrifterさん

50年ほどの昔、会議のために何回も訪れた銀座の5階建てビルは、関東大震災の後に造られたビルで、基礎工事に松丸太が打ち込まれていて、エレベータは水圧式(?)でした。消防署の勧告をうけてエレベーターは使用禁止となり、やがてビルのオウナーも土地ごと売却して転居してしまいました。

この話を東京文化財研究所(東文研)OB にしたところ、小田原城の石垣の基礎に松丸太が使われていたと教えられました。早速小田原市の教育委員会に問い合わせたところ、石垣の発掘調査状況が記載されている小田原市文化財調査報告第48(1994)と第57(1995)のコピーを送っていただきました。もう20年以上も前のことです。
今回、旅の帰途に途中下車して、石垣の様子などをざっと見てきました。

まず、小田原城の概論です。
戦国時代から江戸時代にかけての名城といわれ、土塁の城が多かった関東地方で、小田原城は総石垣の城であり、秀吉の小田原征伐まで後北条氏の本拠地として、威容を誇っていた。
小田原征伐は、不参加の東北地方諸大名に対する東北仕置きにつながって、二戸市の九戸城落城の悲劇となったことは、別旅行記(travelogue/11060587)で紹介しました。

さて、小田原城の石垣です。市の文化財調査報告第48と第57は、震災で崩落した二の丸中堀の石垣の復元工事に伴う調査で、その中に石垣の基礎に使われていた松丸太についても書かれています。

抄録すると、石垣の基礎に20から30㎝の松丸太をつなぎ合わせて敷き、その上に大きな石(根石)を乗せているのが基本型で、時には松材の下に枕木状に木材をならべたり、2本の丸太を枕木の上に並べて梯子状の基礎を作ったりしている。
いずれも、丸太が移動しないように側に縦杭を打つとか、接合部は削り合わせて穴を通して縦杭を打ってあるなどの工夫がされている という。

名城とされている小田原城の石垣が、地盤の状態に応じて工夫され、配置された松丸太で支えられていたことは、いかにも創意工夫に富んだ日本の職人技らしいと感銘した次第です。

松丸太を基礎に利用することを思いついた古人もすごいですが、これを簡便な液状化防止などに仕えないでしょうかね!

帰りに小田急の駅で、湘南ゴールドという小ぶりで黄いろのミカンを買ってきました。この時期にこの地方だけで食べられているミカンだそうです。
酸味がありますが、甘みもあって楽しいミカンです。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
タクシー 新幹線 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 駅からタクシーにのって、この赤い橋(学橋)でおりました。<br /><br />この濠が二の丸中堀で、橋を渡ると二の丸広場です。

    駅からタクシーにのって、この赤い橋(学橋)でおりました。

    この濠が二の丸中堀で、橋を渡ると二の丸広場です。

  • ずっと先に 赤い橋が見えます。<br /><br />つまり、これも二の丸中堀ですが、どこで石垣積み直しの工事がされたのか、判らないので、これをさらに左へ行きます。

    ずっと先に 赤い橋が見えます。

    つまり、これも二の丸中堀ですが、どこで石垣積み直しの工事がされたのか、判らないので、これをさらに左へ行きます。

  • こんなところがありました。<br /><br />ところどころに、新しく積まれたと思われる白い石があります。<br />多分、ここが石垣復元工事の場所の一つだと思いました。

    こんなところがありました。

    ところどころに、新しく積まれたと思われる白い石があります。
    多分、ここが石垣復元工事の場所の一つだと思いました。

  • せっかくなので、天守閣を見に行きました。<br /><br />二の丸広場からこの門をくぐります。

    せっかくなので、天守閣を見に行きました。

    二の丸広場からこの門をくぐります。

  • 1960年にRC構造(Reinforced Concrete) で外観復元された天守閣です。<br /><br />小田原市は城の中心部を江戸期の姿に復元することを計画し、すでにいくつかの門が復元されているそうです。<br />天守閣についても木造に戻すことを目的とする NPOが設立されているという。

    1960年にRC構造(Reinforced Concrete) で外観復元された天守閣です。

    小田原市は城の中心部を江戸期の姿に復元することを計画し、すでにいくつかの門が復元されているそうです。
    天守閣についても木造に戻すことを目的とする NPOが設立されているという。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • auntofasiaさん 2018/04/05 21:15:53
    こんにちは!
    大変ご無沙汰いたしておりますがその後いかがお過ごしですか?旅を続けていらっしゃいますか?
    久々に4トラを開き思いだしたように訪問させていただきましたら、私の住む小田原をアップされていて感激のあまり連絡した次第です。

    ANZdrifter

    ANZdrifterさん からの返信 2018/04/07 19:06:56
    RE: お久しぶりです
    85歳になりました。 だんだんと 行動範囲が狭くなっていますが まだ2か月に1回くらいで 外泊しております。

    今年は3月に掛川で3泊しましたが パソコンが写真を受け付けてくれないので 旅行記は
    アップできずにおります。
    そのうちに お見せできるようにするつもりですので たまに お立ち寄りください。

    小田原にお住まいだったのですね!
    きれいで 住みやすそうなところかと 感じました。

    これからも 良い旅をお続けくださいますよう 願っております。

    ANZdrifter 世田谷老

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