2017/04/11 - 2017/04/11
386位(同エリア915件中)
さらりんさん
いざ熊野古道へ。
去年の「山の辺の道」に続いて、古道歩き第2弾です。せっかく熊野古道へ行くので、高野山も組み合わせることにしました。「るるぶ和歌山」「ジパング倶楽部熊野古道(2014/9月号)」「ジパング倶楽部天空の聖地高野山(2015/5月号)」、4トラベルなどを参考にプランを立てました。
ところが熊野古道の全体像がいまいちわからず、どのコースをどのような順番で歩けばいいのか、特に、宿泊地をどこにすればいいのか、なかなか見えてきませんでした。
そこで大変役に立ったのが、わかやま紀州館(有楽町交通会館)です。観光案内コーナーのお姉さんに手取り足取り教えていただき、たくさんの資料をもらってきました。そのうちのお役立ちベスト5が下記の資料です。
1.「わかやまアクセスガイド&時刻表」
飛行機、鉄道、バスなどとにかく知りたい情報がコンパクトにまとまっているすぐれもの。現地でも威力を発揮しました。
2.「中辺路ウォーキングマップ」
A3が横に2枚つながった大きくて見やすいもの。紀伊田辺~熊野本宮~速玉大社~那智大社の全体の位置関係がよくわかります。表紙のタイトルは「世界遺産を歩く旅熊野古道 癒やしの聖地熊野三山へ」となっていて、マップはその裏側にあります。
3.「熊野古道中辺路へのアクセスとプランニングのコツ」
これは雑誌のコピーでしょうか、わかやま紀州館で独自にコピーしたもののようです。
4.「生まぐろマップ」
勝浦のまぐろ飲食店の案内と地図。
5.「熊野古道大門坂」
新宮と那智の全体像がよくわかります。
東京からの往復はJLのマイルを利用しました。
高野山~熊野、熊野古道中辺路はバスの本数がとても少ないのでプランニングは困難を極めました。古道沿いの宿泊施設は少ないし、しかも古道からはなれているので、「どの曜日に、どのルートを何時までに歩くか」「どこに泊まるか」ということを、バスの時刻表とにらめっこしながらの計画でした。
宿泊は、1泊目は高野山の宿坊「恵光院」です。宿坊体験には憧れていましたので。2泊目、3泊目は熊野本宮すぐそばの「蒼空げすとはうす」です。4泊目は勝浦のHotel & Renta Carです。2泊目以降は安くて評判のいい宿、という観点で選びました。
次のようなプランになりました。
《1日目》 ●は観光、△は宿泊、( )は交通手段、の意味です。
羽田空港ー(JL103)ー伊丹空港ー(リムジンバス)ーなんば駅-(南海特急こうや3号)ー極楽橋-(ケーブル)ー高野山駅前ー(南海りんかんバス)ー奥の院前
●奥の院見学、金剛三昧院見学
△恵光院宿泊
《2日目》
●金剛峯寺見学、壇上伽藍見学、霊宝館見学、大門見学
千手院橋ー(南海りんかんバス)ー護摩壇山ー(龍神バス)ー栗栖川で乗換えてー熊野本宮
△蒼空げすとはうす宿泊
《3日目》
熊野本宮ー(龍神バス)ーちかつゆ古道歩きの里
●熊野古道なかへち継桜コースを歩く
●熊野古道なかへち牛馬童子コースを歩く
ちかつゆ古道歩きの里ー(龍神バス)ー本宮大社前
●熊野本宮大社見学、大斎原見学
△蒼空げすとはうす宿泊
《4日目》
熊野本宮-(龍神バス)ー発心門王子
●熊野古道なかへち発心門王子コースを歩く
本宮大社前ー(明光バス)ー権現前
●速玉大社見学、神倉神社見学
新宮駅ー(熊野交通)ー勝浦駅
●補陀洛山寺見学
△Hotel & Renta Car宿泊
《5日目》
勝浦駅-(熊野交通)ー大門坂
●熊野古道大門坂を歩く
●那智大社見学、青岸渡寺見学、那智の滝見学
那智の滝前ー(熊野交通)ー紀伊勝浦駅ー(JRくろしお26号)ー白浜駅-(明光バス)ー南紀白浜空港ー(JL218)ー羽田空港
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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朝食はバイキングです。
めざしやソーセージ。 -
卵、のり、つけもの。
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カプチーノも飲めました。
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好きなだけ食べて500円ですから、かなりお得だと思います。
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ホテルをチェックアウトしましたが、大きいリュックはホテルに預けることにしました。
勝浦駅8:55発のバスで大門坂へ。
かなりはげしい雨です。 -
9:14到着しました。420円。
悪天候のせいか、それとも、今は車やバスで那智山まで行く方法が一般化したせいか、大門坂で下車したのは私たちふたりだけでした。
そう言えばバスに乗る前に、海産物センターのおみやげ屋をのぞきましたが、おみやげ屋のおばちゃんは「えっ、この雨の中を大門坂のぼるの?すべらないように気をつけてね。」と驚かれたのでした。
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道路脇の側溝の水の流れはこのとおり、大変な勢いでした。
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前を歩く夫は、傘をたたんでしまいました。風もあるので傘は役に立ちません。
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新宮藩の関所跡。
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関所の遺稿。
石造りの流し台、石造りの石船。
正直言って、どれが何だかわからずにシャッターを押しています。写真をとったら、カメラがこれ以上濡れないようにすぐにしまう、の繰り返しです。 -
南方熊楠が滞在した旅館跡。
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振ヶ瀬橋。
俗界と霊界の境目の橋だそうです。 -
桜が雨に打たれてかわいそうです。
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大門坂の日付のボード。
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夫婦杉。
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熊野古道は続きます。
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ここは何だったかな?
大門坂の中間地点?
下から雨の中を、大門坂のぼりをする道連れがやってきました。私たち以外の人に初めて出会いました。 -
唐斗石。
唐斗石が何なのかわからずに、名前だけ写真にとりました。あとで調べたら、写真右にあった大きな石に、小さな石をのせて願い事をするものだ、ということがわかりました。 -
熊野古道は続きます。
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六町石。
見てください、この水たまりと波紋を!どんなに雨が強く降っているかお分かりいただけると思います。
ちなみに、六町石を過ぎると、大門坂はもうすぐ終点だそうです。ということは、多富気王子跡や十一文関所跡は見落としたようです。足下に気をとられているので、周囲に目配りすることができないのです。仕方ありません。 -
終点です。
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これから那智大社の表参道階段を467段のぼるのですが、その手前に、こんな大きな写真がありました。
このような景色が待っているのですね。 -
さて、今から467段、がんばるぞ。
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やっとのぼりました。
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あれ、見落としたはずの多富気王子神社がここにあるのですか?
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多富気王子は中辺路の最後の王子で、江戸時代には社殿があったのだとか。大門坂の夫婦杉からすぐ上部のところにあったのだそうです。
今はこの場所に、児宮として移されました。
ということで、やはり、大門坂の夫婦杉からすぐ上部のところにあった多富気王子「跡」は、見落としていたのでした。 -
とうとう那智大社にたどりつきました。
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ふだんはあまり護摩木を焚きあげたりすることはないのですが、今回は、旅のしめくくりと家族の安全を祈って、護摩木を焚きあげることにしました。
炎の中に投入します。 -
どうか、家族のみんなをお守りくださいますように。
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さて、雨、風はいよいよ激しくなり、境内には人もまばらです。
屋根の下で数人が雨宿りをしています。 -
あらあら、傘をさしていたおじさん、傘がおちょこになってしまいました。
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青岸渡寺へ。那智大社のとなりですので、歩いてすぐです。
西国三十三カ所霊場の第一番札所として知られています。 -
鰐口(わにぐち)という鐘が吊り下げられていました。神社でお参りするときに鳴らす鈴の代わりですね。
豊臣秀吉が寄進したものだそうです。
鳴らしてみたら、ごおぉ~~んと、やさしい音がしました。 -
役行者(えんのぎょうじゃ)。
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宝篋印塔(ほうきょういんとう)。
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青岸渡寺裏手に「熊野古道」の表示がありました。
ここを行くと、雲の中を行くがごときの大雲取越えルートで、熊野本宮へ戻ることができるそうです。
私たちは戻りませんけど。 -
青岸渡寺の山門を見忘れたので、ちょっと戻って、階段上から写真だけパチリ。
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お、滝が見えます!
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滝と三重塔。
それに加えて、満開の桜。 -
そして、雲まで湧き起こっています。
なんとダイナミック! -
三重塔に接近します。
もう少し手前で写真をとれば、いい具合に三重塔と滝がカメラにおさまったのでしょうけど、そんな余裕はありませんでした。
何せ、雨がひどいのです。 -
イチオシ
桜があんまりきれいなので、パチリ。
この写真、気に入ってます。 -
鎌倉時代の石段という、けっこう長い階段をおりて、飛瀧神社をめざします。すべっては大変なので、必死に足下を見て、ゆっくりゆっくりおりるのですが、滝の見学を終えたミニスカートのお姉さんが涼しい顔をしてスタスタ階段をのぼってくるのにはびっくりしました。
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熊野那智大社別宮
飛瀧神社
那智大滝
と書いてあるようです。 -
飛瀧神社。
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おおーっ、すごい迫力!
ゴーゴーという水の音がすごいです。 -
根津美術館で見た那智滝図よりは、明らかに水量が多くて、幅もふとっちょの、荒くれの滝です。
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鳥居と滝。
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ここにも世界遺産の碑。
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那智の滝前発11:46のバスに乗るために、バス停へ。ここにも海外からの観光客がちらほら。ドイツから来た青年に会いました。
12:10勝浦駅に着きました。420円。
勝浦に着いたところで、食事処「桂城」に電話予約を入れました。人気店なので、満席にならないうちに席を確保した方がいいからです。 -
運よく、席が予約できました。
外国人グループや日本人のお客が次々と入ってきたので、席を確保しておいてよかったです。
お店に入ったときには全身びしょ濡れです。小上がりの席で、座布団を用意されましたが、お尻もびっしょりなのでさすがに座布団の使用ははばかられました。なので、座布団をよけて座りました。 -
定食を頼みました。
はじめはまぐろと野菜のバター焼きです。 -
次に、おさしみ、まぐろカツ、フレークの甘辛煮。
とてもおいしかったです。 -
本当は夕食時にカウンター席にすわって、店主が料理を作る様子を見ながら、ビールでも飲みたかったな・・・。ですが、残念ながら、昨晩月曜日はあいにくの定休日だったので実現しませんでした。
やむなく昼食での利用となりました。 -
さて、ずぶぬれの洋服をなんとかしなくてはなりません。
ホテルに戻り、預けておいたリュックを受け取って、「着替えをしたいのですが」と伝えると、「どうぞ、脱衣所を使ってください」というありがたい言葉をいただきました。
1階にある大浴場温泉の脱衣所で、濡れた洋服、濡れた下着を思いっ切り全部脱いで、乾いた洋服、下着に全部取り替えることができました。ドライヤーを借りて、髪をかわかしたりできて、大変ありがたかったです。蒼空げすとはうすで洗濯をしたので、着替えの枚数に余裕ができてきたことも幸いしました。この時ほど、乾いた洋服はこんなにも心地いいんだ、と感じたことはありませんでした。 -
いよいよ旅の終わりが近づきました。
紀伊勝浦駅。 -
14:35発のくろしお26号で白浜へ行きます。
そのあとは南紀白浜空港からJL218便で羽田へ帰ります。 -
ホームへ通じる通路のパネルには那智の滝。
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くろしお26号がやってきました。
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終点は新大阪です。
私たちは白浜で降りますけどね。(この時はそう思っていたのです。) -
座席の前のポケットに入っていたチラシです。
南海地震を想定しているのでしょう、「津波が予想される場合のお願い」と書いてあります。
モデルがパンダなのがかわいいです。
白浜にはパンダの飼育が日本一の、アドベンチャーワールドがありますからね。 -
車窓から見える、
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太平洋の景色はなかなか豪快です。
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津波が来たら、→の方向に逃げなさい、ということですね。
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かなり海の近くを走ります。津波が来たらこわいですね。
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串本の手前で橋杭岩(はしぐいいわ)が見えました。
赤い屋根のすぐ上に見えている、とんがっている岩です。
車内放送で案内してくれました。天然記念物だそうです。 -
16:09白浜に着きました。
-
夕食用の弁当を買いました。
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パンダ弁当(鶏の唐揚げのせ)と、
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手まり弁当(かやくご飯の上にいろいろおかずが乗っかっています。こちらの方がおいしかったです)。
当初は南紀白浜空港のロビーで食べるはずでした。 -
空港行き17:05発のバスのチケットを買いました。
すると、なんということでしょう、JLからこんなメールが来ました。
「天候調査中 南紀白浜空港視界不良のため天候調査中です」
え???飛ばないかもしれないってこと??? -
それからあとの30分はてんやわんやでした。
JLへ電話をかけたり、スマホの乗換え案内画面を操作しまくっては、関空→羽田か伊丹→羽田に変更した方がいいのか、はたまた、いっそのこと新幹線にした方がいいのか・・・
JLによると、搭乗区間の変更はできない、とのこと、ただし、天候不良というやむを得ない事情なので、当該便をキャンセルする場合は手数料無料でマイルを返却してくれる、とのことでした。
空港に行って、イチかバチか、無事に飛ぶことにかける、という方法もありますが、私たちは新幹線で新大阪→東京の安全策をとることを選びました。
空港行きのバスチケットを急いで払い戻しをして、急ぎ、白浜→新大阪→東京のチケットを買いました。
で、17:28白浜発くろしお30号新大阪行きに乗ります。
車内でパンダ弁当と手まり弁当を食べました。くろしお号に乗車する前に、忘れずに、飲み物を買いました。くろしお号では車内販売はないそうなので。 -
見づらい写真で申し訳ないですが、紀伊田辺駅を通過した瞬間です。
思い返せば、旅行初日に、高野山の宿坊で受け取った龍神バスからの電話で、「翌日のバスは運行しないかもしれないので、紀伊田辺を経由して熊野本宮へ行くように。」と言われたのでした。
そうかあ、ここが、もしかしたらその時に通っていたかもしれない紀伊田辺なんだなぁ。旅行2日目は通らずに済んだのに、結局通ることになってしまった、と、しみじみしながら通過したのでした。
熊野古道には、中辺路や小辺路というルートの他に、大辺路という海沿いを通るルートがあります。田辺市から反時計回りに紀伊半島とぐるっと半周して、那智勝浦町の浜の宮王子に至るルートです。大辺路と、紀勢本線が、近いところを通っているのか、全然離れたところを通っているのかわかりませんが、ちょっと見た限りでは同じようなルートに思えます。私たちの、那智勝浦から白浜まで、そして紀伊田辺を通って新大阪まで、という道のりはほぼ、大辺路をたどって大阪にかえる、という道のりと重なるのではないでしょうか。
そう考えると、今回の旅行は中辺路も大辺路も両方制覇したような気分になりました。
それにしても、次から次へといろいろな困難に見舞われて、疲れ果てていますけどね・・・ -
新大阪に19:50着。
新大阪発20:10 のぞみ420号 品川着22:26.
やっと帰れます。 -
赤ワイン、いちご生ジュース、で乾杯。
つまみはお好み焼きせんべいともうで餅。
それにしても、雨にたたられっぱなしの、あたふたアタフタ困難連続の旅でした。
帰宅後、JLの運行状況を調べたら、JL218便は運行したそうです・・・トホホ。新大阪経由の苦労は何だったの?
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この旅行記へのコメント (2)
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- ハッピーねこさん 2017/10/15 16:12:34
- 大旅行記でした!
- さらりんさん、こんにちは。
高野山と熊野古道記にお邪魔しました。
初日のナイトツアーから翌日のバス運行、最終日の飛行機まで
ずっと雨の影響でハラハラなさいましたね。
読んでいる私もどうなることかと終始ドキドキでした。
ですが、元々のプランニングをしっかりなさっていたうえ、
その時々のご判断と、天が味方してくれたのと・・・
結果、全行程制覇されたのはお見事でした!
(最後のJLは残念でしたが・・・)
熊野古道は一度は訪ねてみたい場所なのですが、九州から遠い
こともあり具体的に調べたことはなかったのですが、
旅程を組むのはなかなか困難なのですね。
いつか訪ねることがあれば、間違いなくさらりんさんの今回の
ご旅行記をバイブルとさせていただきます!
しかし、至るところにいたYouたち。彼らはどうやって
あのアクセス困難な地に辿り着いていたのでしょう?
皆さん、ツアーだったのでしょうか。
お天気は残念でしたが、雨に煙る神社鳥居や数々の石碑、山々、
滝に木々の花・・・どれも風情に満ちて素敵でした。
宿坊やB&B、土地のお食事も興味深かったです。
ありがとうございました。
私も春のドイツ旅の続きをぼちぼちとがんばります。
ハッピーねこ
- さらりんさん からの返信 2017/10/15 21:31:53
- RE: 大旅行記でした!
- ハッピーねこさん、こんばんは。
高野山と熊野古道の旅行記を訪問してくださり、ありがとうございました。
そして、お忙しいのに、ごていねいなコメントまで書いて下さってとてもうれしいです。
少し前ですが、ブラタモリで高野山の放送がありましたね。そしてハッピーねこさんが感想メールをくださいましたので、私も自分の旅行記を読み返してみました。改めて、自分で言うのも何ですが、あの旅行はすごかったなぁ、と波乱万丈の旅をしみじみとなつかしみました。
困難続きの旅でしたが、終わってみると、困難だらけの旅ほど印象に残っているものです。(ハッピーねこさんの旅行でも出発便が振り替えになったりと、大変でしたね・・・)
高野山、熊野はとてもすばらしいところです。機会があったらいらしてみてくださいね。
それでは、また明日からお身体に気をつけて、お仕事なさってくださいませ。
さらりん
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