小鹿野春祭りとちょい秩父札所の旅~小鹿野は、歌舞伎と羊羹とソースかつ丼の街。手古舞に先導されて、華やかな飾りつけの屋台と傘鉾が町内を巡行しますが、その合間に見る田舎歌舞伎も見逃せません~
2017/04/15 - 2017/04/15
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たびたびさん
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小鹿野春まつりは、秩父小鹿野に春をつげる春まつり。4月の第3金曜日土曜日に行われるので、土曜日のお昼の方に行ってきました。この辺りだと秩父の夜祭が圧倒的にメジャーなのですが、この祭りもまあまあの盛り上がり。それなりに飾り立てた二台の屋台と二台の傘鉾が町内を練り歩きます。
先導は手古舞。そして、長い引き綱を引く女性も含めた大勢の引き手に屋台には扇を振って景気を付ける若い衆。いろんな要素を取り込んだところがあって、秩父祭りの屋台の感じに似た感じもちょっとあるかもしれません。
一方で、合間にお囃子の披露に名物の歌舞伎公演。小鹿神社では神楽とあちこちに見どころが分散していて、街全体のお祭りという感じもあると思います。
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秩父駅から小鹿野までのバスの待ち時間があったので、例によって、秩父駅周辺の街歩きから始めます。
秩父には、札所三十四ヶ所観音霊場というのがあって、駅から歩いて行ける範囲でいくつかの札所があるんですよね。 -
この札所十三番の慈眼寺が西武秩父駅からだと一番近い寺かと思います。
少し遠くからでも境内の桜が見えて、本堂とのコラボがいい感じ。 -
イチオシ
そして、その本堂の濃密な彫刻にも目を見張る思い。田舎の寺かと思ったらそれは大間違いです。
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少し進んで。。秩父今宮神社は、あの役小角がここに八大龍王を祀る八大宮を建立したのが始まり。
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イチオシ
ということで、34か所の観音霊場を巡る秩父霊場発祥の地は、この秩父今宮神社なのだそうです。境内には樹齢1000年のケヤキ龍神木に、武甲山の伏流水が湧きだした清龍の滝も。さほどの広さはありませんが、見どころがギュッと詰まったパワースポットです。
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札所十四番の今宮坊は札所十三番の慈眼寺からさらに歩いて10分くらい。修験道の本山、聖護院の末寺。近くの今宮神社とも関係があるようです。
さて、本堂は、方形造りの飾らないシンプルな姿。コテコテの慈眼寺を見た後だったので、余計にそのすっきりさを感じます。 -
続いては、札所十六番の西光寺です。
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山門入ってすぐにしだれ桜があったり、山里風の落ち着いた境内。
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一方の本堂には正面の欄間に釈迦の涅槃像、その続きには釈迦の弟子たちの彫刻があって、これはなかなか奮っていますよ~。
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イチオシ
一見地味な本堂ですが、ここまで見れば豪華な意匠であることが分かります。
以上で、ちょこっと散策はおしまい。駅の方に戻ります。 -
秩父駅から小鹿野町に到着。
さっそく目についたアライヤは、小鹿野町役場から市街中心部に向かってすぐにある街のパン屋さん。 -
総菜パンが豊富にあって、刻みキャベツがたっぷり入ったサラダパンにしてみました。シャキシャキっとした味わいは期待通り。女将さんが元気がいいのも気持ちいいです。
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これがメインストリート。まだまだ観光客はまばらです。
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少し進んで、八宮松雪堂もこの通り沿い。
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大正13年創業という老舗のお菓子屋さんです。
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で、いただいたのは、小鹿野こいし。バーターがサンドしてあって、洋風のお菓子。全体としては、ダックワーズみたいな印象でしょうか。店内に写真がありましたが、スマップの香取慎吾さんも来店して食べていったらしいです。
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さらに進んで、これは太田甘池堂。小鹿野を代表する老舗の羊羹屋さんです。
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朝早くから家族連れがやってきて、やっぱり知る人ぞ知るのお店です。
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羊羹は何種類かあるのですが、昔からあるという白いんげんの本練を1本いただきました。女将さんは小豆の羊羹とは違うのでちょっとくせがあるかもしれませんけどと言っていましたが、全然OK。うちに持って帰って食べましたが、優しい砂糖の甘さに加えて豆の持つ甘さも感じれるような味わい深い逸品。街道街だった小鹿野の歴史を感じる羊羹だと思います。
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これは、小鹿野町観光交流館。
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かつて宮沢賢治が宿泊したという宿でもあるようで、そのことについての説明展示コーナーもありました。
今日は小鹿野の春祭り。小鹿野町は歌舞伎の街として知られますが、その歌舞伎の舞台が裏庭にあるとのこと。それを確かめておいて、時間になったらまた来ることにしました。 -
さて、外ではいよいよ始まりましたか。
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派手な傘鉾がやってきますよ~
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先導は手古舞ですね。
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イチオシ
錫杖を持って、シャクシャクと鳴らします。
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けっこう大きな傘鉾ですね。
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これなら、秩父夜祭の傘鉾と比べてもそん色ないかもしれません。
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そして、壇上には赤い法被の若い衆。
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扇子を持って全体を鼓舞するやり方は、秩父夜祭と同じです。
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それにしても、青空の下ではよく映える。
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白い花びらのような飾りがゆらゆら揺れて、
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春の陽気を喜んでいるようです。
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観光客は意外に少なくて、これなら落ち着いて見れますね。
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イチオシ
これは期待通りの華やかさ。
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小さな小鹿野町ですが、大切に守り続けた自慢の鉾。
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今日は一年に一度の晴れがましい場面です。
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天気も良くて、役員さんもほっとしている感じですね。
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こちらは、もう一つの傘鉾です。
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基本的なデザインは同じでしょうが、
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壇上に乗った若い衆の服装も少し違う。
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さっきの傘鉾はピンクの袴でしたが、こっちは黄色の袴が鮮やかです。
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今日一日を頑張りましょう。引手をねぎらう役員さんに。
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出発前にお世話になった地元の人にも挨拶ですね。
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イチオシ
壇上では、ちょっと緊張の面持ち。
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その合間に。鉾の彫刻をチェックしますが、
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お囃子の方は続いていて、祭り気分を保っています。
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今度は、屋台もやってきました。
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屋根の上まで人が乗って、成田の祭りでもこんなのありましたけど。。
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ここで少し体制を整えて、
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これがリーダーさん。
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準備が整ったことを確認して、出発の号令をかけます。
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待ってましたあ。
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イチオシ
ウオー、
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ウオーって感じですね。
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身を乗り出して、
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精一杯に景気をつけますよ~
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引手もこんなに大勢。屋台の方が重いのかもしれません。
ソーレ、ソーレ。 -
一通り、祭りを確認したところで、そろそろお昼にします。しかし、その前に。。
かのうやは、小鹿野市街の裏通りのお菓子屋さん。 -
みたらしだんごや柏餅のお店です。
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いただいたのは、柏餅の方。食べ始めはあまりインパクトはなかったのですが、この餡子。甘さはさほどでもないのに、ちょっと沁みるような甘さ。特徴がないようであるお菓子屋さんです。
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そして、昼飯は安田屋へ。こちらは、わらじカツ丼が有名な小鹿野でも一二を争う人気店なんです。11時からの開店ですが、30分前にはもう待っている人が何人かいました。
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順番が回ってきて、店内へ。
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さて、これがわらじカツ。
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わらじのように大きなカツということなんでしょうが、味的には群馬のソースかつ丼とほとんど同じ系統でしょう。それも、醤油系のとても濃い味。サクッと噛みごたえのある薄めのカツのうまさはさすがですが、ただ、味がとても濃いのでその後、一日喉が渇く。その辺りはなにか不自然なような気もしなくはありませんけどね。。
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で、歌舞伎の方の時間も気になってきたので、小鹿野町観光交流館に戻ります。
役者さんが揃って記念撮影ですね。 -
裏庭の舞台では、観客が集まっていましたが、私は早い時間に席をキープしておいたので大丈夫です。
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歌舞伎の前にお囃子のご披露がありましたが、トントコトントコ。小気味いいお囃子。叩き手が次々と役割を変えるローテーションもあって、それも楽しい。かなりの練習を積み重ねたことが窺われました。
トントコトントコ。いや、とっても楽しいです。 -
お囃子が終わって、これから歌舞伎。まずは、口上があって、今日は忠臣蔵の一幕のようです。
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舞台が上がりましたが、真ん中で寝ているのは??
なるほど、これは二日酔いの大石内蔵助ですね。 -
そこへ忍者のような影。
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気配に気が付いて、起き上がる内蔵助です。
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酔うた。酔うたぞとふらつきながらも、
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使者からそっと密書を受け取る内蔵助。
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イチオシ
そうか。そうか。カモフラージュはしていますが、胸に決意を秘めた内蔵助です。
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内蔵助が泊まった宿の一部屋に動く女性の姿。
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何気なく眺めた視線の先には、密書を読む内蔵助が。。
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そして、あれれ~。もう一人。
その密書を床下で読んでいる男がいるじゃありませんか。 -
なになに。この男、内蔵助の秘めた決意を知ってしまったようです。
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内蔵助、ちょっと脇が甘いかも。あちこちから見られちゃってます。
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と、女の方には内蔵助気が付いて。何か見てはいないのか。それとなく確認しますが、深追いせず、いきなり「そなたを身請けしよう」と申し出ます。
それはうれしいけれど。。。急に言われても。。。 -
ほどなく現れたのは、元気な侍。人探しをしているようですが、
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なんとこの女性がその人。侍の妹だったようです。
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自分は大切なお役目があって、今は人眼を忍ぶ生活。しかし、その兄を助けるために、妹は身を売っていたんですね。
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その後、元気で暮らしていたか?妹が不憫でならない兄者です。
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イチオシ
しかし、突然の身請けの話を聞くと、何かおかしい。手紙を読む内蔵助を見てしまったことと考え合わせると、それは見てはいけないものを見てしまったのかも。
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ハッとする兄者。内蔵助を助けるためにここまでやってきた二人。それがあろうことかもしかしたら内蔵助を窮地に追いやることになるかもしれないと思い詰める。
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む、む~
ここは、お役目のため。 -
死んでくれるかあ
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と、そこへ内蔵助が帰ってくる。
これこれ、そなたたちの心がけはよく承知。心配はいらない。むしろ苦労を掛けているとねぎらいます。 -
それよりも、獅子身中の虫はこの男。にっくき奴じゃ。成敗してくれる。
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ははー。悪事がばれて平伏する男。
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兄者が男を始末して、一件落着です。よかった、よかった。
地元の人たちの玄人はだしの熱演は想像以上。連綿と伝えられてきた歴史の凄さを感じました。 -
イチオシ
歌舞伎も終わって、メインストリートの方へ。
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ちょっとひと雨降ったので、
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傘鉾にはビニールシートがかかりました。
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でも、最後まで頑張ってくださ~い。
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ここで、今度は小鹿野神社の方にも行ってみます。
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鳥居から、
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この先の高いところが本殿です。
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で、その傍らに神楽殿があって、ここでは神楽が上演されていました。
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緑の面を被ったのは悪い河童。
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巫女のすきを狙って、
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お供え物を盗みました。
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しめしめ。喜ぶ河童ですが。。
いずれにしても、なるほど、傘鉾と屋台の行列だけじゃない。歌舞伎も神楽もあって、小鹿野の春祭りはなかなか分厚い内容だということがよくわかりました。 -
小鹿神社の奥のおがの鹿公園もチェック。山の斜面の一角を金網で囲って、鹿が飼ってあるんですが、しかし、匂いもするし、見た感じもあまりきれいではない。鹿を狭いところに閉じ込めてもあまりいいことはないように思います。
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小鹿野神社からの帰り道、目に留まったのは、みち庭。
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蕎麦がメインのようですが、売り切れということでうどんにしました。しかし、このうどんもなかなかいい。程よい柔らかさのあるこのツルツル感はきれい系の味わい。南高梅でさっぱりといただきました。この辺りは水がいいらしいですが、その背景もあってのこの味のような気もしました。
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最後に、傘鉾をもう一度チェックして、
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これで小鹿野の祭りはおしまいです。
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小鹿野から秩父駅に戻ってきて、今朝の札所三十四ヶ所観音霊場の続きです。
札所十七番の定林寺は、ぐるりを廻廊が囲んだ四間四面のお堂が美しい。周囲の桜も満開でちょっとえも言われる景色になっていました。 -
一方で、よく見ると
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正面の左右欄間には花鳥図透かし彫り。
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わびた感じに少し華を添えたところが楽しめます。
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ほっとすぽっと秩父館は、古民家を活用した軽食と地元産品の販売所です。
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大通りに面した縁側には新鮮そうな野菜がずらりと並んでいましたが、
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どの野菜もぴかぴか光っているような美しさ。それだけでもかなりの見応えがあるように思います。
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秩父ふるさと館も、ほっとすぽっと秩父館と同じ並びにあって、こちらもまた一回り大きな古民家です。
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蕎麦のお店やレトロな蔵の喫茶店、駄菓子屋さんみたいなお店など、かなりの広さがあるのでゆったりとした感じで楽しめます。休憩スペースもあって、そちらでは改めて札所の情報を確認したりもできました。
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続いての札所十五番の少林寺は、秩父鉄道のそばの高台。境内ではちょうど桜が満開で、桜と本堂、その向こうに武甲山が見えるという素晴らしい眺めがありました。
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ただ、4時半過ぎだったこともあって、本堂の扉はもう閉まっていて、残念ながら真っ白な蔵のような外壁しか確認することはできませんでした。
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また少し歩いて。
札所十一番の常楽寺は、道路を挟んだ向かいが羊山公園という山の中腹。 -
本堂は中規模といった感じだし、特徴もあまり感じられない。本堂からは秩父市街を見下ろす格好ですが、武甲山は裏手になるので見えないし、今一つ見応えがないように思います。
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ここまで来たら、羊山公園にも上がってみます。
羊山公園は、春の芝桜が有名ですが、市街から見上げた夕陽に映える桜があまりにも見事だったんですよね。 -
ここは桜の花の向こうには武甲山というロケーション。
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夕陽に照らされた秩父の市街も雰囲気があるし、羊山公園って桜もいいじゃないですか。地元の人にそんな話をしたら、「有名なのは芝桜でも桜の方がもっといいというのがここでは定説です」との答え。確かにさもありなんという美しさです。
それと、向こうには、秩父公園橋といって、秩父駅前の国道299号をまっすぐ東に向かった荒川に架かる橋も見えているんですが、わかりますか。 -
改めて武甲山ですが、西武秩父駅に到着するとまずこれが目に入るし、秩父市内のどこからでも見える秩父のシンボル。石灰岩の採石をしていた山なので、中腹から平に切り取られた形も特徴的です。
羊山公園からの眺めだと距離感がちょうど良くて、満開の桜の向こうにバランスよく映えています。 -
羊山公園から秩父駅に戻る途中。
これはラパン ノワール くろうさぎです。店はとても明るくておしゃれな構え。喫茶スペースもあるので、至れり尽くせりですね。 -
いただいたのは、酒種のアンパン。キツネ色の焼き色がとてもきれい。ただ、豊かな香りを想像したら、そうでもない。しかし、食べているうちにしっかりしたパンのうまさが伝わってきて、なるほどそういうのがコンセプトなんですね。派手ではないですが、素材の良さを感じる味わいです。
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秩父から帰るのに、所沢駅で途中下車。ここで最後の用事を済ませます。
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その用事というのは、山下とうふ店。NHKのプロフェッショナル仕事の流儀で紹介されていたので、どうしても気になっていたんです。
とうふを作っているお店は秋津にあるのですが、電話をすると売り場のある西武百貨店所沢の方に行ってくれとのこと。そして、A級商品は二日前からの予約ということで、絹越し豆腐を予約しておいたんです。
さて、豆腐の方は、豆の香りがぶわっと鼻に抜けてくるような。番組でも醤油なんかいらないと紹介されていたように、その感じは確かにその通りですね。
しかし、これってなんだろう。つまり、口に入れると溶けていくような柔らかさも含めて、いわば固形の豆乳を食べている感じなんですね。
京都の森嘉の豆腐だとプリンのような食感がまた楽しめるんですが、やっぱりそれぞれ個性があるもの。これが絶対というものはないように思います。
なお、西武の方のお店は「山下とうふ店」ではなく「かむろどうふ」の名前です。
さて、これで本当におしまい。一日、お疲れ様でした。
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