早朝は観光でもするか。総統府を見に行きました。観光客が少ないですね。

2017/03/03 - 2017/03/03

総統府。もちろん台湾第一の建造物です。現役。蔡英文総統の事務所があるはずです。いわばWhite House。首相官邸。ダウニング街１０番地。観光客向けの施設ではありませんが，歴史を考えれば，いかない手はありません。でも，観光客は少なかった。

エリア 台北(台湾)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

総統府。予想以上におおきな建物です。

首相官邸よりよっぽどおおきい。

「総理府」みたいな大きな館長も入っているのでしょうか。いわゆる日本の「官邸」スタッフだけでなく。

でも，役人の出入りはあまり多くはありません。
総統府は、平日の午前中と、不定期の終日に一般公開されており、内部を見学することができるようです。今回は割愛。

博愛路 散歩・街歩き

何人の人がここで働いているのでしょうか。

総統とそのスタッフだけにしては大きすぎます。

設計は辰野金吾の弟子だった長野宇平治。当初の基本設計案が選ばれたが，その後、森山松之助など総督府営繕課所属の建築家によって，いろいろと改変がここなわれたようです。

立派な建物です。

歴史的建造物です。

日本当時時代のオリジナルなところはどれだけ残っているのでしょうか。
Wikipediaによると
「第二次世界大戦時には爆撃と火災によって中央塔はじめ建物の大部分が損壊したが、改修されて今日に至っている。」とのこと。

保守維持に改変はあるのでしょうか。
現代ですから、もちろん、エアコンはあるのでしょうね。

中華民国総統府 建造物

総統はどこかは出入りするのでしょうか。正門でしょうか。通用門でしょうか。

総統の寝起きはどこでするのでしょうか。日本なら、首相官邸と首相公邸があるのですが。

中にはいることも(見学)出来るようです。予約制のようです。

となりに台湾銀行の建物がありました。

台湾銀行 (旧 台湾銀行本店) 建造物

いかにも銀行らしい外観です。小樽にもこんなのありましたよね。

円柱がうつくしい。

立派な建物。

現役でしょうね。

奥に進みましょう。

２．２８事件をご存知ですか。
乃南アサ，ビジュアル年表台湾統治五十年，講談社, 2016の記述は以下のようになっています。

１９４７年
(2月)ヤミ煙草を密売していた林江邁（40歳）の煙草と売上金が専売局の取締官に没収される。林江邁は銃の柄で頭を殴られて流血。群集が激怒，二・二八事件勃発
(5月)二・二八事件を受けて大陸から派遣された部隊が直ちに掃討作戦，密集射撃開始
陳儀，台北及び基隆に戒厳令布告。国軍は道すがらも一斉掃射

台湾の人にとって，この重大事件は忘れるに忘れられないものにちがいありません。

片倉佳史「古写真が語る台湾-日本統治時代の50年　1895-1945」祥伝社，2015，の記述は以下のとおりです。
1947年
1月1日，中華民国憲法発布
2月28日，二二八事件が発生
3月8日、国民党政府の増援軍が基隆に上陸開始し、台湾住民に対し無差別殺戮を開始
4月22日、陳儀行政長官が罷免される
5月17日、魏道明が台湾省主席に就任

二二八和平公園 広場・公園

ちょうど数日前，蔡英文総統が，２．２８事件の全容を明らかにする，と記念式典で宣言していました。

産経新聞の３月１日電子版は以下のように書いています。
台北＝田中靖人、北京＝西見由章】台湾の蔡英文総統は２８日、中国国民党政権が台湾住民を弾圧した「２・２８事件」から７０年の式典で事件の責任を追及する方針を示した。蔡政権下では当時の国民党総裁で初代総統、蒋介石の評価を見直す動きが改めて出ており、国民党は反発している。一方、中国は事件を中台統一工作に利用したい考えで、歴史認識の差が浮き彫りになっている。

蔡氏は台北市内の式典で、「和解は真相の上に築かれるべきだ。事件の責任の帰属を処理する」と述べた。事件とその後の「白色テロ」と呼ばれる政治・言論弾圧の真相解明のため、法律を制定し「独立機関」による調査を行う方針も示した。蔡氏の出席は就任後初めてだが、１９９５年の李登輝総統（当時）以降、歴代総統が言及した謝罪の言葉はなかった。

鄭麗君文化部長（文部相に相当）は２月２５日、蒋介石を顕彰する台北の「中正紀念堂」のあり方を見直すと発表。「権威主義を崇拝する宣伝品」の販売を中止し、２８日は終日、紀念堂を閉館させた

自国政府が自国民を虐殺する，そんなことが考えられるでしょうか。現在のシリアはどうなのでしょうか。

台湾は台湾です。国民党の時代ではなくなりました。