？度めのバルセロナ、世紀末建築どっぷりの旅<5>～バルセロナで朝活

2016/12/31 - 2017/01/03

　この日は夜明け前から行動開始。
　人混みの中でしか見たことがなかったグエル公園のトカゲ君とサシでご対面したり、ボケリア市場の人気のお店で朝ごはんを食べたり、エル・コルテ・イングレスでお土産を買ってもまだ10時ちょっと過ぎという充実の朝活でした。
　その後、以前から気になっていたモヌメンタル闘牛場跡を訪れ、近くにあるプロジェクション・マッピングでも訪れたサン・パウ病院へ。
　バルセロナ滞在４日め、連日大好物漬けでさすがに疲れてきましたが、まだ昼下がり。実はこの次に向かった先がなかなかの審議物件だったのですが…それはまた次のお話。

エリア バルセロナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 4.5
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅友さんと早朝待ち合わせ、タクシーで薄暗い中向かったグエル公園。
いつも記念撮影で人だらけのトカゲ君もさすがにかぶりつき…ですがやっぱり冬の朝は暗すぎでした。

グエル公園 広場・公園

グエル公園は有料公開の時間帯以外は自由に出入りできます。この時間帯に街はずれのここに来る観光客も少ないため、穴場の時間帯として同好の士の中では有名なのですが、さすがに有名になり過ぎました。ギリシア劇場には既に数十人の先客が。

グエル公園 広場・公園

ベンチに座って朝焼けの空を見上げます。

グエル公園 広場・公園

ギリシア劇場の下の市場は、以前訪れた時には修復中でしたが、天井のメダルのようなモザイクが鮮やかに復活していました。

グエル公園 広場・公園

ギリシア劇場に戻ると、サグラダ・ファミリアの方向から朝日が昇るところでした。

グエル公園 広場・公園

無料公開の時間が終わる頃になり、どんどんと人が増えてきました。
流れに逆らって街に戻ります。

グエル公園 広場・公園

タクシーでボケリア市場に横付け。この時間ならまだ渋滞もありません。
昼ならほぼ無理な人気店、PINOTXO BAR も余裕で座れました。
今回の旅、今までにない位王道のお店に入っているなぁ。並ぶのが嫌なので人気店は敢えて避けていましたが、ふらっと入れれば一度くらいは押さえておかないと。

ピノッチョ 地元の料理

PINOTXO BAR でお勧めを数品頼みました。そのうちのひとつ、パン・コン・トマテとトルティーヤ。
ほんと、スペイン料理は日本人の舌に合います。

ピノッチョ 地元の料理

ボケリアの中でもちょっと高級っぽい品揃えのお店で、お高めの生ハムを最小単位で切って貰いました。
甘みと香ばしい香りがたまりませ～ん！
充実の朝食後、朝活隊は解散。

ブケリア市場 市場

カタルーニャ広場に戻ると、ちょうどエル・コルテ・イングレスが開店した時間。がら空きの地下のスーパーとグルメショップでお土産を買い込み、ホテルに戻ります。
入っているロエベが開いている時間はかぶりつくのに気がひけるカサ・モレラ。今回は内部見学が休止中のタイミングで残念。

カサ リェオ イ モレラ 現代・近代建築

カサ・モレラの装飾。ああモンタネールらしいなあ。かわいい。

カサ リェオ イ モレラ 現代・近代建築

エル・コルテのグルメショップで買い求めた珍品。
パパブブレの飴細工。リアルサイズのバラです。
小さくて精巧な金太郎飴が有名で、それは日本でも買えますが、こういうのは珍しいかも。

エル・コルテのメルカードで買い求めた珍品。
意味が全然分かりません。
よ？強壮剤？
YUZU OCHAって書いてありますが、ゆず成分もお茶成分もゼロな薄めのトニックウォーター。

タクシーやバスなどの車窓から、たまに見かけて気になっていた場所にやってきました。
ビザンツ風味のネオムデハル様式に不思議な卵が乗っているけれど、ダリではありません。

モヌメンタル闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦

モヌメンタル闘牛場跡。
スペインで最初に闘牛を廃止したカタルーニャ州。その最後の興行が行われた場所です。
エスパーニャ駅の前にある闘牛場跡はショッピングモールにリノベーションされましたが、こちらはそのまま、イベントなどで時々貸し出されているようです。
実質廃屋ですが、存在感があります。

モヌメンタル闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦

訪れた時は、サーカスの会場になっていました。
闘牛場の跡地としてはこういう使い方ってアリだと思いますが、どぎつい色使いのサーカスの看板と、エキゾチックでシンプルな建物のデザインのギャップがうら悲しい…。

モヌメンタル闘牛場 スタジアム・スポーツ観戦

気を取り直して、近場のサン・パウ病院へ。
修復工事中も含めて、何度も訪れている、お気に入りのモンタネール作品です。

サン パウ病院 現代・近代建築

前回訪れた時はこの手術棟はまだ未完成でした。

サン パウ病院 現代・近代建築

手術室。手元を明るくするためのガラス張り。見学用のスペースも設けられています。
外を歩く人から丸見えなのはどうかと思いますが、当時としては機能優先でやむを得なかったのでしょう。

サン パウ病院 現代・近代建築

敷地内に機能的に配置されたそれぞれの棟。薬草モチーフの装飾や内科や外科などジャンルになぞらえたアイコンなどがあしらわれています。

サン パウ病院 現代・近代建築

病室。天井が高く一人一人のスペースが十分に確保されています。換気に配慮した窓、明るい色使い、消毒しやすいプレーンなタイルに施された薔薇の模様、居心地の良さそうなサンルームなど、病と闘う人に寄り添ったデザインです。
モンタネールの凄いところは、病院という場に相応しい機能性と芸術性のバランスを見いだしつつ、工期や予算などにも配慮をして作品を作っているところ。
芸術性を高めるために工期や予算度外視で突き詰める某天才建築家にこの仕事を任せたとしたら、完成までに多くの患者さんが医療を受けることができなかったかもしれないし、最悪完成しなかった事でしょう。

サン パウ病院 現代・近代建築

正面にある管理事務棟の中へ。
機能美が印象的な医療棟との調和をとりつつもこちらは多少デコラティブ。
病院に求められる清潔さ、温かみも感じます。

サン パウ病院 現代・近代建築

階段ホールから先はさらに装飾性が高くなります。

サン パウ病院 現代・近代建築

階段の先にあるチャペル。
ここも信心深い患者さんや医療従事者の心を癒す場として作られました。

サン パウ病院 現代・近代建築

事務棟の天井のタイルにも薬草モチーフ。
カタルーニャやサン・ジョルディの紋章もそこここに。

サン パウ病院 現代・近代建築

チャペルの前室からのぞむサグラダ・ファミリア。
この２つの大きな建築作品は１本の道の端と端にあります。ガウディ通りという名前には正直違和感があります（どうせつけるなら二人の名前を並べるべき！）。
老獪なモンタネールは、もしかしたら今後完成する、あまり良い感情を抱いていなかった教え子が作る巨大な聖堂を借景として利用しようと目論んだのかもとも感じます。
まさか完成まで１世紀以上かかるとは思ってもいなかったでしょうけれど。

さて、この後どうしようかと考え、余裕があったら行こうと考えていた世紀末建築に向かうことにしました。
これがまぁ色んな意味で予想を裏切る審議物件だったのです。

ガウディ通り 散歩・街歩き