2016/12/10 - 2016/12/10
88位(同エリア994件中)
ばねおさん
一枚の写真を見て、この場所に行ってみたいと思うことは
きっと誰にもあるはずだ。
アルザスのワイン街道沿いの村々を訪ねてみたいと前から思っていた。
そしてどうしても行ってみたい場所がこのブドウ畑の中に立つ教会だった。
教会の名前も由来も知らず、ただその佇まいに魅かれたのだった。
場所はユナヴィル。フランスの美しい村、花の村のひとつである。
住民はわずか600人足らずであるという小さな村だ。
ストラスブールで日帰りのレンタカーを借り、ユナヴィルを含めた3つの村を訪れる計画で出発した。
そして、目的の教会には行けたのだが...
タイトル名は少々誇大ではありませんか、とクレームがつきそうな気もする。
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
10日間滞在したパリを離れてストラスブールへ移動した。
ストラスブールでは2泊するのだが、滞在時間は実質2日弱しかない。
その内、一日を使ってレンタカーでアルザスワイン街道に行くことを決めていた。
しかし冬季のことゆえ、あくまで天候次第の計画。
降雪や凍結の恐れがあれば中止する予定だった。
ところが雪はおろか雨も降らない日々が続き、天気予報も先々晴れの予報で実際その通りとなった。 -
12月10日土曜日、ストラスブール駅に隣接するAVISで車をチェックアウト。
AVISにはニース空港での苦い経験がある。
初めて車を借りた時のことだが、全く異なる駐車区域を案内され無駄に時間を費消してしまった。
今回は、駐車場までの地図と駐車位置の図面まで渡してくれた。
これなら間違えようもない。 -
当たり前といえば当たり前だが、教わった通りの場所に車はあった。
シトロエンDS4。
が、色が変?
ブルーと聞いていたのに、これは黒では?
試しに電子キーを向けて開錠ボタンを押したら、なんとロックが外れた。
ブルーが黒とはこれいかに!
念のため登録番号を照合するとこれに間違いはない
まあ、これがフランス式というものだ
実は車を返す段になってようやく気づいたのだが、これは黒ではなく濃紺
ブルーではなく、ブルー・フォンセ(濃紺)。
何のことはない、自分の聞き落しだった。
シトロエンのイメージカラーはブルーと決め込んでいたので、頭からそのように思い込んでしまっていた。
フランス式と馬鹿にしてごめんなさい
ところでこれは厳密にはシトロエンではない
2015年にシトロエンから独立してDSというブランド名を称している。
でも当分はシトロエンDSと言ったほうが通りやすいらしい
なんともややこしい -
最近のレンタカーは新しい車が多いのは嬉しいのだが
使い勝手がいまひとつわからないことが多く
古い車に乗っている旧い人間には手に余る。
このDS4車も外見は2ドアなのだが、内側から開けられる後部ドアがある。
しかしその後部ドアにはドアノブがない。
後部座席に置いた荷物をとるのには、前ドアを開けて中から開扉する方法しかない
4ドアクーペとはこういうものなのか?
いやいやそんなはずはない。
説明書と首っ引きで調べれば分かるのだろうが、読んでいる暇はない
とうとう最後まで後部ドアは蹴とばすように閉めていた -
市内道路から高速道路A35号線へ合流し、快適に車は進む
着座位置も高く運転しやすい車でかなりパワーもありそうだ。
今日は土曜日でレンタカー会社の営業時間がかなり短い。
夕方5時半にはチェックインしなければならない厳しい条件。
道路はほどほどの混み具合
といっても、初めてなのだから比べようがない。
時々大型トラックを追い越す以外は、走行車線をキープ。
いざとなれば飛ばせるが、まずは安全第一 -
どうみても進路は間違ってはいないけれど
行先の地名表示が確認できると
なぜかほっとする初めての外国の道
アルザス街道といっても範囲は広いが、時間配分を考えて今回はリボーヴィレ、ユナヴィル、リクヴィルの3か所に絞りこんだ。
目当ての教会はユナヴィルだ -
そろそろ高速道路をおりる地点の少し手前にPAがあったので、トイレ休憩を兼ねて小休止。
このPAには品数を多く取り揃えた売店やレストランがあり、清潔で快適な施設であった。 -
持ち帰り用のコーヒーカップの絵柄もちょいとおしゃれなノエル仕様。
-
PAの駐車場からは山の上に城塞らしきものが見えたが
どうやらオー・クニグスブール城に間違いないようだ
残念ながら今回の予定にはないが、時間の余裕があれば寄り道していきたいところ。 -
高速道をおりてしばらく一般道をしばらく進んでいるうちにリボーヴィレの街に入った。
リボーヴィレにはいくつか見たいものがある。 -
やはり街中は行き交う車が多いな、とは思ったが
この時点ではまだ状況が分かっていなかった -
ちょっとそこらに停車して街の見学を
と思っていたのだが -
車を停める場所がない
歩道側には駐車できないようにフェンスがぐるりと置かれている。 -
どうやら人も次第に多くなり
車はどれもが駐車場所をもとめて街を周回している様子 -
屋根の上にコウノトリ発見!
と思ったのだが、どうやらこれは造りものらしい
リボーヴィレはコウノトリの里と呼ばれている。
でも、考えるとアルザスにはコウノトリを売りにしている所がいくつもある。 -
駐車場所を求めて街中をウロウロすること数周
停められるスペースにはすべて車で埋まり入り込む余地がない -
行く手頭上に見えるのは..?
こちらは本物のコウノトリの巣に違いない
でも降りられず、車窓からの眺め -
街中をあきらめ、少し離れたところにと思ったが
街を外れたブドウ畑沿いにも規制線が張られ車を寄せられない
うーむ、ここまで縁を断られるとは... -
結局、リボーヴィレと親交を結ぶことはあきらめ
ユナヴィルへの道を進む
まあ本当に行きたいのはこちらだから
と自分に言い聞かせ
車を路肩に寄せないようにする規制線はまだ続いていた -
目に留まった魅惑的なこの看板
今日と明日、ワインカーブを開放!とある
何と素敵ではないですか
といっても運転する身では飲めないのだけれど
最近、視力がやや衰えていると自覚しながらも
こうした文字はなぜか瞬時に読み取れるフシギ -
フランスで最も美しい村のひとつ、花の村、ユナヴィルに入った!
さすがにここまでくると
駐車の規制線もない
観光客らしき姿も皆無 -
そして、行く手の真正面に突如として飛び込んできた光景
あれだよ、あれ
来たかった場所 -
霞の中に幻想的にみえる教会
一気に近づくのがもったいなく
ブドウ畑脇に車体を寄せて一旦停車
暫しの間、自分をここに誘ったものを眺めていた。 -
車を寄せたブドウ畑
今はすっかり葉を落とし、整然とした畝が地肌を見せていた -
よく見るとところどころに取り残されたような干しブドウが
これって貴腐ブドウ?!
思わずひとくち摘まんで食べてみたい誘惑に駆られ周囲を見回したのだが
日本の恥になると思い、ここはがまん
でも今、ちょっぴり悔やんでいることは
やはり一口摘まませてもらえればよかったということ -
貴腐ぶどうにいささか未練を残しながら、目的の教会へ向けて出発
木組みの家々の間を上り坂が続く -
上り坂の途中で教会へ折れる道を見落とし、ブドウ畑の頂上部に出てしまった。
でも、行き過ぎてしまった先には素晴らしい眺望が待っていた。
どこまでも続くブドウ畑のはるか先にはヴォージュ山脈が連なっている
おだやかな天候で、空気が心地よい
ああ、本当にここに来てよかった -
いつまでも眺望を楽しんでいるわけにもいかず
道を引き返し、教会への道を辿る
曲がり角にあるレストランの前で、はじめて人に出会った
どうやら住民ではなく旅行者らしい -
教会の下方の道沿いに、駐車スペースがあり
ここに停めさせてもらった。
おそらく公共の駐車スペースなのだろうが、利用についての断り書きは
何もなかった。 -
途中で見える家々は、どれも個性的だが統一感がある。
そしてどの家にもそれぞれに工夫されたノエルの飾り付けがみえる。 -
ただ綺麗さや、きらびやかさだけを押し出すのではなく
むしろ素朴ともいえる飾りの中に
思わぬエスプリやユーモアが添えられているのを発見すると
ちょっと楽しくなる。 -
教会の入り口に続く坂はやや急で、しかも陽の当たらない部分は凍結していた。
うっかりすると足を滑らせてしまうので、左手のフェンスに手をかけながら慎重に歩を進めた。 -
サン・ジャック・ル・マジェー教会(Eglise St-Jacques-le-Majeur)
今では名前も覚えた。
14~15世紀に建築された8角形の城壁に囲まれ、内側にお墓を持つ珍しい教会。
歴史的建築物にも指定されている -
時計が嵌め込まれた教会の塔
遠くのブドウ畑からもこの姿がはっきりと分かるが
塔上からの眺望はさぞ見事に違いない。 -
くぐり門の中に、時代による建物の変遷を図示した説明があった。
-
戦死者の追悼碑
-
確かにいくつものお墓が壁沿いにある。
-
壁に開けられたいくつかの隙間
これはどう見ても矢狭間のように思える -
教会をぐるりと囲む城壁の外側
教会だけど「城壁」でいいのかな -
教会の建つ位置からの絶景。
緑豊かな季節は素晴らしいに違いないが、
この味わい深い色合いも捨てがたい魅力に感じる。 -
まるでブドウ畑の中にはめ込まれたようなこの村の名は、7世紀頃に村で貧しい人たちのために献身したユノンHunonとユナHunaに由来するという。
具体的にどのような行いをしたのかは、まだ調べていない。 -
いつまでも見飽きないブドウ畑と家々の風景だが、時間が押してきた。
-
もう一度全景を目に収めたいと思い、教会の下の道路に回ってみた。
ちょうど向こう側から日が射して、教会の祭壇付近のステンドグラスが浮かび上がって見えた。 -
近ければ駄目と言う訳ではないが
自分にはある程度の距離と角度から眺めた方がいいように思えた。 -
リクヴィルへはブドウ畑の中の路を辿った
ブドウ畑しかないところなのに、なぜか駐車車両が数珠つなぎのようにあった。
ブドウ畑に出入りする人の幅だけ絶妙に空けられた空間
どこまで行ってもこうした状態が続いていた。 -
ブドウ畑を下るようにして抜け、りリクヴィルの街中に入った。
ここもフランスの美しい村に認定されている。
正面にあるのは町の庁舎。
ここで再びリボーヴィレと同じ現象に遭遇。
やたらと車が多く、至る所で交通規制があり行きたい方向には行かせてもらえない。
しかも駐車するスペースはどこにもない。
どの車も回遊魚のようにぐるぐる回っているだけ。 -
遅まきながらようやくここにきて事態を悟った。
そうかブドウ畑沿いの延々と続いていた駐車車両は街中に停められないためだったのか。
我ながら気づくのがあまりにも遅い。
まるで自分だけが訪問者のようなつもりでいたが
フランス中から、世界中からアルザスのノエルの市をめざして人が押し寄せてきているのだ。 -
そういえばパリとストラスブールで観たTVではアルザスの特集番組を次々に放映していて、自分も事前の知識を足すことができて喜んでいたことを思い出した。
TVの影響は大きい。
おとぎの国だとか、世界一素敵なクリスマスマーケットだとか、とにかく素晴らしさを連発していた。
まるで他人事のように受け止めていたが
「そうだ、アルザスへ行こう!」とばかり、繰り出してきたに違いない。 -
ストラスブールへ向かうパリ東駅にも、アルザスの特産品を売るノエルの市が開設されていた。
ここまで念入りに宣伝されれば、誰だってアルザスの村々に足を向けてみようかという気になろう。
感心している場合ではない。
時刻は15時を回り、次第に行くも戻るも容易ではなくなってきた。
ここからどうやって脱出しようか。
主要道は車がひしめいているに違いない。
とっさに思い浮かんだのは先ほど辿ってきたブドウ畑の小路。 -
そうだあのブドウ畑の路を辿ろう、という訳で来た道を引き返そうとしても
ほとんど身動きのとれない事態になりつつあることを悟った。
自分の意思とは無関係に流れに身を任せるようにして、半ばあきらめていたところ
運よく見覚えのある三叉路に出た。
たしかここは通ってきた場所だ。
問題はどっちからきたのか、それが分からない。
茂みが深いだけで何の特徴もない。
あまけに携帯のGPS機能もここまで細かい表示をしてくれない。
少なくとも下ってきたのだから、上る方向だろう
ほとんど鉛筆ころがしで自分の人生を決めるような気持ちで
当てずっぽうで進んでいったらやがて視野が開け、懐かしいブドウ畑の上にいた。 -
ということで、何のことはない
アルザスワイン街道を往く、はその通りだが、ユナヴィル以外のほとんどが車窓風景となった。 これでは観光バスツアーと変わらない。
しかも何とかA35号線にのり、これで大丈夫と思ったのもつかの間
今度は発進停止を繰り返す大渋滞。
営業所の係員は一応18時までは待つよとは言ってくれたものの
18時でもあやしくなってきた。
渋滞の原因は事故。
しかも2kmほどの距離に二つの事故が重なり、これに週末の渋滞が加わったようだ。
路上には事故車の部品が散乱し、次の事故は大破した車両がまだ路肩に置かれていた。 -
二つの事故現場を過ぎたあとは比較的スムーズな流れとなり、出発地の駐車場に帰着したのは17時を少し回った頃だった。
出発してから7時間少々しか経っていないのに、ずいぶんと長い一日のように感じられた。
それでも車両を定位置におさめ、眼下に見えるストラスブール駅を眺めながら、又、いつの日かアルザスワイン街道を往くことを考えていた。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- sanaboさん 2017/03/20 00:43:02
- ウナヴィル♪
- ばねおさん、はじめまして
ご訪問、ご投票をいただきまして、ありがとうございました。
ばねおさんのページにお邪魔して、まずプロフィール写真の
ワンちゃんの可愛らしさにもう胸がキュンキュンです!
そしてトップページにウナヴィルの教会のお写真を見つけて
またまた嬉しくなってしまいました♪
実は2009年にアルザスを訪れてすっかり魅了され
また翌年に訪れてしまったほどなのです。
ウナヴィルももちろん行きました。
でも4トラ登録前で、旅行記を書くつもりもなく
ただただ美しい景色を写真に収めるだけで満足しておりました。
ですので、今日初めてあの教会の名がサン・ジャック・ル・マジェー教会であることや
教会の歴史、そしてウナヴィルという村の名の由来も知ることができました。
教会のステンドグラスには全く気付いていませんでした。
実は教会内部には当時あまり関心がなくて中にも入らなかったのですが
ステンドグラスは大好きですので、やはり見てみたかったです。
葡萄畑のふもとで教会の写真を撮っていると、野生のコウノトリが
すぐそばにやって来たので驚きました。 近くで見ると鶴そっくりでした。
葡萄を摘ままれなかったことを後悔されていらっしゃいましたね(笑)
摘んでみるのも旅の思い出、摘まなかったのも思い出ですね。
私もオーストリアのヴァッハウ渓谷の葡萄畑で、収穫時の葡萄を
畑で摘んで食べてみたことがあります。
ワイン用の葡萄だから(そのまま食べるには)美味しくないのかなと思っていたのに
甘くて美味しかったです^^
クリスマスシーズンということで、駐車場所を探すのはやはり至難の業という
感じでしたね。 ぜひまた、別の機会にお訪ねになれるといいですね。
リボーヴィレやカイゼルスベルク、エギスアイム、コルマールもお勧めです。
またお邪魔させていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします^^
sanabo
- ばねおさん からの返信 2017/03/20 23:05:26
- RE: ウナヴィル♪
- sanaboさん
素敵な体験と感想をお寄せいただきありがとうございます。
コウノトリが飛来する季節に行かれたとはうらやましいですね。
今回は、計画の粗雑さと時期が災いして、消化不良のアルザス行でしたが
次の機会には宿泊を重ねながらアルザス街道を辿ってみたいと考えています。
私にとってアルザスはまだまだ未知の世界ですが、知れば知るほど面白さが出てくる地方だと思います。
sanaboさんから何やら温かな声援をいただいたような気がして嬉しい限りです。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
ばねお
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