2016/11/02 - 2016/11/04
18位(同エリア253件中)
ひらしまさん
「テヘランは大都会でほかの町とは違うから気をつけてね」。テヘランへ向かうバスで知り合った女性から妻は言われたそうだ。
そして私たちは、旅の最後のテヘランで、大都会らしい世知辛さを味わい、大都会らしい豊かな文化にひたることになる。
〈旅行時のレート 1万リアル≒29円〉
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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テヘラン行きのバスに乗り込むと、乗客はまだ誰もいなかった。座席は2列目で前がよく見える。
次に乗ってきた女性が、目が合うと一瞬驚いた顔をして、すぐにほほえんで「イランへようこそ」。
その滑らかな対応に観光業界の人かと思ったほどだが、テヘランに住む建築士だという。ピンクのヘジャブが都会の働く女性らしい。そして冒頭の言葉は彼女の忠告。 -
カーシャーンのテルミナーレを発車した時は乗客は4人だけだったが、出てすぐの道路でしばらく停車してどうやら客待ちのよう。
そういえば、来る時のタクシーもここに止まっていたバスに乗せてくれようとした。我々は次のバスの前売り券を買っていたのでテルミナーレまで届けてもらったが。
バスはただ待っているだけではない。3,4人が手分けして「テヘラーン、テヘラーン」と声を上げて客を集める。
その後も沿道で呼び込みし、その甲斐あって見事満員御礼となってバスは走り出した。
車掌が途中乗車の客から運賃を集め、集計した金を運転手に渡した。すると、運転手は運転しながらなんと金を数えだしたのである。
直線の高速道路とはいえ、これには参った。
老朽化した飛行機のリスクは回避しても、運転しながら札を勘定するバスのリスク回避は難しかった。 -
バスは砂嵐の中を走り、テヘランに着いた時は雨だった。
奥の方に入っていた荷物を引っ張り出してくれたのはタクシー運転手だった。
エスカンホテルまで40万リアルと言うのでNoと答えたが、荷物を持ってどんどん行ってしまう。タクシープールを過ぎてなお進むので怪しいし、車はボロだった。
そこで、断ろうと思って15万と言ったら意外にもOKと返事が返ってきた。しかし、それはやはり彼の戦術だった。
エスカンホテルに着いて、こちらも定石通り荷物を確保してから約束の15万を払って入ると、彼が追いかけてきて、大きな声でなにか訴える。
宿の受付嬢は、30万が適正だからあと15万払えという。仮にそれが相場だとしてもウソは許せない。
最後は大人の対応で10万上乗せして25万で手を打った。
妻は今までの町の人たちは優しかったのにテヘランは違うと嘆いていたが、私としては、審判含め完全アウェイの試合を僅差で勝った気分だった。 -
現地7日目。今日がイランでの最終日だ。
まず考古学博物館を見学するために、昨日の雨で乾燥がやわらいだ道を地下鉄駅へ。
地下鉄も車両の半分が女性専用になっていて、あわてて分かれて乗った。女性専用でない方に女性が乗るのは構わないようだと、あとで気づいた。
立派な壁画があるホメイニー駅で降り地上に出た。しかし、考古学博物館がどこにあるのか分からない。 -
大都会だけあって行き交う人はみな急ぎ足で、聞きづらいなと思っていたら、通り過ぎた人が戻ってきて"Do you need some help?"
やっぱりイランだ! 困っている人を見過ごさない。
その青年は自分では博物館の場所を分からなかったらしく、近くの人に何度も聞いてから、正確に教えてくれた。その通り、右に1ブロック行って右折すると右手の公園の奥に博物館が見えてきた。
入場料は30万リアル。バッグを預けて、年代の古い方から見学する。 -
この水瓶、この洗練されたデザインが紀元前4千年ってすごいぞ!
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3rd Mill. BC. とあったのでつい紀元前3世紀かと思ったが、ミレニアムだから紀元前3千年紀か。ケタが違った。
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この牛の像はBC2千年紀の階段ピラミッドの入口にあった。
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面白い花瓶。BC1千年紀。
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ペルセポリスから運ばれ保存されている物も多い。
これは謁見の間のレリーフ。 -
静かな威厳を感じさせる。
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百柱の間の柱の一つ。
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これはもう少し後のパルティア時代の物らしいが堂々とした像だ。
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かと思うとこんな楽しげな作品もある。
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サーサーン朝のモザイクを見て観覧を終える。
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何千年も前の人がつくった見事な工芸品に感嘆した考古学博物館だった。
ホテルに戻って、在庫処分の昼食をすませ、1時半にチェックアウトして絨毯博物館に向かう。 -
タクシーが博物館前に止まるとClosedの表示がある。えっ、休館日?
でも、よくよく見ると博物館の名前が違う。おどかさないでよ。運転手に調べ直してもらって、隣だった絨毯博物館に着いた。
入場料15万リアル。ロビーには、とても大きな絨毯が何枚も展示されている。 -
大きすぎて、下の方は巻かれた状態で展示されている。
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人物で埋めつくされた作品。
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こういう繊細さも素敵だ。
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こんなのが部屋に敷かれてたらいいな!
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ここまででも素人目には十分立派だったけれど、本当の展示室には靴カバーをつけて入る。
写真は染料と糸の展示。 -
織機もあった。
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そして、手の込んだ織りの絨毯がずらっと展示されている。
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四季の景色が描かれた作品。
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展示されている絨毯は実際に使われていたものなのでその跡が見える。
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しかし、イランやヨーロッパでは古くから使われていた絨毯ほど価値が高いという。
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ここの展示品は、19世紀に製作されたものが多い。
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きっとその時代時代の流行を反映して作られたのだろう。
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王様の肖像だろうか。
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人物図は漫画のようだ。
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中国画を思わせるものもある。
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明るく楽しい作品。
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まるで絵のようだ。
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絨毯の製作工程を表す写真パネルも興味深かった。
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様々な染料で染められる。
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日に干される。
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下絵の部分デザイン。等々。
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ゆっくり目の保養をさせてもらった絨毯博物館だった。
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博物館の近くの公園を散歩した後、暇そうに仲間とカード遊びしてるタクシーを値切って荷物を預けてあるホテルに戻る。
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ホテルのコーヒーショップで最後の夕食をゆっくり楽しんだあと、早めに空港へ向かった。
渋滞の道をタクシーは反対車線を走ったりしてヒヤヒヤの連続。
それが突然店の前に止まったと思ったらアイスクリームを3個買ってきて、私たちにも分けてくれたのには驚いた。
空港に着いた時にはお返しにキャンディをあげて、運賃のおつりはしっかりもらった。 -
残ったリアルは成田空港のユニセフ募金箱へ。
大都会のテヘランはともかくとして、シーラーズからカーシャーンまでのどの町でもイランの人々に温かく迎えてもらった旅だった。
「イランへようこそ」と何十人に言ってもらったことか。
道でもバス乗り場でも迷っていればあちらから声をかけてくれ、さらに送ってくれた人もいる。
私たちも日本で少しでも見習いたいねと話しながら帰ってきた。
成田からの電車で乗り合わせた中国人観光客に、妻はさっそく「日本へようこそ。楽しんでいってね」と声をかけていた。
うれしそうな彼らの顔は、イランでの私たちときっと同じだ。
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