シャルトル旅行記(ブログ) 一覧に戻る
シャルトルは4世紀から現在に至るまで、最も有名な巡礼地のひとつであり、何人もの法王や国王、一般民衆に至るまで、多くの人々が訪れて祈りを捧げています。13世紀にゴシック様式で再築されたシャルトル大聖堂は、その後も部分的な増築が重ねられ、現在では建築、彫像、特にステンドグラスにおいて、その芸術的価値はゴシック建築の最高峰のひとつとされています。<br /><br />本旅行記では、ステンドグラスを中心に宗教、歴史、色彩光学、構造力学等の視点から、芸術のかたまりであるシャルトル大聖堂を概観します。<br /><br />旅行の目的は人様々で、「芸術を解析されたら興ざめだ」という方もいらっしゃると思いますので、詳細は付録として最後の方に載せました。ご興味とお時間のある方はご覧ください。<br />

フランス ゴシック建築の至宝、シャルトル大聖堂

218いいね!

2013/05/03 - 2013/05/03

4位(同エリア178件中)

0

56

bunbun

bunbunさん

シャルトルは4世紀から現在に至るまで、最も有名な巡礼地のひとつであり、何人もの法王や国王、一般民衆に至るまで、多くの人々が訪れて祈りを捧げています。13世紀にゴシック様式で再築されたシャルトル大聖堂は、その後も部分的な増築が重ねられ、現在では建築、彫像、特にステンドグラスにおいて、その芸術的価値はゴシック建築の最高峰のひとつとされています。

本旅行記では、ステンドグラスを中心に宗教、歴史、色彩光学、構造力学等の視点から、芸術のかたまりであるシャルトル大聖堂を概観します。

旅行の目的は人様々で、「芸術を解析されたら興ざめだ」という方もいらっしゃると思いますので、詳細は付録として最後の方に載せました。ご興味とお時間のある方はご覧ください。

  • 以下の説明が分かり易いよう、シャルトル大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Chartres)の平面図を示します。図中の数字は説明文中のステンドグラスの番号です。この図はウィキペディア フリー百科事典の以下の図を元に作成してあります。<br />http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monografie_de_la_Cathedrale_de_Chartres_-_01_Plan_au-dessus_du_sol_-_Gravure.jpg<br />This work is in the public domain in the United States, and those countries with a copyright term of life of the author plus 100 years or less.<br />(The following is bunbun’s comment. In Japan, copyright term is the life of the author plus 50 years. Thus the copyright of the figure has already expired.)<br />

    以下の説明が分かり易いよう、シャルトル大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Chartres)の平面図を示します。図中の数字は説明文中のステンドグラスの番号です。この図はウィキペディア フリー百科事典の以下の図を元に作成してあります。
    http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Monografie_de_la_Cathedrale_de_Chartres_-_01_Plan_au-dessus_du_sol_-_Gravure.jpg
    This work is in the public domain in the United States, and those countries with a copyright term of life of the author plus 100 years or less.
    (The following is bunbun’s comment. In Japan, copyright term is the life of the author plus 50 years. Thus the copyright of the figure has already expired.)

  • 床に描かれたラビリンス(labyrinth、迷宮)*。その由来は諸説あるようですが、1つは、十字軍の時代、エルサレムに行けなかった人々が巡礼体験をするために作られた、とのことです。<br /><br />*迷路と訳されることもあるようですが、迷路ではありません。下から入り込めば、すべての経路を通って迷うことなく中央に到達します。興味のある方はやってみてください。<br />

    床に描かれたラビリンス(labyrinth、迷宮)*。その由来は諸説あるようですが、1つは、十字軍の時代、エルサレムに行けなかった人々が巡礼体験をするために作られた、とのことです。

    *迷路と訳されることもあるようですが、迷路ではありません。下から入り込めば、すべての経路を通って迷うことなく中央に到達します。興味のある方はやってみてください。

  • この大聖堂は1145年に部分的に建築が始まり、1194の火災後26年の歳月をかけて改築が行われ、フランス・ゴシック芸術の中で最も優れています。広い身廊、純粋なオジーブ(リブ)様式*、12世紀半ばの繊細な彫刻で飾られたポーチ、12-13世紀の壮麗なステンドグラス、これらすべて素晴らしい状態で維持・結合され、ゴシック建築の傑作となっています(付録参照)。この理由により、シャルトル大聖堂は1979年、ユネスコの世界遺産に登録されました。<br /><br />*交差ヴォールトの交差線に沿って掛けられた補強アーチ<br />

    この大聖堂は1145年に部分的に建築が始まり、1194の火災後26年の歳月をかけて改築が行われ、フランス・ゴシック芸術の中で最も優れています。広い身廊、純粋なオジーブ(リブ)様式*、12世紀半ばの繊細な彫刻で飾られたポーチ、12-13世紀の壮麗なステンドグラス、これらすべて素晴らしい状態で維持・結合され、ゴシック建築の傑作となっています(付録参照)。この理由により、シャルトル大聖堂は1979年、ユネスコの世界遺産に登録されました。

    *交差ヴォールトの交差線に沿って掛けられた補強アーチ

  • シャルトル大聖堂近づいてきました。

    シャルトル大聖堂近づいてきました。

  • シャルトル大聖堂西側ファサード。北塔を除き12世紀のものです。(付録参照)中央下の黒い3つは王の扉口。その上の縦長の3つの窓はステンドグラス。さらにその上の円形部分は薔薇窓のステンドクラスです。ステンドグラスが灰色に見える理由は付録で説明します。右側の南塔はロマネスク様式、屋根は八角錐、高さ105 m、左側の北塔は16世紀のもので、フランボワイヤン様式、高さ113 mです。(詳細は付録参照)

    シャルトル大聖堂西側ファサード。北塔を除き12世紀のものです。(付録参照)中央下の黒い3つは王の扉口。その上の縦長の3つの窓はステンドグラス。さらにその上の円形部分は薔薇窓のステンドクラスです。ステンドグラスが灰色に見える理由は付録で説明します。右側の南塔はロマネスク様式、屋根は八角錐、高さ105 m、左側の北塔は16世紀のもので、フランボワイヤン様式、高さ113 mです。(詳細は付録参照)

  • 西側ファサードの王の扉口と縦長ステンドグラス。右扉の上は、受胎告知からキリストの誕生までを彫像で表しています。タンパン(扉の上の半円形部の内側)内部は幼児キリストを抱く聖母マリアです。扉両側の柱面は7つの学問を表す彫像です。左扉は樹の陰でよくわかりませんが、ドアの上は使徒伝が、ヴシュール(タンパンの周囲)は月々の仕事と黄道十二宮を表す彫像です。これについてはステンドグラスのところで説明します。中央扉の上はキリストの福音、ヴシェールは天使と黙示録の長老たちの彫像です。タンパン内部は福音書を持つキリストです。

    西側ファサードの王の扉口と縦長ステンドグラス。右扉の上は、受胎告知からキリストの誕生までを彫像で表しています。タンパン(扉の上の半円形部の内側)内部は幼児キリストを抱く聖母マリアです。扉両側の柱面は7つの学問を表す彫像です。左扉は樹の陰でよくわかりませんが、ドアの上は使徒伝が、ヴシュール(タンパンの周囲)は月々の仕事と黄道十二宮を表す彫像です。これについてはステンドグラスのところで説明します。中央扉の上はキリストの福音、ヴシェールは天使と黙示録の長老たちの彫像です。タンパン内部は福音書を持つキリストです。

  • 入口扉の開く時間が予定より遅れたため、大聖堂外部の見学です。南からみた南塔(左)、北塔(中央)、身廊バットレス(控壁)、南翼廊ファサード。

    入口扉の開く時間が予定より遅れたため、大聖堂外部の見学です。南からみた南塔(左)、北塔(中央)、身廊バットレス(控壁)、南翼廊ファサード。

  • 南翼廊のファサード。13世紀の建築です。(付録参照)上部のバラ窓(上部円形部分)とその下の五連ランセット(縦長のステンドグラス)、その下は南扉口。左手は北塔です。ここにも双塔が計画されたそうですが、未完のままです。<br />09-0838DSC01115<br />南扉口。左は殉教者の開口部、右は証聖者の開口部、中央は以下で説明します。<br />

    南翼廊のファサード。13世紀の建築です。(付録参照)上部のバラ窓(上部円形部分)とその下の五連ランセット(縦長のステンドグラス)、その下は南扉口。左手は北塔です。ここにも双塔が計画されたそうですが、未完のままです。
    09-0838DSC01115
    南扉口。左は殉教者の開口部、右は証聖者の開口部、中央は以下で説明します。

  • 南扉口。左は殉教者の開口部、右は証聖者の開口部、中央は以下で説明します。

    南扉口。左は殉教者の開口部、右は証聖者の開口部、中央は以下で説明します。

  • 中央開口部下部。キリストを中心として両側に十二使徒がおりますが、この写真はキリストと五使徒の部分です。中央のキリスト(この写真では左側)は右手に福音書を持ち、左手で祝福しています。頭の後ろは十字架ついたニンブス(nimbus、後光を表す円盤)、足の下は大蛇と獅子です。キリストの右側は、ねじり柱の上に立つ、ニンブスをつけてアトリビュート(attribute、神話上の神と関連付けられた持ち物)を持った十二使徒の中の五使徒です。キリストに近い側から、聖パウロ、聖ヨハネ、大ヤコブ、小ヤコブ、聖バルトロマイオスとなります。

    中央開口部下部。キリストを中心として両側に十二使徒がおりますが、この写真はキリストと五使徒の部分です。中央のキリスト(この写真では左側)は右手に福音書を持ち、左手で祝福しています。頭の後ろは十字架ついたニンブス(nimbus、後光を表す円盤)、足の下は大蛇と獅子です。キリストの右側は、ねじり柱の上に立つ、ニンブスをつけてアトリビュート(attribute、神話上の神と関連付けられた持ち物)を持った十二使徒の中の五使徒です。キリストに近い側から、聖パウロ、聖ヨハネ、大ヤコブ、小ヤコブ、聖バルトロマイオスとなります。

  • 中央開口部上部。この部分は最後の審判です。タンパン(中央下部半円形内部)の中央はキリスト、その左は聖母マリア、左は聖ヨハネです。その左右と上部に6人の天使がおります。ヨハネの右の天使は鞭打ちの形のための柱と鞭を、聖母マリアの左の天使は槍を、キリストの左上の天使は茨の冠を、右上の天使は釘を、真上の二人の天使は十字架とキリストの遺骸を包む布をもっています。<br />ヴシュール(タンパンの周囲)は9階級の天使たちです。<br />http://4travel.jp/travelogue/11192701<br />の付録1、(1)を参照してください。<br />その他、詳細説明は省略します。<br />まぐさ(タンパンの下)中心は聖ミカエルです。死者の魂の重さを量って、天国に行くのか地獄に行くのか決めている様子を表しています。<br />http://4travel.jp/travelogue/11192701<br />の付録1、(1)を参照してください。<br />その他、詳細説明は省略します。<br />

    中央開口部上部。この部分は最後の審判です。タンパン(中央下部半円形内部)の中央はキリスト、その左は聖母マリア、左は聖ヨハネです。その左右と上部に6人の天使がおります。ヨハネの右の天使は鞭打ちの形のための柱と鞭を、聖母マリアの左の天使は槍を、キリストの左上の天使は茨の冠を、右上の天使は釘を、真上の二人の天使は十字架とキリストの遺骸を包む布をもっています。
    ヴシュール(タンパンの周囲)は9階級の天使たちです。
    http://4travel.jp/travelogue/11192701
    の付録1、(1)を参照してください。
    その他、詳細説明は省略します。
    まぐさ(タンパンの下)中心は聖ミカエルです。死者の魂の重さを量って、天国に行くのか地獄に行くのか決めている様子を表しています。
    http://4travel.jp/travelogue/11192701
    の付録1、(1)を参照してください。
    その他、詳細説明は省略します。

  • 少し南東方向に離れて見た、シャルトル大聖堂。左は南塔、中央は南翼廊ファサード。

    少し南東方向に離れて見た、シャルトル大聖堂。左は南塔、中央は南翼廊ファサード。

  • 東に回って、礼拝堂です。左は南翼廊、上部緑の部分は内陣の屋根。分厚いバットレスやその上のフライングバットレスも良く見えますね。右側は聖ピア礼拝堂の南壁です。

    東に回って、礼拝堂です。左は南翼廊、上部緑の部分は内陣の屋根。分厚いバットレスやその上のフライングバットレスも良く見えますね。右側は聖ピア礼拝堂の南壁です。

  • 東側の庭から見た大聖堂。背の高い生垣が邪魔だなあ。緑の屋根の下は内陣、右の茶色の屋根の建物は聖ピア礼拝堂です。

    東側の庭から見た大聖堂。背の高い生垣が邪魔だなあ。緑の屋根の下は内陣、右の茶色の屋根の建物は聖ピア礼拝堂です。

  • 大聖堂内部に入れるようになったということで、南翼廊ファサード中央扉口から入ります。

    大聖堂内部に入れるようになったということで、南翼廊ファサード中央扉口から入ります。

  • 内部に入りました。南翼廊中央から東をみます。壁は黒く潰れちゃってますね。ステンドグラスは上記図面の1です。以下で説明します。左側の明るい空間は側廊、側廊の左の低い壁は内陣壁(以下で説明します)。内陣壁の向こう側が内陣となります。

    内部に入りました。南翼廊中央から東をみます。壁は黒く潰れちゃってますね。ステンドグラスは上記図面の1です。以下で説明します。左側の明るい空間は側廊、側廊の左の低い壁は内陣壁(以下で説明します)。内陣壁の向こう側が内陣となります。

  • 上の写真の黒く潰れた壁をステンドグラスも含めて撮り直し。

    上の写真の黒く潰れた壁をステンドグラスも含めて撮り直し。

  • 南翼廊中央から東を見上げます。翼廊の壁(右側)は下から、大アーチ、トリフォリウム、ステンドグラスを有するクリアストーリー(高窓)の3層構造です。クロッシング(交差部)は白いシート(左側)で覆われてますね。改装工事中のようです。

    南翼廊中央から東を見上げます。翼廊の壁(右側)は下から、大アーチ、トリフォリウム、ステンドグラスを有するクリアストーリー(高窓)の3層構造です。クロッシング(交差部)は白いシート(左側)で覆われてますね。改装工事中のようです。

  • 南翼廊の上を見上げてみます。左側白い円は南翼廊ファサード上部の薔薇窓です。ステンドグラスのカラフルな色が飛んじゃってますね。天井はトンネルリブボールド、右の天井は身廊のやはりトンネルリブボールド。真っ白になってるんで修復されたんでしょうね。西壁も東壁と同じ3層構造です。<br /><br />左の円形部分は西バラ窓。ステンドグラスにはキリストの生涯が描かれているそうですが、よくわかりません。写真下側壁面は下から大アーケード、トリビューン、クリアストーリー(高窓)です。<br />

    南翼廊の上を見上げてみます。左側白い円は南翼廊ファサード上部の薔薇窓です。ステンドグラスのカラフルな色が飛んじゃってますね。天井はトンネルリブボールド、右の天井は身廊のやはりトンネルリブボールド。真っ白になってるんで修復されたんでしょうね。西壁も東壁と同じ3層構造です。

    左の円形部分は西バラ窓。ステンドグラスにはキリストの生涯が描かれているそうですが、よくわかりません。写真下側壁面は下から大アーケード、トリビューン、クリアストーリー(高窓)です。

  • 側廊に入ってきました。前方は周歩廊、その先に礼拝堂のステンドグラスが見えます。改修・クリーニングが終わった後のようで、明るくて綺麗ですね。<br /><br />南翼廊から見た側廊と周歩廊。<br />

    側廊に入ってきました。前方は周歩廊、その先に礼拝堂のステンドグラスが見えます。改修・クリーニングが終わった後のようで、明るくて綺麗ですね。

    南翼廊から見た側廊と周歩廊。

  • 南側廊のステンドグラス。右は、聖アントニオと聖パウロの物語2、中央は、美しきガラス窓の聖母(Notre-Dame de la Belle-Verrière)3、悪魔の誘惑、カナの婚宴、左はマリアの生涯の物語4です。<br />美しいステンドグラスの中でも、“青い聖母の窓”が特によく知られており、聖母マリアの衣服は“シャルトルブルー”と呼ばれ、聖なる輝きを放っています。<br />

    南側廊のステンドグラス。右は、聖アントニオと聖パウロの物語2、中央は、美しきガラス窓の聖母(Notre-Dame de la Belle-Verrière)3、悪魔の誘惑、カナの婚宴、左はマリアの生涯の物語4です。
    美しいステンドグラスの中でも、“青い聖母の窓”が特によく知られており、聖母マリアの衣服は“シャルトルブルー”と呼ばれ、聖なる輝きを放っています。

  • 分かりにくいので拡大しましょう。右側の聖アントニウスと聖パウロの物語2。<br /><br />各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)<br />物語は下から上へと進行します。一番下の左右の隅:寄進者の魚屋*。その上の円の中の左下:アントニウスが教会で、司祭が読む福音書の教えを聞く。右下:アントニウスが貧しい人々にパンを配る。真ん中:アントニウスが、彼の妹を2人の修道女に託す。左上:アントニウスが砂漠で長年隠者として暮らす老人に話しかける。右上:アントニウスが土地を耕す。真中の円との間の右:アントニウスが火で暖を取っていると、小人の姿の悪魔が現れる。その左:女の姿の悪魔がアントニウスのところに現れる。真中の円の左下:アントニウスが男と話をする。右下:悪魔たちに襲われるアントニウス。真ん中:倒れたアントニウスを見る2人の男。左上:悪魔たちがアントニウスを襲う。右上:男がアントニウスを背負い、彼の庵に連れて行って寝かせる。真中と上の円の間の右:独房で読書するアントニウス。左:鳥がアントニウスとパウロにパンを持ってくる。上の円の右下:自分の庵に戻る途中、パウロの魂を天使が運ぶのを見るアントニウス。左下:パウロの遺骸の傍ら、祭壇の前で祈るアントニウス。真中:パウロの亡骸を葬るための穴を、2頭のライオンが掘る。アントニウスはその様子をみている。左上:マントを弟子のひとりに与えるアントニウス。右上:アントニウスの死。2人の天使がその魂を運ぶ。<br /><br />*大聖堂を建設するに当たっては、多くの庶民からの寄進あがりました。こういった庶民の生活ぶりをステンドグラスの一部に取り入れてあります。宗教的ストーリーとは無関係です。<br />

    分かりにくいので拡大しましょう。右側の聖アントニウスと聖パウロの物語2。

    各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)
    物語は下から上へと進行します。一番下の左右の隅:寄進者の魚屋*。その上の円の中の左下:アントニウスが教会で、司祭が読む福音書の教えを聞く。右下:アントニウスが貧しい人々にパンを配る。真ん中:アントニウスが、彼の妹を2人の修道女に託す。左上:アントニウスが砂漠で長年隠者として暮らす老人に話しかける。右上:アントニウスが土地を耕す。真中の円との間の右:アントニウスが火で暖を取っていると、小人の姿の悪魔が現れる。その左:女の姿の悪魔がアントニウスのところに現れる。真中の円の左下:アントニウスが男と話をする。右下:悪魔たちに襲われるアントニウス。真ん中:倒れたアントニウスを見る2人の男。左上:悪魔たちがアントニウスを襲う。右上:男がアントニウスを背負い、彼の庵に連れて行って寝かせる。真中と上の円の間の右:独房で読書するアントニウス。左:鳥がアントニウスとパウロにパンを持ってくる。上の円の右下:自分の庵に戻る途中、パウロの魂を天使が運ぶのを見るアントニウス。左下:パウロの遺骸の傍ら、祭壇の前で祈るアントニウス。真中:パウロの亡骸を葬るための穴を、2頭のライオンが掘る。アントニウスはその様子をみている。左上:マントを弟子のひとりに与えるアントニウス。右上:アントニウスの死。2人の天使がその魂を運ぶ。

    *大聖堂を建設するに当たっては、多くの庶民からの寄進あがりました。こういった庶民の生活ぶりをステンドグラスの一部に取り入れてあります。宗教的ストーリーとは無関係です。

  • 中央の、美しきガラスの聖母3。<br /><br />各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)<br />下から1段目はキリストの3つの試練を表しています。左:悪魔が石をパンに変えるよう、キリストに求める。中:悪魔がエルサレムの神殿の頂上から身を投げるようキリストに求める。右:悪魔の山頂への誘惑を拒否するキリスト。下から2,3段目はカナの婚礼の様子です。下から2段目左:弟子と一緒にカナへ向かうキリスト。中:婚礼の食事。右:聖母マリアがキリストに葡萄酒がないことを告げる。下から3段目左:聖母マリアが召使に、キリストが命じることをするように言う。中:キリストが水を葡萄酒に変える。右:召使が祝宴の主人のもとへ葡萄酒を持って行く。下から4段目中:聖母の王座を支える天使たち。4、5段目左右:香炉を振る天使。下から6段目の左右:ロウソクを持つ天使。下から7段目左右:香炉を振る天使、最上段左右:天使。下から5~7中央:ブルーバジージン(幼いキリストを抱く聖母マリア)。<br />

    中央の、美しきガラスの聖母3。

    各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)
    下から1段目はキリストの3つの試練を表しています。左:悪魔が石をパンに変えるよう、キリストに求める。中:悪魔がエルサレムの神殿の頂上から身を投げるようキリストに求める。右:悪魔の山頂への誘惑を拒否するキリスト。下から2,3段目はカナの婚礼の様子です。下から2段目左:弟子と一緒にカナへ向かうキリスト。中:婚礼の食事。右:聖母マリアがキリストに葡萄酒がないことを告げる。下から3段目左:聖母マリアが召使に、キリストが命じることをするように言う。中:キリストが水を葡萄酒に変える。右:召使が祝宴の主人のもとへ葡萄酒を持って行く。下から4段目中:聖母の王座を支える天使たち。4、5段目左右:香炉を振る天使。下から6段目の左右:ロウソクを持つ天使。下から7段目左右:香炉を振る天使、最上段左右:天使。下から5~7中央:ブルーバジージン(幼いキリストを抱く聖母マリア)。

  • 南側廊のステンドグラス。右は、美しきガラスの聖母3、悪魔の誘惑、カナの婚宴、中は、マリアの生涯の物語4、左はゾディアック(黄道12宮)の象徴と月々の仕事5です。

    南側廊のステンドグラス。右は、美しきガラスの聖母3、悪魔の誘惑、カナの婚宴、中は、マリアの生涯の物語4、左はゾディアック(黄道12宮)の象徴と月々の仕事5です。

  • マリアの生涯の物語。<br /><br />各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)<br />下から1段目、左:葡萄を栽培する農夫、右:馬上のシャルトル伯ティボール・ジューヌにひざまずく人々。中:アンナとヨアキムが神殿に捧げものを持参するが、大司祭が拒む。2段目左:羊の世話をするヨアキムに天使が現れ、マリアの父になる、黄金の門に行けば妻を見つけるだろう、と告げる。右:同じ天使が糸を紡ぐアンナのもとにも現れ、同じ話をする。中:金門でアンナとヨアキムが出会う。3段目左:座って約束の実現を待つアンナとヨアキム。右:マリアの誕生。中:マリアの産湯。4段目、左:ヨアキムとアンナがマリアを学校の教師に預ける。中:学校でのマリア。右:マリアとヨセフ。ヨセフの杖に花が咲く。右:5段目、左:マリアとヨセフの結婚。中:受胎告知。右:マリアのレイザベト訪問。6段目、左:キリストの降誕。中:羊飼いへの告知。右:神殿への奉献。7段目、左:ヘロデ王。中:2人の東方博士。右:東方3博士の礼拝。8段目、左:エジプトへの逃避。中:幼児虐殺。右:虐殺を命じるヘロデ王。最上段、中:キリストが群衆に祝福を与える。<br />

    マリアの生涯の物語。

    各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)
    下から1段目、左:葡萄を栽培する農夫、右:馬上のシャルトル伯ティボール・ジューヌにひざまずく人々。中:アンナとヨアキムが神殿に捧げものを持参するが、大司祭が拒む。2段目左:羊の世話をするヨアキムに天使が現れ、マリアの父になる、黄金の門に行けば妻を見つけるだろう、と告げる。右:同じ天使が糸を紡ぐアンナのもとにも現れ、同じ話をする。中:金門でアンナとヨアキムが出会う。3段目左:座って約束の実現を待つアンナとヨアキム。右:マリアの誕生。中:マリアの産湯。4段目、左:ヨアキムとアンナがマリアを学校の教師に預ける。中:学校でのマリア。右:マリアとヨセフ。ヨセフの杖に花が咲く。右:5段目、左:マリアとヨセフの結婚。中:受胎告知。右:マリアのレイザベト訪問。6段目、左:キリストの降誕。中:羊飼いへの告知。右:神殿への奉献。7段目、左:ヘロデ王。中:2人の東方博士。右:東方3博士の礼拝。8段目、左:エジプトへの逃避。中:幼児虐殺。右:虐殺を命じるヘロデ王。最上段、中:キリストが群衆に祝福を与える。

  • ゾディアックの象徴と月々の仕事。<br /><br />各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)<br />下から1段目、左:葡萄栽培農夫。右:馬上のシャルトル伯爵ティボー・ド・シャンパーニュに人々がひざまずく。1-2段目、中:1月。去年、今年、来年の3つの顔を持つ男が扉を開ける。同場面右は水瓶座。2段目左:2月。たき火で体を暖める男。右:魚座。3段目左:3月。葡萄の木の剪定。右:牡羊座。4段目、左:4月。木が伸びるのを眺める男。右:牡牛座。3-4段目、中:5月。騎士が狩りにでる。同場面右は双子座。5段目左:6月。牧草を刈る人。右:蟹座。5-6段目、中:7月。小麦の収穫。同場面右は獅子座。6段目左:8月。小麦の脱穀。右:乙女座。7段目左:9月。葡萄の収穫。右:天秤座。7-8段目、中:10月。葡萄を潰して樽に入れる。同場面右はさそり座。8段目左:11月。豚の屠殺。右:射手座。9段目左:12月。1年の終わり。食卓に着く農夫。右:山羊座。最上部:祝福するキリスト。<br />

    ゾディアックの象徴と月々の仕事。

    各場面の説明。(興味のない方は飛ばしてください)
    下から1段目、左:葡萄栽培農夫。右:馬上のシャルトル伯爵ティボー・ド・シャンパーニュに人々がひざまずく。1-2段目、中:1月。去年、今年、来年の3つの顔を持つ男が扉を開ける。同場面右は水瓶座。2段目左:2月。たき火で体を暖める男。右:魚座。3段目左:3月。葡萄の木の剪定。右:牡羊座。4段目、左:4月。木が伸びるのを眺める男。右:牡牛座。3-4段目、中:5月。騎士が狩りにでる。同場面右は双子座。5段目左:6月。牧草を刈る人。右:蟹座。5-6段目、中:7月。小麦の収穫。同場面右は獅子座。6段目左:8月。小麦の脱穀。右:乙女座。7段目左:9月。葡萄の収穫。右:天秤座。7-8段目、中:10月。葡萄を潰して樽に入れる。同場面右はさそり座。8段目左:11月。豚の屠殺。右:射手座。9段目左:12月。1年の終わり。食卓に着く農夫。右:山羊座。最上部:祝福するキリスト。

  • 側廊の内側にあって、内陣と主祭壇を取り囲むフランボワイヤン様式の内陣壁。この壁には40のニッチ(壁に掘り込まれた空間)が蹴られ、彫像を置いてイエスと聖母マリアの生涯を表しています。16~18世紀。

    側廊の内側にあって、内陣と主祭壇を取り囲むフランボワイヤン様式の内陣壁。この壁には40のニッチ(壁に掘り込まれた空間)が蹴られ、彫像を置いてイエスと聖母マリアの生涯を表しています。16~18世紀。

  • 分かりにくいのでいくつか拡大してみましょう。左(4):アンナがマリアを出産し、賢女が幼子の体を洗う準備をしている。右(5):マリア(右)は神殿に献納されるため、両親(左)と別れます。( )内はニッチの番号です。

    分かりにくいのでいくつか拡大してみましょう。左(4):アンナがマリアを出産し、賢女が幼子の体を洗う準備をしている。右(5):マリア(右)は神殿に献納されるため、両親(左)と別れます。( )内はニッチの番号です。

  • 左(6)マリアとヨセフの結婚、右(7)受胎告知。

    左(6)マリアとヨセフの結婚、右(7)受胎告知。

  • 礼拝堂に前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(Jean Paul II)の写真が飾られていました。バチカンはカトリック教会の総本山ですからねえ。

    礼拝堂に前ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(Jean Paul II)の写真が飾られていました。バチカンはカトリック教会の総本山ですからねえ。

  • 内陣壁。クリーニングが終わった部分は白くて綺麗ですねえ。中央左寄りの円盤はフランス最古の時計。24時間で針が一周します。

    内陣壁。クリーニングが終わった部分は白くて綺麗ですねえ。中央左寄りの円盤はフランス最古の時計。24時間で針が一周します。

  • 拡大して、またニッチ内部の彫像の説明をします。左(9):聖ヨセフ(左)は眠り、聖マリアは針仕事をしています。中(10)キリストの降誕。右(11)キリストの割礼儀式。

    拡大して、またニッチ内部の彫像の説明をします。左(9):聖ヨセフ(左)は眠り、聖マリアは針仕事をしています。中(10)キリストの降誕。右(11)キリストの割礼儀式。

  • ここで内陣に入ります。主祭壇。主祭壇の像「聖母被昇天*」はシャルル=アントワーヌ・ブリダン(Charles-Antoine Bridan)によってマニエリスム様式で製作されました。マリアが3人の天使に囲まれている構図です。<br /><br />*マリアが地上の生活を終えたあと、霊魂も肉体もともに天に上げられたことを言います。このことは聖書には書かれていませんが、伝承が教会の教義として公布されています。<br />

    ここで内陣に入ります。主祭壇。主祭壇の像「聖母被昇天*」はシャルル=アントワーヌ・ブリダン(Charles-Antoine Bridan)によってマニエリスム様式で製作されました。マリアが3人の天使に囲まれている構図です。

    *マリアが地上の生活を終えたあと、霊魂も肉体もともに天に上げられたことを言います。このことは聖書には書かれていませんが、伝承が教会の教義として公布されています。

  • 素晴らしい彫像なんで方向を変えて。

    素晴らしい彫像なんで方向を変えて。

  • 拡大写真も。

    拡大写真も。

  • ステンドグラス。右は、聖ヤコブ物語6、左はシャルルマーニュ(Charlemagne、カール大帝)物語7です。

    ステンドグラス。右は、聖ヤコブ物語6、左はシャルルマーニュ(Charlemagne、カール大帝)物語7です。

  • 聖ヤコブ物語。各場面の説明は省略します。

    聖ヤコブ物語。各場面の説明は省略します。

  • シャルルマーニュ物語。各場面の説明は省略します。

    シャルルマーニュ物語。各場面の説明は省略します。

  • また周歩廊にでて北側に回ります。左側内陣壁ニッチ内の式像は(19)貫通した女、(20)盲人の治癒です。この辺は改修・クリーニングが済んでいてきれですね。柱の奥にまた礼拝堂がみえますね。

    また周歩廊にでて北側に回ります。左側内陣壁ニッチ内の式像は(19)貫通した女、(20)盲人の治癒です。この辺は改修・クリーニングが済んでいてきれですね。柱の奥にまた礼拝堂がみえますね。

  • 上の写真の礼拝堂のステンドグラス。左から、聖カラウヌス伝8、聖ステパノ伝9、聖パンタレオ伝10、聖テオドルス伝・聖ウィンケンティウス伝11です。

    上の写真の礼拝堂のステンドグラス。左から、聖カラウヌス伝8、聖ステパノ伝9、聖パンタレオ伝10、聖テオドルス伝・聖ウィンケンティウス伝11です。

  • ステンドグラス。左から、使徒聖トマス伝12、聖ユリアヌス伝13、右側はハレーションでわからないですね。

    ステンドグラス。左から、使徒聖トマス伝12、聖ユリアヌス伝13、右側はハレーションでわからないですね。

  • 内陣背後の周歩廊北側にある、1855年完成の「柱の聖母」

    内陣背後の周歩廊北側にある、1855年完成の「柱の聖母」

  • わかりにくいんでちょっと拡大。聖母の黒には諸説ありますが、代表的な説は、黒は大地の黒であり、大地の豊饒さ、肥沃、ひいては多産の象徴であるとされています。

    わかりにくいんでちょっと拡大。聖母の黒には諸説ありますが、代表的な説は、黒は大地の黒であり、大地の豊饒さ、肥沃、ひいては多産の象徴であるとされています。

  • クロッシングから主祭壇を望む。

    クロッシングから主祭壇を望む。

  • 拝廊から主祭壇を望む。

    拝廊から主祭壇を望む。

  • ヴァンドーム礼拝堂のステンドグラス14。<br /><br />各場面の説明。<br />最下段:王家の王子の紋章。2段目:王子と彼らの守護聖人。3段目:洗礼者聖ヨハネ、聖母マリアの戴冠、福音者聖ヨハネ、その上のタンパン:最後の審判とキリストの磔刑。<br />

    ヴァンドーム礼拝堂のステンドグラス14。

    各場面の説明。
    最下段:王家の王子の紋章。2段目:王子と彼らの守護聖人。3段目:洗礼者聖ヨハネ、聖母マリアの戴冠、福音者聖ヨハネ、その上のタンパン:最後の審判とキリストの磔刑。

  • 教会西正面のステンドグラス15。

    教会西正面のステンドグラス15。

  • 上写真の薔薇窓:大天使ミカエルが天国に行く人と地獄に落ちる人を判別している姿。

    上写真の薔薇窓:大天使ミカエルが天国に行く人と地獄に落ちる人を判別している姿。

  • 2つ上の写真の3連窓。<br />左:キリストの受難と復活の物語。中央:キリストの半生。右:エッサイの樹。エッサイとは旧約聖書に登場するダビデの父の名前。中世にはマリアはダビデの家系とみなされており、エッサイを祖先としてキリストが生まれるまでの系譜を樹木が枝分かれして行く形で表現したものだ。最下段にいるのがエッサイ。その腹から大樹が生えて樹木のてっぺんにキリストが描かれている。<br />

    2つ上の写真の3連窓。
    左:キリストの受難と復活の物語。中央:キリストの半生。右:エッサイの樹。エッサイとは旧約聖書に登場するダビデの父の名前。中世にはマリアはダビデの家系とみなされており、エッサイを祖先としてキリストが生まれるまでの系譜を樹木が枝分かれして行く形で表現したものだ。最下段にいるのがエッサイ。その腹から大樹が生えて樹木のてっぺんにキリストが描かれている。

  • 外に出ました。南西から大聖堂を望む。

    外に出ました。南西から大聖堂を望む。

  • 身廊の南壁。この分厚いバットレス(控壁)とその上のフライングバットレス(飛び梁)が大面積のステンドグラスを可能にしています。

    身廊の南壁。この分厚いバットレス(控壁)とその上のフライングバットレス(飛び梁)が大面積のステンドグラスを可能にしています。

  • シャルトルの街

    シャルトルの街

  • さて、帰るとしますか。<br /><br />付録<br />歴史<br />4世紀にシャルトルの初代司教アウェンティヌス(Aventinus)によって建てられた最初の教会は、743年フランク王国(Royaumes francs)と対立するアキテーヌ公(duc d’Aquitaine)に焼かれ、2代目の教会も858年、ノルマン人の一派であるデーン人の海賊に焼かれました。時のシャルトル司教ジルベール(Gislebert de Chartres)はクリプト(地下聖堂)を有して規模を大きくした3代目の教会を876年に再建し、フランク王シャルル2世(Charles II le Chauve, 823-877)が聖遺物(聖母マリアが生前に来ていたヴェール)を寄進して、シャルトルは全ヨーロッパの巡礼の地となりました。この教会も戦乱によって962年に焼け落ち、4代目の教会が建設されました。しかし、これも1020年の火災でクリプトを残して大部分が焼失しました。時の司教聖フュルベール(Fulbert de Chartres, 960-1028)はヨーロッパのさまざまな君主から援助を受け、5代目の教会をロマネスク様式で建設しました。この教会は1134年の街の火災で大きな損傷をうけ、直ちに北塔の建設始められ、1150年頃完成しました。当時は三階までしかなく屋根は鉛板葺きでした。一方現存の南塔は、1145頃建設が始められ、もともとの四角錐から八角錐、高さ105 mの塔として1160年頃完成しました。現存の王の扉口とその彫刻群を含む西側ファサードもほぼ同時期に造られたものです。1194年の火災によって、これら新しく作られた2つの塔、西側ファサード、クリプトを残して教会はまたもや焼失しました。焼け残った部分以外の教会の再建は全てゴシック様式で火災直後から始まり、1260年頃にはほぼ現在に近い教会が完成し、献堂されました。建築費用は司教、聖堂参事会員、民衆、さらには王や領主の寄進によります。その後、西ファサード北塔の4階部分、聖具室も完成し、1326年には聖ピア礼拝堂、1417年にはヴァンドーム(Vendome)によって自分の名前を有する礼拝堂、1513年にはジャン・テクシェ(Jean Techer)によって高さ113 mのフランボワイヤン様式の北塔が完成し、1530には同じくジャン・テクシェによって40のニッチを有する内陣壁が完成しました。しかし、このニッチに全ての彫像が入ったのは1714年のことです。1753年にはブリダン(Charles-Antoine Bridan)によって、主祭壇の聖母被昇天の像が完成し、その後いくつかの災害にあいましたが、致命的な損傷もなくて現在に至っており、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されています。<br />

    さて、帰るとしますか。

    付録
    歴史
    4世紀にシャルトルの初代司教アウェンティヌス(Aventinus)によって建てられた最初の教会は、743年フランク王国(Royaumes francs)と対立するアキテーヌ公(duc d’Aquitaine)に焼かれ、2代目の教会も858年、ノルマン人の一派であるデーン人の海賊に焼かれました。時のシャルトル司教ジルベール(Gislebert de Chartres)はクリプト(地下聖堂)を有して規模を大きくした3代目の教会を876年に再建し、フランク王シャルル2世(Charles II le Chauve, 823-877)が聖遺物(聖母マリアが生前に来ていたヴェール)を寄進して、シャルトルは全ヨーロッパの巡礼の地となりました。この教会も戦乱によって962年に焼け落ち、4代目の教会が建設されました。しかし、これも1020年の火災でクリプトを残して大部分が焼失しました。時の司教聖フュルベール(Fulbert de Chartres, 960-1028)はヨーロッパのさまざまな君主から援助を受け、5代目の教会をロマネスク様式で建設しました。この教会は1134年の街の火災で大きな損傷をうけ、直ちに北塔の建設始められ、1150年頃完成しました。当時は三階までしかなく屋根は鉛板葺きでした。一方現存の南塔は、1145頃建設が始められ、もともとの四角錐から八角錐、高さ105 mの塔として1160年頃完成しました。現存の王の扉口とその彫刻群を含む西側ファサードもほぼ同時期に造られたものです。1194年の火災によって、これら新しく作られた2つの塔、西側ファサード、クリプトを残して教会はまたもや焼失しました。焼け残った部分以外の教会の再建は全てゴシック様式で火災直後から始まり、1260年頃にはほぼ現在に近い教会が完成し、献堂されました。建築費用は司教、聖堂参事会員、民衆、さらには王や領主の寄進によります。その後、西ファサード北塔の4階部分、聖具室も完成し、1326年には聖ピア礼拝堂、1417年にはヴァンドーム(Vendome)によって自分の名前を有する礼拝堂、1513年にはジャン・テクシェ(Jean Techer)によって高さ113 mのフランボワイヤン様式の北塔が完成し、1530には同じくジャン・テクシェによって40のニッチを有する内陣壁が完成しました。しかし、このニッチに全ての彫像が入ったのは1714年のことです。1753年にはブリダン(Charles-Antoine Bridan)によって、主祭壇の聖母被昇天の像が完成し、その後いくつかの災害にあいましたが、致命的な損傷もなくて現在に至っており、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されています。

  • ステンドグラスは昼間外から見ると灰色なのに、中から見ると実に鮮やかな色彩を放ちます。以下、図を使ってその理由を説明します。ステンドグラスの説明の前に準備として何故葉は緑かの説明です。太陽光は白色ですが、青から赤まで連続的に変化するたくさんの色を含んでいます。虹はその色が分解されて見え、一般に7色と言われてますが、正確には無限色です。一方で光の3原色は青、赤、緑の3色で、この3色の組み合わせですべての色を作り出せます。そこで太陽光は青、赤、緑の3色だけを含むとして話を薦めましょう。葉には光合成をする葉緑素が含まれていますが、この葉緑素は青と赤の光だけを吸収して緑の光を吸収しません。結果として緑の光が葉から飛び出し、葉は緑色に見えるわけです。では紅葉は?となる訳ですが、本旅行記とは無関係ですので、省きます。

    ステンドグラスは昼間外から見ると灰色なのに、中から見ると実に鮮やかな色彩を放ちます。以下、図を使ってその理由を説明します。ステンドグラスの説明の前に準備として何故葉は緑かの説明です。太陽光は白色ですが、青から赤まで連続的に変化するたくさんの色を含んでいます。虹はその色が分解されて見え、一般に7色と言われてますが、正確には無限色です。一方で光の3原色は青、赤、緑の3色で、この3色の組み合わせですべての色を作り出せます。そこで太陽光は青、赤、緑の3色だけを含むとして話を薦めましょう。葉には光合成をする葉緑素が含まれていますが、この葉緑素は青と赤の光だけを吸収して緑の光を吸収しません。結果として緑の光が葉から飛び出し、葉は緑色に見えるわけです。では紅葉は?となる訳ですが、本旅行記とは無関係ですので、省きます。

  • ステンドグラスは英語で stained glass と書きますが、このstain 汚す、着色するといった意味を持ちます。私たちになじみ深い言葉で「ステンレス」がありますが、これは”stainless steel” の略でstainがない→汚れがない→錆びない、となります。さて”stained glass” は日本語に訳せば「着色ガラス」となります。何故色が着くかということですが、ガラスに不純物を僅かに混ぜます。図の例は青い色を出す場合です。不純物としてはコバルト等を使いますが、コバルトは青の光だけを透過させ、他の色の光を吸収します。したがって、内部に光源がない建物中にいる人の目には青い色の光だけが到達し、青く見えることになります。外にいる人はどうかというと、青い光は建物内部に入ってしまい、他の色の光は吸収されてしまいますから、光は見えない、つまり黒く見えることになります。実際には灰色に見えますが、これは、透過や吸収が完全でないことによります。他の色はどうするかというと、緑の場合はクロム、鉄、銅、黄色は銀、ニッケル、クロム、カドミウム、オレンジ色はセレン+カドミウム、赤は金、銅、コバルト、セレン+カドミウムといった元素を不純物としてまぜます。グラデーションは不純物濃度を不均一にすることで出せます。こうして作った様々な色のガラスを、断面がH型の鉛ワイヤーを使いて、凹部に差し込んで接続するとカラーの絵ができます。

    ステンドグラスは英語で stained glass と書きますが、このstain 汚す、着色するといった意味を持ちます。私たちになじみ深い言葉で「ステンレス」がありますが、これは”stainless steel” の略でstainがない→汚れがない→錆びない、となります。さて”stained glass” は日本語に訳せば「着色ガラス」となります。何故色が着くかということですが、ガラスに不純物を僅かに混ぜます。図の例は青い色を出す場合です。不純物としてはコバルト等を使いますが、コバルトは青の光だけを透過させ、他の色の光を吸収します。したがって、内部に光源がない建物中にいる人の目には青い色の光だけが到達し、青く見えることになります。外にいる人はどうかというと、青い光は建物内部に入ってしまい、他の色の光は吸収されてしまいますから、光は見えない、つまり黒く見えることになります。実際には灰色に見えますが、これは、透過や吸収が完全でないことによります。他の色はどうするかというと、緑の場合はクロム、鉄、銅、黄色は銀、ニッケル、クロム、カドミウム、オレンジ色はセレン+カドミウム、赤は金、銅、コバルト、セレン+カドミウムといった元素を不純物としてまぜます。グラデーションは不純物濃度を不均一にすることで出せます。こうして作った様々な色のガラスを、断面がH型の鉛ワイヤーを使いて、凹部に差し込んで接続するとカラーの絵ができます。

この旅行記のタグ

218いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フランスで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
フランス最安 318円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

フランスの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP