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<br />1988年3月20日、エルウッドからアルジェリアとチュニジアの国境へ行く。<br /> 出国するときに、1000アルジェリアディナール(公定レートで25000円)強制両替が不足で、300ディナール(7500円)追加で、両替させられた(涙)。<br /><br />アルジェの空港から入国した理由は、強制両替を避けるためだったんだけどね。<br /> 確かに、入国時の強制両替はなかったが、陸路出国時に強制両替があったわけだ(涙)。<br /><br />でも、実勢レートで両替していたら、両替のレシートがないわけだから、国境で全額両替させられることになる。<br />そう考えれば、300ディナールの損で済んでよかったといえるかも知れない。<br /><br />まあ、海外個人旅行ではいろいろなトラブルがあるが、深刻に考えても、どうにもならないことが多い。<br />だったら、忘れてしまうことだね(笑)。<br /><br />今は強制両替という話はほとんど聞かなくなった。<br /> 強制両替については、別の項目で、書いてみたいと思います。<br /><br />さて、アルジェリアを出国したら、次はチュニジア入国だ。<br />チュニジアは観光立国なので入国に何の問題もない。<br /><br />パスポートに入国スタンプが押される。<br /> 無事に入国を済ませても、チュニジア国境のポストの周囲には何もない。<br /><br />ここから町へはローカルバスがあるというので、それを待つことにする。<br /><br />日陰に座り込んで、ぼんやりとバスが来る方向の道を眺めている。<br />いやに派手なモーターサイクルが2台と4WDが1台やってきた。<br /><br />乗っているのはフランス人のようだ。<br /> 可愛い女の子もいるし、まるでパリダカールラリーから抜け出して来たような、派手派手ファッションだ。<br /><br />暇なのでフランス語で話しかけてみる。<br /> 男の子が持っていたオレンジを1個くれた。<br /><br />何をしているのかと聞くので、まだ日本を出て7か月しか経ってなかったが、「世界一周旅行だ」と言う<br /> この頃は本当に世界一周をするとは思ってなかったのだ。それが現実になっちゃったんだけれどね。<br /><br />ファッションで負けているので、せめて旅行ぐらい大げさにしようという訳だ。<br /> 何しろ僕の格好と言ったら、ロンドンで買った香港製のジーンズにアメ横の中田商店で買った米軍のアーミージャケット。<br /><br />靴もぼろぼろのスニーカーだ。<br /> 映画から抜け出したようなファッションと美男美女のフランス人の、金持ちらしいぴかぴかの車やバイクの横に来るとちょっと恥ずかしい。<br /><br />いつもヒッチハイクをしているのか」と聞いてくる。<br />どうやら彼らは、僕が話しかけたのは車に乗せてほしいからだと思っているらしい。<br /><br />それは違う。<br /> 出来るだけローカルな交通機関を使った方が楽しいと思うしね。<br /><br />「ヒッチするつもりじゃないんだよ」と説明して、彼らを見送る。<br /> 結局1時間ほど待ったころ、ぼろぼろのローカルバスが到着した。<br /><br />これに乗り込んで、ネフタという小さなオアシスを過ぎ、トゥズールへたどり着く。<br />バスにはエルウッドから一緒だった、新婚旅行のアルジェリア人夫婦が乗っていた。<br /><br />手元には無理やり両替させられたアルジェリアディナールがある。<br />ガイドブックによるとこの金は「国外では紙屑だ」というのだから持ってても仕方がない。<br /><br />持ってるだけで癪にさわるし、いくらなんでも捨てる訳にはいかない。<br />この新婚夫婦はアルジェリア人なのだから、あげれば役に立つだろう。<br /><br />新婚旅行のプレゼントだ」と言って、ありったけのDAをバスの降り際に渡したら、二人はポカンとしていた。<br /> 実はこれも大失敗だったんだけどね。<br /><br />バスを降りて、誰かに道を聞かなければとまわりをぐるーりと見回す。<br />と、いやに大げさにTシャツを肩までまくりあげて頭にタオルを巻き、大きなカメラを振り回している東洋人が目に入った。<br /><br />なんだこりゃ!日本人だよ。<br />そのときは日本のテレビ番組の撮影だ、とピンと来た。<br /><br />こんな所までやってきて、いい加減な情報をもっともらしくでっちあげていると言う訳だ。<br />まあいいさ、こういう連中でも町の地理ぐらいは知っているだろう。<br /><br />「こんにちは!ご苦労さんです。撮影ですか?」と挨拶する。<br />が、まるで幽霊でも見るような目で僕を見て、ぼそぼそと挨拶を返す。<br /><br />陰気な連中だなー。<br />どうも頼りになる雰囲気ではないので、横にいた通訳らしい現地人にフランス語で町の中心の方角を聞いて、バックパックを背負ったまま歩き出す。<br /><br />結構まともなホテルオアシス(HOTEL L’OASIS)にチェックインする。<br /> 136号室。<br /><br />ベランダからひょうたん型のプールが見下ろせる、ツィンベッドの奇麗な部屋だ。<br />これは観光客用のリゾートホテルだ。<br /><br />料金は日本円で2500円ほど。<br />これはとてもステキなホテルでした。<br /><br />さっそく水着に着替えてプールサイドに出て、ジャックナイフ型のダイブを繰り返す。<br />フランス人らしい金髪の5~6歳の男の子が、東洋人を初めて見たのか、口をあんぐり開けて僕を見ていた。<br /><br />プールのまわりはナツメ椰子の林になっている。<br />デッキチェアに横たわって、冷たいビールを飲みほす。<br /><br />チュニジアに入ってやっとビールが飲めて、本当に幸せだ。<br /> 少し休んだあと町の広場に行き、回りを囲む土産物屋を冷やかす。<br /><br />やはりここは観光地らしく、中には日本語で」安いよ!」と声をかけてくる店まである。<br />アルジェリアと比べると、にぎわいが比較にならない。<br /><br />ちょっと気になって、アルジェリアディナールが両替出来るかどうか聞く。<br />となんと、正規両替の率からはとても悪いレートだが、ディナールだって替えられるという話。<br /><br />しまった!<br />あれほど騙されたガイドブックなのに、また信じて、大金を新婚夫婦にあげてしまったのだ…。<br /><br />でも仕方ない。<br /> 過ぎ去ったことを悔やんでいては旅行は出来ない。<br /><br />広場に面した喫茶店のはり出したベランダのテーブルでミルクティーを飲む。<br /> 向こうから日本人のおばさん連中が3人ほどやってくる。<br /><br />なんてこった!ここへは日本からのツアーまで来てるのだ。<br /> 中年のおばさんたちらしいが、真ん中を歩いてくるのはまあまあのレベルだ。<br /><br />「お茶でも飲みませんかぁー?」と、明るく声をかける。<br /> 3人は僕に近づいて来た。<br /><br />1人が」あなたスタッフの人?」と聞く。<br />いやに態度の大きい女だ。<br /><br />でも良く見ると、どこかで見たことがある顔だ。<br />これはたしか映画女優様じゃないか!<br /><br />「あ~っ!有名人だ!」と叫んでしまった。<br />しかしどうしても名前を思い出せない。<br /><br />パリダカールラリーの映画の撮影で来ていたらしい。<br /> 最初に出会った撮影クルーも、テレビではなくて、映画の撮影だったわけだね。<br /><br />オアシスホテルは、日本でホテルオークラのペントハウスに泊まった時以来の久しぶりの豪華な部屋。<br />チュニジアだからビールもある。<br /><br />眠るのがもったいなく、夜は遅くまで起きていた。<br />モロッコを旅して、アルジェリアを通り過ぎ、チュニジアへ入国した。<br /><br />これで北アフリカ3国(マグレブ)を横断したわけだ。<br /> 次はヨーロッパを通って、ロンドンへ戻るわけだが。<br /><br />チュニスから、どこへ向かうか。<br /> 出来たら船旅と行きたいものだが…。<br /><br />ま、それは、チュニスへ行って、考えましょう。

アルジェリアから陸路国境を越えて、チュニジアへ入国し、トゥズールで日本の映画撮影隊を見て、オアシスホテルのプールで泳ぐ。@トゥズール/チュニジア

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1987/09/07 - 1990/05/05

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みどくつ

みどくつさん


1988年3月20日、エルウッドからアルジェリアとチュニジアの国境へ行く。
出国するときに、1000アルジェリアディナール(公定レートで25000円)強制両替が不足で、300ディナール(7500円)追加で、両替させられた(涙)。

アルジェの空港から入国した理由は、強制両替を避けるためだったんだけどね。
確かに、入国時の強制両替はなかったが、陸路出国時に強制両替があったわけだ(涙)。

でも、実勢レートで両替していたら、両替のレシートがないわけだから、国境で全額両替させられることになる。
そう考えれば、300ディナールの損で済んでよかったといえるかも知れない。

まあ、海外個人旅行ではいろいろなトラブルがあるが、深刻に考えても、どうにもならないことが多い。
だったら、忘れてしまうことだね(笑)。

今は強制両替という話はほとんど聞かなくなった。
強制両替については、別の項目で、書いてみたいと思います。

さて、アルジェリアを出国したら、次はチュニジア入国だ。
チュニジアは観光立国なので入国に何の問題もない。

パスポートに入国スタンプが押される。
無事に入国を済ませても、チュニジア国境のポストの周囲には何もない。

ここから町へはローカルバスがあるというので、それを待つことにする。

日陰に座り込んで、ぼんやりとバスが来る方向の道を眺めている。
いやに派手なモーターサイクルが2台と4WDが1台やってきた。

乗っているのはフランス人のようだ。
可愛い女の子もいるし、まるでパリダカールラリーから抜け出して来たような、派手派手ファッションだ。

暇なのでフランス語で話しかけてみる。
男の子が持っていたオレンジを1個くれた。

何をしているのかと聞くので、まだ日本を出て7か月しか経ってなかったが、「世界一周旅行だ」と言う
この頃は本当に世界一周をするとは思ってなかったのだ。それが現実になっちゃったんだけれどね。

ファッションで負けているので、せめて旅行ぐらい大げさにしようという訳だ。
何しろ僕の格好と言ったら、ロンドンで買った香港製のジーンズにアメ横の中田商店で買った米軍のアーミージャケット。

靴もぼろぼろのスニーカーだ。
映画から抜け出したようなファッションと美男美女のフランス人の、金持ちらしいぴかぴかの車やバイクの横に来るとちょっと恥ずかしい。

いつもヒッチハイクをしているのか」と聞いてくる。
どうやら彼らは、僕が話しかけたのは車に乗せてほしいからだと思っているらしい。

それは違う。
出来るだけローカルな交通機関を使った方が楽しいと思うしね。

「ヒッチするつもりじゃないんだよ」と説明して、彼らを見送る。
結局1時間ほど待ったころ、ぼろぼろのローカルバスが到着した。

これに乗り込んで、ネフタという小さなオアシスを過ぎ、トゥズールへたどり着く。
バスにはエルウッドから一緒だった、新婚旅行のアルジェリア人夫婦が乗っていた。

手元には無理やり両替させられたアルジェリアディナールがある。
ガイドブックによるとこの金は「国外では紙屑だ」というのだから持ってても仕方がない。

持ってるだけで癪にさわるし、いくらなんでも捨てる訳にはいかない。
この新婚夫婦はアルジェリア人なのだから、あげれば役に立つだろう。

新婚旅行のプレゼントだ」と言って、ありったけのDAをバスの降り際に渡したら、二人はポカンとしていた。
実はこれも大失敗だったんだけどね。

バスを降りて、誰かに道を聞かなければとまわりをぐるーりと見回す。
と、いやに大げさにTシャツを肩までまくりあげて頭にタオルを巻き、大きなカメラを振り回している東洋人が目に入った。

なんだこりゃ!日本人だよ。
そのときは日本のテレビ番組の撮影だ、とピンと来た。

こんな所までやってきて、いい加減な情報をもっともらしくでっちあげていると言う訳だ。
まあいいさ、こういう連中でも町の地理ぐらいは知っているだろう。

「こんにちは!ご苦労さんです。撮影ですか?」と挨拶する。
が、まるで幽霊でも見るような目で僕を見て、ぼそぼそと挨拶を返す。

陰気な連中だなー。
どうも頼りになる雰囲気ではないので、横にいた通訳らしい現地人にフランス語で町の中心の方角を聞いて、バックパックを背負ったまま歩き出す。

結構まともなホテルオアシス(HOTEL L’OASIS)にチェックインする。
136号室。

ベランダからひょうたん型のプールが見下ろせる、ツィンベッドの奇麗な部屋だ。
これは観光客用のリゾートホテルだ。

料金は日本円で2500円ほど。
これはとてもステキなホテルでした。

さっそく水着に着替えてプールサイドに出て、ジャックナイフ型のダイブを繰り返す。
フランス人らしい金髪の5~6歳の男の子が、東洋人を初めて見たのか、口をあんぐり開けて僕を見ていた。

プールのまわりはナツメ椰子の林になっている。
デッキチェアに横たわって、冷たいビールを飲みほす。

チュニジアに入ってやっとビールが飲めて、本当に幸せだ。
少し休んだあと町の広場に行き、回りを囲む土産物屋を冷やかす。

やはりここは観光地らしく、中には日本語で」安いよ!」と声をかけてくる店まである。
アルジェリアと比べると、にぎわいが比較にならない。

ちょっと気になって、アルジェリアディナールが両替出来るかどうか聞く。
となんと、正規両替の率からはとても悪いレートだが、ディナールだって替えられるという話。

しまった!
あれほど騙されたガイドブックなのに、また信じて、大金を新婚夫婦にあげてしまったのだ…。

でも仕方ない。
過ぎ去ったことを悔やんでいては旅行は出来ない。

広場に面した喫茶店のはり出したベランダのテーブルでミルクティーを飲む。
向こうから日本人のおばさん連中が3人ほどやってくる。

なんてこった!ここへは日本からのツアーまで来てるのだ。
中年のおばさんたちらしいが、真ん中を歩いてくるのはまあまあのレベルだ。

「お茶でも飲みませんかぁー?」と、明るく声をかける。
3人は僕に近づいて来た。

1人が」あなたスタッフの人?」と聞く。
いやに態度の大きい女だ。

でも良く見ると、どこかで見たことがある顔だ。
これはたしか映画女優様じゃないか!

「あ~っ!有名人だ!」と叫んでしまった。
しかしどうしても名前を思い出せない。

パリダカールラリーの映画の撮影で来ていたらしい。
最初に出会った撮影クルーも、テレビではなくて、映画の撮影だったわけだね。

オアシスホテルは、日本でホテルオークラのペントハウスに泊まった時以来の久しぶりの豪華な部屋。
チュニジアだからビールもある。

眠るのがもったいなく、夜は遅くまで起きていた。
モロッコを旅して、アルジェリアを通り過ぎ、チュニジアへ入国した。

これで北アフリカ3国(マグレブ)を横断したわけだ。
次はヨーロッパを通って、ロンドンへ戻るわけだが。

チュニスから、どこへ向かうか。
出来たら船旅と行きたいものだが…。

ま、それは、チュニスへ行って、考えましょう。

旅行の満足度
4.0

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