◎美ヶ原高原から諏訪大社

2016/09/15 - 2016/09/17

（写真は万治の石仏）

台風が迫っている。下関行きを一旦延期し、信濃の国を廻ることにする。　しばらく山にも行ってないのでまずは美ヶ原高原へ、天気次第では十五夜が見れるかもしれません。次いで松本市内、そして諏訪大社下社に寄ってみます。ひとつだけ想定外の出会いがありました。それが万治の石仏です。

・気が付けば形見の時計今日も四時

・子規の歌横臥し見ればなお悲し

・悠々と出立すべし秋の旅

エリア 美ヶ原高原(長野)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: JR特急

美ヶ原高原、美しの塔

　以前来たときは、単なる溶岩台地に見えましたが、標高2,000ｍに600haもの広大な火山性台地があるのです。やっと周辺部から浸食が始まったように見えます。ただ火山と言っても数百万年前の話であって、火口があって溶岩が流れ出たという感じではありません。少し離れた南側には八島湿原がありますが、美ヶ原もくぼ地状であったなら見事な湿原になっていたことでしょう。

前方の鉄塔が建っているところが「王ケ頭/おうがとう」で、標高2,034ｍ、美ヶ原の最高地点です。天気が良ければ百名山のうち４０以上が見えるとか。

一帯は「美ヶ原牧場」となっており、たくさんの牛や馬が草を食んでおりました。標高2,000ｍとなると木は生えず、この広さは牧場に適しているようです。草地の中にキジの子を5?6羽見つけました。そのほか鹿、狐などがいるようです

王ケ頭（おうがとう）、御嶽神社

　美ヶ原高原一帯はホテルが数軒しかなく、公共交通も少なくなり、随分と寂れてしまった感じです。

王ケ頭　2､034ｍ

　このあたりから王ケ鼻にかけては”鉄平石”と呼ばれる板状節理が特徴の輝石安山岩から成る。また広く石英閃緑岩の貫入があるようだ。霧ヶ峰から美ヶ原にかけてはフォッサマグナや中央構造線が交わる場所でもあり、まさに日本の骨格の要ともいえる地域なのです。

美ヶ原高原美術館

　標高2,000ｍに拡がる屋外美術館です。以下気になった作品４点をご覧ください。作者名はメモしておりません。あまりにも訪問者が少ないので宣伝を兼ねて。

美ヶ原高原美術館２

　●理解できないこと①：ＳＭＡＰというグループがいた。彼らの解散をビートルズに例えた者がいた。が、それはちがう。
ビートルズはミュージシャンでありアーティストでさえある。かれらに影響を受けなかったミュージシャンがいるだろうか。詩を造り、作曲し、演奏し、歌い、彼らだけで自己完結する。詩を作るだけなら作詞家であり、曲なら作曲家、演奏なら演奏家、唱うだけなら歌手という。
じゃあＳＭＡＰは何者？　作詞・作曲はもちろん演奏もできず、さらにハモれない、踊れないときては、ビートルズと比較するなどありえない話だ。　私から言えば彼らはアラフォー・バラドル（バラエテイアイドル）に過ぎない。
中居がＭＣとしてやってけるかって？　どうでしょうか。キムタクが役者になれるかって。映画2048でも明らかなように監督があまりの演技力の無さに、また語学力の貧弱さに出番をほとんど無くしたというくらいのレベルで、それは海外に行けばはっきりする。彼らは一人として個人で勝負できる実力も才能もない。「ＳＭＡＰ」の一員であればこその人気に過ぎない。周りのお膳立てなしではなにひとつできないでしょう。
日本にも尊敬すべきミュージシャンはいる。私は井上揚水がその代表だと思っている。ＳＭＡＰはバラドルとして私も評価している。　長い間お疲れ様でした。

美ヶ原高原美術館３

　天使も踊っている

美ヶ原高原美術館４

　くり抜いて向こうがみえるよう・・・

マツムシソウ

　そのほか、ハクサンフウロ、ヤマハハコ､ウメバチソウ、キオン、ノアザミなどがわずか残っておりました。通常は6-8月に咲く花々です。

　・天津風フウロの如くピンク色

松本城

　松本藩は六家二十三代の藩主が続くのですが（石川氏、小笠原氏など）、城は現在国宝（日本に４城のみ）に指定され有名ですが、戦略上高遠城や諏訪高島城、上田城に比べあまり重要視されなかったようです。だから残ったともいえます。

諏訪大社、下社秋宮　神楽殿

　前回は上社（前宮、本宮）だったので、今回は下社（秋宮、春宮）を廻ります。秋宮は日本最大の青銅製狛犬が見守っています。
さて諏訪大社とはどれぐらい古いのか、出雲大社や縄文人、また仏教との関係は？神社とはもともと氏族を祀るものから始まり、部落を、地域を、そして国を祀るものと変遷していったと考えられます。政事（まつりごと）とは祀事（〃）であり、祭事（〃）でもあります。

諏訪大社、下社秋宮　幣拝殿/片拝殿

　諏訪大社に本殿はありません。神教においてご神体は自然の山（守屋山）だったり、ご神木（イチイ、杉）だったからです。　拝殿ができたのも仏教において立派な仏閣が建てられた対抗上と考えられます。　それにしても外来の仏教がこれほど簡単に日本人に受け入れられたとは驚きです。　さぞかし裏には大きな政争が絡んでいることでしょうね。　物部氏、蘇我氏、藤原氏・・・
なお諏訪大社の御祭神は建御名方神（ﾀｹﾐﾅｶﾀﾉｶﾐ）であり、あの出雲の大国主命（ｵｵｸﾆﾇｼﾉﾐｺﾄ）の御子神である。

諏訪大社、下社春宮　神楽殿

　秋宮から中山道を西北へ15分ほど歩き、下諏訪宿本陣、慈雲寺を経て春宮に至る。

　

諏訪大社、下社春宮　幣拝殿/片拝殿

　右側の柱が今年建てられた御柱のひとつです。四社それぞれまるで結界を張るように神殿の四隅に建てられるので、４X４＝１６本が建つことになります。　縄文の時代から糸魚川のヒスイが全国に広まったように、こんな山奥にも越（こし）の国を経て出雲や、尾張を経て大和の国と交流があったようです。

　・山越えて千年繋ぐ御ばしら

万治の石仏１

　この石仏は予定外の出会いでした。春宮の隣りにありました。お腹の模様を見てください。　逆卍や太陽、月が、そして南無阿弥陀仏と彫ってあります。　どこかでお会いしたような顔立ちでしたが思い出せません。思い出さないほうがいいかもしれません。

万治の石仏２

　万治とは17世紀中頃の年号ですが、すべてを平穏に治めるとか病気を治すとかの意味のようにも思えます。神社の隣り、浄土系密教遺跡です。

　・石仏や稲穂に埋もれ満腹げ

※今回の予算　
　　　ＪＲ特急　　　・・・・約11,000
　　　宿泊２泊３食　・・・・約17,000
　　　入場料２ケ所　・・・　約 1,500　　　計約3万円

　次回は山陰、山陽道あたりの予定です。