西予・鬼北・松野旅行記(ブログ) 一覧に戻る
以前も愛媛県南予地方の鍾乳洞を旅行記で取り上げたが、この地方は愛媛県に於いて、鍾乳洞が比較的多い。<br /><br />まず向かったのは大洲市唯一の鍾乳洞「大川鍾乳洞」。肱川の支流・橡元(とちもと)川のそのまた支流沿いにある。<br />奥行が20mと短いものの、洞内は立体的で、傾斜角15〜70度もある。それでも一応、入口から出口にかけての通路は難なく通ることができる。<br /><br />入口からのルートは石柱や石筍が見られる広間に達すると向きを変え、坂道となって出口へと上がって行く。<br />入口に石標が建っているものの、内部照明はないので、懐中電灯やヘルメットは必須。また、この鍾乳洞に関する道標は車道沿いに一切なく、入口の石標も車道から奥まった場所に建てられているため、気を付けて見ないと見過ごしてしまう。鍾乳洞橋(橋名は読み辛いかも知れない)西袂から南に入った所に入口がある。<br /><br />次は愛媛県に於いて、そうめん流しで有名な鬼北町の安森洞へ。そうめん流し期間外は管理人がいないため、事前に自治体に連絡して管理人を紹介して貰っていた。尤も入口の扉の開閉や照明点灯は、管理人がいなくてもできそうではあるが。<br /><br />洞窟から流れ出る水を利用したそうめん流しは昭和56年、「安森鍾乳洞保存会」によって始められたが、安森洞と安森鍾乳洞は全くの別物。<br />昭和34年、安森洞から1キロほど離れた山中で深さ16mの竪穴の鍾乳洞が発見され、「安森鍾乳洞」と命名された。そして前述の保存会が結成され、専門家を交えての調査が進められた。<br /><br />しかし観光洞に成りえるような規模ではなかったため、昭和46年、保存会は今度、「樽渕の水穴」という地下水が流れる洞窟の掘削を手作業で始める。奥に掘り進めば、規模の大きな鍾乳石群が現れるのではないか、という期待を込めてのことだったが、遂に発見には至らず、昭和54年、掘削を中止する。<br /><br />その際の慰労会で食べた冷やしそうめんをヒントに、洞窟から流れ出る水でそうめん流しを行うことになり、自治体から補助を受けて施設を建設、洞窟名を「安森洞」に改称した次第。<br /><br />掘り進めた安森洞の全長は約70m。近年は地下水の量が多くなっているため、長靴を履かないと入洞できない。<br />安森洞の左にも水穴があり、ここから流れ出る水は釣り堀(期間限定)に利用されている。その水穴の右の岩盤からは滝が落ちているが、この水はポンプアップされているという。<br /><br />最後は西予市の穴神鍾乳洞。現在、愛媛県唯一の有料観光鍾乳洞となっているだけに、鍾乳石群の見応えも県随一。全長は約75mで出口手前には縄文遺跡「穴神洞遺跡」がある。この遺跡は古くから知られていたが、そこから奥に続く「穴神鍾乳洞」が発見されたのは昭和44年、地元の中学生によってだった。<br /><br />穴神鍾乳洞右側には溶食痕があるが、中生代ジュラ紀の鳥ノ巣石灰岩に形成されている。内部も各種氷柱石、石柱、石筍、フローストーン、カーテン等が美しく発達している。但し、何割かは縄文人によって破壊されている。<br /><br />入洞申し込みは鍾乳洞南方の川崎商店かその南のJA(TEL0894-83-1008・木曜定休)へ。JAは看板が出ていないので分かり辛いが、岩本商店北側の建物。入洞料は200円。

南予の三ヶ所の洞窟を一日で探訪

11いいね!

2014/09/07 - 2014/09/07

39位(同エリア75件中)

0

28

マローズ

マローズさん

以前も愛媛県南予地方の鍾乳洞を旅行記で取り上げたが、この地方は愛媛県に於いて、鍾乳洞が比較的多い。

まず向かったのは大洲市唯一の鍾乳洞「大川鍾乳洞」。肱川の支流・橡元(とちもと)川のそのまた支流沿いにある。
奥行が20mと短いものの、洞内は立体的で、傾斜角15〜70度もある。それでも一応、入口から出口にかけての通路は難なく通ることができる。

入口からのルートは石柱や石筍が見られる広間に達すると向きを変え、坂道となって出口へと上がって行く。
入口に石標が建っているものの、内部照明はないので、懐中電灯やヘルメットは必須。また、この鍾乳洞に関する道標は車道沿いに一切なく、入口の石標も車道から奥まった場所に建てられているため、気を付けて見ないと見過ごしてしまう。鍾乳洞橋(橋名は読み辛いかも知れない)西袂から南に入った所に入口がある。

次は愛媛県に於いて、そうめん流しで有名な鬼北町の安森洞へ。そうめん流し期間外は管理人がいないため、事前に自治体に連絡して管理人を紹介して貰っていた。尤も入口の扉の開閉や照明点灯は、管理人がいなくてもできそうではあるが。

洞窟から流れ出る水を利用したそうめん流しは昭和56年、「安森鍾乳洞保存会」によって始められたが、安森洞と安森鍾乳洞は全くの別物。
昭和34年、安森洞から1キロほど離れた山中で深さ16mの竪穴の鍾乳洞が発見され、「安森鍾乳洞」と命名された。そして前述の保存会が結成され、専門家を交えての調査が進められた。

しかし観光洞に成りえるような規模ではなかったため、昭和46年、保存会は今度、「樽渕の水穴」という地下水が流れる洞窟の掘削を手作業で始める。奥に掘り進めば、規模の大きな鍾乳石群が現れるのではないか、という期待を込めてのことだったが、遂に発見には至らず、昭和54年、掘削を中止する。

その際の慰労会で食べた冷やしそうめんをヒントに、洞窟から流れ出る水でそうめん流しを行うことになり、自治体から補助を受けて施設を建設、洞窟名を「安森洞」に改称した次第。

掘り進めた安森洞の全長は約70m。近年は地下水の量が多くなっているため、長靴を履かないと入洞できない。
安森洞の左にも水穴があり、ここから流れ出る水は釣り堀(期間限定)に利用されている。その水穴の右の岩盤からは滝が落ちているが、この水はポンプアップされているという。

最後は西予市の穴神鍾乳洞。現在、愛媛県唯一の有料観光鍾乳洞となっているだけに、鍾乳石群の見応えも県随一。全長は約75mで出口手前には縄文遺跡「穴神洞遺跡」がある。この遺跡は古くから知られていたが、そこから奥に続く「穴神鍾乳洞」が発見されたのは昭和44年、地元の中学生によってだった。

穴神鍾乳洞右側には溶食痕があるが、中生代ジュラ紀の鳥ノ巣石灰岩に形成されている。内部も各種氷柱石、石柱、石筍、フローストーン、カーテン等が美しく発達している。但し、何割かは縄文人によって破壊されている。

入洞申し込みは鍾乳洞南方の川崎商店かその南のJA(TEL0894-83-1008・木曜定休)へ。JAは看板が出ていないので分かり辛いが、岩本商店北側の建物。入洞料は200円。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通手段
自家用車

PR

  • 大川鍾乳洞入口

    大川鍾乳洞入口

  • フローストーン

    フローストーン

  • 複雑怪奇な鍾乳石

    複雑怪奇な鍾乳石

  • 広間上にぶら下がるコウモリ

    広間上にぶら下がるコウモリ

  • 連なる穴

    連なる穴

  • 石筍になりかけか?

    石筍になりかけか?

  • 幅員が狭まった箇所

    幅員が狭まった箇所

  • 水穴(左)と安森洞(右)

    水穴(左)と安森洞(右)

    安森洞 名所・史跡

  • 水穴内にも水流が

    水穴内にも水流が

  • 水穴出口へ向かって勢いよく流れる

    水穴出口へ向かって勢いよく流れる

  • 水穴奥は水嵩があるため、長靴を履いても進めない。

    水穴奥は水嵩があるため、長靴を履いても進めない。

  • 水穴右に懸かる滝

    水穴右に懸かる滝

  • 安森洞渓谷だったか

    安森洞渓谷だったか

  • 安森洞渓谷の夫婦滝

    安森洞渓谷の夫婦滝

  • セメント通路が川と化した安森洞内

    セメント通路が川と化した安森洞内

  • 地底川は蛇行しながら勢いよく流れる

    地底川は蛇行しながら勢いよく流れる

  • 安森洞通路の最奥部。ここから先は水深が極端に深くなるため、立入禁止。

    安森洞通路の最奥部。ここから先は水深が極端に深くなるため、立入禁止。

  • 穴神洞入口は建物のよう。

    穴神洞入口は建物のよう。

  • 門神という名の氷柱石

    門神という名の氷柱石

  • ベルホール・・・水流が渦を巻き、石灰岩を溶かしていった跡

    ベルホール・・・水流が渦を巻き、石灰岩を溶かしていった跡

  • 洞穴サンゴ

    洞穴サンゴ

  • 「石の滝」という名のフローストーン

    「石の滝」という名のフローストーン

  • 高低差のある洞内

    高低差のある洞内

  • 宝殿・・・洞内で最も美しい鍾乳石群

    宝殿・・・洞内で最も美しい鍾乳石群

  • 「飾り幕」という名のカーテン

    「飾り幕」という名のカーテン

  • 「女神」という名の石筍と「神柱」という名の石柱

    「女神」という名の石筍と「神柱」という名の石柱

  • 滝のように落ちる地下水は地底川となる

    滝のように落ちる地下水は地底川となる

  • 縄文人の住居跡。人骨の他、隆起線文土器片や押型文土器片、石鏃等が出土した。

    縄文人の住居跡。人骨の他、隆起線文土器片や押型文土器片、石鏃等が出土した。

この旅行記のタグ

11いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

この旅行で行ったスポット

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP