アメリカ中西部の11州をめぐる旅行記です。いつもはレンタカーによる周遊ドライブとなるのですが，今回は10日間のアメリカ国内で，長距離電車（Amtrak）4回，長距離バス（Greyhound）6回，国内飛行機（American Airlines）5回，市内電車（ライトレール）8回，市内バス5回，などを乗り継いでの周遊旅行となりました。<br />第4編はカンザス州ウィチタを発って以降，シカゴ・オヘア空港をへてミネソタ州のミネアポリスおよびセントポールに滞在した時の内容です。緑に囲まれた自然豊かなミネアポリスと「チャーリーブラウン」の作者チャールズ・シュルツの生んだセントポールの街並みが印象深く残っています。<br /><br />各編の構成は<br />　　第1編：テキサス州　ダラス<br />　　第2編：オクラホマ州　オクラホマシティ<br />　　第3編：カンザス州　ウィチタ<br />　　第4編：ミネソタ州　ミネアポリス<br />　　第5編：ウィスコンシン州　ミルウォーキー<br />　　第6編：イリノイ州　シカゴ<br />　　第7編：ミシガン州　アナーバー<br />　　第8編：インディアナ州　インディアナポリス<br />　　第9編：オハイオ州　シンシナティ<br />　　第10編：ケンタッキー州　ルイビル<br />　　第11編：ミズーリ州　セントルイス<br />　　第12編：テキサス州ダラス・フォートワース空港から帰国へ<br />となります。<br />以上でアメリカの訪れた州の総数は44となりました。

アメリカ中西部11州の旅（第4編：ミネソタ州ミネアポリス）

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2016/06/24 - 2016/07/04

8位(同エリア235件中)

#街歩き

エリア

ミネアポリス(アメリカ)

旅行の満足度: 5.0

同行者: 一人旅

交通手段: 鉄道徒歩飛行機

旅行の手配内容: 個別手配

ウィチタを早朝5:45に飛び立ったAA2926は，約2時間でシカゴ・オヘア空港（O'Hare International Airport）に着いた
空港通路の売店で見かけた今シーズ絶好調のシカゴカブス（Chicago CUBS）のアリエタ（Jacob J. Arrieta）投手

今回の周遊旅行を計画する上で，いわゆる「一筆書き」が最も理に適うものと思って計画を立ててみたが，実際はこのシカゴ・オヘア空港のようにハブ方式で何度か重複しなければならなかった（実際，シカゴは今回の旅行でこれを含め3回通過することになった）
ウィチタでのドタバタがあったので急にお腹が減ったのを思い出した。ちゃんとした朝食を摂りたかったので，$16払って Traditional breakfastを注文する
次のフライトを待つ間に見つけたのがこれ，プリペイド方式の通話用SIMカードのようだった。実際に買いはしなかったが，$10~$20が相場なのかと

日本国内では滅多に使わないスマホ（携帯電話も）だが，今回だけは大活躍だった。
通話（ウィチタのカメラ騒動で実感）はもちろん，地図アプリ，検索用のブラウザ，国内との連絡用の無料通信アプリ，どれも欠くことができないものだった。何より旅行関係の資料すべてPDFファイルにして格納しておいたのが最大のメリットだった。（ところが，このスマホを飛行機の中で失くすという2度目の大失態がこの後に・・・）
例えば，こんな具合に空港内の見取図などをいつでも見られるようにしておいた（しかもスマホは拡大縮小が自在にできるので老眼の身にはもってこいだ）

次のAA4346便が定刻通りの10:10に出発，目的地のミネアポリスは晴れで75°F（24℃）とある
約1時間半のフライトでミネアポリス空港（Minneapolis−Saint Paul International Airport：MSP）に到着する，窓の外は空港の横を流れるアメリカを代表する大河ミシシッピ川（Mississippi）
38番目の訪問州ミネソタ州（Minnesota）のMSP空港に着いた。今回の旅行では手荷物をすべて機内へ持ち込んだので，Baggage Claimに立ち寄らずに済む。市内電車のMetro Transit 乗り場へ急ぐ。この空港は日本語表記もあるから助かる
MSP空港にはこんなアトリウムの天井があったりする。とりあえずスマホで市内電車Metro-Transitに乗る道順を確認する
Ground Transportの案内を見ながら
トラム（Concourse Tram）に乗ったりして
目的の Terminal 1 - Lindbergh 駅はこの先だ
自販機で乗車券を購入して Metro-Transit に乗り込む，10分間隔ぐらいで運行しているようだ
車窓からの風景，シカゴでは肌寒い曇り空だったが，ここミネアポリスでは快晴の気持ち良い天気に恵まれた
車窓からは緑に囲まれた街の風景が臨める

自販機で買ったチケット，$1.75で2時間半以内ならどこでどう使ってもよい仕組みだ（2枚連結）
時折，こうして自転車を持ち込んでくる乗客がいるのがアメリカ，このお嬢さんたちは勝手をよく知っていて，このコーナーに手際よく自転車を立て掛けた
緑の郊外からダウンタウンに近づいてきた，Government Plaza 駅の車窓から見えたのはミネアポリス市議会（Minneapolis City Council）
すると，何やら賑やかな集団が通り（Chicago Ave）を行進しているのが目に入った
老若男女いろいろ人が混じっている。通りの観衆も大いに盛り上がっている
あでやかな衣装を着た一団があったり
最初は地域のフェスティバルか何かだろうと思ったが，プラカードをよく見てみると，性的少数者（いわゆるLGBT）や無神論者（Atheist）への差別反対運動の一環のようだった
こうしたパフォーマンスに路上の観衆もやんやの喝采
メイン通りのChicago Avはこうして市内電車も通過するので，係の人が必死で通行を制御したりしながらもパレードは続く
変装衣装あり，踊りあり，楽器演奏あり，歌あり，パフォーマンスあり，とにかく華やかで賑やかなパレードだった。路上の観客も大いに楽しんでいるのが印象に残った
続いて降りたのが Target Field 駅
いわずと知れたミネソタツインズ（Minnesota Twins）の本拠地だ。Twinsはミネアポリスとセントポールの両市が双子都市と呼ばれることに由来する。
球団には強打者の捕手ジョー・マウワー（Joe Mauer）や剛腕投手の幟にあるアービン・サンタナ（Ervin Santana）などが所属している
今シーズンまだ本調子とはいかないようだが，例年しぶとい活躍を見せる
Target Field 駅で今度はGreen Lineに乗り換えて宿泊ホテルのセントポールへ向かう
Downtown East 駅からは多目的スタジアムの US Bank Stadium が見える。2018年にはアメフトのスーパーボウルも予定されている
East Bank 駅から見えたのは TCF Bank Stadium，アメリカンフットボールのミネソタ・ヴァイキングスの本拠地となっている
乗ること小一時間，セントポールのダウンタウンCentral駅で下車
宿泊ホテルにチェックイン後，手荷物を部屋に置いて身軽になって，周辺の散策に出かけた
徒歩15分ぐらいで広い公園の向こうに白い建物，ミネソタ州議事堂（State Capitol）が見えた。目下修復中のようだった
公園の中には，Peace Officers Memorialと記した記念碑があった。平和（秩序）維持に尽力した人々を顕彰したのだろうか。中央の石碑には次のような銘文があった。

Blessed are the peacemakers,
for they shall be callled
the children of God
Matthews 5;9

平和をつくり出す人たちは，さいわいである，
彼らは神の子と呼ばれるであろう。
マタイ伝福音書5章9節
アメリカの作家F・スコット・フィッツジェラルド（F. Scott Fitzgerald）はここセントポールで生まれた
セントポールが生んだ偉大な作家として忘れてならないのが，漫画「チャーリー・ブラウン (ピーナッツ) 」の生みの親，チャールズ・シュルツ（Charles M.Schulz）だ。彼はミネアポリスで生まれここセントポールで育った。2000年に亡くなった時もニュースとして全世界に流れた

彼を記念した漫画のキャラクターの像が街のあちこちに点在する。写真はMinnesota Children's Museumの隣，CANDYLANDという店頭に飾られていた
喉を潤すためのビールと昼食（予想外に超大盛だったナチョス）を食べた Wild Tymes という飲食店のオープンスペースの一角にもスヌーピーが置かれていた（2枚連結）
時間は前後するが，夕方回ったセントポール市の Landmark Center前のRice Park にあった（2枚連結）
Wabasha Stを進むとミシシッピ川に架かる橋がある
橋の中ほどまで進んでダウンタウン方向を眺める
橋の上から下流方向を眺める。世界一の長さを誇るアメリカの大河シシッピ川がセントポール市内を流れる
Wabasha St から中州へ降りる階段がある，ただ階段通路が網目上になっていて下が丸見えなので，水量が多く流れも早いミシシッピ川の上を渡る感じで少し怖い
中州からの眺め
ミシシッピ川の中州（Raspberry Islandの表示があった）は公園になっていて，住民の憩いの場となっているようだ。もう夕方というか夜に近い20時過ぎなのだが，結構多くの人とすれ違った
さらに川へを降りる階段もあって，念願のミシシッピ川の水に直接触れることができた。
実はこの6日後，ミズーリ州（Missouri）セントルイス（St Louis）で再びミシシッピ川に合うのだが
何かあったのだろうか，ミシシッピ川をボート（Saint Paul Fireと書かれている）で捜索でもしているようす
夜9時を回ってそろそろホテルに戻ろうと思う。チャーリーブラウンの像を見たRice Park の後背にはセントポール市の Landmark Centerがあった
これがセントポールでの宿泊ホテルのロビー，前日の宿屋（Inn）との違いに仰天
宿泊したHotel340，Booking.comのセールで予約したのだが，寝るだけの部屋にしてはもったいない感じがした。今回の旅行では2番目の価格だったが，評価はここが最も高い
明けて6月27日，目覚めも優雅に朝食会場で
朝のセントポール。Amtrakのユニオン駅まで徒歩10分で行ける距離だから，市内電車を静かに見送る
これがセントポールのユニオン駅（正確にはUnion Depot Station）。今日はここからAmtarkの”Empire Builder”号に乗車して，ウィスコンシン州（Wisconsin）ミルウォーキーへ向かう
なかを進むと信じられないような広くて豪華な中央通路があって
その一番奥の一角にAmtrakの窓口（日本流にいえば改札）がある。列車到着後でないとここは開かない
”Empire Builder”号はシアトルとシカゴとを2泊3日で結ぶ大陸横断列車として有名だ。Amtrakの場合はこうした長距離の列車は数時間の遅延はザラなので覚悟はしていたが，わずか30分程度の遅れでセントポールに着くとのことなのでホッとした
”Empire Builder”号がプラットフォームに入ってきた。8:45に出発するとミルウォーキーには14:00過ぎに到着できるので，計画変更はほとんどしなくてよい。

ミネアポリスとセントポールの双子都市，緑や自然の豊かさと都会の利便性や歴史文化をともに有した都市として深く印象に残ることとなった