2016/06/11 - 2016/06/11
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nomadic dreamさん
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大阪市の南西部に広がる大阪湾近くには、無料の公営渡船がいくつか残っています。
落合の渡船はその1つ。この木津川周辺は大正時代の工業化を象徴する地区で、紡績工業の集積地として栄えた場所。この渡しはその中で津守と千島地区を結んでいます。
いわゆる「〇〇の渡し」、ひと川越えると向こう岸はまったく手触りの違う世界だったりします。
濃い口!大阪の歩き方....無料で半日は楽しめる旅。今回は木津川を渡る生活の足「落合上渡船」と「落合下渡船」の2つのクルーズを楽しみます。
さっそくスタートです。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
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最寄りの駅はJR大阪環状線の大正駅。
傘を片手に足早に歩く人々の流れを避けるように、改札口を後にしました。行く手には重い雲があるのが気掛かりでした。大正駅 駅
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おっちゃんが赤信号にも拘らず、バスに向かって突進。
バスの運転手も取り乱す様子を見せずに、次の停留所に向けて順次通りの業務を進めているのです。
交差点では古えから濃い口な人間模様が展開してきていて、それぞれの主人公のDNAを形作っているのだと感じずに入られませんでした。 -
木津川を下るが今日の目的。ここから南下して、渡船が探し出すのです。何か堤防をこえて暫くは湿地帯の葦が続く小道を掻き分けていくとそこに渡船があってと、勝手に想像しているのです。
地図を頼りに歩き出しました。 -
おっちゃん、立ち呑み、焼き肉を連想させる大阪環状線の各駅停車。外見は東京の中央線ですが、ソフトのコテコテ感は濃口です。
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人の気配が少ない川沿いを下っていくと、こちらの岸にはドラム缶を積んだ船。昭和の匂いが感じられました。
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大阪の川には多くの亀が住んでいます。
潮が引いて日を浴びながら乾燥して白い岩肌を見せる波打ち際の石のように、船のロープにしがみついていた亀の背中は干上がっていました。 -
大型のトラックが入ってきたら身動きができなくなりそうな下町工場の隙間を抜けること数分。
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造船所があったり。
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間もなくすると、高速道の橋桁に遭遇しました。
ここから少し注意が必要です。そのまま南下すると行き止まりです。 -
高速道路に沿って川を渡る歩道があります。
高速道路の下に張り付いている道が歩行者用です。
それを木津川方面にわたりました。 -
高速道路の下側は恐ろしい顔をしているものです。しげしげと見入ってしまうのでした。
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言うまでもなく今日の主人公は倉庫街でなく「渡船」。
橋の上から南西方面に目を向けるとやっと目指す木津川の渡しが見えてきました。
矢切の渡しを勝手にイメージしていた私にとってはかなり現代的で確立した渡船に見えました。 -
橋を渡り終わったところには南海汐見橋線の木津川駅がひっそり佇んでいました。
周囲には工場があったのでしょうが、今は更地になっています。木津川駅 駅
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近づいてみました。乗降客は少ないようです。
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殆ど乗降客の少ない木津川駅に置かれていた周辺図。
現在地は木津川駅を差し、上方に木津川が流れて渡船場が示されていました。 -
30分間隔で走る2両編成の電車が駅をあとにしたところでした。
列車が出て行くと駅は再びひっそりしてしまいます。 -
木津川駅から、再び渡船場を目指しました。すれ違う人もいない木津川左岸を下ること約10分。ようやく「落合上渡船」乗り場入り口が見えてきました。
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生活の中に溶け込んでいる身近な公営渡船。それは無くてはならない重要なインフラ。
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対岸の千島地区から比較的多くの乗降客を乗せた渡船がエンジン音高らかにこちらに近づいてきました。
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結構乗っているものです。
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そしてまたすぐ対岸へ向けて出ていきました。
運航は15分間隔で行われています。 -
次の便を待つこと15分ほど。
向こう岸から小さなフェリーがお迎えにきてくれました。
私にとって船という移動手段は、何か遠い別の世界に連れて行ってくれるような感じがするのです。 -
航行時間はわずか1分。
それでももう大興奮。無表情の生活者たちに混じって、はち切れんばかりのこの高揚度を隠すのに精一杯でした。 -
乗り込むや否や我ら一向を乗せた船は対岸へ向けて滑り出しました。
軽快なエンジン音が体中に染み渡ります。 -
興奮しながらシャッターを切ると木津川の上流が映りました。
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あっという間の対岸到着。少し寂しいような、後ろ髪を引かれる思いで船をあとにします。
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地上に足を掛けながら、後ろめたさで振り返ってみると、「お客さん、すぐに上がってください」と。
そうか業務に支障をきたしてしまったかとお詫び。 -
渡船の風景を千島地区から映しました。
向こうに阿倍野ハルカスが見えます。
大阪にはこうやって新しいものと、旧いものが共存しています。この渡船もいつまで続くのでしょうか? -
生活の足となっている公営渡船。
大阪市建設局...渡船管理事務所(長ーい)が運営しています。 -
時刻表です。
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落合上渡船を後にします。このあとはもう1つの渡船、「落合下渡船」を目指します。
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落合上渡船場から歩くと数分で正面に千島公園が見えてきました。
この千島側は木津川沿いと異なり、かなり開けていました。ファミリーレストランやら住宅街が広がっています。
天気も晴れてきました。青空が見えてきました。 -
千島公園に辿り着くと太陽もじりじりと照り付けて、南国にいるような気分になりました。
かつて貯木場の跡地に造成された地区。大阪万博前に大阪市営地下鉄の土砂をここに入れたとのことです。ここには昭和山という標高33メートルの山があります。千島公園 公園・植物園
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更に南へ向かいました。10分くらい木津川を下ると「落合下渡船場」が見えてきました。
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渡船場方面に左折すると、なんとなく殺風景。
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太陽が照り付けてきます。川岸を吹き抜ける涼やか風を感じながら待つこと数分、対岸から働きものの渡船がやってきました。
また、千島側から人気の少ない木津川津守地区へ戻る格好になります。 -
向こう岸には近代的な工場が立ち並びます。世の中は効率を追及してどこまでも無駄を省いてきましたが、渡船に揺られながら通勤したり、通学する時間は貴重な癒しの時間ではないでしょうか。いつまでも継続してもらいたいです。
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渡船は軽やかに3名の客を乗せて川の上を滑り出しました。
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木津川中央からはるか北方の大阪ドームを眺めます。
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我らを送り届けたのち、やつは再び対岸へ戻っていきました。働き者です。
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また、人気の少ない世界に舞い戻ってきました。周囲には工場や倉庫が連なります。
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こちらの木津川・津守地区にはこのような倉庫群が並んでいます。
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公園を抜けて南海線の津守駅に向かうとやっと生活の匂いがしてきました。ほっと一安心です。
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南海汐見橋線の津守駅。
津守駅 駅
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津守の商店街を抜けて南海線の新今宮駅まで歩くことにしました。
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ここでランチ。力餅とは大阪地区でそばを展開しているチェーン店のようです。
暑かったので冷麺を注文しました。 -
大阪ではいわゆる「冷やし中華」を「冷麺」と呼ぶようです。
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津守の先には鶴見商店街が続き、その中央部に銭湯が残っていました。
ここで今日のたびを振り返ります。
「渡船」は大阪の新旧を分ける結節点に存在する重要な役割があるような気がしました。すぐその先には阿倍野ハルカスのような巨大なビルが天をかき分けて、その勢いはますます周囲に及びつつあります。ここにも橋がいつ掛けられるか分かりません。渡船は、時代の波にのまれながらもその中を上手く漕ぎ分けながら、古くからある人々の生活を大切に守り続けているように感じました。
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