2016/04/29 - 2016/05/05
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gyachung kangさん
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以前に別の欄でも書かせていただいたのだが、私は修道院が好きである。
教会、聖堂、修道院、何が違うの?と問われて即答できるわけではない。
だが、これまで訪れた中でポルトガルのトマールやジェロニモス、チェコのストラホフ、オーストリアのメルク、コソボのペヤなど印象深い寺院はなぜかしら修道院が多かった。
てなわけでどうやらそろそろあの修道院に呼ばれている。
ようやく長い冬が終わって春が来た。
5か月ぶりの旅に出た。行先はフランスで、いや、世界で一番名高い修道院モンサンミッシェルを巡礼する旅。
※4月熊本地震で被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
モンサンミッシェルへの道のりは首都パリの市内南西に位置するモンパルナスが基点になる。
前日、国鉄モンパルナス駅から歩いて5分程のホテルに投宿。かなり大きな駅の構内を下見。チケット売り場を確認しておき早朝5時半起き。まだ夜が明けきらないうちに駅に向かう。 -
チケット売り場は6時半前にようやく開いた。
ところでモンサンミッシェルへの直行列車はない。ブレスト行きレンヌまで0704発の座席を確保する。毎度のことながらチケットを入手したこの瞬間、テンションは跳ね上がる。 -
ホームに待ち構えるのはフランス国鉄が誇るTGV車両。なかなかいい面構えだ。キャビン内は上下のある2層式。天井が高いので空間性はすこぶる良い。
-
レンヌまでは2時間強。
ここで下車し駅舎を出てすぐ右手にあるバスターミナルでバスに乗り継ぐ。 -
一路北上。
5月初め。窓の外には菜の花畑が見えたりするノルマンディ地方の田舎風景。
初めて見るフランスの田園地帯に早くも気持ちが癒される。 -
11時少し前、バスは停車。
降車した地点に何もないのがモンサンミッシェル。唯一あるインフォメーションセンターで女性スタッフに今自分がいる位置を確認。モンサンの入り口に数軒あるはずのホテルエリアへスーツケースを転がす。
おお〜今宵のお宿はここにしてみたい。 -
この時期、部屋は空いていた。
レセプションの女性の対応はさり気なくスマートでお値段は100ユーロ。
ためらう理由が全くなく即断する。
エレベーターはなく階段で上がる二階の部屋。シンプルで清潔。思わず「いいじゃ〜んこのホテル」と言いたくなる。 -
荷物を部屋に置き外に出てものの5分歩くと。
そこにはモンサンミッシェルへの参道が現れる。 -
これですよ〜これ!
この道。これこそが私が歩きたかったモンサンミッシェルへの参拝道。
観光客向けの無料シャトルバスに乗る選択は私の中にはない。
巡礼者は歩くのみ。時間さえあればパリから歩くところである。 -
2頭立て馬車も行き交うこの一本道。
左右には開けた平原と潟、
そして目の前にでんと待ち構えるモンサンミッシェルがあるのみ。 -
潮の流れを止めないように
昨年できたばかりの高架式の参道部分に入るとモンサンミッシェルがいちだんと近づいてくる。 -
入り口に。
これより聖地。
もちろんここでエントリーフィーは取られない。 -
門をくぐると。
こんな感じ。狭い一本道の両サイドに店が張り付く。干潟のど真ん中で日常の生活感が突然現れるスポット。
これがグランド・リュ。 -
時計周りと反対に進むのがグランド・リュ。
お店の軒先には目印の小洒落たアイアンワークがたくさん。オーストリアのザルツブルグの街並みのようだ。 -
こんな凝縮された通りにホテルも。
モンサンミッシェルの足元で営業するホテルなら私もオーナーになってみたい。いい経営しますよ〜
でも買収するには少し資金が足りないなあ残念!笑 -
もちろんカフェも
こういう秘密の隠れ家みたいなカフェが我らが東京には不足しておりますなあ。◯トールやべ◯ーチェがもれなく駅前にある日本の光景は外国人からはどう見えているのか?ちょいと気になる。 -
なんだかお腹が減ってきた。
グランド・リュの坂道の右側でやや遠慮がちに営業している店に飛び込む。
レストランというよりは食堂と呼ぶほうが近い店で躊躇なくオムレツランチ。
オムレツ、ポテト、オレンジジュースのフォーマルセット。19ユーロ。
噂通りこのオムレツは微妙な塩味以外に味はない。
だがそれでいーのだ。私は巡礼者。
美食の追求はルイ14世にでも任せとけ。 -
食堂をあとにして坂道を再び登る。
途中、フランスを救ったオルレアンのヒロインが。 -
島の一番高いところ。
修道院が姿を現した。 -
この石段が修道院への入り口。
-
近くから見るとちょっとした城である。しかもこのロケーションだからなかなかの堅城だ。
-
ヨーロッパ中世建築でお馴染みの突き出る雨どい。
ところでこれって犬?なんでしたっけ。 -
モンサンミッシェル修道院の最も高い部分。
尖塔の頂にあるミカエル像はなにやらプロテクターに覆われている。 -
西のテラスに出る。
ここからは今来たモンサンミッシェルへの巡礼路が一望。私のホテルも見えている。 -
テラスの対面には修道院附属教会。
なるほど、教会とは修道院施設全体の一部分なわけですねえ。 -
その先に進むと空中庭園。
この緑を囲む回廊がモンサンミッシェルの北側、名高いラ・メルヴェイユと呼ばれる建物の最上階にある。 -
モンサンミッシェルの内部は薄暗い。
王宮ではないので贅を尽くした装飾があるわけではないし東方正教のような目を見張るイコンが描かれているわけでもない。
そんなストイックな修道の空間の中でこのラ・メルヴェイユの回廊だけが異彩を放っている。ここは修道僧が勤めの合間に気持ちを柔らかくするための
場所だろうねきっと。 -
これは?
ここもラ・メルヴェイユと呼ばれる北面の一室。この広さは食堂かも? -
ん?水車?
いえいえ、これは荷揚げ用の大車輪とのことです。この太いロープに往時、モンサンミッシェルには何人の修道僧が生活していたのかが偲ばれる。 -
実はモンサンミッシェルの内部は素晴らしいくらいに見学しやすい。
見学路は最初から最後までほとんど一気通貫。迷子になるストレスもなく実に観光客思いにできていると思う。 -
騎士の間である。
柱と天井を結ぶ曲線が美しい。
モンサンミッシェルの内部空間の見せ場になっている。 -
外に出る。
あいにくの曇り空だがここはフランスノルマンディ。これぞまさにユーロ空模様の醍醐味かもしれない。
干潟は日本にももちろんあるが、潮が引いた干潟がこれほどまでに美しいとは知らなかった。
この景色を目にしたら見渡す限りのこの砂を裸足で歩いてみたくなる。 -
と思っていたら
やっぱりいた。
考えることは皆おんなじのようで
干潟ウォーキングツアーのご一行。
この日、推定気温は15℃。素足で干潟に分け入っても水の冷たさに悲鳴をあげることはないだろう。
ゴミ一つ浮いていないところが世界遺産の風格である。 -
ところで、先ほどから
目の前にウミネコが一羽。
カメラを持って近寄っても逃げる素振りも見せない。
この落ち着きぶりに敬意の1カットを。 -
修道院を降りてグランド・リュへ。
そのグランド・リュを護るようにぐるりと取り囲む最外の壁は砦そのもの。
実はモンサンミッシェルとは修道院を抱く街であり、また防衛拠点でもあった。今回の巡礼でわたくし最大の学習。 -
お膝下から見上げてみる
モンサンミッシェル。
なかなか新鮮なアングルでしょ? -
たなびくトリコロール。
-
島の入り口まで戻ってきた。
-
入り口に対面して左手の裏側、サンマロ湾が開けたところにはサントベール礼拝堂がある。隠れ家の趣き。
鍵がかかっていて中に入ることはできないがこの礼拝堂の踊り場から眺めるモンサンミッシェルの干潟は実に気分がイイ。人はほとんど来ない。
私はここで石段に腰掛けただひたすら干潟ビューに埋没していた。 -
いったんホテルに戻り休憩。
夕暮れ、2度目の参道ウォーキング。
あたりが暗くなってきた。 -
道の途中、何度も何度も振り返りながら見たくなる。これがモンサンミッシェルの魅力、いや魔力か。
離れがたい。まるで磁石のようだ。 -
今宵の宿のすぐ脇にはサンマロ湾に注ぎ込む川がありそこにはクエノン河口ダムがある。このダムはモンサンミッシェルを24時間眺めるために造られたのではないか?と思えるくらい絶妙な展望テラスになっている。
-
日が落ちてモンサンミッシェルに灯りがともる。
5月の初め。この時間はさすがに気温が下がる。でもモンサンミッシェルの夜の姿を見るためにダムの上には観光客が集まってくる。 -
翌朝。
5時半起床。
シャワーを浴びて着替えて外に出る。
もちろんモーニングミシェルを拝むために。 -
なんちゅう爽やかな朝。
昨日の曇り空と打って変わって
雲の合間から青い空が覗いてる。
そしてミシェルへと繋がるこの参道には私のほか誰もいない!!!
さて
モンサンミッシェルのご機嫌は… -
じゃじゃ〜ん !
-
モンサンミッシェルさま
おはようございまーす -
柔らかい朝日を浴びて佇むモンサンミッシェルの姿。
これぞ麗しの聖地。
フランスは見どころがテンコ盛り。
がしかし。限られた日程の中でフランスを観光するみなさま、是非ともスケジュールから1泊を切り出してモンサンミッシェル滞在を。
このわたくしが天使ミカエルに誓って
心よりお奨め申し上げます! -
最後にもひとつ。
モンサンステイの夜、私がチョイスした夕食メニューは写真のプレ・サレ羊。オムレツと並ぶこの地の2枚看板料理だ。
ローカルフードは旅の記憶をいつも色彩豊かにしてくれる。プレ・サレ羊もまた例外にあらず。
ご心配なく。どなたでも美味しくいただけますよ。私からおまけのリコメンドってことで。
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この旅行記へのコメント (2)
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- mayたんさん 2016/06/11 14:15:55
- まだ行けてないモンサン
- 早朝のモンサン美しいですね!空もとてもいい雰囲気。やっぱり旅は早起きに限る。
私も以前フランスに行ったとき、モンサン行きたかったんですが、そのときは結局行かなかったので、いつかそのときを狙っております。
GWの時期ですが、空いてる時期にあたるんですか?宿も予約なしでいけるんですね。
あのオムレツの感想をみんなに聞けど、行ったらやっぱり食べてみたいですね。
may
- gyachung kangさん からの返信 2016/06/11 20:53:19
- Re: まだ行けてないモンサン
- こんばんは
GW、正直どうなんだろう?と思いつつとりあえず行っちゃえば精神で
行ったら予想外にゆったりしてましたね。あのテロ以来、日本からフランスへの観光客減の影響かも。とは言え中国ツアー客は普通に来ていたしモンサンエリアのホテルはざっと見て6件くらいしかないから通常は予約をしないと危ないかもです。
今回は1月にチケット抑えたので激安8万台後半でした。早く動けばいいことがありますね。早起きも100万ドルの得ですよね。
オムレツは16世紀の味だと思えば納得します。口どけは良くてふわふわ。以前エストニアのタリンでハンザ同盟時代からの味と触れ込みのランチプレートを食べた時の衝撃に較べればまだまだ。キューバで食べた肉料理はその上を行きましたから。
旅のさなかでは食事もアドベンチャーですよね。
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