2016/05/19 - 2016/05/21
46位(同エリア665件中)
ひらしまさん
中高年海外旅行者の聖地マチュピチュ。いつかはマチュピチュに!
みたいな雰囲気の業界の宣伝に乗せられて数年前からペルーは候補に上っていたのですが、個人で旅するにはちょっと難度が高く感じられ、見送っていました。
(1)富士山なみの標高のクスコへ飛行機でポンと上がるため、高山病になるリスクがかなり高い
(2)その飛行機の欠航遅延が多い
(3)さらに英語が通じにくい
でも、みなさんの旅行記を拝見しているとなんとかなるかもと思い始め、対策を立ててみました。
〈高山病対策〉
宿泊地は2千mのマチュピチュから、オジャンタイタンボ、クスコと日数をかけて高度を上げていく。予防薬アセタソラミダを服用する
〈欠航遅延対策〉
クスコが乾季となる時期を選ぶ。多少の遅延を前提とした予定を組む
〈言語対策〉
ホテルは英語の通じるところに限定する。直前にラジオで最小限のスペイン語を学ぶ
そして「けっして無理をしない」というポリシーで、はるかなペルーをめざすことにしました。
行きの成田〜米国ヒューストンが12時間、ヒューストン〜リマが6時間半で、飛行機に乗ってる時間だけで18時間半の長旅です。
成田発のユナイテッド機では、近くの白人乗客が荷物を上げるのを手伝ってくれたり、隣席の青年は僕に気遣って照明をつけずに書類を読んだりと、米国人って案外優しいんだなという発見から旅が始まりました。
しかしヒューストンでは、乗り継ぐだけなのに写真を2回も撮られ、指紋を採られ、高額の手数料は運賃と一緒に取られてるし(とられる×3)、米国ってあまり近寄りたくない国だなあというのが率直な感想。
そして、空港の信じられないミスで、あわやリマ行きに乗り損ねかねない事態となったのです。
リマ行きのユナイテッド便は出発案内板で搭乗口C14となっていたので、モノレールでターミナルCに移動し、14番搭乗口で待っていました。
しかし、出発40分前になっても搭乗口に表示が出ず、人も少なすぎる。近くの出発案内板を見に行くとE18と表示されていたので、ターミナルまで変更なんてひどいなあと思いながらターミナルEに戻って、念のために出発案内板を見てびっくり。最初と同じC14のままなのです。C14かE18か、いったいどちらなんだ!!
近くにいた空港職員に経緯を話してどちらが正しいのか尋ねると、案内板を見てC14だと言うのですが…。
その時すでに出発20分前。空港職員の言う通りにC14にもう一度行って、もしそれが違っていたらアウトです。さっきまでいたC14の雰囲気は違うぞと、内なる声が言います。
荷物を妻に預け、E18の様子を見に走りました。いちばん奥にあった18番搭乗口には、やはりリマ行きの表示が出ていて、しかし乗客の姿はすでになく、職員が「あと3分」と脅かします。
妻のところまで走って戻り、でもそこからは歩いて搭乗口へ。だってぼくたちの責任じゃないのに、荷物を持って走る義理はありませんから。
ぼくたちの後にもそういう乗客は少なからずいたようで、結局リマ行きの出発は20分ほど遅れました。
空港の出発案内板がでたらめな表示をしているなんて、世界の先進国という米国のイメージが音を立てて崩れ去りました。
リマ行きの機内では、覚えたばかりのスペイン語を試してみました。テ(茶)やフーゴ・デ・ナランハ(オレンジジュース)はうまく通じたのですが、アグア(水)は聞き返されました。でも、ペルー便の乗務員は笑顔で対応してくれてうれしかったな。
実質レート 1ソル34円 1米ドル112円
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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旅の2日目。今日はリマ観光と休養です。
リマではミラフローレス地区のデル・ピラール・ホテルに2泊します。
おいしい朝食の後、翌日9時のクスコ行き飛行機のオンライン・チェックインを試みますがうまくいきません。ラン航空のオフィスが近かったので、行って係員にやってもらいました。
これで早起きしなくてもすむと思ったら、係員いわく「2時間前までに空港へ行ってください」。ええっ、それじゃ事前チェックインした意味がないじゃないか。
ホテルに帰って受付嬢と相談し、1時間半前に空港に着くことにして、6時半に車を手配してもらいました。それなら朝食も一応とることができます。
懸案が片ついたところで、リマ観光に出かけます。
まず現地通貨ソレスをキャッシングし、高山病薬アセタソラミダを購入してから、メトロポリターノバスで旧市街をめざします。乗る路線を間違えたりしたものの、なんとか旧市街のバス停に降り立ちました。
太陽を背に北方向のアルマス広場に向かって歩き出し、途中で念のため、というより覚えたスペイン語のフレーズ「ドンデ・エスタ……」を使ってみたくて道を聞きました。
すると、ぼくたちの来た方向を指すではありませんか。そんなはずはないと思うものの、教えてもらって無視もできないので一旦バス停まで戻り、また別の人にアルマス広場はどこですかと聞くと、やはり南方向を指します。
変だなあと思いながら歩き出して、ようやく気づきました。ここは南半球、太陽の方角が北なんだ!
写真は広場に続くラ・ウニオン通りです。 -
ペルーは大統領選挙の真っ最中。通りで討論会のようです。
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リマの中心であるアルマス広場に着きました。
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スペインによる征服の象徴ともいえるカテドラル。
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広場には社会科見学の子どもたちがたくさんいました。
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この子たちに写真を撮ってと言われたのかと思ってスマホを受け取ろうとしたら、そうではなくて一緒に写真に写ってくれと頼まれました。
旅先で現地の人を撮らせていただくことはあっても、撮られたのは初めてかもしれません。 -
ラルコ博物館へタクシーで移動しました。ブーゲンビレアなどの花が咲き誇る庭が迎えてくれます。
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ここはラファエル・ラルコという人がペルー北部の海岸地方で収集した、モチェ文化を中心とする古代土器などの博物館です。
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ネコ科動物をモチーフにした器。
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魅力的なデザインです。
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布を織る技術とセンスは現在に受け継がれているんでしょうね。
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ユーモラスに見えますが、生贄を表したものだそうです。
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こちらも同じです。
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主要な広場に据えられていた像だそうです。
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紀元前の宗教的・社会的指導者の装身具。鳥を表現しているようです。
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最後に、別館のほほえましい合体像も紹介します。
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トイレの男女別表示もユニークでした。
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旅の3日目。今日はリマからマチュピチュへの移動日です。
5時起きに備えて前の晩は早く床についたけれど、前の店の音楽が午前2時頃まで鳴り響き、あまり眠れませんでした。
6時に荷物を持って朝食堂へ。我々2人だけでしっかりいただきました。高山病薬アセタソラミダも今日から服用します。
そして約束の6時半には玄関へ行ったのですが、手配してくれたはずの車が来ません。
流しのタクシーが寄ってくるのでそちらにしようかと思ったのですが、ドアマンが「5分で来る。空港まで25分で届ける」と熱心に言うので待ってみたら、その言葉通り5分で来て25分で空港に着いたので驚きました。85ソレスもするだけのことはありました。
でも、結局早く行ってもやることなどありません。チェックイン済みなら1時間前でよかったと思います。
なお、ペルーの国内線は水100mlまで持ち込み可でした。
出発ゲート前で、団体で来てらっしゃる日本人ご夫婦と知り合いました。
旦那様の退職記念とかで、イグアスの滝はヘリコプターでご覧になったという豪華版ツアーのご様子。偶然にも飛行機の座席も隣り同士で(もちろんあちらが窓側)、途中でアンデス山脈の見える窓側に座らせてくださったりしました。
クスコのアステテ空港で、翌日マチュピチュでの再会を約して別れましたが、楽しいご夫婦でした。
さて、マチュピチュ行きの列車が出るオジャンタイタンボまでは、クスコから75km。
バスや乗り合いタクシーもあるのですが、標高3千m地帯を楽に通過するためにタクシーで行くことにしていました。
問題は料金交渉です。「歩き方」によれば60ソレス程度というのですが…。
構内のオフィシャルタクシーという看板を掲げたところで聞いてみると、なんと240ソレスだと言います。友達は50ソレスで行ったと聞いたよと攻めると180までは下がりましたが、まだまだ高すぎる。
妻に荷物を預けて外に出ると、客引きがいっぱい待っています。そこで聞くと35ドル(USD)。
いつのまにか先程の180ソレスが基準になっていて、あれよりは相当安いからここで決めようという気になり、30ドルを提示。ところが乗ってこない。「歩き方」の60ソレスっていつの話だよ。
すると、日本語で「ガソリン代がすごく上がった」などとアピールしていた男性が、「私が30ドルで助けましょう」と言って僕を駐車場に連れ出します。
どうやら白タクのようですが、日本語が通じるのは助かりますから彼に頼むことにしました。
本業はガイドというアビさんは、日本語は日本語学校で学んだといい、少々不確かではあるものの、車内でも質問してきて勉強熱心です。
なお、標高3400mで季節は晩秋ということから寒さを想定して厚着していましたが、クスコの日差しは強く、暑いほどで、車に乗ってすぐセーターなどを脱ぎました。 -
途中のチンチェーロの村です。
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白雪をいただく山も見えます。
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オジャンタイタンボ駅近くの切符売り場で車を降ります。
途中でガソリンを入れた時にその代金を負担させられたので、それは約束になかったからと25ドルだけ支払い、3日後の迎えも頼んでアビさんと別れました。
事前予約しておいたペルーレイルの乗車券を引き取り、駅前へ。食堂と土産物屋が軒を連ねています。 -
食堂というか屋台のようなところで、店の人が食べていたジャガイモ料理がおいしそうだったと、妻がスペイン語を調べてジャガイモを注文したのですが、売り物じゃなかったのか断られ、主人の指さす通り素直にマスの唐揚げを頼みました。
妻はマスが仕入れられるのも見たそうで、きっとウルバンバ川でとれたばかりのマスなのでしょう。
彼女は意外なことに衛生的にどうとかも言わず、おいしいと喜んでいましたが、ぼくはどうも油を受けつけず食べられませんでした。
あとから思うと、この頃から体調が少しずつ崩れ始めていたようでした。 -
駅前から見上げる岩山。
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空気が澄み、空の青さが気持ちいい。
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オジャンタイタンボ15:37発のビスタドームに乗り込みます。強烈な西日で、背景の山が雪山になってしまいました。
ちなみに、ビスタドームの料金は往復で18000円ほどでしたから、ペルーの物価からすればかなり高額だと思います。 -
大きめの荷物は出入口脇の棚に積み上げ、ロープと網が掛けられます。
小さめのものは座席の背もたれの間に入れられます。 -
ウルバンバ川を左手に見ながら、列車はマチュピチュへ向かいます。
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向かいの座席は30代くらいの黒人カップル。やはりペルーは初めてだそうで、あちらも車窓の景色を撮りまくっています。
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家でしょうか。作業小屋かな。
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対岸にはインカ道が見え隠れします。
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変化に富む景観は見飽きることがありません。
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サラダとみかんと飲物の軽食が出ました。このみかん、見た目は悪いですがおいしかったです。
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先頭車両だったので、前方も眺められます。
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段々畑(アンデネス)。インカ時代にその高度な技術により非常に発達し、帝国の食糧増産を担い、アンデスの語源となりました。ただ、現代では4分の1が耕作放棄されているそうです。
まもなくマチュピチュ駅です。
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この旅行記へのコメント (4)
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- sanaboさん 2016/06/26 23:36:42
- やっとお邪魔できました!
- ひらしまさん、こんばんは
10日ほど前に、ポルトガル2週間の旅から戻りました。
ひらしまさんが新作旅行記をUPされているだろうな、と思いながら
なかなかお邪魔できずにおりました。
ペルーはやはりハードル高いですよね。
ひらしまさんが挙げてらした3つの理由で、私も同感です。
ヒューストン空港のゲートの件では、最初から慌てさせられましたね。
乗り継ぎ便に乗り損なわなくて、本当に良かったです。
チンチェーロの村でのお写真、ペルーらしくていいですね☆
マスの唐揚げを召し上がれず、この頃から体調が少しずつ
崩れ始めていたというのを読み、心配になりました。
体調不良でお辛い思いをされたのでしょうか・・・
ご無事に予定通りの旅程を来なされたことを願いつつ
また続きの旅行記にお邪魔させていただきますね。
いまだに時差ボケのsanaboでした!
- ひらしまさん からの返信 2016/06/27 12:05:34
- 文豪系完全主義者!
まずは無事のご帰還おめでとうございました。
そしてお忙しい中をお越しいただきありがとうございます。
アンデス地方は青空がきれいで、写真を撮りたくなるところでした。
雨季はまた違う表情なのでしょうが…。
sanaboさんならどんな写真を撮られるのか見てみたいですね。
この旅でぼくは体調を崩してしまい、あまりおいしいものを食べられなかったのが心残りです。
でも、身体中の脂肪が使われたようで、内臓脂肪レベルが随分下がったのは不幸中の幸いで、これを維持していきたいと思っています。
ところで、sanaboさんは、旅行記の1行あたり字数が変わったからって全部調整し直したんですって?
かつて文豪の誰とかは、1ページの中の漢字とかなの割合にまで気を配って小説を書いたそうですが、sanaboさんもその文豪系完全主義者だったんですね。
読者としては、それより早く新作読ませろよって言いたいところですが、ぐっとこらえて言わないでおきます。
時差ボケ吹っ切ってフランス旅行記完成させましょう。
ひらしま
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- きなこさん 2016/06/06 09:22:02
- クスコ
- こんにちは〜ひらしまさん
今年はペルーに行かれたんですね
それも個人旅行!事前にラジオで勉強もされて凄い!
南米の色がとっても素敵です
続編 楽しみにしています
きなこ
- ひらしまさん からの返信 2016/06/06 14:10:22
- RE: クスコ
きなこさん、こんにちは。
タンザニアから帰ってすぐバリへ行ってらっしゃったんですね。
僕にはとてもできない、すごいエネルギーです。
僕のペルー旅はタイトル通りのヨレヨレ旅で、それでもなんとか生きて帰ってきました。
きなこさん、南米はもしまだでしたら一度遠征されてはいかがですか。
ひらしま
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