バングラデシュの旅　【９】

2013/12/03 - 2013/12/05

さらに72時間のホルタルが実施され、ラジシャヒの町に足止めされた後半の３日間。

エリア その他の都市(バングラデシュ)

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

12月3日(火)。
朝早く起きて、「在バングラデシュ日本大使館」のホームページを見ると、さらに72時間のホルタル実施との情報が掲載されていました。
ああ、何ということだ！

これでジョエプルハットとボグラを巡る旅程がすっかり台無しになってしまいました。

また今日から3日間の足止めを食らい、2泊の予定だったラジシャヒに結局6泊するという不運に見舞われてしまいました。
あとはもうこれ以上この町に軟禁状態にされないことを祈るばかりです。

気落ちして、プーリーとダールの貧相な朝食をいただきました。

※ホルタル期間中の新聞掲載写真10枚をコラージュしたもの。

新聞の一面をホルタルの写真が飾り、テレビからは連日ホルタルのニュースが流れ、バスへの放火や線路を切断したりはぎ取ったりして脱線転覆させた列車の写真や映像ばかりを目にする、鬱々とした退屈なラジシャヒの日々。

反政府活動の一環として行われるホルタル、その経済的損失は1日で200億円(ダッカ商工会議所の試算)にものぼると言われています。

こんな暴力がまかり通る政権争いに精を出し、与野党が足の引っ張り合いばかりをしている国に、はたして明るい未来があるのだろうかと思わざるを得ません。

入り口に警備員が常駐しているATMでデビットカードを使って15000Tk(\20250)引き出し、追加の3泊分の宿代を支払いました。
さらに3泊するんだから割引きしてくれと言っても聞き入れてもらえず、エアコンなしの1泊1000Tk(\1350)の部屋が空いていたのでそちらに移りました。
夜の部屋の中の気温は23?24度くらいなので、エアコンなしでも過ごせそうです。

意気消沈して気合が入らず、ほこりで喉をやられて咳き込んだりする体調不良の身ながら、一人前にお腹はすくので昼ごはんにやってきました。

ビル2階のガラス張りの外に、建築を中断したむき出しの鉄筋コンクリートの柱が見えるカフェ・レストラン「アリストクラット」に入りました。

190Tk(\257)のチキンフライドライスとコーク、それにカプチーノかと思わせるような泡立ったコーヒー(ブラックコーヒーを注文したけど)。全部で265Tk(\358)。
3人前くらいありそうなフライドライス。

アリストクラット カフェ

大量のフライドライス、さすがに食べきれず半分ほど包んでもらいました。

きれいに紙箱に入れてくれたので、店を出てビルの階段下に座り込んでいた物乞いのお婆さんに引き取ってもらいました。

日用雑貨などの雑多な品物を路地に並べ積んだ、ゼロポイント近くの「RDA Market」を歩く。

「RDA Market」の前にある歩道橋から見るシャヘブ・バザール通り。

味見したいけどなかなか手が出せない、スイーツの店。

「ケジュレル・グル」という名の、ナツメヤシ(ケジュール)の樹液を煮詰めて作った砂糖の塊。

虫も群がる美味しさなのか、目の前で2人が買っていきました。

衣料品の店が連なるエリアを歩いていて、歩道に置いたミシンで何かを縫っているオジサンがいたので写真を撮ると、そばにいたオヤジがオレも写してくれというのでもう1枚パチリ。

竹竿で足場を組んだ建築中のビルディング。

15時頃のホテル4階のテラスから見たメインストリートのシャヘブ・バザール通り。
向かいの3階にある「Top That」はよく利用したレストラン。

町歩きをする以外は他にすることがなく、この4階のテラスの通路にあるプラスチック椅子に座って通りを眺めたり、時どき咳き込みながらタブレットで本を読んだりして時間をつぶしました。

今回の旅行でお腹をこわすことはなかってですが、土ボコリで呼吸器系統をやられ、持参していた咳止めや去痰剤、それにシムビコートタービュヘイラー60吸入のお世話になりました。

ラジシャヒの滞在ホテルの斜め向かいにあるレストラン「Top That」という店で夕食。

しゃもじ付で出てきたプレーンライス(120Tk=\162)は4人?5人分はあろうかというものすごい量で、しかもべちゃべちゃしたご飯。当然かなりの量を残すことになります。

世界一カレーを食べる国、そして世界で一番米を食べる国でもあるバングラデシュは、インディカ米を「洗米せずにお湯で茹でた後、汁を捨てて再度火にかけ、水分を飛ばしたのちに蒸らす」という「湯取り法」でご飯を炊くので、湯切りが悪かったり水分の飛ばし方が少ないとべちゃべちゃしたものになるようです。
ちなみに、バングラデシュでは1人当たり1日の米の消費量は、コンビニのおにぎりで10個分ほどになるとのデータがあります。

野菜不足を補うために注文した、あんかけのようなチキンベジタブル(160Tk=\216)は、人参以外は知らない野菜で味の方も今ひとつな感じ。

この店、ホテルのよりも速いWiFiが使えるので何度か利用しましたが、ブラックコーヒーを頼んでも大きなマグカップになみなみと注がれた甘いコーヒーを持ってくるというあり様。
店のスタッフは日本人の私に興味を示して親切でしたが。

ホテル近くのゼロポイント付近にある食堂の前を通るたびに、左端の店主が一つ覚えの日本語で「こんにちは?」と声をかけてきます。

一度くらいは利用してやらないとね、ということでこの店で昼ご飯をいただきました。

シンガラ2つとルティとダール。全部で22Tk(\31)。
出来立てなのでまずまずの美味しさでした。

ゼロポイントの少し西にある歩道橋から見た12時頃のメインストリート、シャヘブ・バザール通り。

おびただしい数のオート3輪車がひしめき合って大渋滞。

首都ダッカでは見かけなかったような、電動のオート三輪車。
まるで首都でもあるかのような混雑ぶりです。

手をつないで歩く男たちを時々見かけますが、彼らは別にゲイというわけではなく、仲良しの証しみたいなものでバングラデシュやインドでは普通らしい。

することもないので適当に町歩き。

食堂にもいろいろあって、地べたに座り込んで食べるようなところもあります。
土釜の燃料は、ジュートの茎の周りにつくねのように巻きつけた牛の糞を乾燥させたもの。

大胆にも、「Coffee Bar」の看板を掲げたカフェにしびれる。

西日を浴びるポッダ川に来ました。

ポッダ川沿いをそぞろ歩き。
写真の左にある茶店で一休みすることにしました。

チャーをつくるチャドカン(茶店)のオヤジさん。

チャドカンが2、3軒並ぶ、ポッダ川沿いの通り。

汚れたひつじたちのお散歩。

ポッダ川沿いの土手の北側には庶民の住宅街が広がり、牛やヤギなどの家畜も飼われて猥雑さをみせています。

反対の土手下、ポッダ川沿いには小屋のような粗末な家もいくつか見られました。

ポッダ川沿いの道を歩いていて、写真を撮ってくれと催促されて写した仲良し老人たち。

仲良し老人を写している私を目にしたのか、女の子が今度は私を被写体にすべく駆けつけてきて、親から借りてきたのであろう携帯を私に向けて狙いを定めます。

どうやら動画撮影しているようで私が動くと女の子もそれに合わせて動き、逃してなるものかと執拗に私を捉えフォーカスします。

※お願いだからその動画、YouTubeに載せないでね。

逆ダルメシアンのような黒白模様のヤギ。

聖なるポッダ川(ガンジス川)で、衣類を叩きつけながら洗濯する女性たち。
さぞ汚れ落ちもいいことだろう。

ここにも手をつないで歩く、仲良しこよしの男たち。

西日を受けるポッダ川と川沿いの遊歩道。

ポッダ川からゼロポイントへと戻っていきます。
正面には近代的なビルの「Saheb Bazar Mosque」。

「Top That」で夕食。
チキンマサラ・フライドライスとコーラ、そしてマグカップに入れられた大量の甘いブラックコーヒー。
全部で275Kt(\371)。

※シャヘブ・バザール通りを行く装甲車の動画。
＜ラジシャヒの夜＞
https://www.youtube.com/watch?v=bJRiMlC7YUo

12月5日(木)、6日間連続ホルタルの最終日。
ホテルの男に聞いたラジシャヒ駅近くにある「ハニフ」というバス会社のオフィスにやってきました。

すっかり狂わされた旅のスケジュール、もうジョエプルハットやボグラに行く余裕はなく、この先何があるかわからないので、急ぎダッカに戻ることにしました。

12月6日8時15分発ダッカ行きのバスチケット(700Tk=\945)を手に入れることができて一安心。

バスチケットを手に入れた後、ついでにラジシャヒ駅に来てみました。
窓口に多くの人が並んでいましたが、鉄道が動いているのだろうか。

暗がりの中でも賑わいをみせる夜のゼロポイント付近。

さあ明日はいよいよラジシャヒ脱出だ！