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高知市三大観光地の一つ、五台山にある県立牧野植物園は三千種の植物に彩られた四国を代表する植物園だが、2010年頃より春から初夏にかけて、園内各所に沢山の「花皿鉢(はなさわち)」という、郷土料理である皿鉢を模した、巨大な皿(径1mから数mほど)に各種花を盛ったものを置いている。<br /><br />この植物園の温室南東下にはかつて、五台山竹林寺の脇坊の一つ、南ノ坊があったが、ここで、よさこい節で知られる二人の僧とお馬との三角関係が展開した。<br />「五台山小町」と言われたお馬は母と共に竹林寺と周辺の脇坊に通い、法衣等の洗濯を請け負っていたが、その内、南ノ坊で修行していた若僧、慶全と恋仲になる。しかし慶全は何人もの女性と交際していたことが発覚し、お馬は愛想が尽きるが、慶全ははりまや橋の橘屋でかんざしを買う等して、お馬の機嫌を伺う。<br /><br />お馬は慶全との別れ話を南ノ坊住職・純信に相談するようになるが、その内、お馬は自分の母親と同年の純信とも恋仲になってしまう。<br />これを知った慶全は、かんざしを買ったのは純信であるというデマを城下に流し、お馬と純信は脱藩してしまう。しかし逃亡先の金比羅の高知屋で捕縛されたということは、http://4travel.jp/travelogue/11088535の旅行記でも解説した。<br /><br />このお馬が自宅から南ノ坊へ通っていた道は「お馬路(みち)」と呼ばれ、現在でも一部車道化されながらも残っている。お馬宅跡の中庭には碑も建立されている。また、http://4travel.jp/travelogue/11110371の旅行記で触れた、お馬の父が墓守をしていた墓所とお馬宅跡を結ぶ道も残っている。<br />歴史ある五台山は平安時代初期までは離島だった。「内海七島」中、最大の島で「大島」と呼ばれていた。その名残の一つは前記の旅行記でも述べたが、五台山北東の田の中には、海底だった頃の岩がL字型にいくつか並んでいる。<br /><br />[探訪コース]<br />まずはお馬宅跡の集落・五台山長江へ向うが、そこに到るまでの間の県道32号、介良(けら)橋東袂、介良排水機場南に「水天宮・尼御前」の祠がある。祭神は四柱だが、その中の尼御前については二説ある。一説は昔、旅の途中で行き倒れになった大家の女性を祭ったという説、もう一説は、ここで長宗我部軍に捕まって斬殺された、五台山の尼寺の庵主だった下田土居城主・下田駿河守の妹だというもの。<br /><br />介良橋西袂の交差点を北に折れ、屋頭集落に入った所で青柳中学校方向に左折する。<br />中学校を過ぎた先のT字路を南に折れ、牧野植物園研究圃場に突き当たると右折、その先の三叉路は左折し、集落を抜けた箇所の左手路肩に駐車した。<br />そこから徒歩で集落に引き返し、左手に三軒目の竹内家がお馬宅跡で、二軒目の竹内家との間の中庭のような所に「お馬化粧井戸」がある。しかしこれは戦後、一旦撤去した後に復元したもの。<br /><br />石碑には「お馬生家の井戸」とあるが、ここは実際には四番目の住居。実際の生家跡や度重なる引越しの経緯については、葉山村(現、津野町)史に詳しく述べられている。お馬一家は葉山から夜逃げして親戚を頼って五台山鳴谷に到り、その後、父親の大野新平が鋳掛屋を営んでいたことから、竹林寺の参拝客が多い長江に移った。<br /><br />お馬路は斜めに生えた大木の所で車道と分かれ、一旦古道となる。道沿いにはミニ四国霊場の石仏が置かれているので、以降の分岐でもそれが目印になる。<br />牧野植物園の敷地境界を示す看板を過ぎると、やがて観光客が多くなる。<br />南ノ坊跡には解説板と井戸が残っている。<br />園内には大小様々な「花皿鉢」があるが、やはり池面(50周年記念庭園)のものが趣深い。<br /><br />園内の散策を終えると、前記旅行記で触れた、お馬路の大木の立つY字路を左に折れ、左急カーブの三叉路を右折する。車道終点先の墓地を北に折れた所に、純信とお馬が逢引していた「お馬逢引岩」がある。<br />墓地を尾根に沿って東に下ると大野新平が墓守を務めていた小倉家墓所があるが、この中の上士・小倉六右衛門(明治四年没)邸にお馬は、母の洗濯請負業を手伝う前、女中奉公に出ていた。<br />更に下って行くとお馬邸跡北の小径に出る。<br /><br />車に戻ると、屋頭の二車線道路との分岐付近まで引き返し、そこに駐車したと思う。<br />そこから北東方向の水田地帯を見渡すと、数メートルほどの岩が東西に並んでいるのが見える。これらは「立石」というが、如何にもこの辺りが海底だったことを想起させるような岩群。

池に浮く花の巨大皿群と田の中の海底岩とよさこい・お馬禁断の恋道

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2011/04/10 - 2011/04/10

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マローズ

マローズさん

高知市三大観光地の一つ、五台山にある県立牧野植物園は三千種の植物に彩られた四国を代表する植物園だが、2010年頃より春から初夏にかけて、園内各所に沢山の「花皿鉢(はなさわち)」という、郷土料理である皿鉢を模した、巨大な皿(径1mから数mほど)に各種花を盛ったものを置いている。

この植物園の温室南東下にはかつて、五台山竹林寺の脇坊の一つ、南ノ坊があったが、ここで、よさこい節で知られる二人の僧とお馬との三角関係が展開した。
「五台山小町」と言われたお馬は母と共に竹林寺と周辺の脇坊に通い、法衣等の洗濯を請け負っていたが、その内、南ノ坊で修行していた若僧、慶全と恋仲になる。しかし慶全は何人もの女性と交際していたことが発覚し、お馬は愛想が尽きるが、慶全ははりまや橋の橘屋でかんざしを買う等して、お馬の機嫌を伺う。

お馬は慶全との別れ話を南ノ坊住職・純信に相談するようになるが、その内、お馬は自分の母親と同年の純信とも恋仲になってしまう。
これを知った慶全は、かんざしを買ったのは純信であるというデマを城下に流し、お馬と純信は脱藩してしまう。しかし逃亡先の金比羅の高知屋で捕縛されたということは、http://4travel.jp/travelogue/11088535の旅行記でも解説した。

このお馬が自宅から南ノ坊へ通っていた道は「お馬路(みち)」と呼ばれ、現在でも一部車道化されながらも残っている。お馬宅跡の中庭には碑も建立されている。また、http://4travel.jp/travelogue/11110371の旅行記で触れた、お馬の父が墓守をしていた墓所とお馬宅跡を結ぶ道も残っている。
歴史ある五台山は平安時代初期までは離島だった。「内海七島」中、最大の島で「大島」と呼ばれていた。その名残の一つは前記の旅行記でも述べたが、五台山北東の田の中には、海底だった頃の岩がL字型にいくつか並んでいる。

[探訪コース]
まずはお馬宅跡の集落・五台山長江へ向うが、そこに到るまでの間の県道32号、介良(けら)橋東袂、介良排水機場南に「水天宮・尼御前」の祠がある。祭神は四柱だが、その中の尼御前については二説ある。一説は昔、旅の途中で行き倒れになった大家の女性を祭ったという説、もう一説は、ここで長宗我部軍に捕まって斬殺された、五台山の尼寺の庵主だった下田土居城主・下田駿河守の妹だというもの。

介良橋西袂の交差点を北に折れ、屋頭集落に入った所で青柳中学校方向に左折する。
中学校を過ぎた先のT字路を南に折れ、牧野植物園研究圃場に突き当たると右折、その先の三叉路は左折し、集落を抜けた箇所の左手路肩に駐車した。
そこから徒歩で集落に引き返し、左手に三軒目の竹内家がお馬宅跡で、二軒目の竹内家との間の中庭のような所に「お馬化粧井戸」がある。しかしこれは戦後、一旦撤去した後に復元したもの。

石碑には「お馬生家の井戸」とあるが、ここは実際には四番目の住居。実際の生家跡や度重なる引越しの経緯については、葉山村(現、津野町)史に詳しく述べられている。お馬一家は葉山から夜逃げして親戚を頼って五台山鳴谷に到り、その後、父親の大野新平が鋳掛屋を営んでいたことから、竹林寺の参拝客が多い長江に移った。

お馬路は斜めに生えた大木の所で車道と分かれ、一旦古道となる。道沿いにはミニ四国霊場の石仏が置かれているので、以降の分岐でもそれが目印になる。
牧野植物園の敷地境界を示す看板を過ぎると、やがて観光客が多くなる。
南ノ坊跡には解説板と井戸が残っている。
園内には大小様々な「花皿鉢」があるが、やはり池面(50周年記念庭園)のものが趣深い。

園内の散策を終えると、前記旅行記で触れた、お馬路の大木の立つY字路を左に折れ、左急カーブの三叉路を右折する。車道終点先の墓地を北に折れた所に、純信とお馬が逢引していた「お馬逢引岩」がある。
墓地を尾根に沿って東に下ると大野新平が墓守を務めていた小倉家墓所があるが、この中の上士・小倉六右衛門(明治四年没)邸にお馬は、母の洗濯請負業を手伝う前、女中奉公に出ていた。
更に下って行くとお馬邸跡北の小径に出る。

車に戻ると、屋頭の二車線道路との分岐付近まで引き返し、そこに駐車したと思う。
そこから北東方向の水田地帯を見渡すと、数メートルほどの岩が東西に並んでいるのが見える。これらは「立石」というが、如何にもこの辺りが海底だったことを想起させるような岩群。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通手段
自家用車
  • 水天宮・尼御前。天地創造の神である天御中主神、五穀豊穣の神である万度宮、安徳帝と建礼門院の水天宮、尼御前を合祀している。

    水天宮・尼御前。天地創造の神である天御中主神、五穀豊穣の神である万度宮、安徳帝と建礼門院の水天宮、尼御前を合祀している。

  • 復元されたお馬化粧井戸(長江4849番地)。お馬は天保10年(1839)12月27日、葉山村永野の現、西村家旧宅辺りの地に誕生した。碑は地権者との関係上、それより北方に建立されている。その後、正尺に移ったが、新平は借金苦で客から預かった道具等を勝手に売却する等し、夜逃げして五台山鳴谷に移った。<br />長江の家は、お馬が脱藩時まで居住しており、六畳と四畳半、台所という簡素な造りだったという。

    復元されたお馬化粧井戸(長江4849番地)。お馬は天保10年(1839)12月27日、葉山村永野の現、西村家旧宅辺りの地に誕生した。碑は地権者との関係上、それより北方に建立されている。その後、正尺に移ったが、新平は借金苦で客から預かった道具等を勝手に売却する等し、夜逃げして五台山鳴谷に移った。
    長江の家は、お馬が脱藩時まで居住しており、六畳と四畳半、台所という簡素な造りだったという。

  • お馬路は最初、車道。

    お馬路は最初、車道。

  • ここから古道になる。

    ここから古道になる。

  • ミニ四国霊場

    ミニ四国霊場

  • 牧野植物園に入った地点。現在、敷地境界には入園料が必要な旨の看板が建てられているが、歩き遍路とミニ霊場巡りの者はそのまま入園できる。

    牧野植物園に入った地点。現在、敷地境界には入園料が必要な旨の看板が建てられているが、歩き遍路とミニ霊場巡りの者はそのまま入園できる。

  • 岩の上の霊場石仏

    岩の上の霊場石仏

  • 奥に進むと観光客が増えてくる。

    奥に進むと観光客が増えてくる。

  • 巨大な花皿鉢に観光客は驚く

    巨大な花皿鉢に観光客は驚く

  • 石垣沿いのお馬路

    石垣沿いのお馬路

  • 五十周年記念公園の花皿鉢

    五十周年記念公園の花皿鉢

    牧野植物園 公園・植物園

    四国屈指の植物園はお馬の道を辿れば無料 by マローズさん
  • 南ノ坊を過ぎてもお馬路は竹林寺まで続く

    南ノ坊を過ぎてもお馬路は竹林寺まで続く

  • 南ノ坊跡

    南ノ坊跡

  • 南ノ坊の井戸

    南ノ坊の井戸

  • 地面に野鳥

    地面に野鳥

  • 大小様々な花皿鉢

    大小様々な花皿鉢

  • サギのコロニー(集団繁殖地)

    サギのコロニー(集団繁殖地)

  • 海底だった田園地帯

    海底だった田園地帯

  • 辛うじて桜も残っていた。

    辛うじて桜も残っていた。

  • 昭和32年、その翌年の開園を記念して、昭和天皇から吹上御苑のヤマザクラを賜った。

    昭和32年、その翌年の開園を記念して、昭和天皇から吹上御苑のヤマザクラを賜った。

  • 温室内の人工滝

    温室内の人工滝

  • 施設のテラスにも花皿鉢

    施設のテラスにも花皿鉢

  • 桜に囲まれた、若かりし頃の牧野富太郎博士胸像

    桜に囲まれた、若かりし頃の牧野富太郎博士胸像

  • 竹林寺庭園

    竹林寺庭園

    竹林寺 寺・神社・教会

  • お馬逢引岩

    お馬逢引岩

  • 小倉家墓所

    小倉家墓所

  • 小倉六右衛門墓

    小倉六右衛門墓

  • 小倉家墓所からお馬宅跡へと下りる道

    小倉家墓所からお馬宅跡へと下りる道

  • 一直線に並ぶ立石(一部)。背後の山は「介良富士」こと、小富士山。

    一直線に並ぶ立石(一部)。背後の山は「介良富士」こと、小富士山。

  • 海底の岩とかつての岩礁

    海底の岩とかつての岩礁

  • 何メートルもある立石

    何メートルもある立石

  • 奇岩

    奇岩

  • 絵になる立石

    絵になる立石

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