長野ぶらり歩き　戸倉上山田温泉

2016/03/23 - 2016/03/26

どこに行ってもふらふらと歩く。歩くのが好きだから、この癖は直らない。

この戸倉上山田温泉で、訪れたのは、”万葉公園”と”荒砥城跡”。そして温泉街を散策して、戸倉駅13時40分発の小諸行き電車に乗った。

”万葉公園”については、大抵の人が「なんだ？」と歌碑が並ぶだけの公園に失望するかも知れない。私の目的が、万葉歌　巻14-3400が詠われた風景を眼に焼き付けることだったので、公園に対しては失望も落胆もしなかった。昨日のチェックインでのホテルの対応が素晴らしく良かったので、その余韻が残っており、そのため気にならなかったのかもしれない。ただ、万葉歌を伝え継ぐことの難しさを感じた。

山城であった”荒砥城跡”からの景色は見事だった。特に上田方面を望むと、雄大に流れる千曲川と、その流れに沿って広がる街並み、そしてその街並みを包むように山が幾重にも重なり、遥か彼方まで続いている。この地形のため、戦国時代統一が遅れたのかもしれない、と感じた。残念だったのは、晴天のとき、北アルプスが望めると案内書にあったのに、雲がかかり見れなかったことだ。

温泉街の散策では、昼食をとれそうな店を物色した。店構えを見て、その店の味を想像する。それも旅の醍醐味の一つではないか、と思う。

エリア 戸倉上山田温泉(長野)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ホテル　ルートイン上山田

宿泊したホテルからスタートします。朝食はバイキングだったので、30分程ゆっくりといただきました。

ホテルルートイン上山田温泉 宿・ホテル

飲泉所

宿泊したホテルの近くにありました。試しに少し飲んでみましたが、人様に薦める飲み物ではない、と私は思います。

万葉通りを選びます。

万葉通り

万葉通りを選んだら、「山の手通り」と表示されているので、ホテルでもらった地図を再確認。この道を真っ直ぐ進むと、「千曲川万葉公園」があるのは間違いなさそうですが、地図には、「山の手通り」の文字はありません。

万葉公園

団地サイズの公園より小さいスペースに歌碑が並んでいます。とりあえず、万葉公園周辺の写真を先に撮ります。

万葉公園周辺

手前から公園を眺める。

万葉公園周辺

万葉公園の近くに架かっている橋は「万葉橋」です。

万葉公園周辺

万葉公園周辺

万葉公園から山城の方を振り返った景色です。

万葉公園周辺

左のレンガ色の建物は文化会館です。

万葉公園周辺

上田の方を眺めています。

万葉公園周辺

万葉歌　巻14-3400はこのようなところをイメージして詠われたのでしょうか？

万葉公園　歌碑　揮毫　犬養孝

巻14-3400

　信濃なる　千曲（ちぐま）の川の　細石（さざれし）も　
　君し踏みてば　玉と拾はむ

万葉公園　歌碑　揮毫　佐々木信綱

巻14-3400の歌碑がもう一つありました。恐らく犬養孝さんが書かれた歌碑の方が後に建てられたと思うのですが、人というものは、時たま可笑しなことを真面目な顔をしてするものです。

それと犬養孝さんは、この歌が歌われたところは、この戸倉ではなく、ＪＲ小海線・佐久海の口だとされています。歌が生まれたところに歌碑が建たないというのは悲しいことです。

万葉公園

志貴皇子の歌碑もありました。

巻８─１４２２

　石(いは)ばしる　垂水(たるみ)の上の　さわらびの
　萌え出づる　春になりに　けるかも

万葉公園

これは誰の歌碑だと思いますか？私の一番好きな歌人です。

巻５─８０２

　瓜はめば　子供思ほゆ　栗はめば
　ましてしのはゆ　いづくより　来たりしものそ
　目（ま）なかいに　もとなかかりて　安寝（やすい）しなさぬ

巻５─８０３

　銀（しろがね）も　黄金（くがね）も玉も　何せむに
　優（まさ）れる宝　子にしかめやも

山上憶良です。万葉集の中でも子供に対する情愛をテーマにした歌は珍しい。

万葉公園から荒砥城跡への途中

万葉公園から荒砥城跡への途中

万葉公園から荒砥城跡への途中

この登り坂は30分程続きます。今回城跡でゆっくりしていたので、登りと下りを併せて、1時間半程掛りました。

万葉公園から荒砥城跡への途中

泊まったホテル　ルートイン上山田の建物が見えています。

万葉公園から荒砥城跡への途中

レンガ色の建物が文化会館で、その横に「万葉公園」が見えるような、見えないような、微妙ですね。

万葉公園から荒砥城跡への途中

万葉公園から荒砥城跡への途中

見えている橋は、「大正橋」でその向こう側に戸倉駅があります。昨晩、徒歩で駅から大正橋を渡り、手前に一部見えている温泉街に来ました。戸倉駅から温泉街までは徒歩30分ぐらいです。

万葉公園から荒砥城跡への途中

万葉公園から荒砥城跡への途中

この写真だと、「万葉公園」がはっきりと見えています。

万葉公園から荒砥城跡への途中

善光寺大本願別院。

このお寺をお参りすれば、善光寺をお参りしたのと同じご利益があるとか、ないとか。どこかで読んだのですが、再確認できませんでした。間違っていたら、御免なさい。

万葉公園から荒砥城跡への途中

この千曲川に沿って、遡上すれば、上田、小諸へと通じる。

荒砥城跡

荒砥城は戦国時代に築かれた山城で、1584年、上杉軍に攻められ、落城して廃城となり、城としての役割を終えました。その荒砥城が400年の眠りから覚め、千曲市城山史跡公園として甦ったのは、平成7年です。

城山史跡公園(荒砥城) 公園・植物園

荒砥城跡

右手の建物が受付です。入場料300円。景色と復元された建物を考えれば、入場料300円は安過ぎる！

荒砥城跡

スイセンが出迎えてくれてます！

荒砥城跡

二の郭（かく）の門。

荒砥城は、郭（くるわ）が連なるように並んでいるところから、「連郭式山城」と呼ばれています。

荒砥城跡

二の郭（かく）の櫓（やぐら）

荒砥城跡

二の郭（かく）の櫓（やぐら）に上り、上田方面を望む。

荒砥城跡

二の郭（かく）の櫓（やぐら）に設置されていた説明板。

荒砥城跡

二の郭（かく）の櫓（やぐら）に上り、南を望む。残雪が残っている山で、左が「大林山」、右が「八頭山」。

荒砥城跡

二の郭（かく）の櫓（やぐら）に設置されていた説明板。

荒砥城跡

兵舎の前を通り、本郭（ほんかく）への門を潜る。本郭とは、戦いのとき、城主が入る「館」や「兵舎」があるところで、敵に攻められたとき、最後の砦となる場所です。

荒砥城跡

本郭（ほんかく）への道。

荒砥城跡

本郭の右が兵舎で、左が館。

荒砥城跡

本郭の展望台から上田方面を望む。手前の屋根は、二の郭の兵舎で、二の郭の櫓も見えている。

荒砥城跡

本郭の展望台から北を望む。晴天だと北アルプスも見えるが、生憎雲に隠れている。

荒砥城跡

本郭の展望台の説明板。

温泉街

食堂「大黒」。ホテルルートインの近くあり、店の外に何人かが並んで待っていたので、美味しいのかな、と思ったが、暖簾が汚れているので、入るのを躊躇った。

温泉街

新世界通りの風景。

温泉街

新世界通りの風景。

温泉街

「カラコロの足湯」。新世界通りと中央通りが交わるところにある。無料。

温泉街

中央通り。

正直に言えば、昼の食事は、一応駅近くの信州そば処「萱」でしようと事前に決めていた。ただし、店の雰囲気が良ければ、そこに変更しよう、と思いながら、歩いていた。

温泉街

中央通り。「Kマート」。

前日、夜の7時半過ぎにこの店に立ち寄った。ホテルの場所を聞いたのだが、この店がここにあったことで、最短コースでホテルに辿り着けた。

温泉街

中央通り。「足湯　陽だまりの湯」。場所はKマートの前。無料。

温泉街　中央通り

焼肉・餃子の「芳蘭」。

事前に調べた店だが、両極端の評価をされていた。店構えは「良し」だが、肉より信州そばの方に魅力を感じた。

芳蘭 グルメ・レストラン

温泉街　中央通り

「古炉奈」。店構えからは、入ってもいいな、と感じるが、奈良からわざわざ来て、うどんはないでしょう。矢張り、信州そばですよ。

温泉街〜戸倉駅の途中

温泉街〜戸倉駅の途中

大正橋の上から北を望む。

温泉街〜戸倉駅の途中

そば処「萱」

昨日、ホテルへ行くとき、夜だったが、店構えだけはチェックしておいた。古民家風で、「美味しいぞ」というオーラが出ていた。戸倉駅に近いのも利点の一つだ。

蕎麦料理處 萱 グルメ・レストラン

そば処「萱」

お土産コーナーもあります。

そば処「萱」

このカウンターは、喫茶コーナーです。

そば処「萱」

そばは、こちらの部屋でいただきます。

そば処「萱」

「しなの重」を注文しました。何故これを注文したか？それは、但し書きに、混雑時には、断る場合もある、と書かれていたからです。その但し書きが大変気に入りました。さて、どうなるか。

「只今、込み合っておりますので、少々時間が掛かりますが...」と注文してから、念を押されました。私は、よう聞いてくれた、と待つ旨を告げると、わくわくして料理を待ちました。

そば処「萱」

料理は、一品ずつ出してくれました。最初は、そば豆腐。

そば処「萱」

信州サーモン。

そば処「萱」

ミニ前菜。

そば処「萱」

てんぷら。

そば処「萱」

蕎麦きり。

そば処「萱」

デザートにそばプリン。これが絶品でした。すべて完食し、満足しました。

戸倉駅

さて、次の小諸へ移動しますか。