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3年前、香南市野市町の高知県立のいち動物公園南側敷地境界周辺で複数の陸軍のトーチカ(コンクリート造り等の防衛陣地)や素掘り隧道、塹壕等が発見された。便宜的にそれらのトーチカを「大谷トーチカ」と呼ぶ。<br />ここは内陸部だが、軍は徹底抗戦を考えており、遠くは山間の嶺北地域にまで壕を掘って各種物資を運搬・保管していた。<br /><br />この辺り(三宝山周辺)に展開していた部隊は、四国防衛軍である第55軍第155師団(護土部隊)歩兵447連隊(本部は金剛山)を主要部隊とし、他に迫撃砲大隊や独立山砲連隊もあり、数千人規模で展開していた。<br /><br />その陣地跡へは龍河洞スカイラインを車で上って行くことになるが、その少し手前の野市墓地公園周辺と側の「さくらの広場」には3月下旬から4月上旬、約300本のソメイヨシノが咲き、夜間はぼんぼりが点灯され、夜桜を楽しむこともできる。今年(2016)の点灯期間は3月26日(土)〜4月10日(日)午後6時30分〜午後9時30分。<br /><br />[陣地へのアプローチ]<br />県道22号沿いの「四国自動車博物館」東側から龍河洞スカイラインに入って、陸橋の風車橋をくぐり、二つ目ののいち動物園分岐を過ぎ、左手の墓地前広場をやり過ごすと、ゲートがある動物園の搬入車専用道路があるので、ここの路肩に邪魔にならないよう、駐車する。<br /><br />ゲートの南向かいには、電波塔へ下りるコンクリート道があるが、この西方の電柱右が入口(下り口)。特に道はないが、雑草がない植林帯なので難なく下りられる。<br />2分も経たず、右手の谷状地形に人工的な地形が見えてくる。それは尾根を貫通する素掘り隧道とトーチカ背後のミニ隧道へ繋がるブーメラン型に掘られた塹壕。深い所では3mを越え、南西出入口には土止めの石積みがなされている。塹壕を挟んで二つの隧道が向い合せになっている。<br /><br />塹壕に下りるには、南側からその出入口へ回りこまないとならないが、その南へ回った所にトーチカが築造されている。高さ約2m、幅約3mで銃眼が下方に開いている。背後は地表が崩落している。<br />トーチカ側の四角い隧道は短く、四つん這いにならないと通り抜けられないが、北側の隧道は縦横2mほどで内部は暗黒の世界。この隧道がスカイライン下を抜けて動物公園敷地へと抜けている。<br />内部は上部から地下水のしずくが落ちる音がこだましているが、ほどなく地面 が冠水して進めなくなる。<br /><br />そこでトーチカまで引き返し、斜面をやや下ってみると、東側に造林作業の踏み跡のような道がある。これを辿ってみると、これはスカイライン沿いの稜線に並行した塹壕だった。その距離100m以上。<br />経年変化で土砂により、掘り込みは浅く、最初の内、深さは30cm以下しかない。しかし進んで行くと、場所によっては1m以上の箇所もある。<br /><br />塹壕は南に伸びる支尾根を乗り越し、歩道の四差路に繋がっていた。その四差路を南東に折れると、右手下の畑跡の山際が気にかかる。藪をかき分けて近寄ってみると、横穴壕跡だった。更に先に進むと右足下に、斜面に埋没したトーチカが現れた。 <br /><br />そこからは適当に斜面を上がり、塹壕から電波塔の道に出て、スカイラインに戻った。<br />尾根を貫通した隧道は、動物園敷地の谷状地形東側に出ている。その出口は大半が土砂に埋まっており、内部を伺うことはできない。<br />この上部にも尾根に並行した塹壕が残っているが、東方の支尾根に達した地点で消滅している。<br /><br />その後、さくらの広場駐車場へと移動し、広場南上の野市第三水源配水池へ上がってみた。その道沿いにも桜が植わっている。配水池のタンクには漫画チックな絵が描かれているが、これは野市出身の漫画家・青柳裕介が生前、描いたもの。

陸軍大谷トーチカ陣地と野市さくらの広場

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2013/03/24 - 2013/03/24

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マローズ

マローズさん

3年前、香南市野市町の高知県立のいち動物公園南側敷地境界周辺で複数の陸軍のトーチカ(コンクリート造り等の防衛陣地)や素掘り隧道、塹壕等が発見された。便宜的にそれらのトーチカを「大谷トーチカ」と呼ぶ。
ここは内陸部だが、軍は徹底抗戦を考えており、遠くは山間の嶺北地域にまで壕を掘って各種物資を運搬・保管していた。

この辺り(三宝山周辺)に展開していた部隊は、四国防衛軍である第55軍第155師団(護土部隊)歩兵447連隊(本部は金剛山)を主要部隊とし、他に迫撃砲大隊や独立山砲連隊もあり、数千人規模で展開していた。

その陣地跡へは龍河洞スカイラインを車で上って行くことになるが、その少し手前の野市墓地公園周辺と側の「さくらの広場」には3月下旬から4月上旬、約300本のソメイヨシノが咲き、夜間はぼんぼりが点灯され、夜桜を楽しむこともできる。今年(2016)の点灯期間は3月26日(土)〜4月10日(日)午後6時30分〜午後9時30分。

[陣地へのアプローチ]
県道22号沿いの「四国自動車博物館」東側から龍河洞スカイラインに入って、陸橋の風車橋をくぐり、二つ目ののいち動物園分岐を過ぎ、左手の墓地前広場をやり過ごすと、ゲートがある動物園の搬入車専用道路があるので、ここの路肩に邪魔にならないよう、駐車する。

ゲートの南向かいには、電波塔へ下りるコンクリート道があるが、この西方の電柱右が入口(下り口)。特に道はないが、雑草がない植林帯なので難なく下りられる。
2分も経たず、右手の谷状地形に人工的な地形が見えてくる。それは尾根を貫通する素掘り隧道とトーチカ背後のミニ隧道へ繋がるブーメラン型に掘られた塹壕。深い所では3mを越え、南西出入口には土止めの石積みがなされている。塹壕を挟んで二つの隧道が向い合せになっている。

塹壕に下りるには、南側からその出入口へ回りこまないとならないが、その南へ回った所にトーチカが築造されている。高さ約2m、幅約3mで銃眼が下方に開いている。背後は地表が崩落している。
トーチカ側の四角い隧道は短く、四つん這いにならないと通り抜けられないが、北側の隧道は縦横2mほどで内部は暗黒の世界。この隧道がスカイライン下を抜けて動物公園敷地へと抜けている。
内部は上部から地下水のしずくが落ちる音がこだましているが、ほどなく地面 が冠水して進めなくなる。

そこでトーチカまで引き返し、斜面をやや下ってみると、東側に造林作業の踏み跡のような道がある。これを辿ってみると、これはスカイライン沿いの稜線に並行した塹壕だった。その距離100m以上。
経年変化で土砂により、掘り込みは浅く、最初の内、深さは30cm以下しかない。しかし進んで行くと、場所によっては1m以上の箇所もある。

塹壕は南に伸びる支尾根を乗り越し、歩道の四差路に繋がっていた。その四差路を南東に折れると、右手下の畑跡の山際が気にかかる。藪をかき分けて近寄ってみると、横穴壕跡だった。更に先に進むと右足下に、斜面に埋没したトーチカが現れた。

そこからは適当に斜面を上がり、塹壕から電波塔の道に出て、スカイラインに戻った。
尾根を貫通した隧道は、動物園敷地の谷状地形東側に出ている。その出口は大半が土砂に埋まっており、内部を伺うことはできない。
この上部にも尾根に並行した塹壕が残っているが、東方の支尾根に達した地点で消滅している。

その後、さくらの広場駐車場へと移動し、広場南上の野市第三水源配水池へ上がってみた。その道沿いにも桜が植わっている。配水池のタンクには漫画チックな絵が描かれているが、これは野市出身の漫画家・青柳裕介が生前、描いたもの。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
4.0
交通手段
自家用車
  • 大谷トーチカへの入口

    大谷トーチカへの入口

  • トーチカ上部は地面が陥没している

    トーチカ上部は地面が陥没している

  • 隧道だったか

    隧道だったか

  • 大谷トーチカ

    大谷トーチカ

  • トーチカの銃眼内部

    トーチカの銃眼内部

  • 隧道へと続く塹壕

    隧道へと続く塹壕

  • 2本の隧道が向かい合っている

    2本の隧道が向かい合っている

  • トーチカ側の隧道。反対側は土砂に埋まっている。

    トーチカ側の隧道。反対側は土砂に埋まっている。

  • 隧道内

    隧道内

  • 地下水で隧道奥は冠水。左手に支洞が分岐する。

    地下水で隧道奥は冠水。左手に支洞が分岐する。

  • オオゲジが至る所に這っている。ゴミムシ等を食べている。

    オオゲジが至る所に這っている。ゴミムシ等を食べている。

  • 入口に帰ってきた

    入口に帰ってきた

  • 地形に沿ってカーブを描く塹壕

    地形に沿ってカーブを描く塹壕

  • くねりながら斜面を進む塹壕

    くねりながら斜面を進む塹壕

  • 注意しないと気づかない右下の埋没トーチカ

    注意しないと気づかない右下の埋没トーチカ

  • 銃眼も埋まったトーチカ

    銃眼も埋まったトーチカ

  • 動物公園側の塹壕

    動物公園側の塹壕

  • 動物公園側の隧道出口。土砂が堆積しているため、中には入れない。

    動物公園側の隧道出口。土砂が堆積しているため、中には入れない。

  • さくらの広場

    さくらの広場

  • 青柳裕介の漫画が描かれた配水池タンク

    青柳裕介の漫画が描かれた配水池タンク

  • 配水池からの下り道

    配水池からの下り道

  • さくらの広場北方にある野市墓地公園の神霊殿

    さくらの広場北方にある野市墓地公園の神霊殿

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