シチリアだけに２週間：Catania→Siracusa.

2016/01/30 - 2016/01/31

シチリアに来てカターニアに２泊後、バスでシラクーサに向かいました。

表紙写真：オルティージャよりシラクーサ本島側を眺める。

エリア シラクーサ(イタリア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自転車

カターニアのホテルで朝食。カプチーノはbaristaさんに入れてもらい、それ以外はセルフサービスで。

客室のTVでmeteoを見る。カターニアの気温は7〜20℃。冬としては、とても過ごしやすい。

朝食後に散歩。ホテルを出て、Corso Siciliaを15分ほど歩くとP.zza Stesicoroに出る(ステシコロ：紀元前６世紀！古代ギリシャの詩人)。大理石でできたBellini(1801-1835)像は、1821年に造られたもの。20歳にして、故郷に銅像を建ててもらえる作曲家は、どれだけ天才だったのでしょう。ベッリーニの歌曲、好きです♪ Vaga lunaだとか。

ベッリーニ像の前。右手がanfiteatro(円形闘技場：紀元後２世紀頃)入口、その奥、正面がchiesa di Sant'Agata alla Fornace(窯の聖アガタ教会)。カターニアの守護聖人・聖アガタ(シチリアのアガタ)が、古代ローマ時代(紀元後250年頃)、火刑により殉教したのは2月5日。聖アガタ祭(2月3〜5日)にはシチリアに居たものの、他都市に移動し、カターニアで祭りを見ることはできず…

土曜、盛大に立っていた市を冷やかし、露店で苺(0.75 euro/パック)を求め、Cristaldi(Corso Sicilia, 81)でボトルワイン一本を購入。

P.zza della Repubbliaには、Carnevale di Acirealeの広告が。聖アガタ祭も、アチレアーレのカーニバルも、日程が近いのだけれど、すれ違い…

ホテルをチェックアウトして、シラクーサ行きのバスに乗車。車窓から見たP.zza Duomoは、広大な広場だった。duomoの名称は、もちろん、Cattedrale di S.Agata。カターニアは、聖アガタなしでは語れないようだ。cupolaは18世紀末の建築。

カターニアを朝10時半に出発すると、バスはシラクーサに正午ごろ着く。Madonna Lacrimeが見えてきた。終点が近いようだ。

シラクーサのバスターミナルからホテルまでは、スーツケースをころがしながらゆっくり歩いても、15分。まだ部屋に入れなかったので、荷物をホテルに預けてオルティージャまで歩いてみた。

橋を渡って、オルティージャ島に入るとすぐ、正面の広場にはtempio apolloが。紀元前７世紀頃の円柱が、今も残る。

オルティージャのアルキメデス広場にある、fontana diana(アルテミスの噴水)。自然哲学者・アルキメデス(紀元前287年？ー紀元前212年)は、古代ギリシャの自治植民都市・シラクーサで生まれた。古代ローマ軍がシラクーサを占領した時、その兵士によって殺された。

ギリシャ神話とローマ神話では、同一人物が異名なので、ややこしい。アルテミス(ギリシャ神話)＝ダイアナ(ローマ神話)。狩猟の女神なので、このように弓矢を背負っている。このアルテミスに仕えていた妖精(下級女神)・アレトゥーサ(右下)は、川の神・アルペイオス(左)に好かれてしまい、彼から逃げるため、アルテミスに助けを求め、願いが聞き入れられて、泉に変身した。(『変身物語』)

duomo広場に面して建つPalazzo beneventano del Boscoは、バロック建築。原型は13世紀に建てられた。

duomo di siracusa. バロック様式のファザードは、1693年の大地震後、18世紀に再建されたもの。

左が聖母マリア、右がシラクーサの守護聖人・聖ルチア(シラクーサのルチア)。ナポリ民謡「サンタ・ルチア」にも謳われている聖人。Luciaはラテン語の「光」から派生した名前。伊語でも,光＝luce.

duomo広場に面して、chiesa di S. Lucia alla Badiaもある。1693年の大地震の直後に再建されたもの。

入口の上には、短剣の紋章。古代ローマ時代の304年、短剣によって殉教したため、聖ルチアのアトリビュートは短剣。「私はここから動きません」と言った聖ルチアを、軍隊も牛も、誰も動かすことができなかったため、その場で処刑。その地に、この教会が建った。

聖ルチアの聖体を、2015年夏、ヴェネツィアの教会で見たことを思い出す。シラクーサは878年、イスラム勢力に包囲され陥落、イスラム支配下となった。1028年、東ローマ帝国がシラクーサを再征服した時、聖ルチアの聖遺物を東ローマの首都・コンスタンティノープルに送った。1204年、第4回十字軍としてヴェネツィア共和国がコンスタンティノープルを攻略、略奪品として聖遺物をヴェネツィアへ持ち帰った。

fonte aretusa.ここが、上記のアレトゥーサが変身した泉。

今回のシラクーサ滞在(４泊)で、大変お世話になったお店。晩に再訪のため、昼間に下見。

ホテルに戻ると、部屋に入れてもらえた。103号室。詳細は、クチコミに投稿しました。

荷解きをして、やれやれ。ということで、朝、カターニアのスーパーマーケットで求めたfunaroを開ける。inzoliaという葡萄から作られた、シチリアワイン。9.5 euro. 文京区白山にあるシチリア料理店で飲んで、美味しかったから。ワインの下調べをしておいて、良かった。

上記の下見したristoranteの、オーナーシェフご夫婦が車でホテルに迎えに来てくれ、乗馬クラブへ。鉄道駅の前を初めて通った(写真)。バスターミナルは、駅の裏にあるけれど、そこから駅は見えなかった。

societa` ippica siracusana. メールで予約を試みても、返信なし。つたない伊語で、一生懸命書いたのだけどね。今回、秋草奈緒子さんにお願いしたところ、わざわざ足を運んで、予約を取って下さった。

一鞍レッスンを受け、帰りはホテルまで歩いた。ホテルから歩ける所で乗馬♪

夕方、乗馬ズボンを着替えて、ristorante(上記)まで歩く。開店前の店内で、伊語レッスン。浅黒い肌を持つ女性・ルイザに、シチリアを感じた。秋草さんのご厚意で自転車をお借りして、ristoranteから自転車に乗ってホテルに帰る。

翌朝、４連泊するホテルでの初めての朝食。

満足。この朝食なら、連泊も快適。

1月最後の日曜日、朝9時から乗馬レッスン、その後、parco archeologicoへ。自転車で行けるので、歩くより遥かに近い。ただ、切符売り場のある駐車場には無料でとめられず(有料駐輪場はある)、駐車場の外、入口近くの標識のポールに、チェーンで自転車をくくりつけた。お借りした自転車が盗難に遭ってはいけないので、慎重に。

写真は、考古学公園の案内図。これを見ても、どこが入口なのか、よく分からなかった。

anfiteatro romano(古代ローマの円形闘技場)。上の案内図では６番。紀元前1世紀頃。古代ギリシャの劇場では、仮面劇が上演されたのに対して、古代ローマでは剣闘士が見世物になっていたなんて、ローマ人は野蛮…まあ、キリスト教以前の時代なのだけれど。

ingressoは2か所。それぞれ、入場券の呈示が必要。冬に咲くブーゲンビリアが、お出迎え。

orecchio di dionisio.初め、周りに人がいなくて、暗闇が怖く中に入れなかった。ギリシャ劇場を見てから、再度、ここに来ると、小さな子供が３人入って行ったので、後について中へ。

teatro greco.紀元前５世紀に造られ、紀元前３世紀に拡大改築された。タオルミナで見たギリシャ劇場より大きく、世界最大級のギリシャ劇場。古代ギリシャ時代、シラクーサは、ギリシャ植民地の中で最も繁栄する都市国家だった。

ホテルに帰り、午後5時にロビーで伊語レッスン…のはずが、ルイザが30分遅れて到着。30分遅れは、シチリア人として十分、許容範囲らしい。