ヨハン・セバスティアン・バッハの足跡を訪ねて　その16 充実のケーテン

2014/11/27 - 2014/11/27

午前中のデッサウで予想外の時間を過ごしてしまいました。
電車で２０分ほどの小さな町、ケーテンに移動します。
小さな町とはいっても、ここでヨハン・セヴァスティアン・バッハは教会音楽から一時的に離れて、ブランデンブルク協奏曲や無伴奏の器楽曲といった不朽の名作を次々に生み出します。
バッハは９年間過ごした、ワイマールで転職を願い出たところ、叔父、甥の二人体制で統治する領主一族の争いに巻き込まれ牢に４週間も拘留されましたが、その時願いでた転職先が、人口2,000人ほどの小国ケーテンです。
ワイマールの領主ｴﾙﾝｽﾄ･ｱｳｸﾞｽﾄ公の公妃の兄である、無類の音楽好きケーテン侯レオポルトは、あのワイセンフェルスでのバッハの「狩りのカンタータ」演奏時に臨席しており大感激
小国ながら宮廷楽長の地位と破格の条件を提示したのです。
ケーテンではプロイセンの宮廷から精鋭５人を引き抜いた他、この小さな宮廷は最高時１７人もの腕っこきの楽団を抱えており、バッハはこれに応えました。
さらにケーテン侯は同じプロテスタントでも教会音楽を警戒するカルビン派であり、こうした事情でバッハは合奏曲や器楽曲に取り組むことになります。

エリア ドイツ

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

デッサウで夢中になりすぎて…
２時になってしまいました。
ケーテンに向かいます

沿線の田園風景も素晴らしい

運転席も覗いちゃいます

自転車も一緒に乗れるのね

デッサウから２０分でケーテンに着きました

ケーテンの駅

ケーテンの案内図もありました。
目指すはバッハの職場、ケーテン城

ケーテンの街を城、目指します
分らなかったので聞きました

どうやら、ココのようです
濠りに囲まれてるんだ

着きました、ずいぶんこじんまりとしてます
平面プランはコの字型の建物配置です

あらら…
工事中です

こんな感じで足場が…

裏口から入ったようでこの建物が正面の門を兼ねているようです

城の様子が分かったので正門から出て、街を少し歩いてみます

おっ、バッハのポスター
この建物はルター派のアグヌス教会

残念、閉まってます…

しゃあない
意味不明だけど、壁のプレートだけ撮って次に…

ケーテンにおけるもう一つの教会、聖ヤコブ教会

正面にツインタワーを持つ、ゴシック様式のこの教会はカルビン派の大教区の教会です
バッハは敬虔なルター派の信者だったし、礼拝から音楽を締め出していたカルビン派の教会では音楽を披露する機会はあまりありませんでした。

あら〜
ここも閉まってる…

聖ヤコブ教会はマルクト広場に面してます
ちっちゃな町だから？
広場にはクリスマスマーケットとかの店舗はほとんどありません。

小さな街の割に広場に面した市庁舎はたいそう立派です

聖ヤコブ教会は横の入口も開いてませんでした

ひっそりとした広場と聖ヤコブ教会そして市庁舎
ハレのマルクト教会と同じようにツインタワーはブリッジで繋がってます

またケーテン城に戻ります

今度は正面から入城

正面から入った所
ケーテン城はコの字型してます

中は博物館になっており、インフォメーションも併設されてます

靴を脱ぐのではなく、スリッパを渡されて靴の上から履きます

ケーテン城の資料館はバッハ記念館となってます

赤い部屋にｹｰﾃﾝ侯ﾚｵﾎﾟﾙﾄの肖像画がありました
良き理解者で無類の音楽好き、自身もチェンバロを弾きました
ロンドンやイタリアへの音楽旅行で大量の楽譜を買ってきたというので、バッハも大いに参考に…

ｹｰﾃﾝ侯ﾚｵﾎﾟﾙﾄはチェコのｶｰﾙｽﾊﾞｰﾄへ保養の時にマイチェンバロを持参したと言いますが…
これはターフェル・クラヴィア?
それともクラヴィコード？
いずれにしても違いますね。

ケーテンで作曲された孤高の名曲、無伴奏ヴァイオリンソナタ（たぶん…）の楽譜も…
ケーテンには、これを弾きこなす余程の名手がいたんですね

おおー！
これこそは…
ブランデンブルク協奏曲をブランデンブルク辺境伯に献呈した時の献呈の辞です！

最愛の妻マリア・バルバラはバッハの留守中の1720年7月7日に4人の子供を残して亡くなってしまいました。
妻亡きあと、バッハはケーテン侯レオポルトの宮廷ソプラノ歌手
アンナ・マグダレーナと、ここケーテンで1721年12月3日に再婚しました。
マリア・バルバラは１歳年上でしたが、アンナ・マグダレーナはバッハより１６歳も年下…
彼女は前妻との子供4人と大成したヨハン・クリスティアン・バッハなどの自分の子供をわけ隔てなく育てました

緑の部屋にもレオポルトが集めた絵画とかが展示されてます

城内教会へはどの様にゆくのですか？
と聞いたら「着いて来な」と案内されました。
階段を上がります

廊下を歩いて行った先に…

ありました！
城内礼拝堂
2階から見降ろします
下へは行けません…

バッハとアンナ・マグダレーナはレオポルト侯の命令でこの礼拝堂にて結婚式を挙げました。
ここはカルビン派の教会。
バッハとしてはルター派のアグヌス教会で式を挙げたかったんだけど…
どんな音楽を流したんでしょう

もう一か所、ケーテンで作った数々の器楽曲をバッハが指揮してケーテン侯レオポルトの宮廷楽団が演奏した「鏡の間」は？
と聞くと閉まっているそうです…
「がぁ〜ん！」（ガックリ）

かつて領主アルンハルト＝ケーテン侯レオポルトの玉座の間であり、バッハが作曲し指揮した３階の「鏡の間」は工事中なのか、公開されてませんでした（泣き

がっちり閉まってます
諦めます

入り口に掲げられたプレート

次に向かったのはバッハが住んでいたと推測されるヴァル通り

ケーテンにおけるバッハの生活は資料が残っておりかなり判るのですが住処だけは不明です。
住んだと推測されるヴァル通りには通称バッハ広場があります

ケーテン城を見つめるﾖﾊﾝ･ｾｳﾞｧｽﾃｨｱﾝ･ﾊﾞｯﾊ

この小さな町でバッハはこれまでの教会音楽から離れ、「ブランデンブルク協奏曲」「無伴奏チェロ組曲」「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」といった名曲を物にします。

ケーテン侯レオポルトという理解者を得て、ケーテンでのバッハにとってまさに楽興の時でしたが大きな悲しみも…
侯のお供でﾎﾞﾍﾐﾔの温泉地ｶｰﾙｽﾊﾞｰﾄに保養兼演奏に出かけている時に、最愛の妻マリア・バルバラが亡くなり、帰った時は既に埋葬も終わってました。

今は公園となっている墓地公園ﾌﾘｰﾃﾞﾝｽ･ﾊﾟｰｸにマリア・バルバラの墓はあります
すぐに暗くなりそうですが行ってみました。

東側に墓地の案内板があるとのことですが、見つけ方が悪いのか見当たりません。
凄く広いし…

ここかな？
いえいえ…

あちこち探すうちに本当に暗くなってしまいました

闇雲に探しますが見つかりません

公園とはいえ、真っ暗な墓地はちょいとねェ
暗い中をウロウロ、どう見ても怪しい…
諦めます

こんな田舎町にもあるSUSHIの看板を見ながら駅方面に…
未練を断ち切りながら

ケーテンの駅
5時になってしまいました。
初夏ならまだ数時間は明るいのに…

ハレでIC2239に乗り換えて…
ケーテンから1時間ほどでライプチッヒに戻ります

ライプチッヒに着きました
駅で腹ごしらえ

久しぶりにコメを食べます。
パサパサしてますが美味い…

まだ7時なので、マルクト広場のクリスマスマーケットに。
凄い人…

皆さんカップで暖かそうに飲んでます
何でしょう？

グリューワイン（実は後で知りました）です

すでに7時を過ぎているのでトマス教会の対面のバッハアルヒーフは閉まってます

宿から近くなんで…
今夜も来ました
トマス教会
目的は今、トマス教会の横にあるバッハ像ではなく、教会西側にあるメンデルスゾーンが寄贈した旧バッハ像

でも、トマス教会西側にあったのは張本人のﾒﾝﾃﾞﾙｽｿﾞｰﾝの像でした
メンデルスゾーンが寄贈した旧バッハ像は一体、どこ？

この旅行記へのコメント （3）

• わんぱく大将さん 2016/01/08 22:23:02

  かつら？

  アルデバランさん
  
  いつも思ってたのですが、あの時代の音楽家のあの頭はかつらの人もいるんでしょうかね？　法廷ではかつらをかぶって、神の御言葉みたいなことでごまかすための一つときいたことがありますが。
  
  　大将

  アルデバランさん からの返信 2016/01/10 20:52:23

  RE: かつら？

  大将様　こんにちわ
  
  手元に前回の時のポンドだいぶ余ってますが、なかなか使う機会ありません…
  チャージが下がったので、6月あたりどう？と妻を誘ったら、
  「今、イギリスなんかとんでもない」と娘にたしなめられました。
  
  さすが、目のつけどころ違いますね、「カツラ」ですか
  そういえばバッハも、ヘンデルもｷｬﾊﾞﾘｱ･ｷﾝｸﾞﾁｬｰﾙｽﾞ・ｽﾊﾟﾆｴﾙみたいですね。
  あのﾋﾟｰﾀｰ･ｼｪｰﾌｧｰの「アマデウス」でのﾓｰﾂｱﾙﾄなんか白髪で爆発したカツラでした。
  当時は流行っていたんですかね。
  お偉方は皆さん着けてますから。
  でも、少し前、ヘンリー八世の頃は帽子が流行っていたんでしょうね。
  
  法廷でのカツラは皆さん人相悪かったので、被告人と間違えられない為？
  
  今年もよろしくお願いします
  アルデバラン
  
  
  

  わんぱく大将さん からの返信 2016/01/10 22:04:16

  RE: RE: かつら？

  > 大将様　こんにちわ
  >
  > 手元に前回の時のポンドだいぶ余ってますが、なかなか使う機会ありません…
  > チャージが下がったので、6月あたりどう？と妻を誘ったら、
  > 「今、イギリスなんかとんでもない」と娘にたしなめられました。
  >
  > さすが、目のつけどころ違いますね、「カツラ」ですか
  > そういえばバッハも、ヘンデルもｷｬﾊﾞﾘｱ･ｷﾝｸﾞﾁｬｰﾙｽﾞ・ｽﾊﾟﾆｴﾙみたいですね。
  > あのﾋﾟｰﾀｰ･ｼｪｰﾌｧｰの「アマデウス」でのﾓｰﾂｱﾙﾄなんか白髪で爆発したカツラでした。
  > 当時は流行っていたんですかね。
  > お偉方は皆さん着けてますから。
  > でも、少し前、ヘンリー八世の頃は帽子が流行っていたんでしょうね。
  >
  > 法廷でのカツラは皆さん人相悪かったので、被告人と間違えられない為？
  >
  > 今年もよろしくお願いします
  > アルデバラン
  
  
  アルデバランさん
  
  ポンド、残ってますか？　たまにお金が変わるので、そうなると猶予期間もって使えなくなることも。　しかし、今行くと自殺行為です。　行って天国、払って地獄？
  もともとアルデバランさとのおつきあいは、ロンドンの旅行記だったように。ロンドン大学にお知り合いがなんちゃら、かたら。　飲めないのにパブに行きと。。。
  
  アマデウス、見ました。というか家にありました。ビデオの後のレーザーディスクですか？　あれで。　なんで見てますよ。まあ、宮廷の方たちはああやって禿げを隠してた？　ちゃう、一般庶民とは違うなにかを身につけるってプライドかも？？
  
  こちらこそ、よろしゅうに。　　　大将>
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