2015/10/12 - 2015/10/12
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akanezumiさん
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今年2015年、九州に新しい世界遺産が登録されました。
幕末から明治にかけての日本の急速な近代化を支えた「明治日本の産業革命遺産」(8エリア23施設)です。
今回訪れた石炭産業の中心・三池炭鉱は、福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがっています。
九州・山口を中心に鉄鋼・造船・石炭などの重工業が急激に発達したのは、幕末から明治にかけて国家変革の原動力となったのが、長州・薩摩藩であったことが関係しているそうです。歴史とクロスして奥が深そう・・・
まあ、難しいことはさておき、社会科見学のノリで行ってきました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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福岡市内から1時間弱ほど車を走らせ、まずは大牟田市の旧三井港倶楽部へ。
明治41年の三池港開港にあわせて、外国船員の宿泊や接待、政財界の社交場として建てられた木造2階建ての洋館である。三井港倶楽部 グルメ・レストラン
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古くは昭和天皇、平成9年には秋篠宮ご夫妻もお食事をされたという由緒ある建物だ。庭にはその時の記念の植樹もあった。
三井港倶楽部 グルメ・レストラン
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現在はレストラン・結婚式場として活用されている。
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明治から続くレトロな空間。
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2階には伊藤博文直筆の書もあった。
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これまたレトロな1階のレストランでランチをいただく。
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オーソドックスだが、古くからの名物ビーフカレー。
一気に昭和にタイムスリップしたような味と空間を味わう。 -
お腹がいっぱいになったところで、炭鉱めぐり開始。
旧三井港倶楽部からすぐそばの三川坑跡である。
昭和15年から採掘を始めた坑口で、戦後日本の復興を支えたうちのひとつ。
ここから有明海の海底に向かって、傾斜11度のトンネルを掘りながら石炭を採掘していった。 -
人や石炭を運び込むためのトロッコの線路が縦横無尽に張り巡らされている。
この奥は、昭和38年に大規模な炭じん爆発事故が起きた悲しい場所でもある。 -
奥に見えるのは繰込場といって、入坑前の鉱員が装備の準備をしたり作業の確認を行ったりする待機場だった。
三池炭鉱は平成9年に完全閉鎖されたのだが、その頃鉱員をしていたというシニアの人たちが、案内ガイドとして丁寧に説明してくれた。
このあたりは閉山後、草茫々になっていたのだが、世界遺産指定を受けて大牟田市が急いで草を刈り案内看板を立てたそうだ。かつての職場が世界遺産となり、嬉しげに案内してくれる姿が印象的だった。 -
明治41年に石炭積出港として開港した三池港。
この写真では全くすごさが伝わらないが、石炭が枯れた後も物流拠点として使えるよう工夫された、画期的な開閉式水門を持つ港だった。
この港も世界遺産に指定されている。 -
さて、いよいよ三池炭鉱の主力坑「万田坑」である。
明治35年から昭和26年まで活躍し、当時わが国最大規模の坑口であった。
他の坑口は見学無料だが、ここは数年かけて大規模な修復が行われたためか、大人一人410円の入場料が必要。万田坑 名所・史跡
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万田坑の山ノ神祭祀。どこの坑口にも山ノ神が祀られており、炭鉱に入る前には必ずここで無事を祈願してから中へ入っていった。
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万田坑の建物はレンガ造りの建物が多い。
これは巻上機室で、中に入って2階まで上がることができる。 -
重量物を上げ下げするのに使った機械。
他にも重工な機械がいくつかある。 -
運転台の横には当時使っていた電話もあり、時代を感じる。
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ワイヤーロープを巻きつけた巻揚機。かなり大きくて迫力満点。
昔は蒸気動力で、途中から電動式になった。 -
この建物は事務所で扇風機室も兼ねている。
奥には櫓も見えている。 -
これらの赤レンガはイギリス製。明治の終わりに建てられ、長い年月とともにいい味を出している。
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線路跡の向こうには、職場とよばれる修繕工場がある。
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坑内で使用する機械や工具の修理・工作を行っていた場所。
本当に時代を感じる物ばかり。 -
このトンネルは、映画「るろうに剣心」のロケが行われた場所。
佐藤健くんが、ここで剣を振ったんだね(*^_^*) -
この箱型ケージは定員25名、約1分で坑底まで行くことができた。いったい何人の人や荷物を運んだんだろう。
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かつてここには深さ264mの穴があいていて、炭坑作業員は先ほどのケージに乗って坑底まで上り下りしていた。今は穴は埋められている。
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倉庫かポンプ室だったかな?レンガ造りの建物が並ぶ。
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イチオシ
左は万田坑のシンボルともいえる櫓。総鋼鉄製で高さが18.9m、当時の最高技術を結集して造られた。
滑車にロープを引っかけてケージを吊り下げる役割を担っていた。
鋼鉄もレンガもイギリス製。西洋の産業に追いつけ追い越せの精神で、明治以降の日本の産業を担ってきたんだな〜万田坑 名所・史跡
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駐車場そばの万田坑ステーションに、「るろうに剣心」出演者のサインなどが飾ってあった。
万田坑は、以前に「青春の門」のロケにも使われたらしい。 -
次に訪れたのは「宮原坑」
駐車場のトイレが炭鉱仕様だ。 -
ここもレンガ製の建物で、中に当時の機械が残っている。
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大きな巻揚げロープが2台あり、ケージの上げ下げを行っていた。
2台のケージがつるべ式の井戸のように、片方が地上にある時はもう片方は坑底にあるというしくみは、万田坑と同じ。
とにかく大きい〜 -
こちらがケージだが、今は1台しか残っていない。
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イチオシ
宮原坑の櫓は日本に現存する最も古い鋼鉄櫓である。
三池炭鉱は掘ると必ず水浸しになり、それが大きな課題だった。当時世界最大級のデビーポンプというものを導入して、水対策が劇的に改善されたらしい。宮原坑(世界遺産) 名所・史跡
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昭和6年に閉抗した後も、ずっと他の坑口の排水を行っていたそうだ。
デビーポンプは残っていないが、櫓周りの壁がその名残をとどめている。宮原坑(世界遺産) 名所・史跡
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最盛期には総延長150?にもおよんだという三池炭鉱専用鉄道跡。
石炭や資材・坑夫などを運び、三池港までつながっていた。
石炭を掘るとすぐに輸送できるよう、合理的にできていたんだなぁ。三池炭鉱専用鉄道敷跡 名所・史跡
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帰りに荒尾コスモス園に寄ってみたが、日が暮れるのが思ったより早く、もうすでに暗くなってしまった(>_<)
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スマホなのでフラッシュもあまり届かず、近くのコスモスをかろうじて撮影。
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めずらしい黄色のコスモスは撮影失敗(>_<)
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しかたがないので最後にまた、くまもんの看板でしめくくり〜
明治日本の産業革命遺産、思ったより見ごたえあったなぁ。
他の九州・山口の産業革命遺産も見てみたいと思った。
次はどこの世界遺産に行こうかな?
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この旅行記へのコメント (2)
-
- たらよろさん 2015/12/23 22:23:49
- たくさんの赤レンガ
- こんばんは、akanezumi様
明治の産業革命遺産、三池炭鉱。。。
あまりしっかり見たことがなく、
akanezumi様の旅行記が初めてくらいだったのですが、
想像以上に、赤レンガの建物がしっかりと残っていて、
産業機器も綺麗な状態で残ってて、、、
見ごたえありそうですね〜
今度行ってみたいなぁ〜って思いました。
紹介して頂いてありがとう。
見せてもらわなかったら、この見ごたえを知らないままだったと思います。
早いものであっという間に年の瀬ですね〜
今年はお付き合いいただき、ありがとうございます。
少し早いですが、良いお年をお迎えくださいね♪
たらよろ
- akanezumiさん からの返信 2015/12/23 23:46:46
- RE: たくさんの赤レンガ
- たらよろさん、こんばんは。
>
> 明治の産業革命遺産、三池炭鉱。。。
> 想像以上に、赤レンガの建物がしっかりと残っていて、
> 産業機器も綺麗な状態で残ってて、、、
> 見ごたえありそうですね〜
> 今度行ってみたいなぁ〜って思いました。
九州に来られることがあればぜひ行ってみてくださいね。
>> 早いものであっという間に年の瀬ですね〜
> 今年はお付き合いいただき、ありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございます。
たらよろさんの綺麗な写真とガイドブックの上をいく詳しい説明に
いつも、さすが! と思いながら旅行記拝見しています。
今年の年末年始は少しですが、神戸の実家に帰省します。
一日は京都めぐりにあてられそうで、楽しみです。
よいお年をお過ごしくださいね。
akamezumi
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