「シエーナ大聖堂の床　象嵌装飾図」シエーナの芸術は凄い！

2014/09/25 - 2014/10/15

イタリア　トスカーナ州にある古都シエーナは昔から何かにつけ
州都フィレンツェと　覇権を争って来ました。

大聖堂の外観に関しては　フィレンツェに軍配が挙がりそうですが
大聖堂の内部については、　シエーナの芸術は
フィレンツェに全然負けてないと感じました〜

シエーナ大聖堂の床絵をご紹介します。

エリア シエナ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

金彩をポイントとして白く輝くその姿は　真新しいのでは、
と思うほど煌びやかだ。

フィレンツェの大聖堂に負けない馬鹿でかい聖堂を　
シエーナ人は造ろうとしていたのです。
しかし１４C　ペストや飢餓に襲われ工事は頓挫、　
側廊となるはずだった壁だけが残されている。

内部にはグレーと黒の縞模様を基調とした　
大理石の列柱が並びシックで超豪華　！

世界でも類を見ない高度な技術によって作られた「床装飾」。
写真のような作品が５６枚、聖堂の床を埋め尽くしている。　　
それらには　巫女の寓意や　聖書・神話を
題材とした物語が描かれている。

これらは大理石の「象嵌」「掻き絵」「きりばめ細工」と呼ばれる
技術が用いられ、１５C当初から２００年かけて４０人の芸術家たちが
作り上げたものだ。

受胎告知の預言者　エリュトレイアの巫女

ロープが張られているので、カメラで意のままに全体像を捉えることは出来ない。
暗いものもありますが、解かりやすい部分を切り取って並べてみまし

無実の者の大虐殺

キリストの降誕を予言した　サモスの巫女（左）
キリストの復活を予言した　フリュギアの巫女（右）

キリスト磔刑を予言した　ヘレスポンティカの巫女（左）
キリスト降誕を予言した　クメアの巫女（右）

足元で握手する狼とライオンは、それぞれの動物が象徴する都市　
「シエーナ」と「フィレンツェ」が握手して　和平を結んだとされる場面。

イスラエルの王　ダビデの三男　アブサロムの死

ヘブライ人の約束の地への行進

因みにこの装飾床は　経年摩耗を出来る限り減らすため　
普段は布が掛けられ、８月中旬から２か月間しか見ることが出来ない。　　
見られてラッキーだったとしか言いようがありません

説教壇

ふと見上げた円天井に　星が瞬いている！
全くもって凄いものを　シエーナ人は造ったものだ。　　

少し言い過ぎとは思うが、金に飽かせて豪奢を貪ったフィレンツェに対して、
こちらシエーナは　中堅都市の意地みたいなものだろうか、　
しっかりと自己を確立し、
派手さよりは　芸術そのものに金を賭けたと言えそうな気がする　、、　


芸術の分野で　フィレンツェが　チマブエ　ジョット　フィリッポ・リッピ　
ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ　ミケランジェロと　
豊かなルネッサンス表現様式の王道を歩んだのに対し、　　

シエーナの方は　理知的なギリシア風またはアラベスク模様のビザンチン風を
礎に、それに加えて　シエーナ独特の　抒情的で柔軟性に富む洗練された芸術を
生み出した　　と言われている。

確かに　シエーナ派などという名称も、芸術家たちの名前も
一般にはあまり知られてない。

シエーナが　フィレンツェに負けない　シエーナ独特の芸術を
持っていたことを知っただけでも
今回　私は　シエーナに来た甲斐があったというものでした　！