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2006年、長期滞在していたドイツの研究所から、フランスの国際会議に出かけた。会議の席にチェコのカレル大学の先生(学部長さん?)がいらしていたので、ちょうどその頃にメールのやりとりをしていたチェコの留学希望の学生さんと、その担当教授の話を振ってみた。<br /><br />「ヨーロッパにいらっしゃるならぜひ、大学にもいらしてください」<br /><br />と、彼はいきなり日程調整を始めた。ああ、チェコ国内の教授同士、知り合いなのか。……そんなこんなで、翌週、私はプラハの旅行者になった。<br /><br /><br /><br />古い写真を整理していたら、どこのものか、いつの写真かわからなくなってしまうものが出てきたので、少しでも覚えているうちに備忘録として書き残しています。<br />古い情報なので、他の方には参考にならないものもあるかと思います。<br /><br /><br />

ふらっと プラハ

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2006/09/26 - 2006/09/28

783位(同エリア4268件中)

2

29

Zebra

Zebraさん

2006年、長期滞在していたドイツの研究所から、フランスの国際会議に出かけた。会議の席にチェコのカレル大学の先生(学部長さん?)がいらしていたので、ちょうどその頃にメールのやりとりをしていたチェコの留学希望の学生さんと、その担当教授の話を振ってみた。

「ヨーロッパにいらっしゃるならぜひ、大学にもいらしてください」

と、彼はいきなり日程調整を始めた。ああ、チェコ国内の教授同士、知り合いなのか。……そんなこんなで、翌週、私はプラハの旅行者になった。



古い写真を整理していたら、どこのものか、いつの写真かわからなくなってしまうものが出てきたので、少しでも覚えているうちに備忘録として書き残しています。
古い情報なので、他の方には参考にならないものもあるかと思います。


旅行の満足度
4.5
同行者
その他
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
ルフトハンザドイツ航空
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 空港に着くと、留学希望だというその学生さんが私を見つけてくれた。<br />「あなたの顔はwebで知っているし、プラハの空港は大きくないから、迎えに行けばすぐに見つけられます」とは言われていたのだが、確かに、小さい空港である。<br /><br />チェコの通貨はユーロではなくチェココルナなので、空港で両替したかったのだが、少しシャイな好青年は「街中の方がレートがいいから、街に行きましょう」と、先を急ぐ。<br /><br />

    空港に着くと、留学希望だというその学生さんが私を見つけてくれた。
    「あなたの顔はwebで知っているし、プラハの空港は大きくないから、迎えに行けばすぐに見つけられます」とは言われていたのだが、確かに、小さい空港である。

    チェコの通貨はユーロではなくチェココルナなので、空港で両替したかったのだが、少しシャイな好青年は「街中の方がレートがいいから、街に行きましょう」と、先を急ぐ。

    ヴァーツラフ ハヴェル プラハ国際空港(PRG) 空港

  • 大学に向かう途中に通った、聖ミクラーシュ。中に入る時間はなかったが、英語発音だと聖ニコラス、チェコ風に言うならミクラーシュだ………<br /><br />学生さんが英語が堪能らしいということは、メールのやりとりをしていた時からわかっていたが、彼は英語はとても聞き取りやすい。フランスで会った学部長さんよりも、ずっと聞き取りやすい気がするのだが…… <br />「君、国籍はロシアだったよね?」<br /><br />それでも、地名は英語発音(英語名)、地元発音(チェコ名)が違って、なかなか通じない。

    大学に向かう途中に通った、聖ミクラーシュ。中に入る時間はなかったが、英語発音だと聖ニコラス、チェコ風に言うならミクラーシュだ………

    学生さんが英語が堪能らしいということは、メールのやりとりをしていた時からわかっていたが、彼は英語はとても聞き取りやすい。フランスで会った学部長さんよりも、ずっと聞き取りやすい気がするのだが…… 
    「君、国籍はロシアだったよね?」

    それでも、地名は英語発音(英語名)、地元発音(チェコ名)が違って、なかなか通じない。

    聖ミクラーシュ教会 寺院・教会

    最近は結婚式場情報が多いですが by Zebraさん
  • ひとまず大学に向かい、学生さんの担当教授に挨拶をする。書籍などで名前を知っている方である。フランスで会ったカレル大の教授とのご関係を聞いたら、うちの大学の同僚だという…………「へ?」<br /><br />嗚呼、これもなのか。<br /><br />留学生受け入れの連絡を貰った時、学生さんの所属が Charles University in Prague (チャールズ・ユニバーシティ・イン・プラーク)と、なっていた。チェコ語だと、カレル大学なのか、つまりは同じ大学だったのか…… <br />それなら確かに「訪ねて来い」って言えるよね……私、変なリアクションしなかったかな。<br /><br />その後、共通の知り合いの話なども出て、研究者の世界は意外に狭いですねえ、等、和気あいあいと研究の話を進めたのだが―――

    ひとまず大学に向かい、学生さんの担当教授に挨拶をする。書籍などで名前を知っている方である。フランスで会ったカレル大の教授とのご関係を聞いたら、うちの大学の同僚だという…………「へ?」

    嗚呼、これもなのか。

    留学生受け入れの連絡を貰った時、学生さんの所属が Charles University in Prague (チャールズ・ユニバーシティ・イン・プラーク)と、なっていた。チェコ語だと、カレル大学なのか、つまりは同じ大学だったのか…… 
    それなら確かに「訪ねて来い」って言えるよね……私、変なリアクションしなかったかな。

    その後、共通の知り合いの話なども出て、研究者の世界は意外に狭いですねえ、等、和気あいあいと研究の話を進めたのだが―――

  • 教授は国際会議のバンケットに出なければならないという話で、「何なら一緒に来ないか」と、誘われる。異存はない。教授を手伝ってくれているスタッフの一人について「彼は日本で働いた経験があったはずだ」、と教えられたので、それならぜひ、と、学生さんともども参加することにする。<br /><br />件の助手は、受付にいた―――<br />「あ、○○先生!?」<br />「え??? うああああ、久しぶりっ 元気だった?」<br /><br />「おや、あなたたちは知り合いだったんですか?」<br />「知り合いも何も、一昨年まで同じ研究室にいた仲間です。そっか〜 チェコに戻って助手してたのか〜 フリーメールのままやりとりしてたもんね、就職先、ちゃんと覚えてなかったよ」<br /><br />積もる話が、山ほど。研究者の世間は狭い、狭すぎる。<br />

    教授は国際会議のバンケットに出なければならないという話で、「何なら一緒に来ないか」と、誘われる。異存はない。教授を手伝ってくれているスタッフの一人について「彼は日本で働いた経験があったはずだ」、と教えられたので、それならぜひ、と、学生さんともども参加することにする。

    件の助手は、受付にいた―――
    「あ、○○先生!?」
    「え??? うああああ、久しぶりっ 元気だった?」

    「おや、あなたたちは知り合いだったんですか?」
    「知り合いも何も、一昨年まで同じ研究室にいた仲間です。そっか〜 チェコに戻って助手してたのか〜 フリーメールのままやりとりしてたもんね、就職先、ちゃんと覚えてなかったよ」

    積もる話が、山ほど。研究者の世間は狭い、狭すぎる。

    Velka klasterni restaurace 地元の料理

    格調高いチェコ料理 by Zebraさん
  • なお、バンケットが行われていたのはVelka Klasterni Restaurace という老舗レストランである。<br /><br />写真はチェコオリジナルのジャガイモのスープと、一匹丸ごと焼き上げて取り分けてもらった子豚の肉。コレノっていうのかな。素朴だけれど、美味しい。また、チェコのビールは美味しいとは聞いていたが、バドワイザーの名前の語源になった「ベーミッシュ・ブトヴァイス」はチェコの地名なんだそうだ。へえええええ。<br /><br />と、後ろから日本語で声をかけられた。 「ど、どーしたんです、こんなところで」「そちらこそ、どうして?」 「いや、我々は普通に国際会議に参加して……昼間、会議にませんでしたよね?」 「いや、私は××教授の所に来たついでに、食事に来ただけで……」<br /><br />学生さんが「????」という顔をしている。 「紹介しよう、日本の研究所で、隣の研究グループの××さんだ。日本にいったらすぐにまた会える」<br /><br />世間は狭い、狭い、いくらなんでも狭すぎるぞっ<br /><br />

    なお、バンケットが行われていたのはVelka Klasterni Restaurace という老舗レストランである。

    写真はチェコオリジナルのジャガイモのスープと、一匹丸ごと焼き上げて取り分けてもらった子豚の肉。コレノっていうのかな。素朴だけれど、美味しい。また、チェコのビールは美味しいとは聞いていたが、バドワイザーの名前の語源になった「ベーミッシュ・ブトヴァイス」はチェコの地名なんだそうだ。へえええええ。

    と、後ろから日本語で声をかけられた。 「ど、どーしたんです、こんなところで」「そちらこそ、どうして?」 「いや、我々は普通に国際会議に参加して……昼間、会議にませんでしたよね?」 「いや、私は××教授の所に来たついでに、食事に来ただけで……」

    学生さんが「????」という顔をしている。 「紹介しよう、日本の研究所で、隣の研究グループの××さんだ。日本にいったらすぐにまた会える」

    世間は狭い、狭い、いくらなんでも狭すぎるぞっ

    Velka klasterni restaurace 地元の料理

    格調高いチェコ料理 by Zebraさん
  • バンケットを終えて外に出る。<br /><br />プラハでは夜中〜夜明けまでずっとトラムが動いていて、街をグルグル回っている。料金は一律だから、酔っ払いが乗ったまま眠ってグルグルしているんだ、という。酔っ払いには優しい街だそうだ。<br /><br />「だって、外に出したら冬は寒くて死んじゃうだろう?」<br /><br />大柄な教授は国際会議での様子を見る限り、大御所のようだったが、酔っぱらったら冗談ばかりになって、学生さんが介抱している。いい感じの師弟関係のようだ。<br /><br />私はと言えば、学生さんに、大学のそばのホテルまで送ってもらう。すでに料金は大学から支払われているという。<br />あ、両替するの忘れてる。<br /><br />モーニングは珈琲と数種類の紅茶と、数種類のデニッシュだ。甘いものばかりなのね。(残念ながらホテル名を忘れてしまったが、学内のドミ(寮)的なものだった気もする)

    バンケットを終えて外に出る。

    プラハでは夜中〜夜明けまでずっとトラムが動いていて、街をグルグル回っている。料金は一律だから、酔っ払いが乗ったまま眠ってグルグルしているんだ、という。酔っ払いには優しい街だそうだ。

    「だって、外に出したら冬は寒くて死んじゃうだろう?」

    大柄な教授は国際会議での様子を見る限り、大御所のようだったが、酔っぱらったら冗談ばかりになって、学生さんが介抱している。いい感じの師弟関係のようだ。

    私はと言えば、学生さんに、大学のそばのホテルまで送ってもらう。すでに料金は大学から支払われているという。
    あ、両替するの忘れてる。

    モーニングは珈琲と数種類の紅茶と、数種類のデニッシュだ。甘いものばかりなのね。(残念ながらホテル名を忘れてしまったが、学内のドミ(寮)的なものだった気もする)

  • カレル大学にはキャンパスというものがない。プラハの街の中に、大学の建物が点在している、それだけ大きい大学だということだ。<br /><br />ここは大学本部のあるところ。医学部や理学部はこんな街中にはない。その辺の学部の配置(理工系は街のはずれに置く)は、いずこの国も同じだ。

    カレル大学にはキャンパスというものがない。プラハの街の中に、大学の建物が点在している、それだけ大きい大学だということだ。

    ここは大学本部のあるところ。医学部や理学部はこんな街中にはない。その辺の学部の配置(理工系は街のはずれに置く)は、いずこの国も同じだ。

    カロリヌム 建造物

  • これもカレル大学だそうだ。<br /><br />この校舎はクラシックな建物をそのまま使っていて、ステンドグラスの窓の横から、ガーゴイルが首を出している。学生さんの話では、少なくともここは理学部ではない、とのこと(笑)

    これもカレル大学だそうだ。

    この校舎はクラシックな建物をそのまま使っていて、ステンドグラスの窓の横から、ガーゴイルが首を出している。学生さんの話では、少なくともここは理学部ではない、とのこと(笑)

  • カレル大学の理学系の建物。実験室の中の様子は、古いものを上手く使いまわして、新しい実験装置をくみ上げる、という、学生にとってとても勉強になる環境が出来上がっていた。2006年のこの時点で、新しい建物を建てるから、と、実験装置などを移動する作業をしていた。この後このキャンパスには訪問していないのだが、すでに立て替えは終わっているだろうな。<br /><br />やはり日本に留学するという女の子にも会う。国から出たことのない彼女は、とても不安そうだった。良くも悪くものどかで、素直な子たちだ。

    カレル大学の理学系の建物。実験室の中の様子は、古いものを上手く使いまわして、新しい実験装置をくみ上げる、という、学生にとってとても勉強になる環境が出来上がっていた。2006年のこの時点で、新しい建物を建てるから、と、実験装置などを移動する作業をしていた。この後このキャンパスには訪問していないのだが、すでに立て替えは終わっているだろうな。

    やはり日本に留学するという女の子にも会う。国から出たことのない彼女は、とても不安そうだった。良くも悪くものどかで、素直な子たちだ。

  • 日本で学生を引き受けるということは、大学の客員教授になるのを引き受けることだそうで、いろんな書類にサインして、チェコでの講義日程を決めて、ひとまず一度研究紹介を兼ねた講演をして……と大忙しだ。<br /><br />それでも、チェコに来たのが初めてなのなら、と、時間の隙間を見つけては学生さんが街の案内をしてくれる。おまけに教授から講演料を現金(チェココルナ)で貰ったので、両替もしないで済んでしまった。<br /><br /><br />まずは旧市庁舎に案内される。

    日本で学生を引き受けるということは、大学の客員教授になるのを引き受けることだそうで、いろんな書類にサインして、チェコでの講義日程を決めて、ひとまず一度研究紹介を兼ねた講演をして……と大忙しだ。

    それでも、チェコに来たのが初めてなのなら、と、時間の隙間を見つけては学生さんが街の案内をしてくれる。おまけに教授から講演料を現金(チェココルナ)で貰ったので、両替もしないで済んでしまった。


    まずは旧市庁舎に案内される。

    プラハ旧市庁舎 建造物

    ずっと見ていたい天文時計 by Zebraさん
  • これはプラハ旧市庁舎の天文時計だ。<br /><br />世界最古と言われるこのからくり天文時計は、作者がわかっていないそうだ。「これ以上の作品を作られては困る」と当時の権力者に殺された、とも、この作品に取りつかれて(それ以上のものを作れないと悟って)自ら命を絶った、とも言われているそうだ。<br /><br />いずれにしても、この上なく細かな細工で、この上なく美しい。そして(多少の修理を経たとしても)いまだに動いているのが、素晴らしい事だと思う。

    これはプラハ旧市庁舎の天文時計だ。

    世界最古と言われるこのからくり天文時計は、作者がわかっていないそうだ。「これ以上の作品を作られては困る」と当時の権力者に殺された、とも、この作品に取りつかれて(それ以上のものを作れないと悟って)自ら命を絶った、とも言われているそうだ。

    いずれにしても、この上なく細かな細工で、この上なく美しい。そして(多少の修理を経たとしても)いまだに動いているのが、素晴らしい事だと思う。

  • 旧市庁舎の壁の一部。<br />漆喰の壁をひっかくようにして模様や絵を描く16世紀ごろの手法で作られたもので、ここしか残っていない、というような説明を聞いた。日本の古民家の蔵飾りや鏝絵を、一面に施したような感じだ。

    旧市庁舎の壁の一部。
    漆喰の壁をひっかくようにして模様や絵を描く16世紀ごろの手法で作られたもので、ここしか残っていない、というような説明を聞いた。日本の古民家の蔵飾りや鏝絵を、一面に施したような感じだ。

  • 細い道の先に、有名なカレル橋がある。<br />1300年代に着工した、という。どれだけ古いんだ、と、思う。(日本は何時代だ?) 橋の全景が見えると思っていたのに、何やら違う雰囲気で、ちょっとワクワクする。<br /><br />写真中央のアーチの向こうが橋になるのだそうだ。

    細い道の先に、有名なカレル橋がある。
    1300年代に着工した、という。どれだけ古いんだ、と、思う。(日本は何時代だ?) 橋の全景が見えると思っていたのに、何やら違う雰囲気で、ちょっとワクワクする。

    写真中央のアーチの向こうが橋になるのだそうだ。

  • これはすでにカレル橋の上。<br /><br />お土産屋さんが並んで、石畳が続いている。橋の両脇に聖人たちの像が並ぶ。いろんな言い伝えがあるけれど、とにかく古いから、書いてあるもので言い伝えが逆の事もあるそうな。<br />学生さんが、まるで専任ガイドみたいにいろいろ説明してくれるので、わかりやすいことこの上ない。

    これはすでにカレル橋の上。

    お土産屋さんが並んで、石畳が続いている。橋の両脇に聖人たちの像が並ぶ。いろんな言い伝えがあるけれど、とにかく古いから、書いてあるもので言い伝えが逆の事もあるそうな。
    学生さんが、まるで専任ガイドみたいにいろいろ説明してくれるので、わかりやすいことこの上ない。

    カレル橋 建造物

    嫌でも通りそうな観光スポット by Zebraさん
  • カレル橋の銅像の一つ、カトリックの聖人ヤン・ネポムツキー像の下のレリーフに触れると、幸運が訪れるといわれているから、ぜひ触るべきだ、と、学生さんがいう。<br />銅製のはずだが、多くの人に触られたため、つるつる&ピカピカの金色になっている。

    カレル橋の銅像の一つ、カトリックの聖人ヤン・ネポムツキー像の下のレリーフに触れると、幸運が訪れるといわれているから、ぜひ触るべきだ、と、学生さんがいう。
    銅製のはずだが、多くの人に触られたため、つるつる&ピカピカの金色になっている。

  • カレル橋から臨むヴルダヴァ川。晴れ間が出てきて、きれいだ。<br /><br />遠くにプラハ城が見える。プラハ城の中に美しい大聖堂があるというので向かうことにする。

    カレル橋から臨むヴルダヴァ川。晴れ間が出てきて、きれいだ。

    遠くにプラハ城が見える。プラハ城の中に美しい大聖堂があるというので向かうことにする。

  • プラハ城に上る坂道は、大きな石畳で、ヒールの踵が石の隙間に入ってしまいそうで大変だった。学生さんは待ってくれる。周りに気を使えるいい子だなあ、と、思ったら、すでに結婚しているのだそうだ。(そういえばロシア人は、若くして結婚している人が多かった気がする)<br />

    プラハ城に上る坂道は、大きな石畳で、ヒールの踵が石の隙間に入ってしまいそうで大変だった。学生さんは待ってくれる。周りに気を使えるいい子だなあ、と、思ったら、すでに結婚しているのだそうだ。(そういえばロシア人は、若くして結婚している人が多かった気がする)

  • プラハ城内のヴィート大聖堂。<br /><br />ゴテゴテのゴシック建築である。プラハに司教が来た(司教区ができた)のは1000年代とのことで、この大聖堂はその300年後くらいにできたそうな。<br />「理系なのに詳しいね」と聞いたら、ロシアから友だちが来るたびに、ガイドブックを見て説明したから、覚えてしまった、と、言っていた。<br /><br />歩きながら、いろんな話をする。<br />

    プラハ城内のヴィート大聖堂。

    ゴテゴテのゴシック建築である。プラハに司教が来た(司教区ができた)のは1000年代とのことで、この大聖堂はその300年後くらいにできたそうな。
    「理系なのに詳しいね」と聞いたら、ロシアから友だちが来るたびに、ガイドブックを見て説明したから、覚えてしまった、と、言っていた。

    歩きながら、いろんな話をする。

    聖ヴィート大聖堂 寺院・教会

    心ここに非ずでも、見とれる美しさ by Zebraさん
  • ヴィート大聖堂の中。<br /><br />ロシアで20年くらい教育を受けたけど……チェコの大学に来てよかった。僕の知識は、この5年ですごく変わったんだ、世界が広がったんだ、と、学生さんが話す。<br />この5年ですべてがひっくり返って、世界がこんなに広いこと、どこの国にでも自分の意志で行けることを知った、と。世界中に知り合いのいる教授や、貴女たちに感心するばかりだ、と言うから、研究者になると、世界はすぐに身近になるよ、と、伝える。<br /><br />なお、手を動かして実験をするのも好きだし、数学も好きなのだそうだ。<br />

    ヴィート大聖堂の中。

    ロシアで20年くらい教育を受けたけど……チェコの大学に来てよかった。僕の知識は、この5年ですごく変わったんだ、世界が広がったんだ、と、学生さんが話す。
    この5年ですべてがひっくり返って、世界がこんなに広いこと、どこの国にでも自分の意志で行けることを知った、と。世界中に知り合いのいる教授や、貴女たちに感心するばかりだ、と言うから、研究者になると、世界はすぐに身近になるよ、と、伝える。

    なお、手を動かして実験をするのも好きだし、数学も好きなのだそうだ。

  • ヴィート大聖堂の中のステンドグラス。美しいなあ………<br />学生さんは大聖堂の歴史や、ステンドグラスに描かれたものの説明をしてくれる。<br /><br />「貴方は英語がうまいね、チェコの研究室の他の子たちよりも、ずっとうまい」<br />と言ったら、英語はロシアにいた時の中学の先生が教えるのが上手だったから、と、恥ずかしそうに言った。<br />大学で、世界の広さを実感して、でも故国に対しては、少々複雑な愛情があるらしい。<br />

    ヴィート大聖堂の中のステンドグラス。美しいなあ………
    学生さんは大聖堂の歴史や、ステンドグラスに描かれたものの説明をしてくれる。

    「貴方は英語がうまいね、チェコの研究室の他の子たちよりも、ずっとうまい」
    と言ったら、英語はロシアにいた時の中学の先生が教えるのが上手だったから、と、恥ずかしそうに言った。
    大学で、世界の広さを実感して、でも故国に対しては、少々複雑な愛情があるらしい。

  • ミュシャのステンドグラスがある。  (↑これは違う)<br /><br />ドイツでシャガールのステンドグラスをよく見るのだが、ミュシャも作ってたんだ、と感激する。(シャガールの青に比べると)色合いこそ、他のステンドグラスに紛れるが、ミュシャの絵自体がもともと、太い線描きの輪郭の間を透明感のある色彩で埋めるものなので、ステンドグラス向きなんだよな、と、思う。<br /><br />

    ミュシャのステンドグラスがある。  (↑これは違う)

    ドイツでシャガールのステンドグラスをよく見るのだが、ミュシャも作ってたんだ、と感激する。(シャガールの青に比べると)色合いこそ、他のステンドグラスに紛れるが、ミュシャの絵自体がもともと、太い線描きの輪郭の間を透明感のある色彩で埋めるものなので、ステンドグラス向きなんだよな、と、思う。

  • 王宮だからなのか、衛兵がいる。たとえばロシアの赤の広場の衛兵や、バッキンガム宮殿の衛兵に比べて緊張感はないが、きちっとした行進に、お疲れ様、と言ってあげたい気分になる。

    王宮だからなのか、衛兵がいる。たとえばロシアの赤の広場の衛兵や、バッキンガム宮殿の衛兵に比べて緊張感はないが、きちっとした行進に、お疲れ様、と言ってあげたい気分になる。

    プラハ城 城・宮殿

  • プラハ城から見下ろすプラハの様子。<br /><br />道に迷っている様子の日本人女性を見かける。私では助けにならないので、学生さんに聞いて、その通訳だけする。お礼を言われた後、<br />「いいわねえ、彼氏?」<br />「え?え? と、ととと、とんでもないっ」<br />学生さんですしっ どっちかというと新しい息子的な……

    プラハ城から見下ろすプラハの様子。

    道に迷っている様子の日本人女性を見かける。私では助けにならないので、学生さんに聞いて、その通訳だけする。お礼を言われた後、
    「いいわねえ、彼氏?」
    「え?え? と、ととと、とんでもないっ」
    学生さんですしっ どっちかというと新しい息子的な……

  • プラハの中心街、ヴァーツラフ広場から歩いていて見つけたモダンアート。一瞬、帽子かと思ったのだが、洗面台のボウルが排水管の足で放射状に広がっている。<br />芸術、というより、「なんだこれ?」感が強いのだが、アーティストたちにはどうなのだろう?<br />

    プラハの中心街、ヴァーツラフ広場から歩いていて見つけたモダンアート。一瞬、帽子かと思ったのだが、洗面台のボウルが排水管の足で放射状に広がっている。
    芸術、というより、「なんだこれ?」感が強いのだが、アーティストたちにはどうなのだろう?

    ヴァーツラフ広場 広場・公園

  • 土産物屋の多くに、マトリョーシカ(ロシアの人形)が売られているので、「面白いね」と、話したら、プラハはロシアの観光客が西側諸国の端っことして訪問して、ヨーロッパの人たちはロシアに続く街として訪問するから、双方に対する土産物屋があるのだ、と説明された。なるほどね、と、思う。<br />

    土産物屋の多くに、マトリョーシカ(ロシアの人形)が売られているので、「面白いね」と、話したら、プラハはロシアの観光客が西側諸国の端っことして訪問して、ヨーロッパの人たちはロシアに続く街として訪問するから、双方に対する土産物屋があるのだ、と説明された。なるほどね、と、思う。

  • これもヴァーツラフ広場周辺。広い道はとても近代的で、モダンだ。学生さんは、この辺は中心街でもあるけれど、地元の人が食事に行く安い店もたくさんあるから、その中の一軒に案内する、という。

    これもヴァーツラフ広場周辺。広い道はとても近代的で、モダンだ。学生さんは、この辺は中心街でもあるけれど、地元の人が食事に行く安い店もたくさんあるから、その中の一軒に案内する、という。

  • そういって連れて行ってもらった、U Jindrisske Vezeというカフェ。<br /><br />壁にたくさんミュシャの絵画が飾られていて、確かに中にいる人たちは観光客ではなく、地元の人や、学生さんが多いようだ。

    そういって連れて行ってもらった、U Jindrisske Vezeというカフェ。

    壁にたくさんミュシャの絵画が飾られていて、確かに中にいる人たちは観光客ではなく、地元の人や、学生さんが多いようだ。

    U Jindrisske Veze 地元の料理

    安価で満腹の地元料理 by Zebraさん
  • 日本に来ていた料理好きのポスドクさん(バンケットの受付をしていた彼)に、研究室のパーティで何度か作ってもらったことのあるクネドリーキ(写真の白パンみたいなもの)と、グラーシュ。<br />レストランで食べるのは初めてだが、本場の味も美味しい。そして、ポスドクさんの料理の腕は、なかなかのもんだったのだな、と、改めて思う。

    日本に来ていた料理好きのポスドクさん(バンケットの受付をしていた彼)に、研究室のパーティで何度か作ってもらったことのあるクネドリーキ(写真の白パンみたいなもの)と、グラーシュ。
    レストランで食べるのは初めてだが、本場の味も美味しい。そして、ポスドクさんの料理の腕は、なかなかのもんだったのだな、と、改めて思う。

  • 帰りの空港で、ボヘミアングラスと薬草入りのアルコール度数80%という緑入りのリキュールを購入した。アブサン……て、こんなきれいなお酒だったのか、と、思ったが、自分で飲めるとも思えないので日本への土産物だ。<br /><br />ドイツの学生さんたちには、可もなく不可もないチョコレートを買って行ったが、プラハに訪問したことのある学生はおらず、きれいな街だと聞いたから、ぜひ一度行きたいと思っている、とのリアクションだった。<br /><br />チェコの学生さんは、ドイツは遠いと話していた。距離とは別に、ドイツからも、チェコは遠い国なのかもしれない。<br />

    帰りの空港で、ボヘミアングラスと薬草入りのアルコール度数80%という緑入りのリキュールを購入した。アブサン……て、こんなきれいなお酒だったのか、と、思ったが、自分で飲めるとも思えないので日本への土産物だ。

    ドイツの学生さんたちには、可もなく不可もないチョコレートを買って行ったが、プラハに訪問したことのある学生はおらず、きれいな街だと聞いたから、ぜひ一度行きたいと思っている、とのリアクションだった。

    チェコの学生さんは、ドイツは遠いと話していた。距離とは別に、ドイツからも、チェコは遠い国なのかもしれない。

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  • こあひるさん 2015/09/23 14:37:41
    変わらないプラハの街並み
    Zebraさん、こんにちは。

    10年以上前のプラハ・・・私が訪れてからも数年経っちゃいましたが、全然変わらないですね〜〜。

    おもちゃ箱のようにごっちゃに様々な様式の建物が並び・・・車道に至るまでガラガラの石畳・・・大きな都市の中で、私はプラハが一番好きかも・・・。

    Zebraさんが訪れてから月日が経ち・・・ドイツとチェコ・・・今はもっと近いと感じるようになったのかなぁ。

    こあひる

    Zebra

    Zebraさん からの返信 2015/09/26 19:04:33
    RE: 変わらないプラハの街並み
    こあひるさん、こんにちは。
    いつもコメントをありがとうございます。

    プラハのグループとはこの後も仕事をしているのですが、日本に来ていただいたり、こっちが訪問しても目的地で会議をして帰ってくるだけなので、観光地を回ったのはこの時限りなのです。
    でも、この後プラハ在住の知人が増えたため、距離は少しだけ短くなった気がします。いつも思うのは、ロシアとの関係が深いんだなあ、と。

    とても綺麗な街ですよね。

    いつか観光目的で、のんびり訪問したいと思っています。

    Zebra

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