2015/09/15 - 2015/09/15
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j-ryuさん
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☆地元で最大の“馬尾滝”と地元民の私でさえ知らなかった幻の森林軌道“河内川森林軌道”の痕跡を求め、隣り村の奥の秘境に行ってきました。
“馬尾滝”は落差40m、滝幅60mと天栄村で最大の滝ですが、隣り村と言っても天栄村はかなり広い村で私の町の7倍もあります。滝は村の最も山奥に位置し、獣道をかき分け、渓流を何度も渡渉しなくてはなりません。
その獣道でさえ部分的に崩落していると言うのでずっと行くのをためらっていました。
でも毎週のように出かけているとさすがに近場の滝や渓流はほぼ行きつくし“馬尾の滝”が最後の牙城だったのです。
で、その“馬尾滝”は秘境中の秘境だと思っていたらなんと昭和45年頃まで滝のすぐ傍まで森林軌道が稼動してたそうなんです。
隣り村のことなのに恥ずかしながら全く知りませんでした(^_^;)(単なる無知?)
でも“鉄ちゃん”の中でもコアなマニアの間では“河内川森林軌道”は失われた幻のトロ道としていつかは訪れたい垂涎の森林軌道なんですって。
最後の牙城“馬尾の滝”に“幻の森林軌道”が付いているんじゃ少々の悪路などためらっていられません。
地元民ならコアな“鉄ちゃん”が押し寄せる前にチェックしておかねばと、妙な使命感に後押しされたのでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
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☆福島県天栄村 羽鳥湖高原周辺地図
※地理院地図に加筆。
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#12/37.266130/140.060234
出発地点を東北道・須賀川ICを基準とすると。
国道118号線を羽鳥湖、下郷、南会津方面に進み、鳳坂峠を越え羽鳥湖の湖畔まで約30分〜40分。
羽鳥湖湖畔から岩瀬湯本まで約15分。
岩瀬湯本から西部林道を経て“馬尾の滝”入り口まで約15分〜20分。
我が家からは“馬尾の滝”入り口(河内川橋)まで1時間でした。 -
☆福島県天栄村 羽鳥湖周辺 Google Map
※Google Mapに加筆。
https://www.google.com/maps/@37.2529058,140.0821703,17602m/data=!3m1!1e3大丸あすなろ荘 宿・ホテル
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☆福島県天栄村 羽鳥湖高原周辺地図①
※地理院地図に加筆。
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#12/37.266130/140.060234
Net上、地図の南北の範囲が狭いので行程としてはこの地図から順繰り①②③と下に見てください。
国道118号線の岩瀬湯本の河内地区の湯本小を目指し、橋(河内川)を渡ってまももなく左折します(西部林道)。
下河内集落を抜け、二岐温泉へのY字路分岐点までは良く整備された舗装道路なので問題はありませんが、その先の西部林道がやっかいです。 -
☆福島県天栄村 羽鳥湖高原周辺地図 ②
※地理院地図に加筆。
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#12/37.266130/140.060234
“馬尾の滝”へは二岐温泉へのY字路分岐点を左の西部林道方面に進みます。
道路標識もありますし、二岐温泉への道路(河内林道)は舗装ですし、西部林道はダートなので間違うことは無いと思います。 -
☆福島県天栄村 羽鳥湖高原周辺地図 ③
※地理院地図に加筆。
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#12/37.266130/140.060234
舗装された二岐温泉へ到る河内林道と別れ、左手のダートの西部林道を道なりに進むとだんだん道の状態が悪くなってきます。
しばらく進むと再びY字路に出ます。
右手が奥西部林道で左が西部林道。
“馬尾の滝”へは左の西部林道へ進みます(どちの林道もダート)です。
西部林道は進むにつれ悪路になり“くるみ沢橋”を渡った先から最悪状態です。
8/9の茨城栃木などを襲った線状降雨帯豪雨による影響かもしれません。
道路のところ所に水流による縦状の溝(雨溝)ができています。
それでも気をつければ通れないことはないと思います(2015年9/15時点) -
☆西部林道&河内川橋
国道118号線から西部林道を走ること15分〜20分で、河内川(かわうち)に架かる河内川橋に到着します。
車は先客がいなければ写真→の地点に2台くらい止められます。
ここからは徒歩になります。 -
☆西部林道&河内川橋
河内川橋を渡ってすぐ右手に“河内川森林軌道”があった軌道跡があり山道のようになっています。
西部林道の側溝に渡した朽ちかけた丸太橋が目印です。 -
☆河内川森林軌道跡。
しばらくは軌道跡がしっかり残っていて歩きやすいのですが、
それも束の間、直ぐに道なき獣道を辿ることになります。 -
☆軌道跡周辺ではアケボノソウ(曙草/リンドウ科センブリ属)が見頃を迎えようとしていました。
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☆河内川森林軌道跡はやがて斜面崩落により100mほど全く通れくなり、写真↓地点から河内川へと降りていくしかありません。
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☆河内川森林軌道跡の崩落現場。
写真の崩落した地点はまったく通れないので渡渉し右手の森を抜け、崩落現場の先で再び渡渉し河内川森林軌道跡へ復帰します。 -
☆河内川
河内川は那須連峰の北端に連なる大白森山(1642m)や鎌房山(1510m)などを源流とし、岩瀬湯本で鶴沼川に合流し、鶴沼川は下郷町で大川(阿賀川)に合流、阿賀川はやがて新潟で阿賀野川と名前を変え日本海に注ぎます。
河内川も9/10の栃木茨城豪雨の線状降雨帯にあったので相当な雨量だったと思いますが、訪れた9/15には川は落ち着いていました。
私は鶴沼川との合流地点で河内川の水量を確認してから滝に向かいましたが、
渓流は天気によっては激流に激変するので、当日はもちろん数日前の天候もよく調べてからお出かけください。
それでも通常よりは水量が多く流れもやや急かも知れません。
水量が少なければ長靴でも渡渉は可能かもしれませんが、胴長(ウエーダー)か濡れても良い渓流シューズの着用をお薦めします。 -
☆河内川森林軌道跡。
大規模崩落現場を迂回するように二度渡渉し河内川森林軌道跡がある右岸に復帰します。(進行方向的には左岸)
※(注)写真的には進行方向右が右岸で左を左岸と呼んだほうが分かり易いのですが、河川学的には上流から下流を見て、右側が右岸で、左が左岸と呼びます。
ま、現場に居れば川の流れが分かるので、上流&下流、右岸&左岸は分かり易いと思いますが、写真で解説するときは上流や下流が判断しにくく、河川学的な右岸左岸の表現が相応しいのか時々疑問に感じます(^_^;)。 -
☆河内川森林軌道 木製の軌道橋。
進行方向左岸の河内川森林軌道跡に復帰すると左手に滑滝が見えてきます。
その滑滝には河内川森林軌道が実際に走っていた軌道橋が朽ちた状態で残っています。 -
☆河内川森林軌道 木製の軌道橋のZoom版。
誰一人いない山奥に忽然と姿を現した朽ちた木製の軌道橋。
まるで時代から取り残されたロストワールドに迷いこんだかのよう。 -
☆河内川
河内川は大雨後とは思えないほど澄んだ美しい流れです。 -
☆河内川森林軌道跡の石垣。
まだ現役で使えそうなくらいしっかり積み上げられた軌道跡の石垣。
今にも軌道車の音が聞こえてきそうです。 -
☆河内川森林軌道跡。
この辺りは当時の軌道跡がしっかり残っていて、落ち葉の下にはレールも見えていました。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡。
河内川橋から軌道跡や獣道、渓流の渡渉とまるで探検家気分で歩くこと30分ちょっとで、河内川森林軌道の終点&事務所(詰め所)跡に到着です。
河内川森林軌道は昭和22年(1947年)に戦後復興の木材需要に応えるため、林野庁前橋営林局白河支所によって開設され、当初は人力で始り、後に牛力になり、昭和40年頃に民間の成井農林が権利を取得しエンジン軌道車になったそうですが、林道整備やトラックの普及により昭和45年に森林軌道は廃止されたそうです。
昭和45年頃まで稼動していたとしたら、当時私は小学生で河内川森林軌道にほど近い二岐温泉に行ったことがありますが、湯本地区に森林軌道があったなんてまったく知りませんでした。
その頃は鳳坂峠(旧道)や二岐温泉への山道もまだ砂利道で、せっかく温泉に入っても帰りはホコリだらけになったのを覚えています(^_^;)。
バスはボンネットバスでした(^^ゞ。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡と気道車。
自動車のエンジンを利用して造られたとう当時のまま残された気道車。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡とと気動車。
こんな小さな気動車で材木を運搬するのは大変だろうと想像したのですが、
エンジンを稼動させ気動車を動かすのは湯本から終点の登り区間だけで、軽くなった運搬車だけを牽引します。
切り出した材木を積んだ運搬車は下り勾配を利用し自力で湯本の基地まで運んだそうです。
だから小さな気道車でも運搬できたんですね。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡。
これはいったい何でしょうかね?
昭和40年、50年代くらいまでは全国にあまたの森林軌道があったそうで
福島県には森林軌道の他に鉱山軌道や工場専用軌道など50ヶ所以上あったそうです。
そういえば当町にも牧場の専用軌道があって大正時代から昭和15年くらいまで稼動していたそうです。
今でも牧場内にはその軌道やレールが残っています。
軌道跡が残っているものはあちこちにあっても、気道車が当時使われたまま放置され残っているのはとても貴重だとか。
この機械の鋼鉄はまだまだ大丈夫そうですが、軌道レールや枕木は腐食が早くそう遠くないうちになくなりそうです。
トロ道ファンの方、見る撮るなら今のうちですよ。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡。
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☆河内川森林軌道詰め所跡。
詰め所跡の周辺は平坦な場所で河内川の向こう岸には小さな滝が見えていました。 -
☆河内川森林軌道詰め所跡。
“馬尾の滝”は河内川森林軌道詰め所跡から川原に降りてほんの少し上流に遡れば見えてきます。
この写真でも白い囲みの部分が“馬尾の滝”です。 -
☆馬尾の滝
馬尾の滝は資料により表記が“馬尾滝”だったり、“馬尾の滝”だったり、“馬尾ノ滝”だったりし、読み方は“うまおたき”or “うまおのたき”で地元の人も呼び方は様々なので、どれが正解というのは無いようです。
須賀川市(旧・長沼町)の勢至堂地区にも“馬尾の滝”がありますが、こちらの呼び方は“まおのたき”で(う)が付きません。 -
☆馬尾の滝
手前の川が河内川(かわうちがわ)で馬尾の滝は支流から流れ落ちる分岐瀑です。 -
☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
落差は40m〜50mくらい、滝幅は分岐瀑なのでどこで測るかによってかなり違うと思います。
正面左側の本滝の滝幅は15mくらい、右端の細い滝は6mくらい。
でも大雨後は真ん中の岩盤からも流れ落ちるようなので、一番幅広の部分右から左まで全部測れば60mくらいありそうです。
滝全体を撮ろうとするなら、渡渉し河内川左岸からかなり引いて撮らないと全部が入りきれないくらい大きな滝です。
ただ引き気味に撮ると木々が少し邪魔になります。
落葉の頃ならスッキリ見えることでしょう。 -
☆馬尾の滝
滝が川に合流する辺りからの撮影です。
水深は知れたものなので滝下部の渡渉は簡単ですが、豪快な滝だけに周辺に水しぶきが舞っています。
近くで撮る場合はレンズを拭きながらの撮影です。 -
☆河内川渓流
滝が合流する地点から河内川の上流を見た構図です。 -
☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
この日の天気予報は早朝まで曇りでのち晴れでしたが、運良く“馬尾の滝”では薄曇り状態でした。
でも滝全体を縦位置で撮ろうとすると空の明るさもレンズに影響するので全体に白飛びした写真になってしまいました。
面倒くさがらないで減光フィルター(NDフィルター)を使えば良かったかも。
このときカメラ用デイバックは川の対岸に置いてきたのでした。 -
☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
真横から見ると滝が所々で“ひょんぐって”います。 -
☆河内川渓流小滝
馬尾の滝のすぐそば河内川上流にある小滝。 -
☆河内川渓流小滝
馬尾の滝のすぐそば河内川上流にある小滝。
河内川周辺の河床の岩盤は凝灰岩質と思われ(たぶん)、岩盤が露出している河床部分は透明度の高い水がエメラルドグリーンに見えとても美しいです。 -
☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
馬尾の滝でもいいけど、“白馬の滝”の方がかっこ良かったかもね(^^ゞ。 -
☆馬尾の滝
不思議な形状に侵食された奇岩。
普段の水量なら大丈夫だろが、長い年月の間によくもまあ土石流などで壊れなかったもだと感心。 -
☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
滝正面右端の細い分岐瀑へはガレ場を登って中腹まで行けますが、
滝の写真としては正直イマイチ、証拠写真ていどかな。
わざわざ登るほどでもなかったかも(ーー;)。 -
☆河内川渓流
馬尾の滝そばから河内川上流側に回りこんでの撮影。
河床のエメラルドグリーンがとても美しいです。
大白森山周辺(那須連峰)は古代から火山地帯だったので
周辺の川の河床は凝灰岩質の岩盤(火山灰が堆積して固まった岩)が多く、二岐渓谷も河床がエメラルドグリーンの淵が多く見られとてもキレイです。 -
☆河内川渓流
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☆河内川渓流
翡翠に例えてもいいような美しい翠色です。 -
☆河内川渓流
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☆馬尾の滝&河内川渓流
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☆河内川渓流の小滝。
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☆河内川渓流&馬尾の滝
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☆河内川渓流
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☆河内川渓流
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☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
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☆馬尾の滝
隣り村にありながら初めて訪れた“馬尾の滝”
さすが天栄村随一と言われるだけあって大そう立派な滝でした。
できれば簡単な遊歩道を整備してもらえばありがたいのですが・・・・。 -
☆馬尾の滝
一度訪れれば迷うことはないので、機会があれば紅葉の季節にでも
また訪れてみたいと思いました。 -
☆福島県天栄村 羽鳥湖高原周辺地図
※地理院地図に加筆。
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#12/37.266130/140.060234
馬尾の滝があるのは一般的には天栄村の湯本・二岐と呼ばれている地域です。
この地域には他にも多数隠れ滝があるようですが、
比較的容易に見学できるのは二岐渓谷にある、二岐川大滝と御鍋小滝の2つです。
馬尾の滝へはトラブルもなく順調に訪れることができ、時間的に余裕があったのでずいぶん久しぶりに二岐川大滝と御鍋小滝にも寄ってみることにしました。
馬尾の滝からは西部林道を同じ方向に戻り、来るときに2番目のY字路だった奥西部林道からも行けるはずですが、西部林道が雨溝でかなり荒れてると言うことは、奥西部林道も荒れている可能性が高いので、最初のY字路である舗装された河内林道を経由して行くことにしました。
よく整備されや舗装の河内林道を道なりに進み二岐川の橋を渡ると奥西部西部林道の丁字路になるので、標識に従い二岐温泉方面に左折します。
一般的に国道118号線から二岐温泉に行くにはこの奥西部西部林道を利用しますが、二岐温泉までの区間は林道とは似つかない立派な二車線道路です。 -
☆桔梗清水。
6,7軒ある二岐温泉街の最奥の先にある二岐橋を渡り二岐林道に入ると、すぐ左に小白森山登山口と観光案内板があります。本来ならこの先も御鍋神社まで約4km車で行けるのですが、関東東北豪雨による影響なのか、雨溝が酷く一般車両の通行は止めた方が無難です。
観光案内板前に数台の無料駐車場があるので車を置き、桔梗清水までや約2kmの林道を歩くことにしました。
奥二岐橋を渡って大きな右カーブがあり、その左手が「桔梗清水」です。
『源義経の側室の桔梗姫が使用した清水』とか、『平将門の孫、桔梗の姫の隠し清水』などの伝説がありますが、真実はいかに・・・・。 -
☆桔梗清水。
桔梗清水はこの水流よりもっと上のガレ場やブナ(橅)の根元などからこんこんと湧き出し、一番下では小さな渓流のようになっています。
岩盤から湧き出す湧水というよりは、大昔に沢が崩壊し岩石で埋め尽くされ、
やがてその岩石の隙間から沢が流れ出す伏流水のような清水です。
この桔梗清水はこの水流の崖下で二岐川に注いでいます。 -
☆桔梗清水。
二岐温泉の開湯は969年(平安時代中期)と言われる古湯で、
『日本秘湯を守る会』の会長を長らく務められた佐藤氏の『大丸あすなろ荘』や、つげ義春氏の漫画『二岐渓谷』で有名な『湯小屋旅館』(土日の営業)など6,7軒の素朴な温泉郷です。
私が子供の頃は確かに秘湯のイメージそのものでしたが、今は道路事情が格段に良くなりあまり秘湯の印象はしないかもしれません。
※参考 つげ義春氏の漫画『二岐渓谷』 つげ義春研究会より
http://www.geocities.jp/bbtugeken/mhuks1.html 前編
http://www.geocities.jp/bbtugeken/mhuks2.html 後編 -
☆桔梗清水。
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☆桔梗清水。
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☆桔梗清水。
御鍋神社や御鍋小滝は桔梗清水からさに林道を2kmほど登らなければならないので今回はパスし、この桔梗清水から二岐川に降り、500mほど上流にある二岐川大滝を目指すことにしました。 -
☆白花ツリフネソウ&ツリフネソウ(吊り舟草/ツリフネソウ科ツリフネソウ属)
ここでちょっと一息。
二岐川周辺で見られた花をご覧いただきましょう。
ツリフネソウの仲間は熱帯アフリカや東南アジアを中心に約600種もあるそうですが,日本には今日紹介している赤紫色のツリフネソウの他には山あいの湿った所に咲くキツリフネ(黄吊り舟)と紀伊半島、四国、九州に自生するハガクレツリフネ(葉隠れ吊り舟)のわずか3種しかありません。(白花など亜種は除く)園芸種のホウセンカやインパチェンスもツリフネソウの仲間です。
白花は赤紫のツリフネソウの突然変異だと言われて -
☆白花ツリフネソウ
二岐林道ぞいの草むらではたくさんのツリフネソウが咲いていますが、
当町ではまったく見られない白花がたくさん見られました。
ただツリフネソウは1年草なので翌年も同じ場所に必ず白花が咲くとは限りませんが、白花が多ければ多いほど白花どうしの受粉率が高くなり、
必然的に白花の遺伝子を持った種が多く飛び散り、
その周辺で翌年も白花が見られる確立が年々高くなります。 -
☆キツリフネ(黄吊り舟草/ツリフネソウ科ツルフネソウ属)
二岐林道ぞいではキツリフネも見られ、場所によっては白、赤紫、黄色が混在している所もありました。
キツリフネも赤紫のツリフネソウも花の形はよく似ていますが、
キツリフネの蜜壺はほぼ真っ直ぐで、赤紫のツリフネソウはカールしています。
またキツリフネの花は葉っぱ下の葉腋から花序を伸ばし花を咲かせますが、
赤紫のツリフネソウは茎の頭頂部分から花序を伸ばし花を咲かせます。
白花は赤紫のツリフネソウと同じ形態です。 -
☆ヤマトリカブト(山鳥兜/キンポウゲ科トリカブト属)
二岐川周辺ではヤマトリカブトも見頃を迎えていました。。
ヤマトリカブトは本州の中部以北に分布し山奥の渓流沿いや林内、沢筋など湿ったところに自生します。
高さは0.6m〜2m、林縁や斜面では斜上し、草原では直立し遠目はオクトリカブトとあまり見分けが付きません。
葉は5〜7裂しますがオクトリカブトの葉は全体に丸みがあり深列する葉と葉の間にあまり隙間がありませんが、ヤマトリカブトは深裂する真ん中の葉がやや長めで葉と葉の間に隙間があります。
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☆ヤマトリカブト(山鳥兜/キンポウゲ科トリカブト属)
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☆二岐川大滝
“桔梗清水”の少し先に砂防ダムがあり、その砂防ダムの脇から二岐川に入渓します。
二岐川大滝までは約500m、12分ほど川の浅い部分や穏やかな流れを選んで川をジャブジャブと遡ります。 -
☆二岐川大滝
二岐川は二岐山(1544m)や小白森山(1563m)などの山々を源流とし、
岩瀬湯本で鶴沼川に合流します。
二岐川大滝は上流の御鍋小滝と二岐温泉の中間くらいにあり、落差は10m、滝幅も10mほどです。
川のレベルから見ると直瀑ですが、直瀑の直ぐ上にも落差5mほどの分岐瀑があるので、2つ合わせれば落差15mほどの段瀑とも言えます。 -
☆二岐川大滝
上空は晴れていましたが
滝に直射日光は当たっていなかったので写真的には良かったのです。
でも水量の多い直瀑は白飛びしやすく、見た目もぼったりとした印象になってしまい、スキルのレベルがまだまだ低い私には表現が難しい被写体です。 -
☆二岐川大滝
滝の真横からも撮れますが、近すぎて真正面以上に表現が難しいです(^_^;)。 -
☆二岐川大滝
二岐川大滝の右手斜面には小さな滑滝があり、過去の土石流でかなり高い位置まで土砂や岩石が堆積し、落石に注意しながらかなり上まで登れ二岐川大滝を右手上から見下ろすことができます。
この高さから俯瞰すると直瀑の上にも落差5mほどの分岐瀑があるのがはっきり見ることができます。 -
☆二岐川大滝
直瀑を撮るいりは右手斜面から分岐瀑を入れて撮った方が断然フォトジェニックです。
ただ6日前の関東東北豪雨の影響で水量が多くスキルがないためボテッとした写真になってしましました。
写真的にはもう少し水量が少ない方がいいかも知れません。 -
☆二岐川大滝&ダイモンジソウ
滝周辺の崖では至る所でダイモンジソウ(大文字草/ユキノシタ科ダイモンジソウ属)が見頃を迎えていました。
例年より開花が早いような気がします。 -
☆二岐川大滝&シラネセンキュウ(白根川芎/セリ科シシウド属)
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☆二岐川大滝&ダイモンジソウ
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☆二岐川&ダイモンジソウ
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☆二岐川大滝&フタマタアザミ(二岐薊/キク科アザミ属)
二岐川の川沿いではこの地域の固有種フタマタアザミも見ごろでした。
フタマタアザミ(キク科アザミ属)は近年、福島県天栄村の二岐温泉で発見され
日本のアザミ研究の権威である、国立科学博物館の門田裕一先生によって新種と確認されたアザミです。
数年前その情報&写真を見たときは、えっ?あのアザミが新種だったの?って感じでそのアザミは以前、旧大信村(現白河市)の隈戸川上流で見たアザミに似ていたんです。
で、よく見かけた場所に確認に行ったらその特徴からほぼフタマタアザミだと思われましたが、ここはまさに二岐川。正真正銘のフタマタアザミです。 -
☆フタマタアザミ(二岐薊/キク科アザミ属)
フタマタアザミは一見、ナンブアザミにも似た印象ですが,草丈は1m〜1.5mほど、ナンブアザミよりひょろひょろとスリムで花茎はやや斜めに伸び二股や三股に分かれます。
蕾や花は小ぶりで細長く、総苞(ガクのような部分)が小さくあまり反り返らずネバネバするのが特徴なんだそうです。 -
☆羽鳥湖高原・アズマレイジンソウ(東伶人草/キンポウゲ科トリカブト属)
二岐川大滝からの帰り道、
羽鳥湖高原の森ではアズマレイジンソウ(東伶人草/キンポウゲ科トリカブト属)が見頃でした。
アズマレイジンソウはトリカブトの仲間で本州の中部以北に分布し、おもに山地の林内に自生します。
草丈は50〜80cm、花は2cmと他のトリカブトに比べると華奢で花色はややくすんだ藤色です。
関東以西に分布するレイジンソウとよく似ていて、頂がく片や花柄に生える毛が真っ直ぐか(レイジンソウ)、曲がっているか(アズマレイジンソウ)で区別するそうですが二つ並べて顕微鏡で見比べないと分かりません。
これらは分布域からするとおそらくアズマレイジンソウだと思われます(^^);。
伶人とは雅楽を奏する人。楽人(がくにん)のことで、
花がその伶人のかぶる帽子に似ているので付いた名です。
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☆羽鳥湖高原・サラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)
羽鳥湖高原の林縁ではサラシナショウマの群生が咲き始めました。
サラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)は全国の低山帯から亜高山帯の草原や林中に自生し、所によっては大群生を形成します。 -
☆羽鳥湖高原・サラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)&ミドリヒョウモン♂
ミドリヒョウモンもたくさん蜜を求めてやって来ていましたよ。
濃いオレンジ色が♂で、やや地味な色が♀です。 -
☆羽鳥湖高原・サラシナショウマ(晒菜升麻/ キンポウゲ科 サラシナショウマ属)
サラシナショウマは他のキンポウゲ科の花と同じようにハナビラはなく蕾の頃シベを包み込んでいたガクは開花後ほとんど落下し花のように見えるのは全てシベの集合体です。
名前の由来は春先に若葉を2日ほど小川の清流などで、よくさらしてアク抜きをしてから茹でて、おひたしなどの山菜料理にするところから「さらし菜」と名づけられたそうです。
升麻とはこの花又は近縁種の中国名で、
漢方では根茎を解熱、解毒、抗炎症薬として身熱、頭痛、咽喉痛、感冒、麻疹の治療などに利用するそうです。 -
☆玉川村 ツクバトリカブト(筑波鳥兜/キンポウゲ科トリカブト属)
山野草ついでのオマケですが・・・・
同じ隣り村でも天栄村は奥羽山系で玉川村は阿武隈山系です。
それほど遠く離れているわけではありませんが、植生分布も微妙に違います。
このツクバトリカブトもその一つで、阿武隈山系で見られますが、奥羽山系にはたぶん分布していないと思います。 -
☆玉川村 ツクバトリカブト(筑波鳥兜/キンポウゲ科トリカブト属)
ツクバトリカブトは主に福島県〜神奈川県の太平洋側に分布し山地の草原や林縁など半日陰に多く自生します。
茨城県の筑波山で確認されたのでツクバトリカブトと命名され分類上は、山鳥兜(ヤマトリカブト)の亜種だそうです。
草丈は60センチから120cmくらいで、草丈が高くなると他の植物にもたれ掛かるように倒れてきます。
写真背後の紅い粒々の植物はミズヒキ(水引/タデ科)の花です。
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☆玉川村 ツクバトリカブト(筑波鳥兜/キンポウゲ科トリカブト属)
ヤマトリカブトの葉が2/3くらいまで切れ込むのに対しツクバトリカブトの葉は全裂するのが大きな特徴です。
私が撮った写真の多くは切れ込んだ葉が重なっているので全裂しているように見えませんが、触って確認するとちゃんと全裂しています。
また、花の柄に曲がった毛が密生します(肉眼では無理かも)。 -
☆当町の釈迦堂川から眺めた『河内川森林軌道&馬尾の滝』方面の夕焼け。
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☆当町の釈迦堂川から眺めた『河内川森林軌道&馬尾の滝』方面の夕焼け。
“河内川森林軌道”&“馬尾の滝”や“二岐川大滝”はこの写真右手の
小白森山と二岐山の間くらいです。
私の旅行記は自然がメインなので『トロ道』は初めての登場です。
自然はもちろん素晴らしですが、地元の隠れた歴史を再発見する旅も中々いいものだと実感できました。
また機会があったら知られざる歴史を再発掘してみたいと思います。
いつも最後までご覧いただきありがとうございます。
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