2015/08/14 - 2015/08/19
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くろへいさん
“インド病”というのがある。
この病気に感染すると、ぼんやりとした得体の知れない塊のようなものが脳内に寄生する。
この塊がやっかいで、自分の意思とは関係無く時折インドへの底知れぬ郷愁や憧憬を夢想させる。
そして次第にマサラ臭が鼻腔の奥を微かに刺激するような、不確かで甘美な意識に苛まれる。
エレベーターの中で、腋臭の強い人と乗り合わせると、芳しい腋臭の香りにインドに居るような錯覚を覚え恍惚となってしまう。
交差点の真ん中でエンストし、後方から激しいクラクションが鳴るのを聞くと、チョンロギー通りかコンノートプレイスの渋滞に思いを馳せて、ついつい「チョロ!」と叫んでしまう。
こうなると、間違いなく”インド病”の再発だ。
困った事に、このインド病は突然やってくる。
原因は不明だが、何かの瞬間に突然スイッチが入り、眠っていたインドへの憧憬がムクムクと疼き出す。
気が付くと、ネットの検索履歴がインドに関するモノばかりだったりする。
僕の場合は概ね2-3年の周期で、この厄介なインド病が再発する傾向がある。
インド病を治すにはインドに行くしか無い訳で、マサラと腋臭と排気ガスに腐食された空気を吸いながら、喧騒の中に身を置き、狡っ辛いインド人を相手に理屈に理屈を重ね、僅かな小銭のやりとりを行いながらインドに居る至福を全身で感じる必要があるのだ。
何だか麻薬みたいなモンだが、この国に訪れた旅行者の多くがこのやっかいな”インド病”に罹ってしまい、熱病に摂りつかれたように再度インドを目指してしまう。
錦糸町のフィリピンパブに嵌ってしまった”ピンパブ病”のオッサンよりはマシかと思うが、腋臭の匂いにインドを重ねて萌えてしまう”インド病”も困ったモンだ。
腋臭を嗅ぐ為にインドへ行くのも変なモンだが、旅というのは5感で味わうものなので、臭覚も重要な要素といえるだろう。
という訳で、一昨年にコルカタで治癒した筈のインド病が2年ぶりに突如再発したお陰で、今回も急遽インドへの旅が決まってしまった。
8月の連休を利用した弾丸ツアーだが、インド病を治すのには数日あれば充分満足なのだ。
今回は、かねてから憧れだった”ラジャスタン州”「ジャイプール1都市滞在」で計画。
往復夜行便を利用した癒しの3泊5日インド弾丸旅行に行ってきました。
さあ13億の民よ、今こそ両腕を空にかざし、己の腋臭を心ゆくまで宇宙に解放つのだ。
★初日
バンコク-デリー移動
★2日目
デリージャイプール移動/チャンドバウリ訪問
☆3日目
市内観光
☆4日目
市内観光&Teej Festival
フライト往路
■TG331 バンコク-デリー 23:15 02:15+1
■9W7015 デリー-ジャイプール 05:15 06:05
フライト復路
■9W2720 ジャイプール-デリー 20:25 21:30
■TG316 デリー-バンコク 23:30 05:25+1
ホテル
■Fairmont Hotel Jaipur 3泊
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
深夜のバンコクスワンナプーム国際空港
タイ航空は、日本&韓国路線とその他でカウンターが異なります。
欧州を中心としたその他路線の混雑は凄まじくカオス状態。
最後尾から1時間以上かかってチェックインカウンターに着くも
「インドVISAを申請した電子媒体の証明」が無いとの理由で搭乗拒否。
今回は、今年から導入されたETA(e-Tourist visa)で申請し、クレカで料金を支払った後にメールでETAが送信されてきます。
大使館のHPでは、このETAをプリントアウトすると、到着時にVISAが発給されるというもの。
しかし、タイ国際航空では「メールで送信されたETA」を提示する事が搭乗の条件との事です。
たまたまスマホで取得した妻は、G-MAILに履歴が残っていたので搭乗を許可されたものの、おいらは職場のPCで取得した為に印刷された証明書しかありません。
タイ国際航空側の説明では
「ペパーベースでのETAではインドVISAの発給を保証をするものとはせず、電子媒体にてVISA番号が明記されたものを所持している事を条件とする」
とチケットの規約に記載しているとの事でした。(因みにプリントアウトされたETAには申請?は記載されてますが、VISAの?は表記されてません)
「プリントアウトしたETAを持参しろとインド政府が言っているのに、航空会社が拒否するのは違法だ。あなたにインド入国を拒否する権限は無い」
とタイ航空の旅客担当部長と1時間以上にもわたる交渉の末
「もし空港でインド入国を拒否された場合は、出発国であるタイまでの航空券を現地で購入し、全て自己責任に於いて帰国する事を約束する」
という条件に同意する事で搭乗券を貰う事ができました。
因みに、担当部長曰く
「インドがETA制度を導入してから、あなたみたいにペーパーベースで搭乗拒否される乗客があとを絶たないわ。インド路線は毎日こんな問題ばかりよ。あなたが日本人でタイの就労VISAが無ければ規則通りに搭乗拒否よ」
との事。そんなに問題ばかりなら、インドへの航空券を購入した時点で画面にキャプションでも表示しろよバカ!
と心の中で叫んで、せっかくのラウンジ券も使わずにひたすら走って搭乗ゲートへ。 -
バンコクの空港でタイ航空と熾烈なバトルにも関らず、デリー国際空港ではペーパーベースのETAで瞬時に照合し入国許可。
どうだザマー見ろ、タイ航空!
その後、国内線でJET-AIRWAYSに乗り継いで早朝のジャイプール空港に到着しました。ジャイプール国際空港 (JAI) 空港
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空港のタクシーカウンターで本日の車輌を確保
空港→チャンドバウリ階段井戸往復→アンベール城→Fairmont Hotelの順で1日チャーター。
料金は2,400Rps
まあ、距離と時間から言ってこんなモンでしょう。
という訳で、先ずは市内で朝食を -
熱々のファーストフードでお腹を満たします
久々のインドB級グルメに満足 -
お父さんと一緒にサモサを買いに来た女の子
-
おっさんも此処で一緒に朝食
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そして、インドの朝はこれが無いと始まりません
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1杯2.5Rpsのチャイを飲んで元気がでてきました。
素焼きのチャイ器は、飲んだあとは地面に叩きつけて再び土に戻します -
次に訪れたのが此処
「写真を撮ってくれ。俺の妹と娘達だ」
何と、空港でチャーターした運転手君の自宅。
インド人の超不思議な行動として、カメラを首からぶら下げていると、やたらと「俺を撮ってくれ」との要求。
でも撮影した写真を送れと言われる事は滅多に無く、シャッターを押した瞬間至福の表情で満足してしまいます。
今回も、わざわざ彼の家まで連れて行かれて「写真を撮ってくれ」
面倒なので、車に乗ったまま窓を開けて撮りましたが、安易な撮影に運転手君は少々不満な表情。 -
ジャイプール郊外
村にある水汲み場
各家々までには、水道が通って無いようです -
先ずは、アーバネリー村にあるチャンドバウリ「階段井戸」に到着
ジャイプールから105km
高速道路で約1時間30分程度
公共の交通機関の場合は、ジャイプールからシカンドラという村までバス。
シカンドラからは、オートリキシャをチャーターして約10km。
周囲には本当に何も無い村の中に、ポツンとあります。チャンド バーオリー 史跡・遺跡
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リンガに滴る水滴
少し意味深 -
野生のインコや孔雀が見れます。
「インドに帰って来た」と実感 -
孔雀さん
インドの国鳥 -
お目当ての階段井戸
これは凄い!
しかも、訪れる観光客は殆どいません。
此処は、ターセム・シン監督の『落下の王国』(原題: The Fall/2006年)でロケした場所です。
構想26年、13の世界遺産、24ヶ国以上でロケーション撮影され期間4年を費やして製作された名作ですが、その多くがラジャスタン州で撮影されてます。
旅好きなら必見の作品です。 -
このステップを登ると、井戸の全景が見れる絶景スポット
此処が鳩の餌やり場らしく、階段を上ろうとすると女の子が"ノー"と言います。
こっちは、せっかく此処まで来たのに鳩のせいで絶景が見れずに帰れるか!
当然鳩を蹴散らせて階段を上がります。
ヒンシュクを買ってしまいました。 -
井戸の周辺には、9世紀当時に創られた様々な彫像があります。
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これら9-10世紀にヒンズー教が栄え始めた頃に彫られた彫像が、ジャワ島を経由してインドシナに伝道したと言われてます。
アンコール遺跡のルーツですが、彫りの素晴しさはアンコール美術を圧倒しています。
デバター像の構成も、クメールよりも空間を生かした表現力になっています。 -
クメール美術の最高峰と呼ばれる、バンテアイスレイの国宝「東洋のモナリザ」というデバター像も、インドに来れば芸術的に遥かに優れた国宝級の彫像が、こんな田舎にゴロゴロしています。
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三つ目のガーネーシャ
この彫刻技術も凄すぎます。
細密度&彫刻の深さも、伝道先のクメール美術を凌駕
クメール美術のカービングよりも空間を意識した構成力に脱帽。
オリジナルの持つ圧倒的な迫力です。 -
先ほどから降り始めた雨は止む気配もありません
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雨宿りをする人達
天気が悪いとは言え、これだけ凄い観光地なのに訪れる人は僅か -
この階段井戸は、幾何学的な模様が素晴しく、朝の斜光で階段が立体的に浮かぶ光景を見たかったのですが、残念ながら大雨になりました。
然しながら、井戸に水が注がれる風景が見れて満足。 -
再びジャイプールに戻る途中で「聖者の行進」に遭遇
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どうやら、巡礼で訪れたバナラシのガンジス川の水を持ち帰る途中だとか
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踊りながらの行進
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婆ちゃん ノリノリ
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今回のお宿 Fairmont Hotel Jaipurに到着
宮殿を模した豪華な外観
門を通るのもチェックが厳重ですフェアマウント ジャイパー ホテル ホテル
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エントランスに着くと、すぐにスタッフが荷物を受け取ってくれます。
すると、上方からフラワーシャワーのお出迎え
更に弦楽器を持った従者が生演奏付きでエントランスから中庭を通りホテルのメインビルディング入口までご案内 -
こんな感じで、宿泊客の到着(お帰り)を待っています
インドらしい情景の写真になりました -
入口を通ってフロントに行く途中でも生演奏が
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ようやくロビーに
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ロビー
贅沢な雰囲気に圧倒されます -
フロントデスクのあるロビーは広めにスペースを確保し、アフタヌーンティーなどは此方の方になります
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此方は夜のカフェ
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リフト前の踊り場にも贅沢にもユリが飾られてます
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寝室です
調度品も素晴しく高級感満載
今まで宿泊した中でもTOP3に入ります。 -
昼食をとる時間が無かったので、午後4時頃でしたが早めの夕食にします
チキンとマトンカレーを頼みました。
同じノンベジですが、微妙にスパイスを調整しており、奥深い味になっています。 -
これは注文してませんが、滞在中にダイニングの担当をしてくれるウェイター君からサービス
「ご当地では有名なサラダです。良かったらお試し下さい」
大豆、コーン、グリーンピース、芋、ザクロ等を混ぜた独特なサラダでした。 -
ダイニングの様子
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テラス席にエテ公が!
貧乏人の我家よりも美味いモノを食っていそう -
ビュッフェコーナーも美味しそうでしたが、今回はアラカルトで
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レイアウトも綺麗
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デザートのチーズケーキ
インドらしく無い上品なお味
「プラハのカフェにて」というキャプションでも騙されそうにありません -
この日は独立記念日でドライデー禁酒です
仕方なくウェイター君にラッシーを注文
「酒が飲めないなら、せめてバングラッシーでも出してくれよ〜」
と言いたいところですが、サダルstの安食堂ではないので我慢しましょう -
ダイニングから望むInfinity fountain
ムガールの意匠が美しい -
夜のダイニング
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プールです。此処がインドとは思えません
この日の午後は何処にも行かずにホテルステイを楽しみました。
インドの安ホテルでのホテルステイといえば、ゴキブリやハエを叩いたり、チャラスやガンジャをまわすのがインドの安宿の正しい過し方ですが、さすが宮殿ホテルは違います。 -
ホテル全景
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コンシェルジュのヤミニさん
「ホテル内の撮影許可」をお願いしたところ、諸々特別に案内して頂きました。 -
此処は、メインダイニング
お客がいないので、殆どOPENしないそうです。 -
営業時間外ですが、中を見させて頂きました。
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中途半端な時間にご飯を食べたので、今日は早めに寝ます
明日はいよいよジャイプールの観光です
続きは以下をご覧下さい
インド ラジャスタン訪問記 2/3 【アンベール城とその周辺】
http://4travel.jp/travelogue/11051913
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この旅行で行ったホテル
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フェアマウント ジャイパー ホテル
3.31
この旅行で行ったスポット
旅の計画・記録
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