(10)1987年サハラ砂漠縦断　西アフリカと中央アフリカ横断の旅12か国64日間⑪アルジェリア（タマンラセット)

1987/02/05 - 1987/02/09

2月4日､ｲﾝｻﾗｰ(15:40)ｰﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ(16:45)飛行機にて到着します｡
ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄとは正にｻﾊﾗ砂漠のど真ん中にあるｵｱｼｽです｡他国からの出稼ぎの人が多く､至る所が工事中です｡(新住宅･道路の舗装など）開発途上というｲﾒｰｼﾞです｡映画館が1軒あり､｢ｼﾞｮｰｽﾞ1｣を見ます｡
空港の外に出るとﾀｸｼｰは有りません｡街まで8km｡仕方なく歩きます｡途中でﾋｯﾁをし街中へ行きます｡H Dassineに宿泊(1人40DA)します｡
ﾀﾏﾗﾝｾｯﾄにはﾋﾞｻﾞ取得のため､4日間滞在します｡

2月5日､ﾆｼﾞｪｰﾙ領事館に行き､ﾋﾞｻﾞ申請(写真3枚費用は日記に記入漏れです｡)7日に来いと(役人はどこでも横柄です｡)その後､街中をﾌﾞﾗﾌﾞﾗします｡
食事はｸｽｸｽ(15DA) ｼﾞｭｰｽ(2DA) ｽﾊﾟｯｹﾞﾃｨ+ｷﾁﾝ(30DA) ｻﾗﾀﾞ(10DA) ﾌﾟﾚ(ﾁｷﾝ)+ﾌﾗｲﾄﾞﾎﾟﾃﾄ(25DA) 揚げﾄﾞｰﾅﾂ(4DA)など食べます｡高いですが､砂漠の真ん中ということを考えると仕方ありません｡

2月6日､何もすることがなく､街をぶらついていると1人の黒人と話をします｡ﾏﾘより働きに来ているという。家に来ないかと言うので2人で遊びに行きます｡その日は､彼の家に泊まらせてもらいました｡その夜は､彼の仲間たちと映画｢ｼﾞｮｰｽﾞ1｣を見ました｡貴重な経験となりました。

2月7日､日本人のMさんは､ｲﾝｻﾗｰにﾊﾞｽで戻り､私はﾆｼﾞｪｰﾙ大使館でﾋﾞｻﾞを受取､ﾏﾘ大使館に行きﾋﾞｻﾞ申請をします｡(150DA明日朝受取との事｡親切でした｡)Hに戻ります｡

2月8日､10:30ﾏﾘ大使館に行き､ﾋﾞｻﾞを取り､ﾊﾟｽﾎﾟｰﾄを返却されます｡
今度は砂漠越えのﾄﾗｯｸ(ﾆｼﾞｪｰﾙに物資の輸送をします｡)を見つけ､交渉をします｡運が悪いと数日間待つ事もあり､夏場だと1週間以上ﾄﾗｯｸが見つからない事もあります｡税関やｶﾞｿﾘﾝｽﾀﾝﾄﾞがﾄﾗｯｸを見つけやすいそうです｡様子を見るため､10:50税関に行くと､大きなﾄﾗｯｸがあり､もうすぐ出発するとの事でした｡運転手と話をして､ﾆｼﾞｪｰﾙのｱﾙﾘｯﾄまでで200FFr約5600円(現金で食事付)でOK｡急なため､水は何とか調達しましたが､ｽﾅｯｸ類は買えませんでした｡11:30慌ただしく､ﾀﾏﾗﾝｾｯﾄを出発します｡(塩の輸送のためのﾍﾞﾝﾂの超大型ﾄﾗｯｸで､その荷台に16人が乗ります｡私以外は現地の人であり､大人･子供･女性もいます。)

2月9日､一晩中､走り続けたﾄﾗｯｸは10:58国境の町ｲﾝｹﾞｻﾞﾑに到着します｡
税関の検査はすぐ10分で終了｡(旅行者の車は30-40分で税関･出国が終わり､走り出して行きます｡)ﾄﾗｯｸは物資輸送のため､時間が係るのだと思います｡砂漠の上で寝て待っています｡待つ事には大分慣れてきました｡13:15係員がﾊﾟｽﾎﾟｰﾄを集めに来､14:10ﾊﾟｽﾎﾟｰﾄ返却されます｡出国ｽﾀﾝﾌﾟがあることを確認します｡次に､ﾎﾟﾘｽのﾁｪｯｸがあります｡時間がかかりますが､15:22出発します｡15:35頃､1.5m程の白い国境標識を超え､ﾆｼﾞｪｰﾙに入ります｡

{旅程｝
①1/20(火)成田15:55発PK761-ﾏﾆﾗｰﾊﾞﾝｺｯｸｰｶﾗﾁ乗換PK707ｰｱﾃﾈｰﾛｰﾏ13:35
②1/21(水) -ﾛｰﾏ13:35着 (泊)ﾛｰﾏ
③1/22(木) ﾛｰﾏ ﾊﾞﾁｶﾝ市国観光 ﾛｰﾏｰﾁｭﾆｽ(17:20-18:35)AZ864 (泊)ﾁｭﾆｽ
④1/23(金) ｱﾙｼﾞｪﾘｱ 英国大使館 ﾁｭﾆｽ市内観光 (泊)ﾁｭﾆｽ
⑤1/24(土) ﾁｭﾆｽ6:00発ｰ9:00着ﾏｸﾀｰﾙ観光11:50発ｰﾁｭﾆｽ15:00着 (泊)ﾁｭﾆｽ
⑥1/25(日) ﾁｭﾆｽ8:00発ｰ11:25着ﾄﾞｩｯｶﾞ観光12:10発ｰﾁｭﾆｽ15:40着(泊)ﾁｭﾆｽ
⑦1/26(月) ｶﾙﾀｺﾞ遺跡 ｼﾃﾞｨ･ﾌﾞ･ｻｲﾄﾞ観光(泊)ﾁｭﾆｽ
⑧1/27(火) ﾁｭﾆｽ市内観光 (泊)ﾁｭﾆｽ
⑨1/28(水) ﾁｭﾆｽ9:03発ｰｶｲﾛｱﾝ11:07着 ｶｲﾛｱﾝ観光(泊)ｶｲﾛｱﾝ
⑩1/29(木) ｶｲﾛｱﾝ7:25ｰｶﾞﾌｻ12:05-ﾄｽﾞｰﾙ散策17:00-ﾈﾌﾀ17:45(泊)ﾈﾌﾀ
⑪1/30(金)ﾈﾌﾀ8:00ｰﾁｭﾆｼﾞｱ出国ｱﾙｼﾞｪﾘｱ入国-12:24ｴﾙﾜｰﾄﾞ23:00発(泊)夜行ﾊﾞｽ
⑫1/31(土) -ｶﾞﾙﾀﾞｲｱ4:16着 (泊)ｶﾞﾙﾀﾞｲｱ
⑬2/1(日) ｶﾞﾙﾀﾞｲｱ ﾍﾞﾆ･ｲｽｹﾞﾝ散策 (泊)ｶﾞﾙﾀﾞｲｱ
⑭2/2(月) ｶﾞﾙﾀﾞｲｱ18:07ｰｲﾝｻﾗｰ4:20 (泊)夜行ﾊﾞｽ
⑮2/3(火) ｲﾝｻﾗｰ市内散策 (泊)ｲﾝｻﾗｰ(BTで野宿)
⑯2/4(水) ｲﾝｻﾗｰ15:40ｰﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ16:45(ｱﾙｼﾞｪﾘｱ航空958)(泊)ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ
★⑰2/5(木) ﾆｼﾞｪｰﾙ大使館 ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ散策 (泊)ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ
★⑱2/6(金) ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ散策 (泊)ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ(ﾌﾞﾌﾞｶの家)
★⑲2/7(土) ﾆｼﾞｪｰﾙ ﾏﾘ大使館 (泊)ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ
★⑳2/8(日) ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ11:30発ｰ大型ﾄﾗｯｸｰ (泊)ﾄﾗｯｸの荷台
★(21)2/9(月)ｰｲﾝｶﾞｻﾑ9:25-(ｱﾙｼﾞｪﾘｱ出国ﾆｼﾞｪｰﾙ入国)ｰ(泊)ｻﾊﾗ砂漠の砂の上
(22)2/10(火)-ｱﾙﾘｯﾄ12:10着ﾄﾗｯｸ乗換12:40発ｰｱｶﾞﾃﾞｽ17:14着(泊)ｱｶﾞﾃﾞｽ
(23)2/11(水)ｱｶﾞﾃﾞｽ散策 ｱｶﾞﾃﾞｽ(ﾋｯﾁ)ｰTahoua(泊)TahouaのH
(24)2/12(木)Taoua10:15-ﾆｱﾒ21:30着 (泊)ﾆｱﾒ
(25)2/13(金)ﾆｱﾒ散策(仏領事館 ｾﾈｶﾞﾙ大使館) (泊)ﾆｱﾒ
(26)2/14(土)安息日 (泊)ﾆｱﾒのｷｬﾝﾌﾟ場
(27)2/15(日)安息日(1日中ﾋﾞｰﾙ) (泊)ﾆｱﾒのｷｬﾝﾌﾟ場
(28)2/16(月)ﾆｱﾒ16:00発ｰFoetchang22:00着(泊)国境手前で野宿
(29)2/17(火)8:00発ｰ(ﾆｼﾞｪｰﾙ出国ﾌﾞﾙｷﾅﾌｧｿ入国)-ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ着13:30(泊)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ
(30)2/18(水)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ市内散策 (泊)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ
(31)2/19(木)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ市内散策 (泊)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ
(32)2/20(金)ﾜｶﾞﾄﾞｩｸﾞ7:20発ｰ電車ｰﾎﾞﾎﾞ･ﾃﾞｭﾗｯｿ14:15着(泊)ﾎﾞﾎﾞ･ﾃﾞｭﾗｯｿ
(33)2/21(土)ﾎﾞﾎﾞ･ﾃﾞｭﾗｯｿ10:45発-(ﾌﾞﾙｷﾅﾌｧｿ出国 ﾏﾘ入国)-車ｶﾞｽ欠(泊)野宿
(34)2/22(日) ﾊﾞﾏｺ着8:50 (泊)ﾊﾞﾏｺ
(35)2/23(月)ﾊﾞﾏｺ市内散策 (泊)ﾊﾞﾏｺ
(36)2/24(火)ﾊﾞﾏｺ市内散策 (泊)ﾊﾞﾏｺ
(37)2/25(水)ﾊﾞﾏｺ発11:00-(電車)ｰ (泊)夜行列車
(38)2/26(木)真夜中(ﾏﾘ出国 ｾﾈｶﾞﾙ入国)-ﾀﾞｶｰﾙ手前事故21:00(泊)ﾀﾞｶｰﾙ
(39)2/27(金)ﾀﾞｶｰﾙ市内散策 (泊)ﾀﾞｶｰﾙ
(40)2/28(土)ﾀﾞｶｰﾙ8:00発ｰ飛行機RK300ｰｱﾋﾞｼﾞｬﾝ16:30着 (泊)ｱﾋﾞｼﾞｬﾝ
(41)3/1(日)ｱﾋﾞｼﾞｬﾝ市内散策 (泊)ｱﾋﾞｼﾞｬﾝ
(42)3/2(月)ｱﾋﾞｼﾞｬﾝ9:30発ｰ飛行機UY705ｰﾗｺﾞｽ11:40着(泊)ﾗｺﾞｽ
(43)3/3(火)ﾗｺﾞｽ見学ﾗｺﾞｽ20:30発ｰ飛行機UY703-ﾄﾞｩｱﾗ21:30着(泊)ﾄﾞｩｱﾗ
(44)3/4(水)ﾄﾞｩｱﾗ市内散策 ﾄﾞｩｱﾗ13:30発ｰ電車ｰﾔｳﾝﾃﾞ20:18着(泊)ﾔｳﾝﾃﾞ
(45)3/5(木)ﾔｳﾝﾃﾞ市内散策 (泊)ﾔｳﾝﾃﾞ
(46)3/6(金)ﾔｳﾝﾃﾞ14:00発ｰ電車ｰBelabo22:00着(泊)Belabo
(47)3/7(土)Belabo7:40発ｰﾊﾞｽｰGarouaBoulai20:10着(泊)同左H
(48)3/8(日)ｰ(ｶﾒﾙｰﾝ出国 中央ｱﾌﾘｶ共和国入国)-Bour15:55着(泊)同左
(49)3/9(土)Bouar6:48発ｰﾊﾞｽｰﾊﾞﾝｷﾞ14:20着 (泊)ﾊﾞﾝｷﾞ
(50)3/10(日)ﾊﾞﾝｷﾞ市内散策 (泊)ﾊﾞﾝｷﾞ
(51)3/11(月)ﾊﾞﾝｷﾞ市内散策 (泊)ﾊﾞﾝｷﾞ
(52)3/12(火)ﾊﾞﾝｷﾞ18:25発ｰ飛行機UY701-ﾄﾞｩｱﾗ20:25着(泊)ﾄﾞｩｱﾗ
(53)3/13(水)ﾄﾞｩｱﾗ23:30発ｰ飛行機ET950-ｱｼﾞｽｱﾍﾞﾊﾞ着9:50(泊)飛行機
(54)3/14(木)ｰｱｼﾞｽｱﾍﾞﾊﾞ着9:50 ｱｼﾞｽｱﾍﾞﾊﾞ市内散策(泊)ｱｼﾞｽｱﾍﾞﾊﾞ
(55)3/15(金)ｱｼﾞｽｱﾍﾞﾊﾞ12:00発ｰ飛行機ET971-ﾅｲﾛﾋﾞ14:25着(泊)ﾅｲﾛﾋﾞ(ﾘﾊﾞｰﾊｳｽ)
(56)3/16(土)ﾅｲﾛﾋﾞ沈没 (泊)ﾅｲﾛﾋﾞ(ﾘﾊﾞｰ･ﾊｳｽ)
(57)3/17(日)ﾅｲﾛﾋﾞ沈没 ﾅｲﾛﾋﾞ19:15発ｰ列車ｰﾓﾝﾊﾞｻ10:23 (泊)夜行列車
(58)3/18(月)ﾓﾝﾊﾞｻ市内散策 (泊)ﾓﾝﾊﾞｻ
(59)3/19(火)ﾓﾝﾊﾞｻ市内散策 (泊)ﾓﾝﾊﾞｻ
(60)3/20(水) ﾓﾝﾊﾞｻ10:00発ｰﾊﾞｽｰﾅｲﾛﾋﾞ17:00着(泊)ﾅｲﾛﾋﾞ(ﾘﾊﾞｰ･ﾊｳｽ)
(61)3/21(木)ﾅｲﾛﾋﾞ沈没 (泊)ﾅｲﾛﾋﾞ(ﾘﾊﾞｰ･ﾊｳｽ)
(62)3/22(金) ﾅｲﾛﾋﾞ16:00発PK744ｰｶﾗﾁ2:30着 (泊)空港
(63)3/23(土) ｶﾗﾁ市内散策 ｶﾗﾁ18:00発ｰ成田11:50着(泊)飛行機
(64)3/24(日) -成田11:50着
(諸経費 ﾋﾞｻﾞ関係)概算
①金
ﾄﾞﾙ TC(1ﾄﾞﾙ=152.35円)3250ﾄﾞﾙ(100ﾄﾞﾙ17枚 50ﾄﾞﾙ15枚 20ﾄﾞﾙ40枚)
ﾄﾞﾙ cash(1ﾄﾞﾙ=154.35円)700ﾄﾞﾙ 手数料4951円 計608133円
FFr TC(1FFr=25.31円)11500FFr(1000FFr10枚 500FFr3枚)
FFr cash(1FFR=28.31円)3500FFr 手数料2910円 計393060円
持参したお金の残額は計算していません｡
②航空券関係 成田ｰﾛｰﾏ(ﾊﾟｷｽﾀﾝ航空)片道130000円
ｹﾆｱのﾋﾞｻﾞ代 5000円
ﾃﾚｯｸｽ代2000円×4回(帰国のﾅｲﾛﾋﾞｰ成田のPKの予約)払いは現地 計143000円
③保険(AIU) 27490円
④予防接種･薬 ｺﾚﾗ2500円 黄熱病2100円 ﾏﾗﾘｱの薬2160円
⑤｢ｱﾌﾘｶ｣ﾛﾝﾘｰ･ﾌﾟﾗﾈｯﾄ社 ﾐｼｭﾗﾝ地図No153 地球の歩き方 英語辞書計10620円
⑥寝袋 ｽｲｽｱｰﾐｰﾅｲﾌ ﾌｨﾙﾑ36枚×24本 ﾋﾞｻﾞ取得などの写真代 計 約37200円
⑦成田空港税2000円 成田の免税のｵｰﾙﾄﾞ･ﾊﾟｰ2400円
⑧ﾋﾞｻﾞ関係
ﾁｭﾆｼﾞｱ(空港) ｱﾙｼﾞｪﾘｱ(ﾁｭﾆｽ取得19.5TD約3510円)
ﾅｲｼﾞｪﾘｱ(ﾁｭﾆｽ取得39TD約7,020円
ﾆｼﾞｪｰﾙ(ﾀﾏﾗﾝｾｯﾄ取得) ﾏﾘ(ﾀﾏﾝﾗｾｯﾄ取得150DA約4590円)
ｾﾈｶﾞﾙ(ﾊﾞﾏｺ取得12600CFA約3528円)
ﾌﾞﾙｷﾅﾌｧｿ(ﾊﾞﾏｺ仏領事館取得3000CFA約840円)
ｺｰﾄ･ｼﾞﾎﾞｱｰﾙ(ﾊﾞﾏｺ仏領事館取得3000CFA約840円)
ｶﾒﾙｰﾝ(空港取得無料 出国の航空券所持のため)
中央ｱﾌﾘｶ共和国(ﾔｳﾝﾃﾞ取得5000CFA約1400円)
ｴﾁｵﾋﾟｱ(空港ﾄﾗﾝｼﾞｪｯﾄﾋﾞｻﾞ取得5Bir約360円
ｹﾆｱ(東京取得5000円緊急事態の時すぐﾅｲﾛﾋﾞに行けるため)
ｲﾀﾘｱ ﾊﾟｷｽﾀﾝ(ﾋﾞｻﾞなしOK)
⑨当時の各国の通貨比較(概算)
1USﾄﾞﾙ=154円 1FFr(ﾌﾗﾝｽ)=100CFA(西中央ｱﾌﾘｶ諸国)=28円 1円=0.11ﾘﾗ(ｲﾀﾘｱ) 1TD(ﾁｭﾆｼﾞｱ)=180円 1DA(ｱﾙｼﾞｪﾘｱ)=30.6円 1N(ﾅｲｼﾞｪﾘｱ)=205円
1Birr(ｴﾁｵﾋﾟｱ)=72円 1Kｼﾘﾝｸﾞ(ｹﾆｱ)=0.106円

エリア その他の都市(アルジェリア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: ヒッチハイク 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

1987年(昭和62年)33歳の時､仕事を転職する間､長年の夢であるｻﾊﾗ砂漠の縦断をしました｡訪問した国はﾁｭﾆｼﾞｱ ｱﾙｼﾞｪﾘｱ ﾆｼﾞｪｰﾙ ﾏﾘ ﾌﾞﾙｷﾅﾌｧｿ ｾﾈｶﾞﾙ ｺｰﾄｼﾞﾎﾞﾜｰﾙ ﾅｲｼﾞｪﾘｱ ｶﾒﾙｰﾝ 中央ｱﾌﾘｶ共和国 ｴﾁｵﾋﾟｱ ｹﾆｱです｡旧ｻﾞｲｰﾙの横断は時間切れで駄目でしたが,ﾊｰﾄﾞな旅として青春時代の貴重な想い出です｡

宿泊したＨ Dassineのキャンプ場（40ＤＡ）
（ナツメヤシの葉で作った小屋で、１つの小屋に部屋が２つ、ベッドが2つずつあります。サハラを車で渡っているヨーロッパの人々が多いです。何日か振りにシャワーを浴びます。夜、周囲で野犬の鳴く声がします。怖いくらいです。）

街中にいた１つこぶのラクダ

青空市で日用品を売っています。

青空市全景

涸れ川で行われている羊の市

やはり、涸れ川のラクダ市
（左の青い服の人はトゥァレグ族　遊牧民です。）

バスターミナルより見たタマンラセットの町並

サッカーをする子供達（砂漠の中に沢山の丘があります。）

街で知り合ったマリ人のブブカの家に泊まります。
ブブカの家で左ブブカ　右は友人とその子供です。

ブブカの家の周囲の家々
（日干し煉瓦で天井のない家もあり、真ん中の広場が数軒の家族の共同になっています。

泊まらせてもらった部屋の中で記念撮影
（この部屋の中で６−７人雑魚寝をしました。食事も食べさせてもらいました。）
左がブブカ　中央私 右は友人

一緒に泊まった人々

お世話になった皆さんと分かれます。（本当に良い人達です。）
（左がブブカ　右が私です。）

11:30慌ただしく､タマンラセットを出発します｡
荒涼とした山々が続きます｡間もなく､舗装道路は途切れ､砂の上をｶﾞﾀｶﾞﾀと進みます。

中央は２輪車でサハラ砂漠を超える人です。（抜かされて行きます。）
トラックの荷台より見る砂漠は遠くが見渡せ、素晴らしいですが、速度が遅いのが・・・・。

トラックの進行方向は車の轍の跡が沢山あり、トラックは深みに入らないように注意深く、ルートをとります。

軽トラックに追い越されてしまいます。（何台も越されます。）
又、３時間走ってはタイヤの交換のために１時間止まることもあります。
又、砂に、はまってしまいタイヤの下に金属板を入れ脱出することもあります。

ベンツのトラックとサハラ砂漠と記念撮影
（因みに、トイレは勿論、大自然の中でしますが、紙はサハラには似合わないと感じました。）

トラックの荷台の上（ここに１６人寝ます。沢山の毛布は布団替わりです。）
下は塩でごつごつ、上は他の人の手足があり、トラックは揺れるし、ひどい目にあいました。
（後になると良い想い出となります。）

砂漠の中に現れた高い山々。（ちょっと登りたい気分です。）

夕食作りが始まります。（ショルベ（スープ）とパンです。）
助手の人が砂に上に、火をおこし大きな鍋にお湯を沸かします。
そこに、少しの肉とジャガイモを入れ、味付けをします。
次に、小麦粉と水を練って、４０ｃｍ位の円盤状にします。鍋をとり、焚火の残り火の砂の中にそれを入れ、両面３回焼きます。スープを３つの洗面器に分け、焼き上がったパンを取り出し、砕いてスープにつけて食べます。車のスタッフもいれ、２０人で食べます。勿論、手づかみであり、食後はサハラの砂で手を洗います。
この豪快な食事は忘れられない味となりました。(こういう食べ方はタギッラといいアラブの遊牧民の料理法らしいです。）

真ん中には放置された車です。（以後、沢山の車をありました。）

サハラ砂漠に沈む夕日
（景色は何時間経っても変わりません。飽きてきます。）
この日は一晩中、走っています。

翌日、サハラ砂漠の日の出。
今日はいよいよ砂漠の国境越えです。（アルジェリア〜ニジェール）無事に通過できるか、不安があります。