旧満州を訪ねて　　４　長春

2015/08/02 - 2015/08/09

　旧満州も３都市目に入りました。
長春は吉林省の省都で人口は約８百萬、中国自動車産業のメッカです。
満州時代は新京と呼ばれ、首都として計画的に作られました。
従い見るべきものは、満州時代のものだけです。
　街中至る所にその時代の建物が目に付きます。しかも現在も官庁や大学として活動中です。
元関東軍司令部はお城に似た建物ですが、現在は中国共産党吉林省委員会となり、外部写真の撮影も禁止されています。ガイドがうるさかったこと。
　満州時代の面影を一番残す街でした。

　　　表紙の写真は、満州時代理想的な都市計画として造られた南湖公園。

エリア 長春(中国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 鉄道 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

８月５日朝、長春に移動すべく瀋陽駅に到着しました。

８時２６分発に乗車します。

　ホームに同型の新幹線が止まっていました。
長春まで１時間半です。

　長春で最初に訪れたのは、旧関東軍司令官官舎です。
現在は結婚式場になっています。

入り口だけ写します。

　庭から見た旧関東軍司令部、正面からの撮影が禁止されているので仕方ありません。
大阪城に似せて造りました。

次は旧国務院を訪ねます。

　旧満州国国務院、議事堂にそっくりですね。
現在は吉林大学医学部となっており、部外者立ち入り禁止。

正面に建つ像は、白求恩博士（戦前の病理学者）

向こうに見えるのは、旧満州国軍事部。

　南湖公園。
日本時代に計画的都市造りの一環として造られました、広さは２２２ヘクタール。

湖水の面積は９３ヘクタール、なかなか優雅な公園です。

中国式太鼓橋もあります、蓮の花は見頃を過ぎていました。

川も流れています。

公園内の広場には、長春解放記念碑があります。

　午後は満州国皇帝溥儀の皇廷を見学します。
溥儀は１９３２年から４５年までの１３年間をここで過ごしました。

皇居への最初の門、かっては護衛兵が守っていたのでしょう。

門扉を飾る満州国紋章。

鉄扉を通り抜けると、こちらが正門。

門の飾り

見学者用の入口、興運門。

興運門の内側に付いている時計、溥儀が退位した時間で止まっています。

皇廷の中に入ります。

　ショウキ楼、溥儀の私的生活空間。
目の前に江沢民の書。

私的書斎兼応接室、人形が設置されています。

部屋の隅には祭壇があります。

１階皇妃譚玉齢の寝室。

２階皇后媛容の居間、アヘン中毒でした。

溥儀の居間

溥儀の寝室

勤民楼、公式行事用の建物。

　日満議定書が結ばれた部屋。
机椅子も当時の物。　机の上には日満議定書。

日満議定書。

玉座のある公式謁見場。

宴会場

宴会場の使用記録

　勤民殿の裏には四合院造りの建物があり、非公式の会見等に使われました。

勤民楼の奥にある懐遠楼、２階には祖先を祀る捧先殿があります。

溥儀の御料車。

同徳殿
　１９３８年完成の一番新しい宮殿で冷房も完備され、表と奥に分かれています。
しかし溥儀は盗聴器を恐れて私的には使用しなかったそうです、代わりに皇妃李玉琴が住みました。

１階ロビー。

ロビーの天井

２階より見たロビーの天井部分

ロビーの欄間。

公式会見室

応接室

私的応接室

書斎にある溥儀の机

同徳殿で行われた５番目の妃李玉琴の妃任命式の模様。

李玉琴の居間

家族用食堂

祖先を祀る部屋。

プレイルーム

　東御苑に出て来ました。　皇居の中で一番広い庭で１万平方米あります。
中国と日本の庭園を折衷した名園と言われます。

庭の一角にはプールがあります。

皇居と同じ敷地内にこんな建物もあります。

　入口を入った処に立つレリーフ。
日満議定書の前に座る溥儀、その前に民衆を追い立てる日本兵。

　清朝最後の皇帝に即位した時の宣統帝溥儀。
後ろの朝威を示す衝立が割れてますね。

撫順の監獄に入っている溥儀。

　展示の内容は瀋陽の九・一八記念館とほぼ一緒です。
同じ写真も展示されています、日本では義和団の乱、国共内戦時の共産匪賊の写真として公表された写真も、日本兵の仕業として展示されていました。
開拓団の表札もあります。
　この開拓団員の内、はたして何人が日本に帰れたのでしょう。
戦争は全ての人を不幸にします、２度としたくありません。
　長春での見学は、ここが最後でした、ではこれにて長春編を終ります。