2015/05/31 - 2015/05/31
45位(同エリア215件中)
naoさん
兵庫県三木市は、大工道具などの金物類の製造、販売を生業とする事業者が数多く存在することから、金物の町として全国にその名が知れ渡っています。
天正8年(1580年)、羽柴秀吉との戦に敗れた三木の町は見る影もないまでに破壊されてしまいますが、町の復興に努める秀吉は、諸役や税の免除の特権を与えて、四散した町民を呼び戻します。
これにより、三木の町には大勢の人々が各地から集まりますが、中でも、町の復興に向け寺院や町家の再建などに携わる大工が相当数集って来ます。
このよう、復興に向けて動き出した三木の町では、必然的に大量の大工道具や金物類が必要となったことから、自ずと鍛冶業が発生するところとなり、現在の金物の町の礎が築かれます。
延享元年(1744年)の記録によれば、三木の総戸数791軒の内、職人は295軒を数えますが、その職人の70%以上は道具や金物類を必要とする大工140軒、木挽26軒、樽屋48軒が占めており、これらが三木の鍛冶業の発展を促したことは想像に難くありません。
三木金物が最盛期を迎えた寛政年間(1789〜1801年)には、5軒の金物問屋が興り、鋸、鉋などの大工道具を中心に、庖丁、剃刀、鋏などを商っていました。
当時の金物問屋の1軒の黒田家は、今も大きなノコギリの看板を屋根の上に掲げ、200年以上に亘って商いを営まれています。
羽柴秀吉による三木の町の復興に呼応して発生した鍛冶業は、時の流れとともに発展を遂げますが、今も、東条道、あかし道、ひめぢ道には、金物の町として栄えた往時の面影を留める町並みを散見することができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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では、金物の町として栄えた頃の名残を求めて町歩きを始めます。
この辺りは、湯の山街道から分かれて北へ延びる、東条道沿いにある町並みです。
ちなみに、東条道は、吉川を抜けて加東郡東条町へ通じています。 -
何とも良い感じの町家があります。
この町家を一目見た途端に、心を動かされました。 -
黒漆喰塗り籠めの町家です。
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この辺りは府内町の町並みになります。
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東条道はこの先で湯の山街道と接続しています。
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県道20号線沿いの、本町一丁目にある町家です。
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三木市の汚水枡の蓋です。
いろんな大工道具がモチーフになっています。 -
ナメラ商店街の外れにある、日用雑貨のお店です。
外壁が焼杉板貼りなので、見事に真黒です。 -
こちらは、家庭用からプロ用までの、多様な包丁を製造している刃物屋さんです。
観光情報スポットも併設しておられます。 -
ちなみに、この辺りは本町二丁目になります。
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こちらは、文政9年(1826年)、現在の銀行にあたる切手会所として建てられた旧玉置家住宅です。
現在は、まちの情報発信拠点としての役割を担っています。
では、ここからあかし道の方へ向かいます。 -
あかし道をそれた交わし道には、明治から大正にかけて郡会議員や三木町長などを歴任し、政治家及び実業家として活躍した小河秀太郎氏の別邸があります。
ちなみに、交わし道とは、参勤交代時などの本街道の混雑を避けるために設けられた、今でいうバイパスのことです。 -
北側の道路に面する表門を入ると、庭園に沿って、敷地南側に建つ主屋へと客を導く通路が延びています。
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通路と庭園をつなぐ数寄屋門。
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庭園に面する主屋。
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2200?を超える広大な敷地には・・・
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主屋と調和する、高い造形力と技術に支えられた池泉回遊式庭園がしつらえられています。
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交わし道沿いには、金物問屋はもとより・・・
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大勢の鍛冶職人の住まいが軒を連ね・・・
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大量の大工道具などが生産されていたそうです。
では、次にひめぢ道へ向かいます。 -
ひめぢ道への岐路に立つ、立石の道標です。
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道標に従ってひめぢ道を進むと・・・
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もちろん風情ある町並みが続いています。
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荒壁のままの町家です。
この荒々しさが、漆喰塗にはない魅力の一つです。 -
この町家は、2階の大きな窓がとても特徴的です。
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こちらの町家は、重厚な本瓦葺です。
大屋根には、煙出しの越屋根が付いています。 -
こちらは、寛政年間に興った5軒の金物問屋の内の1軒、黒田家です。
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鋸、鉋などの大工道具を中心に商いをしていた黒田家は・・・
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今も、大きなノコギリの看板を屋根の上に掲げて商いを続けておられます。
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200年以上に亘って金物問屋を営んできた黒田家には、三木の金物作りに関する貴重な資料が残されているそうです。
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先ほどの、煙出しの越屋根のある町家です。
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2階は使っておられないのか、窓がふさがれています。
1階は店舗になっているようなのに・・・。 -
瓜形の虫籠窓のある町家。
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格子に黒漆喰塗り籠めの虫籠窓の町家は、まさに正統派ですね。
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あちこち手を入れておられますが、伝統的な香りは残っています。
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こちらは、外壁に銅板を張っておられます。
緑青が良い色に発色しています。 -
さらし葺きの銅板屋根に緑青が見えるこの町家は、道路側に庭をしつらえておられます。
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1階に出窓を設けた町家。
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こちらの町家は、千本格子と太い格子を使い分けておられます。
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ひめぢ道の町並みです。
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立派な板塀を巡らせる町家です。
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こちらの町家は、石州瓦の様な赤い瓦を葺いています。
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2階袖壁の鏝絵が自慢げです。
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こちらの町家は2戸一のようです。
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この町並みには珍しく、1階に格子が入っていません。
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下津の道標です。
右は加西の法華山を、左は姫路を示しているようです。
三木のひめぢ道はこの辺りが西端なので、ここで引き返します。 -
ひめぢ道の東側を見た町並みです。
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この町家はほぼ建築当時の姿を留めています。
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先ほどの2戸一の町家です。
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立派な板塀を巡らせた町家の辺りまで戻って来ました。
こうして見ると、本当に立派な板塀です。 -
こちらの町家もほぼ建築当時の姿のままで、玄関建具以外ほとんど手が入っていません。
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屋根の上の大きなノコギリの看板が見えてきました。
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黒田家ですね。
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こちらは旧玉置家住宅です。
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旧玉置家住宅の建物は、江戸時代に建てられたものと、明治以降に増築されたものの、大きく二つに分類されるそうです。
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こうしてひと通り見て廻った三木の町は、江戸時代の面影が強く残る良い町でした。
では、この辺りで家路につきます。
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